斉木楠雄のΨ難 | 皇太子の花嫁 | 女豹の地図 | |
あなた買います | 十字路 | あゝ、荒野 後篇 | ベイブリッジ 慕情 |
姫神戦士カナン 新たなる希望 | 装甲巨人ガンボット 危うし!アベノハルカス |
ナラタージュ | 恋と嘘 |
ひまわりDays 全身が性感帯 |
姫を犯す | 萌えメイド 未成熟なご奉仕 | あゝ、荒野 前篇 |
天国と地獄(4K) | したがるかあさん 若い肌の火照り |
アウトレイジ最終章 | ドリーム |
斉木楠雄のΨ難日時 2017年10月26日19:45〜 場所 新宿ピカデリー・シアター1 監督 福田雄一 斉木楠雄(山崎賢人)は生まれてすぐに話すことが出来、超能力を持っていた。今は16歳の高校生。こんな力を持っていればさぞかし幸せと思われがちだが、女の子の考えてることもすぐに解ってしまうので、恋のかけひきなんて出来ない。特に同級生で自分を美少女だと思っている照橋心美(橋本環奈)どうやら楠雄を好きらしいのだが、楠雄には「あたしを好きになるという身の程知らずの恋をしてもいいのよ」という心の声が聞こえ、好きになれるはずがない。 楠雄はとにかく普通の生活がした 文化祭の季節がやってきた。文化祭は楠雄にとって途中でテレポーテーションして日帰り温泉行きを楽しめる有意義な時間だった。しかし今年の文化祭で何かトラブルが起きたら来年の文化祭は中止だという。 楠雄はその平和な時間を得るために、文化祭を見回り何かトラブルが起きそうになったら未然に防ぐことにする。 ギャグマンガ(だそうである。未読)の映画化。 予告編とかでビジュアルを見た時に、緑の学生服にピンク色の髪、頭から角のようなものを生やしている山崎賢人の姿を見て、「なんだかなあ」と思ったのだが、夏に公開された「ジョジョ」ほどではない。 五十歩百歩ではあるけれど。 まあそれでも多少は笑ったが、基本的に好きな映画かと言われればNOである。「銀魂」の時も思ったが、もう福田監督が作りたい映画と私の見たい映画は全くずれているので、楽しめる要素は皆無と言っていい。 今回も山崎賢人が主演だから見に行ったようなもの。 「ジョジョ」でも思ったが、ピンクの髪に緑のめがねをかけた山崎賢人ではせっかくイケメンが楽しめないではないか。 もともと私は顔に何かを塗ったりして笑わせるのはコントや喜劇でもきらいなので、もう完全に楽しめない。 「山崎賢人みたいなイケメンにこういう(おかしな)格好をさせて、観客を笑わせたいなあ」という感覚が好きになれない、というか反対なのだ。 まあ心美の妄想シーンに出てくる山崎賢人は明るくて実際の楠雄とのギャップが面白かったけど、まあ後は苦笑してるしかない。 でも「ジョジョ」みたいに腹の立つことはなかったけどさ。 あと吉沢亮。中2病で自分はフォースを持っていると信じている高校生の役。こういう役をやっても顔の美しさは引き立つ。 それにしても吉沢亮も変な踊り(というかポーズ)をしたり、山崎賢人も変顔をしたり、役者もつくづく大変だなと思った。 山崎賢人、「ジョジョ」「斉木楠雄」と2作連続で楽しめなかった。 次回「氷菓」に期待するしかない。 皇太子の花嫁日時 2017年10月29日18:55〜 場所 シネマヴェーラ渋谷 監督 小森 白 製作 昭和30年(1955年) 雑誌記者見習いの白井礼子(島崎雪子)は編集長から「今話題の皇太子の花嫁候補からインタビューを取ってこい。それが出来たら一人前の記者として認めてやる」と言われ、俄然張り切る。 礼子の叔父(清水将夫)は宮内庁で重要なポストにいて、叔父から花嫁候補の情報を聞き出そうとするが断られる。 一方、カメラマンの酒巻(高島忠夫)も礼子の雑誌とは別の雑誌から、お妃候補の写真を全部撮ってきたら望遠レンズを購入してもらうように話をつける。酒巻も礼子の叔父に会いに行くが、情報は得られない。 礼子も最初は酒巻から情報が得られないかとそれとなく近づくが空振り。しかし礼子は従姉妹の幸子の協力を得て、叔父の鞄の資料からお妃候補の名前を書き出すことに成功する。 礼子が情報をつかんだらしいと察すれば、酒巻は礼子をつけ回す。礼子は酒巻を巻くために会社はカメラマン兼助手の三平をつけてくれた。 しかし三平と酒巻は昔世話になった仲で、三平は礼子のつかんだお妃情報を酒巻に流してしまう。 お妃候補のナンバーワンの百合子が京都に行ってると知った二人は京都へ。どうやら皇太子も京都に来ているようだ。 百合子の行き先を探っている途中で、礼子はなんと皇太子本人と遭遇した。平安神宮で礼子は皇太子に話しかけるのだが。 シネマヴェーラの「新東宝特集」での上映。今回の特集もあまり興味はなかったのだが、チラシに「最後に島崎雪子がインタビューをするのは誰か?お確かめください」という趣旨の文章があり、「ひょっとして本人が登場するのか!?」と思ってしまったので、鑑賞。 映画の方はライバルとして対立している二人がいつしか愛し合うようになる、というラブコメの典型的な展開。高島忠夫はこういう軽妙な役がよく似合う。 冒頭でも皇太子が女性に囲まれている幸子の夢が登場し、「皇太子ってホントかっこいいわ〜」と幸子が言う台詞が登場し、国民的人気があったんだなあと想像させる。この夢のシーンの皇太子は本人ではない。 私の期待はインタビューのシーン、街で皇太子の乗った車を見つけ尾行する礼子。平安神宮に入ったときに一人になった皇太子に話しかける。 ああ、本人ではなく役者さんだった・・・・ まあ本人が写ってればそりゃなんかどこかで話題になるわなあ。 新東宝って「明治天皇と日露大戦争」とか「皇室と戦争とわが民族」などの皇室ネタ映画がよくあったから、ひょっとして?と思ったが、そんな訳ないか。 体よくチラシの文章に釣られたが、これも映画をタイトルだけ変えて新作に見せたりする「新東宝イズム」だったと思えば、それを21世紀になって体験できたのだから、幸せと言える。 映画の方では、喜んで皇太子のインタビューを取ってきたと編集長に報告する礼子だが、皇太子はその時間別の場所を見学中だったと新聞記事で知る。 おいおいよく似た他人かよ!でも話しかけられた青年はそれっぽく答えてたぞ? という訳で高島忠夫と島崎雪子の他愛のないラブコメでした。 女豹の地図日時 2017年10月29日16:05〜 場所 シネマヴェーラ渋谷 監督 田中重雄 製作 昭和26年(1951年) 白石家は元子爵だったが、父が亡くなり家は没落していた。長女の杏子(久慈あさみ)は妹・美津子の婚約者の橋見が婚約を破棄したと聞く。橋見はもとは杏子の父に外国留学費用まで出してもらっていたのだが、白石を見限ったのだ。抗議に行く杏子だが、「あなたの家はもう銀行の抵当に入っていてあなたのものではない」と告げられる。そして弁護士を通じて杏子に立ち退きを要求してきた。しかし病弱な母が寝込んでおり、とても引っ越しなど出来ない。 