フェチづくし 痴情の虜日時 2018年3月31日17:26〜 場所 上野オークラ劇場 監督 高原秀和 製作 OP映画 「噛」 小森(涼南佳奈)は通販会社に勤めている。以前は上司のカヤマと不倫関係にあった。彼は自分の腕や肩を噛まれるのが好きだった。小森は最初は頼まれて噛んでいたが、やがて自分も噛むのが好きになる。今はカヤマと別れて後輩の滝山(櫻井拓也)とつき合っている。滝山は小森に犬のようになついていて、噛まれることを受け入れてくれた。 カヤマと別れたきっかけは二人でホテルに行った際、「明日から家族と温泉旅行なんだ。だから噛まないでくれ」と言われたがつい噛んでしまう。 そして「やめろよ!」と大声を出されたことがきっかけだった。 「声」 小森と同じ会社に勤めているアキラ(那波隆史)はクレーム対応係り。ある日「通販で買ったお皿が割れている」というクレームが入り、その対応に行ってきた。相手の女性(NIMO)はアキラの声を気に入り、「声を録音させてください」と言った。そのことがきっかけで二人は男女の関係になる。 アキラの声を聞くと体がじんじんとうずいてくる。 「匂」 小森の同僚(榎本美咲)は結婚しているが匂いに敏感。通販のカタログ写真のカメラマン宮本がたばこを止めたためにいい匂いが感じて彼の部屋まで行ってしまう。体の関係を迫られたが、ちょっとじらす気になって途中で帰る。 待っていた夫とセックスをし、つい「中に出して」と言ってしまう。 子供はまだ、と思っていたのに。 オークラでは初めての監督だという高原秀和監督作品。 オムニバス風の3本で構成。完全にバラバラではなく、同じ通販会社の社員同士が登場人物。 櫻井拓也、那波隆史というピンク男優で好きな人が出ているので鑑賞。 坂井希久子という方の「フェティッシュ」という原作があるようだ。 たぶんこの小説は一人称の短編集だと思うのだが、その主人公の一人語り(地の文)をそのままモノローグにしたらしく、モノローグだらけ。 こういうモノローグが多い映画、好きじゃないんです。 聞いてて目と耳を別々に使うから、どうも見ていて疲れてくるんだな。 それに原則映画なんだからナレーションは極力排除すべし、という考えが私にはあるし。 だから映画の方はあまり楽しめなかったが、那波さんの「雰囲気イケメン中年」ぶりや、櫻井拓也さんの「子犬のような素直な青年」を大いに楽しんだ。 それがなければ見ていてつらかったな。 蒼井そら 肉欲授業日時 2018年3月31日16:24〜 場所 上野オークラ劇場 監督 高原秀和 製作 新東宝(国映) 高校教師の片桐(那波隆史)は妻が出産のため里帰り中。その間に同僚教師の洋子と学校のプールサイドでキスをしているところを生徒のつむぎ(蒼井そら)に見られてしまう。 つむぎの見られたことを知った片桐はつむぎを黙っているように言う。しかしつむぎは片桐の家にやってきて自分から片桐に関係を迫る。 つむぎは同級生でトライアスロンを目指しているコウスケとも友人になる。 片桐とつむぎは関係を続けていくが、つむぎは事故死してしまう。 2004年製作の国映=新東宝作品。 蒼井そらは初めてではないが、久しぶりに見て「結構かわいい子だったな」と思い直した次第。目が大きく有森架純っぽい感じでなかなか交換が持てた。 そして高校教師役に那波隆史。那波さんはこれがピンク映画初出演だったらしい。 「初恋とナポリタン」以来の那波さんのファンなので那波さんを見てるだけでも楽しい。 つむぎが片桐の家にやってきたときに冷蔵庫の中を見て片桐が「あるものしかないが、いいか?」と簡単な料理を作る。 つむぎにとってこの「あるものしかない」という言い回しが面白かったらしく、その後なんどもこの台詞が登場する。 なんだか何度もこの台詞が登場すると禅問答のような気がしてしまい、気楽に映画を楽しみたいこちらとしてはちょっと疲れる。 途中、片桐が昔の友人らしいパンクバンドのライブに行くシーンがある。ここでそのバンドのリーダーが打ち上げの席でファンの女の子を楽屋に連れ込み犯してしまうシーンがある。突然このバンドのシーンが入ったので不思議に思っていたが、ラストでこのバンドがまた登場し、その犯された子が現れる。バンドの男が「この間はごめんね」とか言ってるが、女の子が「初めましてあなたの娘です」というシーンの展開は驚いた。 最初のシーンでそのバンドの男が「20年前に子供作ったけど離婚してその子には会ったこともない。ひょっとして死んでるかも?」と酒の席での冗談を言っていたが、それがこうつながったか。 ただしその後ドラマは展開しないけど。 つぐみが片桐の車に乗っている時に例のトライアスロンの男の子とすれ違う。つぐみは窓から身を乗り出すが、そのときにドアが開いてしまう。 つぐみは死んだが、片桐は結局車を出して知らんぷりした。 先のバンドの男の娘といい、悲劇的な終わり方で、この場合よかった。 蒼井そらと那波隆史を楽しんだ映画だった。 社宅妻 ねっとり不倫漬け日時 2018年3月31日15:23〜 場所 上野オークラ劇場 監督 小川隆史 製作 OP映画 弁当屋でバイトする純子は社宅住まい。郵便配達の草間直也と不倫の仲にあった。今日もバイトの後、直也とのセックスを楽しむ。 しかし隣の部屋の久美子が、誤配された郵便物を純子の部屋に届けようとドアの前に立ったとき、あえぎ声を聞かれてしまう。 久美子は廊下で出てくる男を待ち伏せ、直也を特定する。久美子は自分で自分に現金書留を送り、直也が届けてくれる日を待つ。その日はやってきて「印鑑お願いします」という直也をじらし、ついに体の関係に持ち込む。それだけで飽き足らない久美子は純子の夫宛に「あなたの妻は不倫しています」という手紙を書く。 直也は仕事を辞めて実家の農家を継ぐという。「ついてきてくれないか」と純子を誘うがそれは出来なかった。直也という不倫相手を失った久美子。純子は新しい郵便配達の女性と今度は関係を持つ。 特に山の困難もなし。 純子の夫(野村貴浩)が妻の不倫を知って暴れ出すかと思ったが、タンスにしまってあった妻のセクシーな下着を身につけて興奮するという笑える展開になっていた。 ラストで純子は郵便配達の女性と直也が送ってきたとうもろこしを体に塗りながらのセックスは印象的だった。でも特によかったわけではない。 池島ゆたかが弁当屋の主人役でワンカット出演。 ちはやふる 結び日時 2018年3月25日18:35〜 場所 新宿ピカデリー・シアター7 監督 小泉徳宏 千早(広瀬すず)たちの高校2年の1月。クイーン戦と名人戦が行われ若宮がクイーンになり、名人は千早たちの師匠・原田(國村隼)を破り周防(賀来賢人)が勝った。 