荒神〜ARAJIN


日時 2005年3月19日18:00〜
場所 青山劇場T列


いつの時代でもないとき、そしてどこでもない場所、
そんな世界の倭の国の蓬莱国では更紗姫を笑わせたものに金5枚という
御触れが出ていた。
それを見た新九郎とその妹のつなでは蓬莱の国へやってくる。
その海岸で彼らはつぼを見つける。
ところがそのつぼからは魔物のジンが登場したのだ!
そして新九郎とつなでは実は以前のこの国の領主の子供だったのだ。
ジンの力をかりてこの国を取り戻そうとするのだが・・・・・


森田剛、初の舞台主演作。

派手な殺陣を交え、まるでディズニーランドのアトラクションのような夢のある
お話。
暴れん坊の魔物というキャラクターが森田剛にはぴったりで、とがった耳をつけ
剣を片手に暴れまわる姿は実にさまになっている。

悪の魔物たちとの戦いも多く、一人で何人とも戦うその姿は、実に優雅で
踊りを見ているかのようだ。
剛本人は「歌のダンスのときとは使う筋肉が違う」と言っているようだが、ダンスで
鍛えたリズム感が役立っているに違いない。

また森田がコート状の上着を着ているのだが、上半身の部分は燕尾服風に体にぴったりと
しているのだが、下半身の部分はフレアも入って広がっている。
これを着て殺陣を行うと下半身の部分のすそが華麗に広がって、これが実にかっこよい。
途中から私はこの剛の上着のひらりひらりを見ていたくらいだ。

またサブキャラクターとしては、ジンの入っていたつぼが擬人化して魔物界の法を説いたり
するのだが、笑いを取ったり、ジンたちが窮地に陥った時に捨て身になって助けてくれたりと
なかなかの活躍ぶりが印象に残る。

カーテンコール、森田は何度も登場し、やがて場内はスタンディングオベーションに。
「本日の公演はすべて終了しました」といういつもの非情なアナウンスが流れても
まだ拍手はとまらない。
再度、森田登場。
私は一階後方の席で見たのだが、彼の笑顔はここからでも見て取れる。
ガッツポーズをして観客の声援にこたえるその笑顔は幸せそう。
充実感と満足感があふれた笑顔だった。
しかしそれは観客も同じだったに違いない。