橋見は新しい婚約者の父親に資金を出してもらって銀座にキャザリンというキャバレーを開店させる。そして杏子の家に母親と杏子、美津子が住む部屋だけを残し、あとは他人に貸すことを要求した。そしてキャバレーのバンドマンを寮として住まわせ、楽器を鳴らし明らかに嫌がらせをしていた。そして橋見は杏子にキャザリンで働くことを要求する。さすが断った杏子は、キャザリンの前にあるシルバークインで歌手として働くことに。 橋見同様に杏子の父に学費を出してもらって音楽を勉強した倉田も杏子の演奏を引き受けた。杏子は歌手として店で歌うだけでなく、銀座を流しとして歌い、シルバークインの評判を高めていく。 キャザリンは経営難になっていく。橋見は杏子の母親に娘が流しの歌手をしていることをそれとなく教える。母親はショックを受け、亡くなる。 一時は倉田との結婚を考えた杏子だったが、倉田と美津子が愛し合っていると知り、自分は身を引く。 シネマヴェーラの新東宝特集。同時上映の「皇太子の花嫁」が目的で見に行き、これは自分にとっては添え物。 主役の久慈あさみは自分にとっては「社長」シリーズのバーのマダム役でよく出ていた人、というイメージしかなかったが本作では歌も聞かせる。 冒頭から高原で杏子が歌うシーンから始まる。 昭和26年で戦後6年だが、没落貴族、というのがリアルだったんだなあと思った。まさしく太宰治の「斜陽」である。 没落貴族が裏切られてその復讐をする話。没落貴族も人々から敵視されてるわけではなかったのかな、と思った。 いやてっきり「貴族が没落してざまあみろ」というのが世の中のムードだと思っていたので。いや「虐げられた主人公が対抗する」という「忠臣蔵」的な受け方をしたのか? 最後は白井家で以前飼われていた犬を買い取った西方という金持ちの男にキャザリンを買い取ってもらって橋見をを追い出す。 ここでキャザリンの新装オープンの日に、舞台で歌う杏子は倒れる。 服毒したのだ。今まで強きに生きてきた杏子だっただけにこの展開はちょっと唐突。でも死ななかったけど まあラストは西方と結ばれるというハッピーエンド。 いろいろあったけど、最後はメデタシ、メデタシ。 あなた買います日時 2017年10月29日13:10〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 小林正樹 製作 昭和31年(1956年) 東洋フラワーズのスカウト、岸本(佐田啓二)はスカウトとして全国を駆け回っていた。専務から大学野球で活躍中の栗田五郎(大木実)をスカウトするように命じられる。しかし大阪の大阪ソックスの古川(山茶花究)や阪電リリーズの島(多々良純)も栗田を狙っていた。 栗田は自分を大学の学費を出してくれて、コーチをしてくれた球気(伊藤雄之助)という男を信用していて、彼の言うことなら聞く。そこで岸本は球気を落とそうと必死になる。彼は胆石の病気を抱えていた。岸本はそこが彼の弱みだと目を付けた。球気は岡山に妻子がいたが、東京で生活しており旅館を経営する涼子(水谷八重)と関係を持っていた。そして涼子の妹・笛子(岸恵子)と栗田は恋人関係にあった。笛子は汚いプロ野球の世界に栗田を入れることに反対だった。 岸本は苦労の末、球気を説得し、フラワーズに栗田を入団させると言ってくれた。しかし栗田の実家から球気に絶縁状が送られていた。実家の長兄(三井弘次)が金をもらった他球団に五郎を入団させようとしているのだ。 果たして五郎はどの球団に入るのか? ラピュタ阿佐ヶ谷「松竹文芸映画特集」での上映。この映画はタイトルだけは知っていて、いつか観たいと思っていた。タイトルを知ったのは1976年公開の「がんばれ!ベアーズ」のパンフの中で「日本の野球映画」ということで野球にまつわる映画が紹介されていたのだ。その中には野球場のシーンが登場する「野良犬」も紹介されていたと記憶する。 この「あなた買います」はその解説文でも「野球映画と言えるかどうか」と前置きをしてあったと思う。 正直、面白かった。私が野球について語るのはおこがましいが、まだドラフト会議が始まる前で、こういった金を積み札束で圧倒させるスカウト合戦もよくあったのだろう。こういうスカウト合戦に疲弊した各球団が「ドラフト会議」という形式を生み出したんだろうな。 だから今では全く同じことは起こらないだろうけど、それにしたって大金が転がり込むとなったときの人間の汚さは今でも通じる。 はっきりしない態度の球気にいらいらする岸本。だんだん人間が信じられなくなってきたと言う。しかし球気の信頼をなんとか勝ち得たと確信し、故郷の高知に帰ってから契約するという栗田を送り出す。 しかし笛子から「球気の病気は仮病だ」と言われ、自分の確信がぐらつく岸本。そう、プロ野球に反対の笛子が栗田を入れさせまいとしているのかも知れない。 そんな感じで最後まで人間に対する不信感で観ているこちらもいっぱいになる。 球気はやっぱり体調が悪く、栗田に球気はフラワーズへの入団を確約させようとするが、栗田は断る。 一方栗田の兄たちも長兄は阪電への入団を命じる。しかし三番目の兄(織本順吉)は反対する。「五郎が心配、心配って今まで心配してくれたことあったかい?」と兄弟間にも亀裂が生じる。 二番目の兄(花沢徳衛)なども最初に岸本が会ったときと2回目に会いに行ったときでは顔つきが変わっている。 金の前には人間が変わってしまうんだなあ。 結局栗田はソックスに入団。それを観た阪電の島が「今度は栗田をデッドボールで殺してくれるピッチャーを見つけてやる!」と言うのがいい。 そうそう長兄と三番目の兄は最後には喧嘩になり、長兄は(シーンはないけど)三番目の兄を刺してしまう。 家族間の信頼もすべてぶっ壊してしまう金の魔力。 これでは家族間だけでなく、近所の人々もたかってきそうな勢いである。 DVD買ってもう一度観てもいいな、という気になった。 十字路日時 2017年10月22日16:30〜 場所 フィルムセンター・大ホール 監督 衣笠貞之介 製作 昭和3年(1928年) お菊とリキヤはこの世でたった二人の姉弟。しかしリキヤは吉原の遊女・お梅に夢中だった。今夜も他の客と喧嘩になって傷だらけになって帰ってきたリキヤを解放するお菊。 これに懲りずにまた吉原へと出かけるリキヤ。再び客と喧嘩になり、相手は火鉢の灰を投げてきたため、一時的に目が見えなくなってしまう。 怒ったリキヤは刀を抜き、盲滅法に振り回しているうちに相手を切ってしまう。「人殺しだ!」と叫ぶ周りの人々。リキヤは家に逃げ帰る。 しかし斬られた男は平気。リキヤをちょっとからかっったのだ。 だがリキヤは目が見えなくなっただけでなく人を殺してしまったことにショックを受ける。お菊もまた同様だ。さらに大家を訪ねていた男が十手を持っていたのでますます焦る。 実はその男は拾った十手を持っていただけで、実は奉行所とは関係ない。