2018年7月

   
未来惑星ザルドス ドクター・モローの島 暴虐女拷問
THE CHALLENGE
(ザ・チャレンジ 最後のサムライ)
官能病棟 濡れた赤い唇 BLEACH 菊とギロチン
ときめき のんけ 虹色デイズ ジュラシック・ワールド
/炎の王国
君が君で君だ バミューダの謎 
 魔の三角水域に棲む巨大モンスター!
ハン・ソロ
/スター・ウォーズ・ストーリー
猫は抱くもの

未来惑星ザルドス


日時 2018年7月29日 
場所 DVD
監督 ジョン・ブアマン
製作 1974年(昭和49年)


2293年の未来。
この世界は荒涼としていて人間は最低の生活をしており、時折選ばれた殺戮者たちが人間を殺していた。彼らは「ザルドス」と呼ばれる宙に浮く巨大な石像の口から吐き出される銃を使って人間を殺していた。
ある日、この世界に疑問を持った殺戮者の一人ゼッド(ショーン・コネリー)が石像に乗り込み、その行き先を探る。
たどり着いた先は「ボルテックス」と呼ばれる不老不死の人々の世界だった。
この世界を守るために異分子であるゼッドを排除すべき、というコンスエラ(シャーロット・ランプリング)と研究すべき、というメイ(セーラ・ケステルマン)という学者が対立していた。
この世界では死はなく、その代わり何か悪いことをすると加齢の刑があり、歳をとらされた。この死のない世界に退屈していたフレッドはゼッドを使ってこの世界を変えようとする。


公開当時、チラシやポスターを観て存在は知っていたSF映画。
「007」は見始めていたからショーン・コネリーはなじみのあるスターだったから関心を持ったのだろう。
予告とかで観て暗そうなイメージだったので観なかった。
しかし空中を飛ぶ石像の映像は強く印象に残っていた。
後年(数年後だろう。何十年も後じゃない)テレビ放送でラストシーンだけ観て印象に残ったので気になっていたのだ。
(DVDを買った日付を観ると昨日観た「ドクター・モローの島」と同じ日に買ったらしい。「2枚で1990円」でそのときHMVで20%オフ期間だったから買ったようだ)

今観ると70年代前半のSFだなあ、と思う。
私の中ではSFって最初は怪獣とか火星人襲来とかタイムマシンで始まって、やがて「もっと高尚な物を!」という訳で映画で言えば「2001年宇宙の旅」とか「時計じかけのオレンジ」とかの難解SFになった。
この映画はその流れ。
(これが数年後、「スター・ウォーズ」の登場でひっくり返されるのだが)

ごちゃごちゃ言ってるけど要するに「人間は死によって生に限りあるからこそ充実した生き方をしようとする。永遠の命を得たら充実した生は得られない」っていうことがテーマ。
そういう映画です。

オチを書いちゃうけど、「ザルドス」って言葉の意味は「WIZARD OF OZ」から来てると出てくる。冒頭のWIとOFを取り去れば「ZARDOZ」となるわけで。このあたりが「オズの魔法使い」というのが日本との欧米の馴染みの差かも知れない。

ラストはボルテックスをゼッドとその仲間が破壊し、人々はの「殺してくれ」と自ら殺されることを選ぶ。
ゼッドとコンスエラは壊れた石像の中に入り、結ばれる。
数ヶ月後、コンスエラは妊娠、子供を産む。
そして二人は並んで座る。コンスエラは赤ん坊に乳を飲ませる。
やがてその子供が二人の間に座る。子供は子供から少年になり、青年になって旅立っていく。そして二人は老けていき、骸骨になる、というシーン。
このシーンはテレビ放送でここだけ観たのだが、ものすごく印象に残ったのだ。

宙に浮かぶ石像とかショーン・コネリーがほとんど全編パンツ1枚とかシュールとエロスとバイオレンスが合わさったまさに70年代SF。
面白くはないけど記憶に残るインパクトはあった。






ドクター・モローの島


日時 2018年7月28日 
場所 DVD
監督 ドン・テイラー
製作 1977年(昭和52年)


