はつ恋

日時 2007年7月15日
場所 DVD
監督 小谷承靖
製作 昭和50年(1975年)

(詳しくはキネ旬データベースで)


スクリーンでは見たことがなく、今回DVDで初めて見た。
実に(私にとっては)衝撃的な映画だった。
今までこの映画に出会わなかったことが残念でならない。
しかしDVDで出会った幸運もある。
それは何回でも見直すことが出来ることだ。

お話はある夏の湘南。
裁判官を父に持つ高校生(井上純一)は隣に引っ越してきた美しい女性(仁科明子)に恋をする。
その女性も自分に好意を持ってくれてるようだが、彼女はなにやらはっきりしない。
しかし彼女には大人の恋人がいた。その人は・・・・・

という内容。
正直、内容より表現のすごさに圧倒される。単なるラブコメ、とかアイドル恋愛ものと思って
見始めるとえらい目にあう(私がそうだったのだ)

仁科明子の登場シーンからしてすごい。
海岸に置いてある小さなボートの影から姿をあらわす。
それを見た少年に一言「海岸って不便ね」
彼女が何をしていたかは想像が付く。
そして少年は彼女が立ち上がった場所が濡れた後があったのを見て確認させる。
私はこんな衝撃的な女性の登場シーンを「R18」の映画以外は見たことがない。

続いて彼女の引越しシーン。
彼女の取り巻きたち(岸田森など)が彼女が口をつけたビールを争って飲みあう。
その間接キスを楽しむという様は、まだ童貞であろう少年にはあまりにも刺激的だ。

ここから先はストーリーの展開より、衝撃的な表現にただ驚かされる。
彼女との「あたし達の友達になる儀式よ」と継げる彼女は上半身裸にした少年と
小さな葉っぱごしにキスをする。
それはとても官能的だ。

それからは自分の父が彼女の恋人だったと知る衝撃、それを知った少年の慟哭のシャワー、
父の事故死、そして彼女さえも死んでしまう。
そして少年は付きあがる衝動で散弾銃をぶっ放す。(それまで銃の説明なんか一度もないのに!)

この映画は見るものに衝撃と混乱をもたらす。
しかしそれは心地よい混乱だ。
混乱はするものの、どこかでそれらのシーンをすべて納得して受け入れられる。

皆さんも一度ご覧になるといい。
その衝撃な内容は記憶に残ること請け合い。

お勧め!