そうとは知らないお菊は男にリキヤのことを黙っていてくれるように頼む。 せめてリキヤの目だけでも治したいと思ったお菊は医者に相談してみるが「金さえあれば治る」と言われる。しかし金などない。 自分も身を売るしかないと思い、家に帰ったとき、例の十手の男が「やっぱり弟を連れていく」という。そればかりはお助けをと懇願するお菊。 お菊に襲いかかる男。やがて男は倒れた。お菊が思わず包丁で刺したのだ。 そんな時、リキヤの目が回復する。姉が男を刺してしまったのを見て二人で夜道を逃げることに。ある空き家に隠れる二人。 「この世の果てまで姉さんと一緒だよ」というリキヤ。しかしお菊のことが気になり吉原まで見に行く。 そこで目にしたのは自分が殺したと思った男と仲良く酒を飲み、自分のことを「あんな奴、飽きたのさ」と言い放つお梅の姿だった。リキヤは慟哭の叫びをあげ、その場に倒れ込む。 空き家に隠れていたものの、いつの間にか弟がいないことに気づくお菊。 表に探しにでる。十字路の真ん中で「いつまでも姉さんと一緒だよ」という声を聞くお菊だった。 フィルムセンター「シネマの冒険 闇と音楽2017」という特集上映の1本。 衣笠貞之介監督は前から名前は聞いていたが、見るのは初めてではないか?「狂った一頁」が見たいのだが、それはまたにして、今回は同じく有名な「十字路」。 サイレント映画だが、今回はピアノ伴奏付き。 そしてイギリスで見つかったプリントということで、メインタイトル(「CROSS WAY」だったと思う)、クレジット、台詞のタイトルはすべて英語表記。作品そのものの上映はフィルムで行い、そこに別に日本語字幕を上からかぶせる形で表示。後半になって1秒ほどずれている箇所がいくつかあった。 デジタルリマスターのデジタル上映か?と思わせるぐらいに映像の状態はいい。 アップになると毛穴まで映ってしまうぐらいの鮮明さだ。 要するに遊女とか水商売の女に入れ込んでしまって人生を失敗する物語。 昭和3年の映画だが、この頃でもやっぱり今と同じだなあ。 まして殺してもいない男の罪を感じて姉も含めてどんどん悪い方へ行ってしまう。 最初の弟の件がなければ姉も人殺しをしなくて済んだはず。 何とも皮肉な話である。 そして映像では陰影の付け方がインパクトがある。極端にいうと下からライトを当てて人物を浮き出させるような方法を取っている。 音がない分、映像でインパクトをつけようとしており、技術の発展でなくしてしまったものもあると感じた。 この映画が今から約90年も前に作られたとは思えないような映画である。よかった。 あゝ、荒野 後篇日時 2017年10月22日11:25〜 場所 新宿ピカデリー・シアター8 監督 岸 善幸 実力をつけてきた新次(菅田将暉)はいよいよ因縁の裕二(山田裕貴)との対決が決まった。 しかしジムの方はオーナーの宮本(高橋和也)は借金を抱えており、立ち退きを迫れていた。そんな時、宮本は地主石井(川口覚)にジムを見学させる。新次やバリカン(ヤン・イクチュル)のいいところを見せてなんとかご機嫌を取ろうという魂胆だ。 石井は無骨なバリカンを気に入り、時々食事にも連れて行く。 裕二との試合当日、バリカンがいない。不審に思った新次だが、坂口(ユースケ・サンタマリア)も馬場(でんでん)も答えない。 裕二との試合は激闘の末、新次が勝った。試合後、坂口がバリカンは他のジムに移籍したと教えてくれた。石井が引き抜いたのだ。 新次の元から恋人の芳子(木下あかり)も去っていった。 目標もなくただ無為にバイトをする新次だったが、坂口がやってきた。 「バリカンがお前と試合を従っている。受けるか?」 2週間前に観た「あゝ、荒野」の後篇。最初から2週間限定公開と決まっていて、11月1日には「R18版」のDVD&ブルーレイも発売となる。最初からそう決まっていて、ちょっと不思議な公開だが、ネット配信、セル、劇場公開をほとんど同時に行い、今後の映画の製作公開体制を占うものになるのかも知れない。 で、肝心の内容だが、前篇の盛り上がりを裏切ることもなく、迫力の展開。とにかく菅田将暉がすばらしい。 今年の主演男優賞ものである。 金とか地位と言ったものではなく、ただ立ち向かっていく様は実にかっこいい。 その代わり、自殺防止活動サークルの話とか、新次の母親(木村多江)とか恋人の芳子に関する比重が薄くなってしまった印象は否めない。 特に自殺防止サークルの高校生とか、バリカンの父親(モロ師岡)を運ぶだけしか活躍がない。 もっとも前後篇で区切られてしまったから、前篇のキャラクターが後篇での活躍を期待してしまったが、最初から通して観ればまた印象が違ったかも知れない。 バリカンが床屋を辞めるときにオーナーがバリカンを渡すシーンがいい。 前篇で活躍がなかったこのオーナーだが、このシーンはよかった。 石井が妙にバリカンにでれでれするので、ゲイゲイしい話に流れるのかと思ったら、そういうことはない。 結局は戦うということでしか新次とつながれなかったバリカン。 最後の試合はもうバリカンと新次の関係だけを描く。 恋人の芳子や母親との関係がただぼんやりとしか描かれなくなったのが惜しい。 もっとも一番重要なのはバリカンだから、これでいいのかも? 最後の各キャラクターの最後にやや物足りなさを感じたが、それを補ってあまりある菅田将暉の活躍で、本年度ベストワン候補である。 ベイブリッジ 慕情日時 2017年10月21日19:50〜 場所 光音座1 監督 小林 悟 製作 OP映画 横浜でスナックを経営する鷹取(沢まどか)は仕事が終わった後、キャディラック(たぶん)に乗ってベイブリッジを通って家に帰るのが日課だった。一緒に暮らしている恋人のトニー。彼には「浮気するなよ」と言って今日もお風呂で結ばれる。 ある夜、ベイブリッジに一人の青年が立っているのを見かける。なんだか寂しそうだった。翌日、外人墓地の前を通ったときにもその青年を見かけた。そして翌日も。気になった鷹取は車を止め、近くを探し回る。 港の見える丘公園でその青年を見つける鷹取。「火を貸してくれませんか?」と話しかける。青年は「僕、たばこ吸わないんで」と答え、「そうね、私もやめるわ」とたばこを投げ捨てる。 そのまま二人で中華街、山下公園、伊勢佐木町を散歩。家に連れ込み関係を持つ鷹取。 一方、トニーは店にマスターが来ないので、店を勝手に休みにしてしまう。もう一人のスタッフ・ジョージ(坂入正三)はいさめるが聞かない。 トニーと鷹取は喧嘩になるが、鷹取が「あんたと私は死ぬまで一緒じゃない」と諭す。 そんな時、店に銀座ジュエリーという有名な宝石店の娘と名乗る女がやってくる。その娘は「通常よりも安くダイヤを買ってくれたら、客も紹介する」という儲け話を持ってくる。鷹取の気を引きたいトニーは早速その話に乗るのだが。 小林悟作品。小林悟と聞いて期待しなかったが、それが裏切られることはない。 