船が嵐で遭難したアンドリュー(マイケル・ヨーク)は仲間と共に太平洋のある島に漂着した。海岸で倒れてしまったが、仲間の悲鳴で気がついたが仲間はすでにいなくなっていた。
この島はモロー博士(バート・ランカスター)とマリア(バーバラ・カレラ)、傭兵の男が住んでいた。アンドリューはモロー博士たちに助けられる。
モロー博士の家には召使いが何人かいるが、どうも変だ。また森を歩いていると召使いの一人が、川の水をまるで獣のような仕草で飲んでいた。
何か危険なものを感じたアンドリューは漂着したボートを修理し、この島を脱出する準備をし始める。
またアンドリューは森で人間と虎が戦っているのを見る。
モロー博士を問いつめるとこの島の召使いも含め奇妙な人間たちは獣のたちに遺伝子操作をする薬を注射して人間にしたものだという。
それをアンドリューが咎めるとモロー博士は彼を獣人化する注射をする。
傭兵の男がそれを咎めるとモローは彼を撃った。
獣人たちは日頃から「人間を襲ってはいけない、血を流してはいけない」という掟を教え込んでいたのにそれをモローが破ったとして反撃に出る。


この映画は公開の時は知っていたが見なかった。洋画館でも一流館ではなく、ちょっとB級の映画ばかり上映する映画館だったので、わざわざ行かなかったとのだと思う。
DVDはずいぶん前に買っていたのだが、そのまま棚においてあったのを「人間改造物」を観たくなって鑑賞。

あっ、人間を獣にしたんじゃなくて、獣を人間化したんだ!
「猿の惑星」のチームがメーキャップを担当だそうだが、妙にチープ感が漂う。これは「今観ると」という訳でもなく、当時観てもそう思ったと思う。(だからチラシ等を観てそう思って観に行かなかったのかも)

それでも途中、獣人男と虎との対決シーンはすごい。
CGとかじゃなく、ガチで戦っている。これはすごいよ。今なら撮れないかも。

話の方はどうにもちんたらしていて面白くない。
獣人たちの反乱によってモロー博士は殺される。いやバート・ランカスターがこういう役をやるとはなあ。よくやったと思うよ。
日本なら仲代達矢がやるようなものか。

結局獣人たちはやっぱり獣に戻っていく。
アンドリューはすでに仲良くなったマリアを連れて島を脱出。
(ここで海岸で何度も何度も襲ってくる獣人が少ししつこい)

ラストはあっさり船が見つかって「おーい」と合図してるところで終わり。
「てっきりマリアは元は獣だった」というオチがつくんじゃないかな、と思っていたのでこの脳天気なラストにはちょっとがっかり。
しかし後でネットでレビューを読んだら、これはアメリカ公開版で、日本公開の時にはラストでマリアが獣に戻って行き始める、という私が予想したラストだったらしい。
(道理でDVDのジャケットに「本DVDのエンディングはアメリカ劇場公開版です」と書いてあるわけだ)

作品の内容とは関係ないが、前半でマイケル・ヨークがやたらと上半身裸であったり、シャツを着ても前のボタンは閉じないで肌を露出しているのが気になった。





暴虐女拷問


日時 2018年7月23日21:00〜 
場所 ラピュタ阿佐ヶ谷
監督 若松孝二
製作 昭和53年(1978年)


明治時代。村の金持ちで権力者の権之助は自分の子供を妊娠した女中ふさを「俺の子供は生ません」と流産させようと暴行した。
ふさは何とか屋敷から逃げ出し、河原に立っていた小屋に逃げ込む。そこのは捨造(今泉洋)と留吉(野上正義)という男たちが住んでいた。二人はふさを助けようとするが、権之助に雇われた警官・桜井がやってきてふさを連れてってしまう。権之助は再びふさに乱暴し、ふさは死んでしまった。それをうまくごまかしたのは桜井だった。
権之助は新しく来た女中ゆきをまた犯す。初めてだったゆきはショックで家を飛び出し、川へ身を投げる。しかし捨造と留吉に助けられる。
留吉はゆきを連れてこの村を出ることを決意する。しかし途中で権之助の娘えみと会ってしまう。
えみは家に帰ってゆきと会ったことを権之助に話す。桜井たちは留吉とゆきを捕まえ、二人とも木につるされ、ゆきは桜井に犯されながら死んでいった。
生き残った留吉は桜井を殺し拳銃を奪う。そして捨造の元に帰った。二人の怒りは爆発。
捨造は自分が官軍として戦った時に持ってきた火薬を取り出し、爆弾を作る。
留吉と捨造はえみと権之助の妻を誘拐。一人でやってくるように手紙を出したが権之助は警官隊を引き連れて留吉たちの小屋を囲む。
権之助は妻や娘がいるにも関わらず、警官隊に発砲させる。
娘や妻の命をなんとも思わない権之助の姿を見てえみは悟った。
やがて権之助の妻も留吉も捨造も死んでいく。
残ったえみは権之助が小屋に入ってきたとき、捨造が作った爆弾を囲炉裏に投げた。小屋は吹っ飛んだ。