千早たちのカルタ部も新年度を迎え新入部員の獲得に精を出した。 今年新入部員がいないと千早たちが卒業したら部員がいなくなってしまう。 入部したのは経験者だが、生意気な筑波とイケメンの太一(野村周平)目当ての薫だけだった。 一方、綿矢新(新田真剣佑)も福井の高校でカルタ部を作り、全国大会で千早たちと勝負をするのを楽しみにしていた。 いよいよ都大会。しかしその場に太一はいなかった。受験を理由に退部したのだ。都大会はぎりぎりで勝ち残り、全国大会への出場が決まった。 太一は予備校で特別講師をしていた周防と出会う。最初は周防に反感を持ていたが、その強さの秘密に惹かれ、彼に稽古を付けてもらうことになった。 いよいよ全国大会。新たちと再会する千早。そのとき、太一が会場に現れた。 広瀬すず主演の「ちはやふる」完結編。前の「上の句」「下の句」からもう2年も経ったのか。 今回はかなり話を駆け足で進んでる気がする。 新入生の二人がいるのだが、恋が目当ての女の子もやたら生意気な男も活躍するのは前半のみで、後半は活躍がない。あの生意気な男の子がどう活躍していくか興味があったが、「そんなことに関わってられない」とばかりにフェードアウトしていく。 そもそも綿矢新がかるたに復帰しなければ話は収まらないはずだから、今回は最初から復帰していく。(あれ?「下の句」でもまだまだ復帰しなさそうに見えたけど記憶違いか) もっとも新が復帰して3人でカルタをするのがクライマックスなのだから、これでよいのだ。 後半、私はちょっと泣きそうになった。 千早、太一、新だけでなく、大会で負けてしまって泣いている選手たちを(時間は短いが)ちゃんと描く。時間が短くても「ちゃんと描く」だけで充分伝わってくる。 太一が一時抜けるわけだが、それにしても最後には返ってくることが解っている。映画なんだからそれでいいのだ。現実はなかなかそうはならないけど。 前半で「運命戦」とかカルタの基本ルールを新入生に説明する形で説明する。競技カルタはなじみがないですからね、こういったことは必要です。 とにかく最後は3人の対決となり、千早たちの勝利。でもいい試合だった、と思える作品だった。 ドラマ部分を極力少なくし、もたもたした展開を無くして一気に勝負だけを描いたこの3作目は前2作より面白かったと思う。 広瀬すずはこれからも注目である。 縮みゆく人間日時 2018年3月25日 場所 DVD 監督 ジャック・アーノルド 製作 1957年(昭和32年) スコット・ケアリーは妻とともに休暇中に兄のボートを借りて海へ出た。 妻が缶ビールを取りに船室に入っている時に、水爆実験の霧が船を覆った。その霧に混じっていた奇妙な粉をケアリーは浴びる。 6ヶ月後、ケアリーは自身の体に異変を感じていた。服のサイズが違うのだ。すべて大きくなっている。妻との身長差もなくなっている。 不思議に思って医師に診察してもらう。最初は気のせいだと言っていた医者も彼の体が小さくなったことを認めざるを得ない。 大きな医学研究所に行ったが何も解らない。一時は薬で小さくなるのがt止まったが、やがてまた縮み始める。 ケアリーの運命は? 50年代60年代の白黒SF映画は好きなので時々購入して見ている。 このDVDも去年の年末に購入していたのだが、時間がなくて観る機会が延び延びになっていた。 いや面白かった。 前半は小さくなった自分を受け入れられずに妻に暴力的にあたる。そして家にこもっていても仕方ない、と外へ出て見せ物小屋の小人の女性と知り合い、同じ90cm台の人間同士で話し合い、スコットも生きていく元気を取り戻す。しかしそれも一時で、彼の体の縮みは一向に止まらず、ついにドールハウスに住むようなサイズ(20cmぐらいか)になってしまう。 そのときに妻が留守の時にたまたま入ってきた猫に襲われる。怪獣のような猫との対決は見物。しかし結局は地下室の箱の中に落ちてしまう。 妻は行方不明になってしまった夫を彼の兄によって諭され、この家から 出て行く決意をする。 後半、地下室でネズミ捕りの餌のチーズを取ろうとする。なんとか取れたチーズが排水口に落ちてしまった時は思わず「あっ」と叫んでしまった。 同様に今度は上の方にあるお菓子(ケーキらしい)のかけらを取りに行こうと木箱を裁縫の針と糸でロープを作って上っていく。そして離れた木板を渡るシーンは同じく「ああっ」と声を出してしまった。 それほどまでにサスペンスいっぱいである。 そして今度は蜘蛛との対決。怪獣映画的楽しさで充分楽しめた。 妻たちが一度は地下室に降りてきても気づかないあたりは思わず、こちらもまたまた声を出しててしま出してしまう。 ここまで来てどう決着をつけるのかがずっと気になっていた。結局は体は元通りになる(あるいは「ウルトラQ」の時のように夢オチ)になるかと思ったらそうではなかった。 地下室から外へつながる金網を見つけたときは外に出られずに「ここは牢獄だ」と悟った。しかし今度は体が小さくなっているので、外に出られる。 ここで彼は「極小と極大は同じだ」などと悟る。正直、ここでの悟りはよくわからないのだが、自分で生きていく希望を見いだしたのだろう。悲観的だと思ったラストだが、案外ハッピーエンドかも知れない。 特撮としてはブルーバックで人間を取り、猫や蜘蛛は合成だと思うが、なかなか見事だった。 そういう点でも観る価値あり。 曇天に笑う日時 2018年3月24日19:00〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン1 監督 本広克行 明治の始まった頃。琵琶湖のほとりの大津では曇(くもう)三兄弟と言われる3人が町人から信頼を得て守っていた。長男の天火(福士蒼汰)次男の空丸(中山優馬)三男の宙太郎は両親がなく、天火が親代わりで弟たちを育ててきた。彼らの親は新政府の逆らった忍者集団・風魔一族に殺された。風魔一族の中で傷を負っていた男を天火は助け、彼は白子(桐山漣)という新しい名前で天火たちと暮らしていた。 琵琶湖にはオロチの伝説があった。300年に一度、曇天が続く時にオロチは器となる人間を見つけ、それに乗り移って復活するのだ。 新政府の岩倉具視(東山紀之)はそのオロチに対抗するため、かつてオロチを封じ込めた伝説の男たちの祖先で犲(やまいぬ)を結成していた。かつて天火もそのメンバーだったが、両親が殺され、弟たちを育てるために犲を抜けたのだった。 犲のリーダー安倍蒼世(古川雄輝)は天火を憎んでいた。 そんな時、兄を越えたいという空丸の心にオロチが宿った。