ベイブリッジって最近のイメージがあったが、1989年開通だそうだから、もう28年になる。結構経ってるんだなあ。映画はたぶんそれが出来てしばらくの頃だろう。沢まどかも出てるし、90年頃か。 前半、鷹取とコンドルが出会って、デートのシーンが延々と続き、絡みも結構長く話が全く進まないのでいらいらする。そして後半の15分ぐらいになってやっと宝石の話が出てきて話が進展し出す。 結局1000万円は10の札束があっても1万円札は一番上だけの偽物だった、という訳で詐欺にあうのだが、矛盾してるのである。 最初、銀座の宝石店の娘は店に「コンドルさん、いる?」と訪ねてきてトニーに名刺を渡し、宝石の話になってトニーが乗り気なって鷹取に話す。 例の取引の時には鷹取は自宅でコンドルと「あなたのおかげで儲けさせてもらったわ」と乾杯してる。詐欺だとわかるとコンドルは「すいませんでした。僕を警察に突き出すなりしてください」という。 その頃、ワンボックスカーの中でその宝石店の娘と客役のおばさんとトニーが3人で100万円ずつ分けて「これはコンドルの分、これは必要経費ね」などと言ってトニーが「次のカモも探しに行きますか」と言って車が動き出す。 車運転してるのは誰?もう一人仲間がいるの?トニーってその詐欺グループの仲間なら、なんで今まで同棲してるの?そんな長い時間をかけた詐欺なの?ではコンドルはいなくてもよくない?トニーが鷹取のお金を銀行から下ろし、「これで大もうけだ」と独り言を言うシーンは論理破綻してない?と様々な疑問を感じる。 まあ小林悟だしな。 そしてかつてジョージと愛し合っていたのだが、ジョージが石油を探しに中東に1年ぐらい行ってる間にトニーと付き合うようになったという事実が最後に開かされる。だからなんだよ。 やっぱり小林悟だしな。 同時上映は「NUDEMAN 麗人に乾杯」。 去年7月に広島で観たので感想はパス。 姫神戦士カナン 新たなる希望日時 2017年10月21日15:30〜 場所 シネマ・ノヴェチェント 監督 奥野憲吾 特技監督 満留浩昌 製作 大阪芸術大学 大阪南部の河南町。ここには昔からこの世ではない世界、ダークゾーンとこの世がつながる地点があり、昔から姫神が守っていた。 そんな時、ダークゾーンからカバカバンという名の妖怪が現れた。人々を襲うカバカバン。姫神の三姉妹は変身し姫神戦士カナンとなって立ち向かう。 しかしやがてカバカバンは巨大化する。 それに対抗すべく、大阪芸大に地下に建造してあった巨大ロボットで立ち向かう。 「ガンボット」に引き続き、大阪芸大で作った特撮ドラマ。 前回は「ゴジラ」などの東宝特撮のテイストが強かったが、今回は美少女が変身し、戦隊もののテイストだ。 カナンたちの変身の時のポーズとか、変身後の姿は完全に戦隊もの。 そこまではそれはそれでいいのだが、後半、カバカバンが巨大化して巨大ロボットが出てきた段階で彼女たちはそのままの大きさなので、単に「頑張れ」と観てるだけの存在になってしまう。 ヒーローものの主人公がこれじゃ困るなあ。 その巨大ロボットだが、造形の基本が埴輪をモチーフにしており、まるで大魔神の変身前の姿で戦っていて、その姿はレトロっぽくてよかった。 上映後のトークイベントは中野昭慶監督、大森一樹監督、満留浩昌監督。 最近の芸大に来る学生の気質に話が及んだが、戦隊もの、ライダーものが好きと言っても、特撮の造形を自分でやるとか、シナリオの研究をするとかではなく、「ただキャラクターが好きなだけ」という学生が少なくないらしい。要するに「ファン」でしかないらしい。それではクリエーターにはなれんだろう。 まあ日本映画大学でも映画好きな奴ばかりとは限らんと言ってたからな。 若い人は黒澤なんか観ないし、日本映画界も心配だという気になるが、そもそも本気で映画をやろうという奴は大阪芸大には来ずにもっと自分で動いているのかも知れない。 確かに自主映画をやってる奴もそうだからなあ。 あと「映像学科はお金がかかる。うち(大阪芸大)は紙とペンがあれば何とかなりそうな文芸学科などから予算を引っ張ってくることが可能だが、日本映画大学みたいな単科大学は厳しいだろうなあ」というお話。確かに厳しいみたいです。 装甲巨人ガンボット 危うし!アベノハルカス日時 2017年10月21日15:00〜 場所 シネマ・ノヴェチェント 監督 川北紘一 製作 大阪芸術大学 50年前、宇宙のどこからか光の信号(スペース・ライト・ウェーブ、SLW)がやってきた。科学者の矢代博士はその意味を説こうと必死になるが、当時のコンピューター技術では無理だった。その息子の時代になりやっと解読されたが、成果を見届けることなく亡くなってしまう。その息子のマコトの時代になった時、突如宇宙からプロキシマ星人の侵略ロボットが出現した。 防衛隊が災害対策用に建造していたロボット、ガンボットを使ってロボットに立ち向かうが、ロボットはバリアに守られ、一向に倒せない。 そんな時、SLWにはそのバリアの破壊する武器の製造法が含まれていた。それはかつてプロキシマ星人に滅ぼされたパルネ星人が最後につく歌のだが、自分たちの星の防衛には間に合わなかったものだ。 マコトの妹がその武器を持ってロボットに立ち向かう。 大阪芸術大学が学生の勧誘用にプロモーション的に作った30分の短編映画。大阪芸大で教授をしている大森一樹監督のつながりで川北紘一監督が監督。ただし本編部分は大森監督が撮ったそうだ。しかし予算が特撮で使っていたので、ただで出演してくれる学生だけで撮ったそうだ。だから演技はへたくそ、というか素人っぽい。 従ってDVDも非売品で販売はしていない。 ガンボットの造形はメカゴジラに何となく似ている。 最初、敵のロボット(頭の形が何となく蟹に似ている)が山から登場するシーンは「地球防衛軍」のモゲラの出現シーンを彷彿とさせる感じ。 この2体が激闘をしていく、という展開。 他の星からのメッセージを50年かかって読み解き、そして対抗兵器を開発するっていう話はアイデアがいいと思った。 特撮シーンはすべて学生がやったわけではなく、学生がプロの指導の元手伝った、という感じらしい。最終的な仕上げはドリームプラネットでやってるようだし。 ドラマ部分が薄っぺらいのは仕方がないが、なかなか面白かった。 ナラタージュ日時 2017年10月20日21:10〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン6 監督 行定 勲 今は映画の配給会社に勤めている工藤泉(有村架純)は雨の晩、かつての恋を思い出す。 高校時代、クラスに居場所を見つけられなかった泉を演劇部の顧問、葉山(松本潤)を演劇部に誘ってくれた。彼女は居場所を見いだし、葉山への感謝の念はいつしか愛へと変わっていった。しかし教師と生徒という関係上、葉山はその想いには応えない。だが自分は今妻とは別居中だと教えてくれた。 