デジャヴュ01

           伊集院警部補の憂鬱


日時 2001年4月7日 14:00〜
場所 新宿紀伊国屋ホール

佐藤アツヒロ主演である。もちろんあの佐藤敦啓、光GENJIのあっくんだ。
光GENJI時代あっくんは好きなタイプだったので、20代後半になったその彼が
今はどうなっているかと観にいった。

前から4列目センター近くという極上の席で見たのだが、顔中汗びっしょりの
大熱演。他の役者さんと比べ、声がかすれてるのがちょっといたいたしい。
その汗も後半は衣装の皮のジャケットににじんでくるほどだった。

彼の大熱演にも関わらず、私の理解力が乏しいのか「?」な作品だった。
「人間の夢と未来」みたいなことがテーマらしいのだが、小演劇は
どうしてこう抽象的になってしまうのだろう。
「二万七千光年の旅」もそうだったが、あの時は事前に野田秀樹のオリジナル戯曲
を読み、完全武装していったから何とかついていくことが出来た。
一応本筋はあるのだがやたらめたらと話が脱線する。
アツが犬夜叉の扮装で一瞬登場したり、「光GENJI時代、僕はイマイチ目立たない
存在だった」と言わせたり、全員で「バトルロワイヤル」のパロディをしたり
とにかく遊びが多すぎる。

まあその遊びが演劇人の考えるエンタテイメントなのかも知れんがなあ。
でもそれってかえって作者のテーマをわかりにくくしてる行為にしか見えないのだよ。
こういう風にわざと構成を複雑にして難解にするのが高級だといわんばかりに
見えてくる。

何故演劇はこうなりがちなのだろう。
映画というのはカットバックとかモンタージュとかCGとか(ちょっと一緒には
出来んが)、とにかく技術をどんどん追求する事ができる。
しかし演劇ってのは技術的な進歩、追及ってのは限界があるように思う。
だから技術的な追求ではなく、理論理屈の追求に走ってしまうのだろうか???

演劇に詳しい人にはこの話はきっと噴飯ものなのだろうけど、
このあたりの演劇の構成の複雑さがイマイチついていきにくい。

場内は元光GENJIのファンらしい20代後半の女性が八割ほど。
彼女達はあっくんの「遊び」を楽しんでいらしゃったようですね。
まだまだあっくんの人気は充分なようだ。