風魔一族は空丸を連れ去り、オロチ復活をたくらむ。 オロチを復活させまいとする、天火、犲たちは空丸の元へ向かう。 福士蒼汰主演作。原作はコミックだそうだ。当然知らない。でも福士蒼汰だから観に行った。当分は福士蒼汰が出てれば映画は観に行くつもりである。 なんか面白くないんだなあ。登場人物が説明的なためなのか、誰にも感情移入出来ない。この映画90分強でたぶん原作はもっと書き込まれているのだろう。 白子が裏切るけど天火は許すとか、白子との関係が描かれるけど、ライバル視している蒼世との関係ももっと描いてほしかったと思う。 明治の初期のため、洋服と和服が混在する世界は「るろうに剣心」でも出てきたが、その和洋折衷のビジュアルがクリエーターの創作心をそそるのかも知れない。 ラストにオロチが復活して怪獣映画っぽくなったらそれは楽しめたかも知れないが、今回はオロチの復活をくい止めてしまったのでそれはなし。 でも冒頭の町のセットをクレーン(かな?)で俯瞰で眺めてカメラが移動していくワンカットはエキストラの多さ、セットの大きさも立派で見所があったが、でもそれだけで映画が面白くなるわけではない。 福士蒼汰のひたすら明るい笑顔、戦うときの殺気ある表情、などなど福士蒼汰を楽しむ映画。滝に打たれるシーンもあるし。 犯人は21番に住む日時 2018年3月24日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 アンリ=ジョルジュ・クルーゾー 製作 1943年 最近パリでは連続通り魔事件が相次いでいた。しかも犯人は「ムッシュ・デュラン(デュラン氏)」という名刺を常に現場に置いていた。 事件の早期解決を願う政府は警察に圧力をかける。現場のヴェレス警視は言われなくても解っていた。 ある日、酔っぱらいが「俺は古道具屋だが、ある下宿屋の大家に頼まれて屋根裏部屋のタンスを引き取ったんだ。そこには例の「デュラン氏」の名刺がたくさんあった。きっと犯人はその下宿屋に住んでいて、部屋では見つかるかも知れないからと屋根裏部屋に隠したに違いない」と証言する。 ヴェレスはそのミモザ通り21番地の下宿屋に牧師を語って捜査を開始する。 人形作りの職人、元医師、手品師、作家の老婦人、今は盲目となった元ボクサーとその看護婦などがいる。 ヴェレスの妻は売れない歌手だったが、「名前が売れれば劇場で使ってもらえる」と思い、この事件の犯人探しを思いつく。 夫がその下宿に行ったと知り、自分もついて行く。 その晩、作家の老婦人が殺された。人形作りの職人が疑われたが、その後ヴェレスの家の前にしたいが届けられた。 ヴェレスは人形作りの職人は釈放された。殺人事件は止まらない。 「恐怖の報酬」「悪魔のような女」のクルーゾー監督の長編デビュー作。 連続殺人鬼を追う正当派ミステリー。 「犯人はある下宿に住む人の誰か」という形で数人に絞られる。殺人事件が起きる度に誰かが疑われるのだが、その直後に別のデュランによる殺人事件が発生し、釈放せざるを得ない。 一度は疑われた人形職人、元医師、手品師の釈放を祝う内輪のパーティが下宿で催される。そのパーティにヴェレスの妻も歌うことになり、ヴェレスも向かう。楽器も出来る3人の元容疑者が演奏してヴェレスの妻が歌うのだ。その式次第を見たヴェレスは真犯人に気づく、という展開。 正直、私はここで解った。ただしそれは私が賢いからではなく、DVDでの鑑賞だからヴェレスが解った時点で、再生を止め少し考えてから解った。 ここでは書かないが横溝正史の「獄門島」と同じ。本格派でなかなか楽しめた。 また容疑者の一人が手品師なのだが、ヴェレスはその部屋に聞き込みに行ったときに会話しながらマジックを披露する。 手に持ったものを消滅させてしまったり、大きなスペードのトランプに息を吹きかけクローバーに変えてしまう等々。今ならCGで何でも出来そうだが、この時代だから実際にカメラの前でやってたんだろうな。 なかなか楽しめる。 やたら出たがりなヴェレスの妻がややうっとうしくもあるが、探偵役の助手としていいコメディリリーフにもなっている。 面白かった。 Romantic Journey 旅立ち日時 2018年3月21日15:27〜 場所 光音座1 監督 新倉直人 製作 OP映画 エイスケはサラリーマン。今日、朝の通勤電車の中で後ろから女性のスカートをめくっていると、後ろから男の手が伸びてきてエイスケの手をつかみ、その男の股間を握らされた。そして男は射精。新宿に着いてからエイスケはその男を捜すが見失ってしまった。 その日は体調が悪いと言って会社を休んだエイスケ。家に帰って今朝のことを思い出しながらオナニーした。 その日以降、例の男を電車で探す日々、やっと探しだし、追いかけて駅の外で話しかけたが「君のことは知らない」と言われてしまう。しかしエイスケはその男を追いかける。その男が入ったマンションに入り、部屋にも入ってみる。そこでエイスケは男に犯された。男は「明日から君と僕は他人、君の新しい世界に旅立とう」と言い残す。 エイスケは同僚のたっちゃんにゲイバーに連れて行ってもらう。 そこで知り合った人と男同士の世界に踏み入っていく。 今度は店のバイトの子を家に連れ込んで楽しむ。そのときに彼女から電話があったが、途中でバイトの子が切ってしまったがエイスケはもう気にしない。 電車の中で男に痴漢するようになるエイスケ。しかし失敗し、外でその男から金を取られる。しかもその姿を彼女に見られてしまった。彼女は「あなたって最低」と言い残して去っていった。 落ち込んだエイスケだが、その晩たっちゃんとその友達が訪ねてくれて3人で楽しむ。 翌日以降、通勤電車の中で男たちに触るまくる(あるいはそれを夢想する)エイスケだった。 話は最後まで書いた。 新倉直人(小林悟)監督作品。 相変わらず迷いながら作ってる感じ。 冒頭で主人公が痴漢にあって目覚める、というのはいいとして(私個人的にはそういう展開は好きではないが。あれは他からの影響ではなく、自発的になるものだと思うから)その前に痴漢行為をしてるのが解せない。 「これぐらい女好きだったのに男好きになった」というふり幅を示したかったのか? それならその前に彼女と親密ぶりを示せばいいような気がするが。 そしてゲイバーに入ってそのあとの絡み(ゲイバーのママ?)がちょっと気取って真っ赤な照明のもとでしているが、返って見づらい。 でもいいところもあって最初に痴漢にあって家に帰ってから、それを思いだし、部屋で立って吊革に掴まるように手を挙げて手を後ろにやって痴漢の男の股間をしごく振りをして自分のものをしごいて射精するところは妙に実感が出ていた。 