ラピュタ阿佐ヶ谷新東宝ラストフィルムショーでの上映。
今回はニュープリント!(今回のために焼いたかは解らんけど)
いや映像がきれいなのかと驚く。撮影は伊東英男さんだが、権之助が畳の室内で女中を犯すシーンなど障子の向こうがオレンジに染まっており、見事に美しい。「愛の処刑」の撮影も伊東さんだが、あの映画の映像の美しさは伊東さんの力だったのだなと改めて解る。

同様に捨吉たちの小屋のシーンで陰影のついた顔を捉え、また女中の襦袢の赤が見事に美しい。この映画、撮影の美しさが映画の格を上げている。

とにかく権之助や警官が憎らしくて、「最後には権之助は死ぬんだろうな」と期待する。だが捨吉たちが死んでしまい、どうなることかと思ったら娘が爆弾を爆発させて全員死亡というラスト。
カタルシスあるねえ。

娯楽映画とピンクのあるべき姿を示したような若松映画の代表作ではないか?
見逃さなくてよかった。








THE CHALLENGE(ザ・チャレンジ 最後のサムライ)


日時 2018年7月22日 
場所 アメリカ版Blu-ray
監督 ジョン・フランケンハイマー
製作 1982年(昭和57年)


ジムのオーナーと喧嘩してクビになったリック(スコット・グレン)は、ある車いすに乗った金持ちの日本人から刀を日本に運んで欲しいと依頼を受ける。「何のリスクもない」というが高額な報酬に心配になる。しかし金ほしさに引き受けるリック。
大阪空港に降りて京都までタクシーで行こうとしたらヤクザのような男たちにタクシーごと乗っ取られた。後ろを走っていた車に乗っていた車いすの男は殺された。
そしてある大きな建物にヤクザの安藤に案内されるリック。そこで吉田という日本人(中村敦夫)の前に連れてこられる。吉田がいうには自分が持っている刀と対になっている刀が欲しいという。それをお前が持ってきたと思ったら偽物だった、という。
吉田の元を逃げ出したリックだったが、助けてくれたのは車いすの日本人の横にいたアキコという女性だった。
アキコは先ほどの吉田の兄に当たる男(三船敏郎)を紹介する。その時、殺された車いすの男の車いすが届けられる。その車いすには目的の刀が隠してあった。
吉田は若い男たちに武道の修行をさせていた。金を貰って用済みになったリックがバーで飲んでいると、ぼったくりバーで困ったところを安藤に助けられる。そこで吉田(兄)の家に行き、刀を奪ってくるよう言われる。
吉田の元で修行を始めるリックだが、厳しい修行に音を上げ、そうそうに刀を盗む。しかし吉田にあっさり捕まってしまう。
罰を受けたリックは心を入れ替えて修行する。
吉田兄弟が会ったとき、弟は刀を渡すよう要求するが断る兄。窮地を救ったのはリックだった。
しかし今度は安藤は吉田(兄)の娘のアキコを誘拐する。
洋子を助けるために吉田とリックは吉田(弟)の元へ!


三船敏郎関連の書籍を見ていたら「三船が出演した外国映画」というのでこの「THE CHARENGE」が紹介されていた。しかも監督は「グランプリ」「フレンチコネクション2」のジョン・フランケンハイマーじゃん!
でも日本では劇場未公開(VHSビデオのみ発売)。
どうやらトンデモニッポン映画らしいと解ったが、それでも観たくなる(何度も言うけどそういう映画、好きのだな、私は)

また刀の奪い合いの話である。「武士道ブレード」とか「レッドサン」とかつくづくそういう映画が好きなんだなあ、ハリウッドは。

中村敦夫の会社のビルが特徴的なのだが、これって「ザ・ヤクザ」にも出てきたのと同じじゃないかな。
そしてリックが吉田(兄)の家で最初の方で食事をごちそうになるのだが、伊勢エビの活き作り(まだ動いている)を食べさせられたり、どじょうを生きているまま飲み込んだり、すごく変。まるで「インディジョーンズ魔宮の伝説」のインディが魔宮で料理を食べるシーンみたいだった。

んで刀を盗んだリックが屋敷を出たところで物音に気づいて刀を抜くのだが、相手は猫。しかし抜いた刀をじっくり見て「やっぱり返そう」と思わせる。
ここは説明せりふがなくても伝わってきて、いいシーンだと思う。

続いて罰としてリックは顔だけ出して庭に数日間埋められる。これが「戦場のメリークリスマス」のシーンと同じ。まねしたかと思ったが、こちらは1982年だから早い。

んで手裏剣の投げ方を教わったり、「一体どういう武術なんだ?」といい疑問はさておき、今度は突然浅草でのお祭りのシーンになる。
ここでアキコが誘拐される。
明らかに浅草ロケなのだが、別に東京に移動したわけではない。日本人以外にはばれないよな。