大学2年の夏、葉山から泉に電話があった。演劇部の人数が減ったので、文化祭に出てほしいというのだ。集められたのは演劇部OBたち。かつての仲間との再会に泉はうれしい。その中にOBではなかったが、友人の演劇仲間の小野怜二(坂口健太郎)がいた。 公演は成功。その晩、小野は泉を実家に連れて行き、交際を申し込み、泉も進展しない葉山との関係に疲れ、小野を受け入れる。 小野は嫉妬深いところがあり、葉山から泉に連絡が会ったときにも携帯を見せろとしつこく迫る。 松本潤主演ということで鑑賞。共演は最近出演作が多すぎるぐらいになってきた有村架純。 松本潤が今までと違ってアクティブな役ではなく、なんかはっきりしない大人の男(もうすこし言えば中年)を演じる。 出演者は3人とも好演してるしその点は不満はない。ただし原作の段階からだとは思うが、こちらも女子の恋愛妄想炸裂である。 まあピンク映画が「男子の望む恋愛妄想映画」とも言えるからお互い様か。 年上への男性へのあこがれ、そして同年代からはすこしうっとうしいぐらいに愛されたい。この辺が女子の願望なのか。 葉山という男は妻(市川実日子)がメンヘラになって家の物置に放火した過去を持つ。さっさと別れればいい気もするが、そこは彼女への未練もあるのか別れないで別居だけしている。 もう卒業したんだし、泉とやりなおせよ、と言いたくなる。 また小野も「携帯見せろ」「隠してたのかよ」「俺が今助けに行ったら俺のこともっと好きになってくれる」「土下座して謝れ」などの了見が狭い。ケツの穴が小さいと言うべきか。 まあそう感じるのは私がおっさんになったからで、若かったら違ったかも知れない。そういうのを「大人は余裕がある」と思ってもらえるのだろうか? 結局最後は小野とも別れ、葉山は「妻ともう一度やり直す」ということで別れる。 現代のシーンでは(冒頭とラストだけだが)、同じ会社のイケメン(瀬戸康史)に話しかけられ、なんとなく恋の予感を感じさせて終わり。 登場人物の男二人がどちらも好きになれず、「ああそうですか、ご勝手にどうぞ」という感じで乗れない映画だった。 話題になったシャワーを浴びながらの葉山と泉のラブシーンはそれほどでもなし。 女子にはこういう映画受けるのかね? 恋と嘘日時 2017年10月15日14:00〜 場所 TOHOシネマズ日本橋・スクリーン4 監督 古澤 健 近未来の日本。今や出生率低下防止のため男女ともに16歳になるとDNA情報などを元にして政府から結婚相手の通知が来る制度になっていた。もちろん強制ではないが、挙式手当、出産手当などの行政サービスが充実しており、自由恋愛で結婚したカップルは長続きしないと噂されていた。 葵(森川葵)は高校1年生。幼なじみの司馬(北村匠海)とは仲がいい。ドキドキしながら誕生日を待つ葵。16才になった瞬間は司馬と一緒だったが、そこへ現れたのは高千穂蒼佑(佐藤寛太)だった。蒼佑は大病院の息子で将来は親の病院を継ぐことを期待されていて、葵の友人たちも「玉の輿だね」とうらやむ。 しかし蒼佑は会ってもぶっきらぼうで全然楽しそうじゃない。 そんな葵を司馬は「自分から行ってみれば?」と励ます。 「結婚相手は政府が決める世界の恋愛」と聞いて管理社会に対するアンチテーゼになるのかと思ったらそういう訳ではない。 そういう「政府に対する不信感」とか「反乱」と行った方向には話は動かない。 今回の映画の場合、この政府通知の設定は単なる「幼なじみ以外の男と出会うための装置」でしかない。 正直、がっかりした。 パンフレットに原作者のインタビューが載っているが(ムサヲという名前だけで性別、年齢不明)そこには「婚活に苦しむ人のニュースを見て『国が結婚相手を決めたら楽そうだなあ』と思ったことがきっかけ」と言っているから、反政府的な発想はなし。 まあ今のクリエーターはそういうものなのか。 でも「16歳になったら通知が届く」というけど、女子は解るけど、男子の結婚年齢は18歳だよ?この辺はどうなってるのだろう? あと通知が来ても相手が年下だったらまだ通知出来ないしどうなるのだろう? それに葵の両親も政府通知で結婚してるそうだが、子供は葵一人だし少子化対策にはなってないのでは?少子化対策なら子供は3人以上出来なくては人口増加にはつながらないだろ? 疑問点ばかりだ。 なんとまあ司馬が脳腫瘍で長くはないという「病気で片方が死ぬ話」になる。もう勘弁してくれよ。 結局は金持ちの息子と幼なじみのすべてを解ってくれる男の両方から愛されるという「女子の妄想」映画である。 勘弁してほしいなあ。 んで結婚式の当日に蒼佑は葵に「お前の中にいるのは司馬だろ。奴は海外に行く。今から空港に行け」と送り出す。 どんだけ女子に都合がいいんだよ。 結局治療名目で海外に行った司馬と海外で暮らす葵。 生活費とかどうなってるんだ? 空港に駆けつけたシーンて「私司馬君を選ぶ」というシーンでクレジットになって、クレジットが流れる横で二人の海外生活が出てくる。 「あれ?病気は結局どうなったの?」と思っていたら、クレジットが終わったところで10年後ぐらいになって、葵は司馬の墓の前にいる。 そこへ蒼佑がやってきて再会するということ。んで二人の中は復活するらしい。 おい!どんだけ何でも自分のものにしたいんだよ! いい加減にしろ!と言いたくなる。 もっとも蒼佑は親に反発して病院は継がずに小さな診療所をやってると言ってたけどね。 原作とは全く違う話で「政府通知」の設定だけを借りた映画のオリジナルストーリーだそうだ。 何でもほしがる女子の妄想ストーリーも極まれり、である。 あと森川葵ってまるで魅力がない。北村匠海の美少年ぶりが観ていて楽しかったし、それが目当てでいったからそこは満足できた。 尚鑑賞した回は公開2日目の日曜日、午後2時という一番お客さんが入りそうな時間帯だが、20名程度しか入っていなかった。日本橋だからかな。それとも新宿渋谷もこうなのかな。 ひまわりDays 全身が性感帯日時 2017年10月14日13:38〜 場所 上野オークラ 監督 山内大輔 製作 OP映画 フリーターだったカズオ(櫻井拓也)は看護師の恋人トシエ(月本愛)と結婚を考えて不動産会社に就職した。結婚するので社長(野村貴浩)に仲人をお願いするためにトシエを紹介した。だがなんと社長はトシエに手を出したのをしてしまった。会社を辞めるカズオ。飲み歩くうちに「ひまわり」というスナックにふらりと入る。そこでミカヨ(涼川絢音)という天使のような女の子に出会う。 ひまわりのママあけみ(黒木歩)はミカヨの親代わりのような存在だった。あけみもその旦那のゴロウ(川瀬陽太)もかつてはひまわり学園という施設で育ったのだ。ミカヨも同じ園の出身だった。 ミカヨはちょっと頭が弱く、そのことでバカにされたりしていたが、カズオはその無邪気な姿に引かれていく。 櫻井拓也さんの主演作。