ボーイング・ボーイング


日時 2003年6月21日19:00〜
場所 東京グローブ座  3階O列



パリのアパルトマンの一室、ベルナール(赤坂晃)はアメリカ人のスチュワーデスの
婚約者と朝食を楽しんでいた。
そこへ故郷の旧友ロベール(佐藤アツヒロ)がやってきた。
アメリカ人のスチュワーデスを見送った後、ベルナールはロベールに自慢気に
語りだす。
実はベルナールは3人のスチュワーデスと同時に付き合っているのだ。
彼女たちはフライト時間も違うのでお互いに鉢合わせすることなく
やっていけると語るベルナール。
昼にやって来たフランス人のスチュワーデスが帰ったあと、予定より早めに
ドイツ人の彼女がやってくる。
ところがフランス人の彼女のフライトが中止になり帰ってきてしまう。
何とか二人が鉢合わせしないようフランス人の彼女を外に連れ出すベルナール。
そうこうしてるうちに、アメリカ人の彼女も天候の都合でスケジュールが
変更になり、帰ってきてしまった。
一体、どうなる?


赤坂晃=佐藤アツヒロ、かのスーパーアイドル光GENJIの最年少二人組の
解散以来の初の共演!!
予備知識は何も無しで行ったもので、タイトルの「ボーイング・ボーイング」は
てっきり「BOYING・BOYING」だと思っていたが実は「BOEING・BOEING」、つまり
飛行機のボーイング。ベルナールの恋人がボーイングに搭乗するスチュワーデス
から来たタイトルだった。

3人の恋人たちが鉢合わせしないようにする赤坂・アツヒロコンビのドラマ後半の
奮闘ぶりが楽しい。
ドイツ人のスッチーが部屋に残したハンドバッグを他のスッチーに見つけられて
「これは僕のです!」と言い切ったり、他のスッチーがいる部屋に入らせまいとして
「ここは僕が使う部屋!」と強引に押し切るアツヒロが楽しい。

そしてやがて生まれるアツヒロとドイツ人の恋。
田舎者のアツヒロがだんだんこのドイツ人に惹かれていくところが面白い。

最後には3人の恋人が鉢合わせになって大激論の末「愛の大切さを説く」みたいに
説教っぽくなるのかと思ったらそうはならない。
最後までこじつけで押し切るアツヒロと赤坂。
湿っぽくならず終始笑いで通したライトなコメディは実に見てて心地よい。
いや何より大笑いして楽しかった。

赤坂は外人風の顔でフランス人プレイボーイを演じきる。
アツヒロは相変わらずテンションの高さのみで押し切ろうとしてるのがやや難点。
二人とも細かい芸(つまり脚本にはい、役者の力で作る笑い)はないけれど
脚本が面白いのでその辺の役者の力量不足も大して気にならない。


久々の共演だが、二人の共演にはぴったりの題材だった。
お客さんが楽しんでいるのが伝わってくる。
作品的に意義のある芝居にでて新境地を開拓し、さらに役者として成長する
のもいいが、今出来る最大のことをやった企画がいい。
何よりお客さんが楽しんでくれる作品をやってくれるはありがたい。

カーテンコールで何度も何度も出てくる赤坂晃とアツヒロ。
二人にとっても満足できる仕事になるに違いない。

楽しかった。面白かった。満足できた。
二人の定番として時々再演して欲しいものだ。