アキコやリックが写ってるシーンは雨が降って傘を差している。でも祭りの御輿のカットは雨なし。編集でうまくつないであるが、まあ撮影日の予備がなくて強引に撮影したのだろう。

ラストはアキコを助ける為に吉田とリックが殴り込み。
ここで吉田(弟)の会社の警備員と戦うのだが、最初の警備員は普通のガードマン姿で(マシンガン持ってるけど)、後に出てくる重武装したのが機動隊員の服なのだよ。ヘルメットには桜マークもついている。
いやだなあ、警官が守ってる訳ないから、「この制服かっこいいね、これでいこう」と実体無視のデザイン重視。
日本人スタッフは苦笑したに違いない。

ラストには中村敦夫と三船敏郎の対決。近代的なビルの中で和服姿の二人が刀で対決するのはめちゃくちゃシュール。
「三十郎対紋次郎」ともいえるなかなかシーンだ。
気を使った安藤が吉田(兄)を撃って傷を負わせる。「よけいなことしやがって!」と弟は激怒して、安藤の首をはねとばす。
ここ爆笑物ですよ。

戦えなくなった兄の代わりにリックが挑む。
オフィスで事務用品を武器にしながら(ホッチキスを顔面に刺すシーンあり)対決。プリンターの電源ゲーブルを切ってケーブルに相手の刀を当てて感電させるなんて日本人なら思いつかないですよ。
このあたりの格闘シーンはさすがフランケンハイマーですよ、マジで。

最後はリックが弟の頭をかち割って勝つ。
んで兄に刀を渡してパンして京都の夜景になって「THE END」。

ほぼ吉田兄の屋敷で話は進むので、それほどトンデモニッポンは出てこない。でも近代的なビルでの斬り合いはやっぱりシュールである。

それよりも一番ツボだったのはアキコの子供なのか、道場で修行している小学生ぐらいのジロウという少年が登場するが、これはクレジットでは「KENTA FUKASAKU」とある。
そう深作健太監督の子供の頃らしい。
今度会う機会があったらこの映画のこと聞いてみよう。

あと吉田兄の片腕でクライド草津出演(「ミッドウエイ」で山本長官のいつも横にいた人)。







官能病棟 濡れた赤い唇


日時 2018年7月21日21:00〜 
場所 ラピュタ阿佐ヶ谷
監督 橋口卓明
製作 平成17年(2005年)


女性雑誌の編集者の洋子(麻田麻由)は「口裂け女」の企画を取材していた同僚の加藤が連絡が取れなくなったとかで編集長(伊藤猛)から引継を命じられる。
洋子の妹のカズミは今親と喧嘩して洋子の家に来ていた。カズミは彼氏のコウジから玉井病院という廃病院に肝試しに行こうと誘われていたが断っていた。
そのコウジは浮気相手と玉井病院に肝試しに。そこで彼らは怖い物を見た。その後、一緒に行った女は窓から飛び降りて死んだ。
カズミとコウジがホテルにいるときにまた何者かに襲われた。コウジは死に、カズミは恐怖で自分の部屋から出られないようになってしまった。
洋子は玉井病院を医療ミスで訴えた長谷川(葉月蛍)という女性にたどり着いた。彼女の話ではこの病院では以前津村という女性が美容整形に失敗した事件があったという。津村の父は有力政治家。
洋子は津村に面会。真実を聞き出す。最初は話さなかった津村だが、娘が妻子ある男と不倫し別れた。その後美容整形をしたいと言い出したが、反対した。しかし事故にあい、顔を整形しなければならなくなった。顔に大きな傷を作り、ショックのあまり自殺したという。
洋子は津村の娘の霊を沈めるために玉井病院に向かう。


ラピュタ阿佐ヶ谷の新東宝ピンク映画ラストフィルムショーの1本。
本日は橋口監督と葉月蛍さんのトークイベント付き。
何の予備知識もなしで(ホラー映画とも知らずに)観たが拾い物で面白かった。

監督の話では当時「リング」とか流行っていてこういうミステリー形式の話になったそうだ。
また冒頭、玉井病院で医者と看護婦が夜開かずの病室(ここに津村の娘が入院していた)でからむシーンから始まるなどピンク映画としてのお楽しみもはずしていない。監督の話では「ホラー映画ではキャンプとかしていて男女が抜け出して襲われる、というのは定番だから、セックスしてる最中に襲われるのがいいと思った、ということ。正しい。

