ホールドアップダウン


日時 2005年11月12日12:30〜
場所 東京グローブ座
監督 SABU

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V6結成10周年記念映画。

クリスマスイブの日、サンタ姿の二人組(井ノ原快彦、三宅健)は銀行強盗をしたのだが
逃走用に用意しておいた車が、駐車違反でレッカー移動させられてしまう。
しかしサンタ姿なので逃げるのもままならない。
しかもサンタ服の下には服を着ていないので脱ぐことも出来ず、とりあえず地下鉄の駅の
コインロッカーに金の入ったかばんを隠すことに。
だが今度は小銭がないのでコインロッカーが利用できない。仕方なく近くで歌っていた
ストリートミュージシャン(岡田准一)の小銭を奪う。
追いかけるストリートミュージシャン。逃げる健とイノ。
ところがそのストリートミュージシャンは刑事二人組(坂本昌行、長野博)の車に
はねられてしまう。
死体を捨てることに決めた刑事たちは岡田の体を車に押し込むのだが・・・・・

という感じでハイスピードに話は進んでいく。
でもこの段階では森田剛はまだ出てこない。

SABU監督のジョークや笑いのセンスにやや趣味の悪いところがあって(例えば森田剛が
牧師時代に教会を燃やすとか、森本レオが誤って撃ち殺されるとか。宗教や人の生死を
笑いのネタにしてはいかんよ)もう一歩手前で止めてほしいところはある。
例えば先の例で言えば、森本レオのところは拳銃の弾が天井に当たって照明が落ちてくるとか。

総じてスピード感があふれるコメディとして(前半は)よく出来ているのだが、森田剛が
凍った岡田准一を連れて古い温泉ホテルに行ったあたりからホラーになり、わけがわからなくなる。
「10周年記念映画」ということでいろいろ詰め込みたかったのはわかるし、90分スピード感の
ある笑いで続けるのはしんどいと思う。
しかしホラームードの後に5人がホラーの雰囲気に飲まれてカンフー映画になってお互いが
戦いだすあたりは展開がむちゃくちゃすぎ。
スタントやCG合成を使って頑張っている画にはなっているが、こちらは話についていけなくなる。

そして最後は5人が伸びてしまうだけで、肝心のロッカーの鍵は意外でも何でもない人が手に入れて
終わり。
要は話の前半で広げた風呂敷を後半にまとめられなくなっている感じがする
なんだかこう話のアイデアをどんどん転がしていったはいいが、最初とどうつなげるかを考えて
いない。
言い換えれば伏線がないのだ。
前半に張ってあった伏線が最後になってふと絡んでくる(例えば冒頭の交通事故がラストで
かかわってくるとか)という展開ならもっと面白かったのだがなあ。

そのあたり、シナリオにもう一ひねり欲しかった。
残念。