それにしてもラストで電車で痴漢しまくる(もしくは妄想)はちょっといただけない。痴漢行為は犯罪で許せないので。 縄と男たち日時 2018年3月21日14:27〜 場所 光音座1 監督 片岡修二 製作 ENK 大学生のユウジ(小賀生詞〜ポスターでは「古賀」と表記)は両親がなく、ジムでインストラクターをしている兄(下元史朗)と二人暮らし。年の離れた兄は弟を大学卒業まで面倒を見ようと必死だった。 しかしそれが時にはユウジには重荷だった。ある日、ユウジは街で卒業した大学の先輩にばったり出会う。先輩は今は会社を辞めてアルバイトをしているということだった。 ユウジがアパートに帰ると兄は女を連れ込み、キスの最中だった。ユウジはショックを受け、先輩の部屋に行く。そこで先輩に告白し、二人は結ばれる。 ユウジはそのまま先輩と暮らす。しかしお金も乏しくなり、ユウジは先輩の店で働きたいと言い出す。先輩の働き場所は実はゲイ専門のSMクラブだった。 オーナー(港雄一)はユウジをM役で希望したが、先輩もユウジもS役を希望し、仕方なくOKする。 兄はユウジを探し、家に帰るように言う。しかし「兄さんは父さんにはなれない」と拒絶してしまう。兄はユウジたちを尾行し、二人がSMクラブで働いていると知り、ショックを受ける。 先輩はユウジに一度兄の元に帰ることを勧める。ユウジも納得し、SMクラブを辞めようとする。しかしオーナーは二人を監禁、二人ともオーナーの攻めにあう。先輩はなんとか逃げだし、電話でユウジの兄に助けを求める。 兄は二人を助け出す。 「縄と男たち」はゲイSMものとしてその後シリーズ化された。別に話に連続性はないと思う。 今回、その1本目。 主役のユウジの小賀生詞さんが目がクリっとして、眉が濃く、なかなかのイケメン。今でも十分に通用する男っぷりだ。 ただし体をちゃんと丁寧に写していないので、ちょっと物足りなさはある。 SM描写も流血とかの激しさはなく、亀甲縛りで腕を吊される程度でそれほどきつくない。だからこの程度なら逆によかったと思う。 最初の店のシーンではお客がM役で縛られるのだが、そこに洗濯ばさみを挟んでいく。その洗濯ばさみに鈴がついているあたりの芸が細かい。 こういうのは誰の用意か解らないけど、なかなかである。 相変わらず下元史朗がハードボイルドに決めているが、本音をいうと似合ってない。二人を助け出した後ユウジに「俺は父親にはなれないか?」と問うて、ユウジが首を横に振る。なれないともとれたが、ユウジは「父親なんかじゃない、兄さんは兄さんでかっこいいんだ」的なことを言って「終」。 楽しめる一編でした。 顔役暁に死す日時 2018年3月18日17:00〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 岡本喜八 製作 昭和36年(1961年) 倉岡市の市長、佐伯が市長当選パレードの最中にライフルで狙撃された。 数ヶ月後、佐伯の息子、次郎(加山雄三)がアラスカから帰ってきた。彼は故郷に久しぶりに帰ったら父が殺されたと知る。早速警察で細木警部(田崎潤)から事情を聞く。今この街は古くからの半田組の半田(田中邦衛)、西条(中丸忠雄)と新興の後藤組(平田昭彦)が争っていた。後藤の元には松井(中谷一郎)という拳銃使いがいた。細木は松井が真犯人ではないかと疑っていた。 次郎の元に暗殺犯の指紋の証拠があると電話があった。行ってみると関(山本廉)という警官がやってきた。「いったいこんな夜中に何してるのかね?」と質問されているときに後藤や松井までやってきた。 その場をなんとか逃れた次郎だが、証拠を渡そうとしたのは誰なのか? 果たして事件の真相は? 10年以上前に浅草東宝のオールナイトで鑑賞。最後の1本だったせいか半分寝てしまい、まるで記憶に残ってない。 あんまり面白くなかった記憶はある。ソフト化されていないし、今回ラピュタのポイントで招待券もあったので再見。 やっぱり面白くない。 何でだろう。主演が加山雄三だからか?(私は加山は当たり外れがあるし、うまい人でもないのでそれほど好きじゃない) 岡本組常連の佐藤允や天本英世が出てないせいか? お話だって市長の暗殺は誰か?で引っ張っていく。 でも「たぶんこいつが黒幕」と思った新市長の柳永二郎がやっぱり黒幕だった。意外性なし。 (結局狙撃したのは誰かがはっきりしない。弾から銃の持ち主は解っているのだが、その銃を盗んだ男〜映画には出てこない〜だったんだろうか) たぶんそれらもあるだろうし、それだけではない気がする。 ミッキー・カーチスのネタを売る新聞記者(本人に言わせると結核で肋骨が3本ない)とかスマートな悪役の中丸忠雄や平田昭彦も出てるのにな。 展開が早くて各のキャラクター(他にも後藤に通じている刑事に堺左千夫とか)、殺された市長の後妻とか、面白いキャラクターもいるんだけどねえ。 なんか散漫な印象になってしまったのか? 要素だけ観てると決して悪くないのだが、結局うまくまとまってない。 喜八自身がもう暗黒街ものに飽きていたのかな? それが画面に出てるのだろうか? 映画って不思議だなと改めて思った。 そうそう映画中にドリームランドって遊園地が出てくるのだが、これが「二子玉川園」って書いてあった。横浜ドリームランドでのロケではなかたらしい。 HANA-BI日時 2018年3月18日 場所 TSUTAYAレンタルDVD 監督 北野武 製作 平成9年(1997年) 西(ビートたけし)と堀部(大杉漣)は中学高校の同級生で今も同じ掲示だった。女房同士も知り合いで二人で豊島園に行ったときに二人組の女の子ナンパして、そのままお互い結婚したのだ。その西の妻は子供を失い、本人もガンのため長くはない。さらに精神も病んでいて口をまったく聞かなくなってしまっていた。 そんな時、張り込みの時に「どうせここには来やしないから」と堀部のすすめで西は病院に妻(岸本加世子)を見舞いにいく。しかし犯人は現れ、たまたま一人だった堀部は撃たれ、重傷を負う。その後の犯人逮捕の時も後輩の田中(芦川誠)は撃たれて死亡した。その場に居合わせた西は犯人を射殺した。その事件がきっかけで刑事を辞める西。 堀部は助かったものの、車いすの生活だった。そんな姿になった堀部の元から妻と子供は去っていき、今は海の近くで一人で住んでいた。 西は田中の遺族や堀部に金を残すため、銀行強盗をする。 そして自らも妻とともに旅にでる。 大杉漣さんが2月に亡くなった。突然死で亡くなる前の日までテレビ東京の「バイプレーヤーズ2」の撮影をしていたそうだ。 