ONE!
―the history of Tackey―


日時 2006年9月18日17:00〜
場所 日生劇場2階C列


「ミュージカルでもない
 ライヴでもない
 今までにないショーをお送りします」

というコピーがポスターに書いてあったが、実にこの通り。
ミュージカルにもライヴにもなっていない、正直あまり誉められない
出来のショーだった。

「タッキーの24年の半生を描く」という触れ込みだが、別に子供の頃からの
エピソードを順を追って描いていくわけではない。
バラバラにエピソードが出てくるわけだが、これがタッキーの両親の離婚とか
子供の頃のご馳走はシーチキン入り餃子だったという話になる。
何故離婚したのかという理由説明はなくて、ただ「離婚しました」となる。
でタッキーが「同情されるのがいやだった」と言うのだが、そこから始まって
ジュニアの藪(だったと思う)が「僕の友人も彼が中学を卒業したら離婚する、と
言われていてこの春離婚した」
タッキー「この春って『演舞城』の頃か?」と言うと、ジュニアがわらわらと出てきて
「離婚がなんだ!」という討論会になり、そこでタッキーが「お前ら何もわかっちゃいない、
生きるってのはなあ」みたいなことを言って乱闘になる。

読んでいる人にうまく伝わらないと思うのだが、書いてるこっちもなんだかよくわからない。
こういうわけ解らん展開がしばらく続いてげんなりしてしまう。
タッキー本人が離婚についてどう思っていたか解らないが、話はどうしても明るく
なるわけなく、なんだか暗くて幻滅してくる。

他にやりようがなかったのだろうか?
タッキーの親の離婚とかそういう話は本でチラッと読むから興味深いのであって、
こういう大劇場で延々とやられてもなあ。

そして実は母親違いの弟がいて、彼が「8時だJ」のジャニーズ・ジュニア・オーディションに
応募してその際にあったエピソードも紹介される。
「弟と会ったのはそれが最後になった」と締められる。
「まだ死んだわけじゃないだろ!」とツッコミを入れたくなる。
そんなこんなでとりあえず第1部は終了。

2部になるとお客さんを舞台に上げてのマジック。
(舞台セット何もなし。しょぼい)

カードマジックをいくつか披露するんだけど、「何もない紙袋に『ここに見えないカードが
あります』といって、その見えないカードを袋から取り出し、お客さんに混ぜて貰う。
その見えないカードから一枚を抜いてもらい、裏返してもとのカードの束に戻してもらう。
そのカードの束を先ほどの袋にいれ袋からカードを『見えないカードが見えるように
なりました』取り出す。で『あなたのカードはなんですか?』と聞いてそのカードの束から
一枚裏になっているカードを披露する」というマジック。
だがタッキーは失敗して観客から笑をさそう。
「ええもう止めた!(笑)」とタッキー、すねてこのマジックを終わりにする。

女性ファンは「タッキーがすねて可愛い!」と思う人もいるだろうが、僕にしてみれば
「失敗するなら止めろよ!もっと練習してからにしてくれよ」と思ってしまう。

で、他の手品で別のお客さんを上げて、ルービックキューブを渡して組み立てたら
出演者全員のサインの入ったパンフをあげますって見せておいて、
その間に先のカードマジックなんかをする。
で結局お客さんは出来なくて、タッキーはふっと息を吹きかけると一瞬で完成させると
言うマジックをする。
でパンフレットはあげない。
だったら見せるなよ!ケチだなあ。

その後はタッキーは病院のベンチで生まれたというエピソードが紹介され、そこで登場した
母親役の峰さおりが越路吹雪の曲を一曲(しかも日生劇場での越路吹雪のライブ映像つきで)
歌う。
一応タッキーとデュエットするんだけど、でもそれはこの場合不要ではないだろうか。

最後、タッキーが髭をつけて80歳になって翼は今朝死んだという。
「あいつは4回も結婚しやがって」というジョークを言うのだが、私にはちょっと悪趣味に
感じた。

最後のライブステージで「ヴィーナス」「HO!サマ〜」を歌ったので、それは楽しかったが、
全体としては誉められない出来だった。
がっかり。

でもこんな予算もなく、準備もしないで公演をするにはなんか裏の事情があったんだろうな。
その事情ってまったく想像も出来ないけど。