8月に公開された山内作品と同時に撮影したそうだ。1週間で2本撮ったそうだから現場は大変だったろう。 ゴロウはかつてはやくざで借金の取り立てをしていた。ある家に行くと相手はいない、しかしトイレの中に小さな女の子がいて、便器の水を飲んでいたという。それがミカヨだった。ゴロウは見かねて食事を与え、それからひまわり学園に入れたという。そしてゴロウは罪滅ぼしにミカヨをの面倒を見るようになったのだ。 優しいカズオにミカヨはなつく。 やがてミカヨの父から連絡がある。もう末期ガンだという。ゴロウやあけみは「自分たちが一緒に行くと何をするか分からないから」という理由でカズオに付き添ってもらう。 で、父親との再会になるのだが、この父親が森羅万象だ。 スクリーンに写っただけで場内爆笑。これは否定的な笑いではなく、「待ってました!」的な笑いだと思う。 続いてミカヨの「夢の中のお父さんはこんなハゲじゃない」というので笑った。 ミカヨは時々ボケを言う。 あけみに教えてもらったこんにゃくの煮物をカズオに食べてもらうときに「あたしがこんにゃく切ったの。指も切ったけど」 あとコーラが大好物で店の客に「好きなもの飲んでいいよ」と言われ「コーラ」というのがかわいい。 実をいうとこういう知恵遅れ(発達障害というべきなのか?)の子を主役に据えるのは、ちょっと安易すぎて気になるのだが、涼川絢音の嫌みのない好演で許してしまう。 ミカヨに「結婚して」と言われて障害を持つ彼女と結婚することに覚悟が出来ずにカズオは逃げてしまう。 ゴロウに「お前もてあそんだな」と言われ、また母親に相談し決意する。 母親には電話で相談するのだが、「あなたが一番大切に想う人ならなんとかなる」という趣旨のせりふでカズオは決意する。 櫻井拓也はこういう木訥とした青年の役が実にうまい。 なんか人柄のよさがにじみ出てくるなあ。 例のこんにゃくの煮物がカズオのお袋の味に似ているという伏線があるのだが、これはカズオの母親が以前ひまわり学園で食事を作る仕事をしていたため、その味があけみに伝わったというオチが付く。 一方ゴロウは借金を返すために元の組の組長(竹本泰志)に頼まれ人殺しをする。 なんか「いい話」っていう感じの映画。(これは否定的な意味ではない) よかった。 姫を犯す日時 2017年10月14日12:36〜 場所 上野オークラ 監督 藤原健一 製作 OP映画 戦国時代、織田家に仕えた菊川家の当主が死んだ。菊川家は今川に攻められ、もはや壊滅寸前だった。菊川の一人娘、まつ姫を朝倉家に匿うようにというのが菊川の遺言だ。 しかし朝倉の領地に行くには敵の今川領を通らなければならない。家臣の与助に守られながら山道を逃れるまつ姫たち。 一方山賊が二人を襲う。山賊はまつ姫を犯そうとするが、持っていた櫛の家紋から菊川のまつ姫だと知る。 今川に連れていけば高く売れると思った山賊は、まつ姫を生かしておくことにする。犯そうとしたときに彼らを助ける坊主が現れた。 二人は山賊から助かり、この坊主の家にお世話になる。坊主には同じく修行中の尼僧がいた。 二人は無事朝倉にたどり着けるのか? 櫻井拓也さん出演の「ひまわりDays 全身が性感帯」を見に行ったときの同時上映。 チラシやHPでの作品紹介を見て「おお、ピンク映画の『隠し砦の三悪人』か!」と思って期待した。 が、はずれだった。 次から次へと困難や姫を襲う男たちがやってくるのかと思ったら、そうはならず、結局山賊と坊主だけである。 この坊主が味方かと思ったら敵でまつ姫を捕らえる。 んで、与助を縛っておいてその目の前でまつ姫を犯そうとする。 映画を見ている私としてはここは勧善懲悪(主人公が善として)で、与助がなんとか姫を助ける方に行ってほしかったが(映画を見ながら「早く助けろよ!」と願っていた)、そうはならず与助の目の前で姫は犯される。 ピンク映画だから犯される方になってしまったのかも知れないが、映画としてはカタルシスないなあ。 与助は昔から姫を想っていて、姫も与助が好き、という話。姫は「このまま二人でどっかで静かに暮らそう」という。「しかしお家の再興が!」と与助ともめるわけだが、それならば、と姫は首を切って自殺してしまう。 ピンク映画ならそうなるかも知れないけど、時代劇としてのカタルシスはなかった。 残念。 与助を演じた俳優がイケメンでそこはよかった。 他のピンク映画にも出たのか知らん。 萌えメイド 未成熟なご奉仕日時 2017年10月14日11:35〜 場所 上野オークラ 監督 渡邊元嗣 製作 OP映画 ロリータファッション好きな梢は買い物好きがたたってカードローンの借金が溜まっていた。梢の幼なじみの親友、麗奈はヤンキーだが常に梢のことはほっとけなくて助けていた。 梢はたまたまコウサカという男にスカウトされ、ロリータファッションのデリヘル出借金返済のために働くことにした。梢一人では危ないと麗奈も一緒に働くと言い出す。 そのお店に行ってみたら、コウサカの奥さんタイコはヤンキー界では有名な元ヤンだった。 梢も麗奈も早速働きだす。麗奈の行った先は引きこもりの男でやたらとしつこい。 梢が行った先はホテルに泊まっていた中年男(なかみつせいじ)。この男、なんだか暗くて自殺を考えている様子。 矢沢永吉語録を愛読書にしているということから、行方不明になっている麗奈の父だと直感する。 櫻井拓也さん出演の「ひまわりDays 全身が性感帯」を見に行っての同時上映。 デリヘルで主人公が働く話なのでてっきり主人公と複数の客たちのおもしろエピソードでつないでいくかと思ったら、出てきた客は引きこもりの男と麗奈の父だけ。 この辺もっとお客さんが出てきてドタバタとやってくれたらもう少し面白くなったかも知れないと思う。 惜しかった。 あゝ、荒野 前篇日時 2017年10月8日17:45〜 場所 新宿ピカデリー・シアター3 監督 岸 善幸 特殊詐欺で稼いでいた新次(菅田将暉)だったが、仲間割れで暴力事件となり少年院に3年入っていてやっと出てきた。昔の仲間の所に戻ろうとしたが、追い出された。たまたま知り合った芳子(木下あかり)とホテルに行ったが、翌朝芳子は新次の持っていた金を盗んでいった。 建二(ヤン・イクチュン)は韓国人の母と日本人の父の間に出来たハーフだったが、ひどいドモリのため人間関係が出来なかった。二人ともたまたま新宿で貧乏ボクシングジムをやっている堀口(ユースケ・サンタマリア)という男に出会う。 新次を倒し、新次の兄貴分を倒したのは裕二(山田裕貴)は今やプロボクサーだった。一発で裕二に倒された新次は堀口の元でボクサーになろうと決意する。また建二も父・建夫(モロ師岡)の暴力に耐えかね、家出をし彼もまた自分を変えようとボクシングを始める。 その頃西北大学の大学生・敬三(前原滉)は「自殺抑止研究会」というサークルを立ち上げ、自殺防止運動をしていた。そこへ親友を自殺で失った高校生のマコト(萩原利久)も参加していた。