その追悼ニュースでよく紹介されていたのがこの「HANA-BI」。 私自身も封切りの時にこの映画を観ており(テアトル新宿だったと思う)、大杉漣という役者を覚えたのもこの映画だった。 この映画自体も非常に印象に残っており、北野作品では一番好きだと思う。 大杉さんの追悼もあって封切り以来の再見。 でも不思議な映画だと思う。 たけしのせりふはほとんどなく、相づちをうつぐらいである。 話の展開もほとんどない。 せりふや話の面白さで見せる映画は多いが、もうこの映画は画で見せる、役者で見せる。 大杉漣が車いすになり「女房子供はいなくなっちゃったよ。暇になってすることなくて困る、絵でも描いてみようかと思うが、そんなのしたことないし。とりあえずベレー帽でも被ってみようかな」と一人ではなすところは圧巻である。 このシーン、追悼ニュースでよく紹介されていた。(後半の方だと思っていたが、最初の方だったのだな) 時折挿入される、イメージの絵画たち。これがすばらしい。クレジットを観るとたけし自身の絵だそうだ。一度実物を観てみたいし、(買えるものなら)買ってみたい。 西は銀行強盗をするのだが、その車を盗難車のタクシーを廃車工場から買い取る。そして自分でペインティング。よく考えたらパトカーを偽装する必然性はないのだが、途中で「おい、当て逃げなんだ、何とかしてくれ」と頼むドライバーにタクシーの自動ドアをあけて一撃を食らわせるところは当時からよく覚えていた。 そして全く口を利かない岸本加世子がいい。 80年代ではアイドル的女優だったが、本作でちょっと大人の役を演じた印象があった。最近お見かけしないが、お元気だろうか。 あと全編に渡る久石譲の音楽。画の美しさ、挿入される絵画のすばらしさ、登場する役者の表情、そして音楽でこの映画は魅せきる。 北野バイオレンスと静かな死生観など、すべてうまく表現できた、私の中では北野武の最高傑作である。 青春ディスカバリーフィルムーどこだって青春編ー日時 2018年3月17日18:45〜 場所 シネマード新宿1 監督 小泉剛 東海林毅 渋谷英史 中前勇児 2016年夏以来のトキエンタテイメントの青春ディスカバリーシリーズ。今回は初日舞台挨拶付きで鑑賞。登壇者は平牧仁(「パンドラノート」主演)、高崎翔太(「がむしゃらソールドアウト」主演「ポケットの中のビスケット」脚本)、根本正勝(「500円の後悔」出演)。 「ポケットの中のビスケット」(18分) 監督 小泉剛 脚本 高崎翔太 酔いつぶれて寝てしまったが、朝起きたら目の前に800万円の札束があった高橋(植田圭輔)と佐々木(丸山敦史)。何の金かさっぱり解らない。テレビをつけてみると近所の宝石店が泥棒に入られて800万円と宝石が盗まれたと報じている。 俺たち盗んだの?この金を使い切って金を無くしちゃおう!と二人はバイト先の上司の田中も一緒にお金を使ったり、逃げたり。 俳優の高崎翔太脚本。「高崎翔太も今後は脚本業にも進出か?」と思ったがそいうう訳ではなく、「7年前に出だしの3ページぐらい書いて社長に見せてそのままになっていたのを書いてみた」ということで要は「なんとなく書いてみた」という感じらしい。 話の方はこの後、服を買ったり居酒屋に行ったり、ぼったくりバーに入ったり(店長が川瀬陽太)でまあ笑えるのだが、バイト先の上司だった田中の関わりがいまいち必然性、というか「なんであんたが着いてくるの?」という感じで無理を感じる。田中はゲイで佐々木に気があるのか?という気もする。この辺がはっきりさせて欲しかった。 で、お金を最後に燃やしたあとで、馬券の引換券が出てきて、「あのお金は競馬で当てたお金だった」と思い出す、というオチ。 でも翌朝起きたらまた1600万円があり、テレビは「3人組の強盗が1600万円を盗んだ」とニュースでやっている、で終わり。 本物の強盗と遭遇するとか、そういう展開でもよかった気がする。 高崎本人は映画「ハングオーバー」(酔っぱらっていろいろするコメディ)をやりたかったらしい。 「がむしゃら ソールド・アウト!」(29分) 監督・脚本 東海林毅 お笑いコンビ春夏秋冬は夏目(高崎翔太)と秋田(足立英昭)のコンビ。今日も営業の現場に行ってみたら、待っていたのはステージではなく洗剤の実演販売だった。 夏目はまったくやる気がなかったが、秋田はなんとなくその仕事にやる気をだしてしまう。 青春ディスカバリーではよくある「夢を追う若者」もの。 秋田が実演販売に未来を見いだそうとするが、夏目はそれが許せないらしく、お笑いを続けていこうとするが、友情で最後は秋田の応援をする、とう内容なのだが、実演販売のテレビショッピングに行くときに汚れたフライパンを秋田が家に忘れ、夏目がそれを届ける、というのがクライマックスだが、肝心なものを忘れるのは夏目がアホすぎる。 いや秋田が窮地に陥って夏目が助けるというドラマの目的は解るのだが、もう一工夫欲しかった。 「パンドラノート」(26分) 監督 渋谷英史 脚本 杉山桃子 漫画家の増島(富田翔)は大ヒットマンガ「パンドラノート」の第2シーズンの締め切りが迫っていた。しかし何のアイデアも浮かばない。 そこへ新人編集者・小宮(平牧仁)が資料とファンレターを持ってくる。そのファンレターの中に「田中美菜子」というのを見つける。 実はこのファンはストーカー的なファンレターを今までも送っていた。 今回の手紙では「私の満足するマンガを描いて送ってください。あなたの部屋には爆弾を仕掛けました。家から出ようとすると爆発します」とある。 増島は仕方なくマンガを描くが、小宮は「こんなんじゃきっと相手は満足しないですよ」という。案の定、メールで送ったら書き直しを命じられた。小宮は「今新人作家のマンガを持っていて、その中に絵は下手だけど話は面白いのがあります。これを先生がリメイクしてみては?」と持ち帰る。その作家は「こなみ かなた」といった。 4本の中ではこれが一番面白かった。 田中美菜子はこなみかなたを逆から書いていて、それが編集者の小宮だとは予想がついた。小宮が犯人でなければ小宮は入るときに爆弾に気づくはずだからな。 小宮と増島は同級生で、小宮が学生時代にノートに書いていたマンガを増島が盗んでいて、それをベースに「パンドラノート」を描いたと小宮は信じている。しかし増島が持っていた小宮が描いた「パンドラノート」をその場で読み返したら「アトムのぱくりだった」という。 ええ、それはないんじゃないかなあ。細かい点は忘れていても大筋は覚えているのでは? でも密室のサスペンスで一番私の好みの話だった。 