HERO〜最終回


日時 2001年3月19日 21:00〜 フジテレビ 

最初に断っておくが僕は「HERO」を全話見たわけではない。
まともに見たのはこの最終回だけである。
あとこの稿もキムタクのことを誉めるわけではないので
そういう批評を読みたくない方は読まないでいただきたい。

「一人の正義感にあふれた青年がある職場に赴任してくる。
今まで惰性で仕事をしていた同僚達は、最初は赴任してきた
青年を変わり者だと軽蔑するが、やがて主人公の青年の
正義感に感化され、職場はやがてひとつになり正義に向かってゆく」

っていうのはドラマのひとつのパターンとしてありがちな話である。
例えば「金八先生」の第一期シリーズもそうであったし、最近では
「踊る大捜査線」がいい例だ。
だからドラマとしては取り立てて目新しい話ではない。

このドラマのヒットの理由は
1、木村拓哉、松たか子主演であること
2、検事というあまり扱われなかった職業であること
3、宇多田ヒカルの主題歌がよく、ドラマをいっそう盛り上げたこと
などが主な理由として上げられると思う。

最初に断っとくが私はキムタクがあまり好きではない。
そりゃルックスは男前だし、好きなタイプだ。
リーバイスのポスターなんかほんとかっこいいと思うし、
私もあのCMにつられてあのリーバイスのジーンズを買った一人だ。

でもドラマとかでキムタクが演じるキャラクターは好きになれない。
あの生意気な口の利き方が好きになれないのである。
この最終回でも衆議院議員の三浦友和に
「あんたなんかに国の将来を語る資格なんかねーよ」
(厳密にいうと違ったかも知れないがそんなような意味のセリフを言うのだ)
とタメ口で捨て台詞を吐く所が今回の見せ場なのだが、この言葉遣いが
気に入らないのである、私は。

「踊る大捜査線」の青島君もそういう主旨のセリフをいう時があったが、
でも青島君は(さすが営業サラリーマン出身だけあって)最低限の言葉遣い
のマナーは心得ていた。あんな傍若無人な口の利き方はしなかった。
もちろんキムタク自身がこういう生意気な口の利き方をするかどうかは知らない。

実際のキムタクがどういう人物かどうかは別としてあの生意気な態度が
気に入らない。(私は、である)
だがそれが人気のひとつであるのも確かだ。

そして特に今回はエリート臭がぷんぷんして鼻持ちならないのである。
第一検事という設定が気に入らない。
司法試験なんて、一日10時間勉強する生活を5年ぐらい続けて
それでも受かるかどうかというくらいむつかしい試験だと私は思っている。
あんなその辺の兄ちゃんみたいな男が受かるようには思えない。

またスーツを着ないでジーンズ姿というのもいただけない。
社会人としてのマナーの問題だよ、これは。
(その点青島君はちゃんとスーツを着ていた)

要するに「俺はえらいんだから何したって許されるんだ」というエリートの
いやみでいっぱいなのだ。
30近くなり、結婚してもその人気に衰えを感じないキムタクと久利生公平が
なんだかダブってきていやだった。

しかし皆さん気にしないでいただきたい。
今まで書いてきたことは所詮は一サラリーマンのひがみなのだ。
「私のことを落ちこぼれサラリーマンと思っているね」とFMVのCMでキムタクに
言い放つ岸辺一徳が自分とダブってならない今日この頃なのだから。