劇団演技者。「ビューティフル・サンデイ」

日時 2005年1月11日〜2月8日
フジテレビ

(公式HPへ)

ある冬の日曜日。
ゲイの浩樹(三宅健)と秋彦(鶴見辰吾)は二人で同棲生活3周年パーティを開く予定だった。
ところが秋彦が朝起きてみるとベッドには浩樹はいなくて、見知らぬ女ちひろ(西田尚美)
がいた!
彼女は浩樹と秋彦が住んでいるの部屋の以前の住人で、夕べ酔っ払って昔の鍵で
この部屋に入ったそうだ。
ちひろを追い返そうとする秋彦。でも浩樹とちひろは意気投合してしまった。
仕方なく3人でパーティを開くことになるのだが・・・・・。

三宅健主演の「劇団演技者。」

正直言って今まで「演技者。」を見て面白いと思ったことはなかったと言ってもいいのだが、
この「ビューティフル・サンデイ」は面白かった。
何より小演劇にありがちな無意味な言葉遊びにより笑いを取ろうとしないのがいい。
そして三宅健、鶴見辰吾、西田尚美が実にはまっている。

今までTVでゲイ役が登場するとコミカルに笑いを取ろうというお笑いの記号としての
ステレオタイプが多かったのだが、この作品は違う。
なんとなく現実のゲイバーにいそうな感じの自然さがあるのだ。
こんなにゲイを登場人物にして感情移入できたのは「トーチソング・トリロジー」以来
かも知れない。
三宅健はマシュー・ブロデリック(「トーチソング・トリロジー」のゲイの美青年)にも匹敵する
ぐらいに魅力的だ。

結婚と親の問題を抱える30代後半の男(鶴見)、HIVに感染し絵の道に挫折しかけている
美青年(三宅)、不倫の恋が忘れられない女(西田)3人がそれぞれ悩みを抱えていながら
二人の同棲生活3周年のアニバーサリーというイベントで結末を迎えていく。
それこそノンケの男はわからないが、女やゲイはどこか自分と同じ悩みを抱えている主人公
たちに出会うのではないか。
結末のハッピーエンドに多少違和感(「実際はこんなうまくいかねーよ」という反論を抱えてしまう)
を持ちながらも、うらやましさとこうなったらいいなという夢を感じることが出来る。

「結婚して子供もいるサラリーマンがさ、ケツの穴なめさせてくれって泣いて頼むんだぜ」という
せりふをよく言った三宅!
役者としてのますますの成長を感じさせる一編だ。
面白かった。