「500円の後悔」(23分) 監督・脚本 中前勇児 ひろき(馬場良馬)とゆうすけ(玉城裕規)は同じ建築デザイン会社の同僚で親友。しかしある時からゆうすけのつきあいが悪くなる。ある日、「何も聞かずに10万円貸してくれ」とゆうすけに言われるひろき。 ひろきは貸したが、その翌日ゆうすけは退職した。 3ヶ月後、ゆうすけから連絡があった。ゆうすけは10万円返してくれたが、ひろきは冗談で「お前、ちょっとは利息つけろよな、500円でいいからさ」といい、ひろきは500円渡す。彼の財布は空同然になってしまったのだが。 友情物語なのは解るし「俺はなけなしの500円を相手から奪った」と後悔する話ののだが、どうも説得力がない。 ゆうすけが会社を辞める前は弁当にしたり自転車通勤にしたりとお金を節約しているが、そんなチマチマしたことでは父の病気には足らないだろう。 ゆうすけは10万円借りる事情を隠しているが、「父の手術代」なら隠さなくてもいいのでは?また500円しかなかったってそれじゃ生活どうなってるの?それだけ生活に困っていたら500円返すだけじゃ問題は解決しないだろ?それより復職を助けてやれば?とかいろいろ疑問点がわいた。 まあ理解の少なさから友達に言った何気ない一言に後悔するってのは解りますが、なんか説得力ないなあ。 でも「パンドラノート」以外はシーン数(ロケセット数)も増えたり、エキストラの数も増えたりで、かつてほとんどが「ワンシチュエーション」だったのが、豪華になっていた。 また来年も観たいものだ。 劇場版 ウルトラマンジード つなぐぜ!願い!!日時 2018年3月17日15:45〜 場所 新宿ピカデリー・シアター7 監督 坂本浩一 太古の昔、惑星クシアではギルバリスによって破滅寸前だった。クシア人のアイルはギルバリスを倒す「赤い鋼」を持ってクシアから脱出。その直後、ギルバリスによってクシアは破壊された。アイルは地球の沖縄にたどり着き、そこで生き延びた。 現代。地球にギャラクトロンが出現、リク(濱田龍臣)はジードに返信してた戦うが逃げられてしまう。 その頃ジャグラーという宇宙人が出現し、リクたちに会っていた。ジャグラーはギャラクトロンはウルトラマンの光線が通じないから倒せない、という。リクは「僕はウルトラマンだから地球を守らなきゃいけないんだ。僕が倒す!」と力を込める。 ジャグラーの指摘で「太平風土記」を見ると、沖縄に赤い鋼があるらしい。リクたちは沖縄に向かう。そこで出張中だったレイトに出会う。 沖縄の伝説に詳しい人ということでレイトにアイルを紹介してもらうリクたち。そこでギャラクトロンMK2が出現し、リクはジードに変身。アイルの助けで石像が沖縄の守り神、グクルシーサーになり、ギャラクトロンMK2は退けられた。 アイルはリクに「ジードなのね」と話しかけ、自分もクシア人と明かした。 リクたちは沖縄にある不法滞在の宇宙人が集まる酒場に行き、ギルバリスの情報を得ようとする。 昨年7月〜12月に半年間放送された「ウルトラマンジード」の劇場版。 最近「ウルトラマン」にはさっぱり興味がないので普段は観ないのだが、濱田龍臣が主演と聞いてとりあえず全部観た次第。 しかし「ジードはベリアルの息子」とか前のウルトラシリーズを観ていることが前提で話が進められるので、さっぱり解らない。 とにかくキャラクターの相互乗り入れとかもう「仮面ライダー」や「戦隊もの」と同じで、かつての「地球防衛チーム」がいて、事件に遭遇し最後に宇宙人(または怪獣)が登場しウルトラマンになって解決する、という基本は全く残っていない。怪獣バトルがあるだけ。 それじゃ乗れないだなあ、私は。 さっきも書いたようにそれでも観たのはひたすら濱田龍臣だから。彼が登壇する2017年の年末から18年年始に東京ドームシティで行われた「ウルトラマンジード」のショーにも行った。 今回もジャグラーという謎の宇宙人が出てウルトラマンオーヴも出てくる。さらにパラレルワールドではウルトラマンともちょっと違う形のヒーローが出てきてもう何がなにやら。 さらに(テレビもそうだったが)ジードにもいろんなヴァージョンがあり、完全に置いてきぼり。 それだから最後のバトルの10分ぐらいは気を失った。 起きたら怪獣が倒されていてエンディング。 ひたすら大画面で濱田龍臣を楽しんだだけ。でも半分はウルトラマンたちの怪獣バトルだから、全編濱田が出てるわけじゃないんだな。 ウルトラマンオーヴだったか、ジャグラーにリクが「近くに温泉あるらしいから行こうぜ」と誘われたので、「おお!」と期待したが、「いやそれどころじゃないので」と断った。がっかり。 濱田龍臣でもう一ついうと(テレビ版からそうだけど)ずっとデニムのジャケットにジーンズにオレンジのTシャツ。はじめのほうは茶色っぽいジャケットに白いTシャツのシーンもあるが、同じ衣装ばかりでかわいそう。 ウルトラ警備隊の制服じゃないんだから、すこしバリエーション見せてよ、せっかくの劇場版なんだから。 ラストに先輩ウルトラマンたちにリクが「誰かに似てるな。こういうポーズとってみろ」と言われるシーンがたぶん過去作のパロディなんだろうけど、さっぱり解らなかった。 あと宇宙人酒場のシーンね、あれは「スター・ウォーズ」の影響。ああいいのは止めて欲しいなあ。 息衝く日時 2018年3月11日12:30〜 場所 ポレポレ東中野 監督 木村文洋 東日本大震災からすぐの参議院選挙の頃。宗教団体「種子の会」が母体となった「種子の党」から立候補する候補者の応援を則夫(柳沢茂樹)と大和(古屋隆太)はしていた。則夫は市役所で福祉の仕事をしていたが、仕事を休んで候補者の応援、会員への投票の呼びかけでリストを頼りに一軒一軒回っていた。 その候補はなんとか当選。大和はその秘書に抜擢された。大和は則夫も一緒にと幹事長(川瀬陽太)に進言したが、「党職員としてなら採用する」と言われた。しかし運動に疑問を感じていた則夫は市役所も辞め、会とも距離を取った。それは病気で弱った母のそばにいたかったからだ。 則夫と大和は幼なじみで、慈(よし・長尾奈奈)も子供の頃はいつも一緒だった。彼らには種子の会の青年幹部の森山になつき、精神的な支柱とそいていた。その森山は後に国会議員となったが、政争に疲れたのか失踪してしまっていた。 大和は原発廃止に向けて頑張るが、なかなか自分の思うようには行かない。則夫も母の死をきっかけに会を離れていく。 そんな時、幹事長から森山の居場所を教えてもらう。則夫、大和、慈の3人は森山のいる山へと向かう。 「へばの」「愛のゆくえ(仮)」の木村文洋監督作品。 