敬三は「実際に町へ出て自殺志願の人を捜そう」と言ってサークルメンバーと街へ出ていく。 寺山修司の唯一の長編小説「あゝ、荒野」の映画化。菅田将暉は好きな俳優だが、「彼が出てれば何でも観る」というほどのファンではないし、寺山修司なので(そもそも彼の映画では好きな作品はない)、パスするつもりでいたが、脚本がいまおかしんじ監督の「イサク」(「罪」)の港岳彦さんと知って観に行った。 結論から言うと見逃さなくてよかった! 正直「何で今寺山修司?」という気持ちで見始めたのだが、舞台を東京オリンピック後の2021年に移し物語を再構築。 これが面白い。 この映画の面白さのかなりのウエイトはやはり菅田将暉だろう。 彼の中に潜む狂気、凶暴性がいかんなく発揮され、しかし笑顔の親しみやすさも手伝って観るものを引きつける。 また芳子との大胆なラブシーンでは全裸となって惜しみなくその魅力を発揮。ボクシングシーンでもその鍛えられた肉体は美しい。 そういう外見だけでなく、彼らの這い上がろうとする男らしさがたまらなく美しいしかっこいい。 最近の日本映画の若者は自分より他人の幸せを願うような「いい奴」ばかりが登場する。それがいけないと言っているのではない。そういう奴ばかりでなく、やはり「狂犬」のような暴力性の持つ男の映画も見たくなる。 昨日観た「アウトレイジ」も男の映画で面白かったが、この映画に比べると「おっさんらしい仕事的金の絡んだ男らしさ」になってしまう。 しかしこの映画の新次は金の為じゃない。 そういう純粋さがまたたまらない。往年の菅原文太に匹敵する狂気も秘めている。 自殺防止サークルの代表敬三はこの前編のラストで自殺。果たして残されたメンバーがどう新次たちと関わってくるか後編も楽しみだ。 天国と地獄(4K)日時 2017年10月8日10:00〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン6 監督 黒澤 明 製作 昭和38年(1963年) 午前10時の映画祭8の中での上映。昨年の「七人の侍」に続き4K上映。黒澤と言えば次に来るのは「用心棒」かと思ったら、「天国と地獄」はちょっと意外。「生きる」も4K化されたから(未見だけど)、次々と4K化していく計画なのかな。 ストーリー省略、内容についての感想は2年ほど前に観たときと同じ。 今回観ていて一番発見だったのは、権藤邸のシーンで、全員靴(香川京子は着物なので靴ではないけど)なのだ。 つまり西洋式の家なのだな。 また靴を履いた状態と靴を履いていない状態では、役者の姿勢などが違って見えるそうだから、日本式西洋式といった意味ではなく、見た目の美しさを狙っていたのかも知れない。 少なくとも私は「天国と地獄」で靴を履いたままという点について言及した文章を呼んだことがないので、これは驚いた。4Kになって初めて(というかスクリーンで観たのは30年以上ぶりだと思う)気がついた。 まあだからといって全体の感想が変わることはなかったですが。 あと捜査会議のシーンでたくさんいる刑事の中に阿知波信介らしい人がいた。昭和40年の「キスカ」がデビューとあるから見間違えかも知れないし、せりふはないからカウントされてないかも知れないし。東宝入社年が解ればいいのですが。 家に帰ってクライテリオン版を観てみたが、4K版の方が全体的に明るい。 あと今回の上映では東宝マークの前に「創立30周年記念映画」と出るけど、クライテリオン版はなかった。 今度は「野良犬」になるので楽しみである。 したがるかあさん 若い肌の火照り日時 2017年10月7日21:00〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 堀 禎一 製作 平成20年(2008年) 摩耶(かなと沙奈)は1年間だけの結婚生活で夫・周二は亡くなってしまった。 そして今は夫の連れ子で同じ年の周平(吉岡睦雄)と暮らしていた。若い二人はいつしか関係を持っていた。それも夫婦の寝室で、摩耶は夫のにおいのする枕のにおいを嗅ぎながらしていた。 摩耶が夫の兄の周一(飯島大介)の家に行ってる間に周平の彼女・かおりがやってきて、泊まっていった。周一の方は摩耶に「いっそ周二の弟の周三と結婚してくれないか」ということだった。周三(下元史郎)は若い摩耶をまんざらでもない。 翌朝、かおりが起きてみると若い女性が朝食を作っている。これが母親と知って驚くかおり。周平と摩耶の仲を疑って二人は喧嘩になってしまう。 摩耶は友人のユリを訪ねる。彼女は摩耶の元彼だったトキオと今は同棲していた。トキオはユリの目の前で摩耶に復縁を迫るが断られる。 摩耶が留守の間に周二の前の妻で、周平の母であるチサコ(速水今日子)が訪ねてきた。たまたま遊びに来ていた周三と周平とチサコで酒盛りを始める。 いつまで経っても帰ってこない摩耶を周平は探しに行く。その間に酔ったチサコは周三にちょっかいを出す。 ラピュタ阿佐ヶ谷の新東宝特集。7月に新作「夏の娘たち」の公開中に急死した堀禎一作品だ。本日はトークショー付きで、本作に出演した速水今日子さん、前に上映した「色情団地妻 ダブル失神」に出演した葉月螢さんをゲストに迎え、追悼の意味も込めての上映。 堀作品は他に2本ほど見ているのだが、どうもピンとこない。 カタルシス、というかラストに向けての話の盛り上がりがないし、まああえて作ってない感じがする。それも演出の一つだとは思うけど、ちょっと淡々としすぎていてなじめない。鈴木英夫もあまり盛り上げようとしなかったが、過度ではなく抑えていたけどそれなりにクライマックスはあった。 チサコと周三が絡んでいるときに摩耶が帰ってきて、ばつが悪いので隠れようとするのだが、はめた状態なのでその形のままずるずると床を這うシーンは面白い。トークイベントでの速水さんの話では下元さんの提案の演技だったそうだ。さすがである。 さらに面白かったのは、二人が隠れていたつもりでも家の鏡にパンツを下ろした周三のケツが写ってしまい、見つかるところ。ここ、笑った。 摩耶はユリの家の帰りに周一の家による。前のユリの家のシーンで「はっきりさせなきゃだけよ。ずるずるが一番だめ」と言われてるので、たぶん断りにいったんだろうな、とは想像させる。そのチサコと周三のカラミを見た翌日に周平の彼女のかおりが訪ねてくる。ここも二人が何を話したかは説明されない。その後のシーンで摩耶が「最後にしよっか」と言って二人のカラミになる。(このカラミのシーン、月明かりに浮かぶ二人の体のラインが実に美しい。こういうきれいなカラミはなかなかない) だから摩耶は周平との関係をやめて、周平はかおり(これが巨乳)のもとへ帰るんだろうな、と思わせるだけ。 二つの決着が両方ともストレートに表現せず、「たぶん」「きっと」とと言った描写で終わらせる。そこが魅力なんだろうけど、やや物足りなさも感じる。 