前の2作品が私には合わない映画だったのでパスするつもりでいたのだが、「創価学会」「公明党」をモデルにしているというので俄然興味がわいて観に行った。でもやっぱり合わなかった。 ドキュメンタリータッチを、目指したこともあるし、低予算なこともあるが、カメラがハンディで常にゆらゆら」ゆれているので見づらいことこの上ない。何度もいうけど私手持ちでゆらゆらした映像は(私の三半規管が弱いのか)苦手で気分が悪くなる。今回もこの映像の連続で気分が悪くなる。 それにドキュメンタリータッチのせいかドラマ性が薄く、なんか盛り上がらない。言いたいことは解るのだが、小声でぼそぼそ言ってるだけで「もっと大きい声で言え!」と怒鳴りつけたくなる感じなのだな。 上映後に宗教学者の方と木村監督のトークイベントあり。木村監督は10代の頃に宗教(霊友会)に関わって選挙運動などしたのだそうだ。 それと青森出身で原子力問題には関心があり、そのことを映画にしたかったのだとか。 なるほど、だから「へばの」で「愛のゆくえ(仮)」なのだな。 今回は宗教活動と政治の問題と原子力(原発)問題の両方を描きたかったのだな。それはよく理解した。 でも低予算映画だと顔の知らない役者ばかりで(今回は川瀬陽太と西山真来と小宮孝泰ぐらいしか知らない)それって結構観てると寂しい。 役者の力ってやはり大きい。 関係ないけど「オレとアイツの集金旅行」で主人公たちが乗っていた車がワンカットだけ登場した。クレジットで「協力」に車の持ち主の名前があったから間違いあるまい。 シェイプ・オブ・ウォーター日時 2018年3月10日19:30〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン7 監督 ギルレモ・デル・トロ 1960年代前半、冷戦下のアメリカ。イライザは政府の研究所で清掃員として働いていた。彼女は耳は聞こえるが、声帯の問題で話すことが出来ない。友人も同僚のゼルダと同じアパートに住む売れない画家のジャイルズだけだった。 イライザの勤める研究所にある日、アマゾンで発見されたという生き物が運び込まれた。警備担当のストリックランドがこの生き物に指をかまれるという事件発生。この時の掃除を行ったことがきっかけでイライザはその生物を目にする。 それは人間に近い形だが、水の中で生きられる半魚人とも言うべき姿をしていた。イライザはそれに恐怖を覚えることなく、かえって心を通わせていく。 ある日、ストリックランドたちが上官の命令でその半魚人を生体解剖士よとしてる知ったイライザは、彼を逃がす計画を立てる。 本年度アカデミー作品、監督賞受賞作品。アカデミー賞だから見たわけではないが、その前から「ウルトラQ」だ、「ガス人間第1号」だと言われていたので関心を持っていて、迷ったが鑑賞。 ふーん、いい映画だと思うし、デル・トロのやりたいことも解る。でも面白かったかというとちょっと違う。 「パシフィック・リム」もそうだったが、あらすじとか聞くと面白そうだが、実際に見るとなんだか違うのだな。 どうもデル・トロ監督の作りたい映画と私が観たい映画には差があると思う。 今回で言えば半魚人の造形がリアルすぎて恐怖感が先に立ってしまう。 どうしても「大アマゾンの半魚人」を思い出したが、デル・トロ監督が子供の頃に観て最後に半魚人が殺されるのが納得いかなかったとそうだから、「大アマゾンの半魚人」を連想しても間違っていない。 これを愛せるかというと私は恐怖感しか覚えないので、今回の物語も「話としてはそうなんだろうけど、実感として共感できない」と思ってしまう。 映画のテーマは「そういう恐怖感、というか反感しか覚えないものを愛す」とうことだと思うから、なかなかしんどい。 中途半端なプロデューサーなら「もっと可愛らしさを出してくれ。でないと観客は共感出来ない」と反対されたろう。 そういう恐怖感、反感しか覚えないものの対象としてソ連も登場する。ストリックランドなど反ソ主義者の権化みたいな存在である。 また物語では少ししか触れられないが、イライザと仲のいいジャイルズは実はゲイらしい。近くのパイの店で大しておいしくもないのにパイを買いに通い詰める。その店長がタイプだかららしい。だが仲良くしようとした途端に「うちはそんな店じゃない」と拒絶され、さらに彼が黒人差別をして「おまえ等はテイクアウトだけだ」と言い放つ。 映画全体としては短いが、ゲイ、黒人などのマイノリティ差別も描きたかったのだろう。 その辺は理解できるのだが、イライザが自分の浴室いっぱいに水を張って半魚人と抱き合うシーンで下の映画館が水浸しになるのはユーモアには私は感じなかった。たぶんユーモアで笑うべきなんだろうけど。 その辺の描写がデル・トロとは合わない気がする。 去年の冬、きみと別れ日時 2018年3月10日16:55〜 場所 新宿ピカデリー・シアター1 監督 瀧本智行 フリーライターの耶雲(岩田剛典)は大手出版社に昨年に起こった写真家の木原坂雄大(斎藤工)の起こした事件のルポを書いてみたいと出版社に持ち込んだ。デスクの小林(北村一輝)は「もう執行猶予で判決も出た事件だから」と消極的だが編集長(矢島健一)は「とりあえず原稿見てから決めれば?」と一応ゴーサインを出す。 木原坂の起こした事件は自宅のスタジオで盲目の女性をモデルに写真を撮影中に火事になり、モデルを死なせてしまったのだ。はじめは木原坂が殺したのでは?という噂が立ったが、結局は事故で事件は終わった。 耶雲は彼がモデルが燃えていく様を写真に撮ったという噂を聞きつけ、その真実を知りたいと思ったのだ。 雄大には姉朱里がいて二人は小学生の時に父親が強盗に殺され、二人も傷つけられた経験を持っていた。その事件は未解決。 雄大自身、高校の頃に友達の彼女を換金した過去を持ち、その頃の友人は今回の事件を「雄大が監禁して殺された可能性もある」と思っていた。 耶雲には百合子(山本美月)という恋人がいて結婚間近だった。 ある日、雄大は百合子をモデルに誘って監禁した。そして火事になり、百合子は焼死した。 昨年ぐらいから予告編が何度も流れ岩田剛典の美青年ぶりや斎藤工の狂気演技が楽しめそうなので、初日に鑑賞。山本美月も私には好感度の高い女優だし。 結論から言えば面白かった。でもそれ以上の感想が出てこないのだな。 原因はいろいろあるけど、まずはストーリー。 実は耶雲は純粋なライターではなく、去年、雄大が起こした事件の被害者の婚約者だったというオチがある。その復讐のために取材を通じて雄大に近づいたのだ。 「耶雲はどうも何か裏がある」というのは小林の部下が調べてきて物語りの途中から示されるし、最後の最後になって開かされるというわけではない。それにこっちも「全員だまされる!」的なキャッチコピーが出ているのでかまえてみたから騙された思いはなかった。 しかし「探偵(主人公)が○○だった」的なオチは好きじゃない。 それ言ったらなんでも出来てしまう気がするので。 主人公は観客に嘘や隠し立てをしないで欲しい。またこういう「作者のトリック」は好きじゃない。 あと主人公のキャラも変だよ。こいつもストーカー気質あるし、サイコパス対サイコパスだったな。 次に岩田剛典。うーん、頑張ってるし上半身裸も見せてファンサービスもいっぱいだ。公開の直前に発売になった雑誌「anan」ではシャワー姿も掲載し、もう岩田隆典の時代である。 彼の笑顔は魅力的だし、実にさわやかなイケメン。 でもやっぱり「頑張ってる」の域を今は出ていない。 まだちょっと早かったかな? しかしこれは叩いているのではなく、まだまだ可能性を感じるからこそである。今後も期待してます。 斎藤工は安定のイケメン変質者。こういうのうまいなあ。 blank13日時 2018年3月4日14:35〜 場所 シネマート新宿・シアター1 監督 斎藤工 小さな葬儀会場で松田雅人(リリー・フランキー)の葬儀が行われていた。しかし受付にやってくるのは大会社の社長だったらしい松田宗太郎の方ばかり。受付のサオリ(松田茉優)はその度に案内していた。 雅人は妻と長男のヨシユキ(北藤遼、斎藤工)、次男コウジ(大西利空、高橋一生)の4人家族。コウジたちが子供の頃、雅人は雀荘に入り浸り、借金取りが毎日のようにアパートに訪ねてくる日々だった。 ある日、雅人は「たばこ買いに行ってくる」と行って家を出たまま帰らなかった。 ヨシユキはそんな父を露骨に憎んだが、コウジはキャッチボールをしてくれて、甲子園に高校野球を見に連れて行ってくれた父をどこか憎みきれないでいた。 そんな雅人がガンで入院していて余命3ヶ月だと解った。13年ぶりだったが、ヨシユキもコウジも母も雅人に会おうとはしない。 コウジは一人で雅人に会いに行った。 やがて雅人は亡くなった。 葬儀の途中、僧侶が「せっかくですから会葬者の方に故人の思い出を語っていただきましょう」ということになった。 その会葬者の人々から聞く父の姿はコウジたちがまったく知らなかった姿だった。 斎藤工の長編初監督作品。斎藤工は映画フリークで監督指向だとは聞いていたが、本作が商業映画の初監督になるのかな。いままで作った短編は常設館での上映はないみたいだし。 すごくオーソドックスで奇をてらっていない映画で好感がもてた。 葬式が始まるまでがコウジたちの回想で、「博打ばかりで借金をして夜逃げした父親」という負の側面が語られる。 そしてメインタイトル。 葬式のシーンでは佐藤二朗が結果的に進行役となって各人の思い出を語っていく。それは「バカだった。お人好しだった。金もないくせに人の金の心配をしていた」と子供たちが知らない面ばかりだった。 この前半ドラマ、後半葬式で各人が思い出を語る、という構成が黒澤明の「生きる」を思い出させる。映画フリークの斎藤監督だから、観ていても不思議はない。 こういうオーソドックスな演出が昔の日本映画らしさがあって、そういう映画が好きな私には好感が持てた。 ただ後半の葬式のシーンでの参列者が、女装した川瀬陽太とかどこか見るからにおかしい神戸浩とか見た目で目立つ形になっているのが今風か。 (最近はどうも奇をてらった役者が多い気がするのだ) とは言っても総じて落ち着いた演出でよかった。 また斎藤監督作品も観たい。 出演だけでなく、監督としても期待する。 プリンシパル 恋する私はヒロインですか?日時 2018年3月4日11:30〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン12 監督 篠原哲雄 母親が再婚し新しい父との間もうまくいかず、学校でもハブられた高校2年生の住友糸真(黒島結菜)は実父と暮らすために北海道に転校した。 学校でいきなりイケメンだが態度がでかい館林弦(小瀧望)と喧嘩になってしまう。弦は親友で幼なじみの和央(高杉真宙)の席に糸真が座ったのが気に入らなかったのだ。 家に帰ってみるとその和央がいた。実は父が近所つきあいをしていて、父は和央の母に好意を持っていた。 自然と和央や弦と一緒になることが多くなる糸真だったが、それに嫉妬した友人の晴歌に裏切られてしまう。 正月休み、元旦に弦は和央を初詣に誘うが、風邪を引いて行かれない。同じく父に急な仕事が入って一人になった糸真と弦は初詣に行く。そこで糸真は自分がバレイを習っていたが挫折したことなどを話す。 和央が気になっていた糸真だが、父が和央の母にプロポーズ、そして二人は結婚。和央と糸真は兄弟になってしまった。 晴歌は弦とつきあい始める。和央は実は弦の姉の弓を好きで、弓も好意を持っていたが、年の差などの立場で踏み切れないでいた。 糸真を心配した晴歌は中学時代の友人を糸真に紹介するのだが。 毎度の少女コミックの映画化。ジャニーズWESTの小瀧望が主演。小瀧望はあまりよく知らないのでパスしようかと思ったが、3月2日放送の「脱力タイムズ」で偶然観て、なかなか好印象を持ったのでやっぱり鑑賞。 黒島結菜は「アオイホノオ」以来好感を持ってるし、高杉真宙も出てるしな。 とにかく展開が早く、糸真(シマと読む)、弦、和央(ワオ)の3人の関係がくるくる変わる。 最初は接近していた糸真と和央がまさかの急展開で家族になってしまい、喧嘩していた弦が友人と付き合いだし、また和央は弦のお姉さん(彼らの高校の音楽教師でもある)に惚れていて、新しい男を糸真は友人に紹介してもらう展開。 また弦の家は金持ちで、和央の家は母子家庭でどうやら経済的にも援助されているらしい。いくら幼なじみでも経済的援助される関係ってよくわからん。 まあ原作はたぶん長い話だろうから2時間の映画にすると急展開の連続になるんでしょうね。 舞台となった札幌の雪の風景から、春、夏、そしてまた冬と季節に応じての美しい風景がたまらなくいい。やっぱり雪景色とかいいですよ。 大泉洋の「探偵はBARにいる」の成功の大きな要因が札幌を舞台にしてると思うので、これからもっと札幌は映画の舞台になっていいと思う。 というわけで大した感想もないのだが、黒島結菜もよかったし、高杉真宙は相変わらず好感度高いし(ただし今回はちょっと顔が痩せているのが気になった)、観ていて楽しかったです。 小瀧望は(たぶん弦というキャラクターが好きになれず)、それほどでもなかった。 |