トークイベントでは速水さんが「堀監督は東大でフランス文学を学ばれた方でとても頭が良く、演出で抽象的な表現をされてよくわからなかった。それは私が頭が悪いだけだと思っていたら、通夜の席で七里圭監督など二話したら『僕も分からなかった』と言われたので、ああ私だけではなかったのかと安心しました」という話をされていたのが印象に残った。 アウトレイジ最終章日時 2017年10月7日16:40〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン9 監督 北野武 日韓のフィクサー帳会長(金田時男)の援助で今や韓国・済州島に隠れている大友(ビート・たけし)。そこへ花菱会の幹部・花田(ピエール瀧)が遊びにやってきた。花田は買った女に文句を付け金を払わないといい出す。大友が話を付けにいくと「明日、落とし前で200万円払う」という。 翌日、金を受け取りにいった若い衆は死体で発見された。大友はすぐにも日本に行きたかったが、帳会長の手前、迷っていた。 一方大阪の花菱会も揺れていた。新会長・野村(大杉漣)は前の会長の娘婿というだけで会長になった男。証券会社を辞めた男で元々ヤクザではなく、若頭・西野(西田敏行)を疎ましく思っていた。それは西野も同様だった。 花田と若頭補佐の中田(塩見三省)は帳会長にわびにいくが、にべもない。仕方なく中田と花田は西野と野村に今回のことを話す。西野は「俺が話を付けてきてやる」と意気込むが、帳には適当にあしらわれる。一方、野村は帳会長と花田の喧嘩に見せかけて西野をやれと中田に命令する。 殺されかけた西野だが、中田は野村ではなく西野を選び、野村のたくらみを知っていた西野は死んだと見せかけていったん隠れる。 大友も会長に迷惑をかけるのは悪いと思いつつ、市川(大森南朋)とともに日本に帰った。 北野武の「アウトレイジ」シリーズ最終章。訳の分からん映画を作られるより、こういうバイオレンス映画の方がたけしは面白い。なんだかんだといっても2000年以降のたけし映画は全て観ているがこういうバイオレンス映画がやっぱり面白い。 花菱の新会長が最初は登場人物の説明で「証券会社を辞めた極道でもなんでもない男」と紹介され、いったい誰なのかと思ったら大杉漣だった。 朝の「めざましテレビ」(だったと思う)の芸能ニュースで、この映画の試写会の模様が紹介され、大杉漣が「私、『アウトレイジ』は1も2も出てなかったんですが、よく『アウトレイジ』観ましたよって声をかけられました。今回やっと出演できて嬉しい」と言っていた。 北野映画といえば大杉漣って刷り込みがあったけど、北野映画は9年ぶりの出演になるらしい。 今回の卑怯なやくざの会長を好演している。 前もそうだったかも知れないが、この映画、女性のキャラクターが一人もいないという「おっさん映画」。 かつての東映映画でも女性のキャラクターはいたけど、ガールズバーの女として女は出てくるけど、役というほどではない。 まさに男たちの争いの映画で、そういう男臭い映画が好きな私としては大歓迎である。 また前2作では殺しのシーンが時々エグく、私なんかは目を背けてしまったが、今回はそういうグロいシーンはない。 マシンガンでパーティに殴り込むシーンも血はほとんどでないし、野村が土に埋められて車に引かれるシーン(これ「北陸代理戦争」のオマージュか)とか、花田がラストで頭を吹っ飛ばされるシーンも音だけで血しぶきは出ない。 こういう表現の方がマイルドで私は好きである。 ラスト(書いちゃうけど)西野や中田が生き残るのはちょっと意外だった。この連中も最後には大友に殺されると思っていたので。 何はともあれ、久々のオールスターヤクザ映画で面白かった。 数年に一度は観てみたいジャンルの映画である。 ドリーム日時 2017年10月7日13:30〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン4 監督 セオドア・メルフィー 1961年、キャサリン(タラジ・P・ヘンソン)、ドロシー(オクタヴィア・スペンサー)、メアリー(ジャネール・モネイ)の3人はNASAの研究所に勤めていた。当時、米ソの冷戦下で「今度は宇宙からソ連が核ミサイルを撃ってくる」と本気で考えられ、宇宙開発には国の威信がかかっていた。 キャサリンは子供頃から数学が得意で、高校も特待生として卒業していたが、NASAは白人優位社会、男社会でアシスタント的な仕事しか任せてもらえなかった。ハリソン(ケビン・コスナー)が本部長を勤める宇宙特別本部に配属されても直属の上司ポールは彼女には重要な情報は教えない。 またこのフロアには黒人が使っていいトイレがなく、トイレの為には広大な敷地の遠くのトイレにいかねばならない。 一方、IBM社のコンピュターが導入されたが、不調でなかなか稼働できないでいた。ドロシーは独学でそれを使いこなすようになる。メアリーはエンジニア志望だったが、エンジニアになるための資格を取る学校には白人しか入学が認められていない。 時々席を外すキャサリンを不信に思ったハリソンは彼女にその理由を問いただす。遠くにあるトイレに行くためだという。それを知ったハリソンはトイレについている「COLORED」(有色人種用)の看板をぶちこわす。 60年代のNASAの宇宙開発に携わったいわば「プロジェクトX」。だけど宇宙開発そのもの以上に重要なのは黒人差別、女性差別の問題だろう。この時代ではまだ黒人はバスに乗るときは後ろ半分にしか席が与えられなかったとは驚きである(映画にも登場する)。 舞台となるヴァージニア州は南北戦争で南軍だったから、黒人差別の意識は強いかも知れない。この辺の事情は言葉ではわかっても日本人には本当には理解できないかも知れない。 しかし女性差別の問題となると日本人にもよくわかる。「女になにがわかる」という意識は今の日本人にも(賛成でなくても)「そういう空気がある」ということは感じざるを得ない。 もちろん反対派にも言い分はあろうし、何でもかんでも女性の味方になるつもりはない。 でもやはりチャンスだけは同じように与えられるべきとは思う。 それにしても直属の上司は無理解だが、その上の上司はわかってくれる、という展開は映画、というか物語の王道をいく展開でアメリカ映画らしい。 同様にIBMのコンピューター室にドロシーたちが向かうカットなど、娯楽映画の王道の展開だ。学校に行くチャンスをつかむために裁判官を説得するメアリーも王道だ。 この映画、感動する映画の王道の展開ををしており、こう行った差別された人間が地位を獲得する映画はまだまだありそうである。 たとえばLGBTの人間が虐げられる映画とか。 映画を見ながらそんなことを思った。 あとこの頃はまだコンピュターも使いはじめでまだまだ計算機で計算してる時代だったのだな。今はなくなったIBMのロゴも懐かしく感じた。 |