「口裂け女」「廃病院」「いなくなった同僚」などホラーミステリーの要素満載で私は好きである。

ちなみに玉井病院は廃病院だが、ロケセットの会社が買い取って病院のセットとして貸し出しているのだとか。「噂ではですが、実際に営業してる頃も玉井病院は評判が悪く、救急車で運ばれても『玉井病院はイヤ』と言うように言われていた」とか。
どこまでもホラーのようです。





BLEACH


日時 2018年7月20日19:10〜 
場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン5
監督 佐藤信介


黒崎一護(福士蒼汰)は子供の頃に母を亡くしていた。それは雨の日に二人で歩いているときに川辺で傘のない女の子を見かけ、一護が傘を貸そうとしたこと時に何者かによって母は亡くなってしまった。
高校生になった一護にはよく幽霊が見えていた。今日も成仏できなかった交通事故で亡くなった子供の霊が見えた。
その夜、一護の家が何者かによって破壊され、妹が連れ去れた。
それを追って外へ出た一護は怪物が妹をつかんでいるのをみる。そこへ見知らぬ少女がやってきた。ルキア(杉咲花)は自らを死神と名乗る。
怪物はホロウという成仏できない悪い霊だという。ホロウを倒すために戦うルキアだが、瀕死の状態に。そこで本来は禁じられてる人間に死神の力を移し、一護が死神代行になってホロウを倒す。
元の状態に戻そうとしたルキアだが、一護の霊圧が弱くて、戻ることができない。
翌日、一護が高校へ行くとルキアが転校生として入ってきた。死神の世界に戻れなくなったルキアは一護の霊圧を高めるよう訓練するしかないのだ。
しかしルキアの義兄・白哉(MIYAVI)が許さない。恋次(早乙女太一)によってルキアは殺されかける。ルキアが許される道はただ一つ、最強のホロウ・グランドフィッシャーを倒すことだ。


福士蒼汰主演のコミックの実写化。
当然のことだがこのコミックは知らない。ひとえに福士蒼汰主演だから見ただけである。

いや批判はしないけど、世界観にまったくついていけない。
訳解らん独特の世界に呆然とするだけである。いや理解は出来るよ、乗れないだけ。

そんな気分で映画を見てるから、画面で起こってることを見るだけである。
「はあCGすげえなあ」とか「佐藤信介は『GANTZ』もあったし、こういう作品が得意だな、でも『COSMIC RESCUE』の続編観たいなあ」とか、「クライマックスの駅前ロータリーはセットだとか。さすがに立派だなあ」とか、そんなことばかり考えている。

それにしても吉沢亮の死神ともホロウとも違う一族が出てきたり、小柳友の一護の友人が出てくるのだが、二人ともまだまだ活躍しそうなキャラクターだと思ったが、ちょっと食い足りない。
膨大な原作の一部を切り取った映画だからの結果か。

そんな映画の世界観に全く入れないのに、映画を2時間弱飽きなかったのは福士蒼汰が魅力的だったから。
ほんとにスタイルがよく、ほれぼれする。
長い手足を駆使してのアクションは本当にかっこいい。観ていてその魅力に酔ってしまう。

そういうことしか考えられなかった。
映画自体には全く乗れなかったが、福士蒼汰を堪能しただけでも料金の元は取ったと言える。

福士蒼汰は現在の日本映画界を牽引してくれるスターの一人である。





菊とギロチン


日時 2018年7月15日12:40〜 
場所 テアトル新宿
監督 瀬々敬久


関東大震災後の日本。大杉栄らのアナーキズム運動があり、その中の一つ、ギロチン社の中濱鐵(東出昌大)、古田大次郎(寛一郎)たちも行動を起こそうとしていた。大杉が暗殺され、その報復に関東へ向かう彼らは女相撲の興行に遭遇する。
その中の十勝川(韓英恵)と花菊(木竜麻生)と出会う。
女相撲は「エロ目当て」「観客はぽろりを期待している」とか言われ、風紀を取り締まろうとする警察からも目を付けられていた。
当時、関東大震災では「朝鮮人が井戸に毒を入れた」というデマがあり、もともと朝鮮人に対する風当たりは強かった。十勝川は朝鮮の出身だが、中濱は彼女を気に入り、「差別や貧富のない世界を作りたい」と自信の理想を語っていた。そして「満州に行ってそんな自由な世界を作りたい」と夢を語る。
しかし在郷軍人会の反朝鮮の飯岡(大西信満)に目を付けられ、リンチを受ける。それを助けた中濱と古田。3人で満州に渡ろうとする。
1年後、中濱は企業恐喝で逮捕、古田は仲間と再び関東へ。そこで花菊と再会するが、花菊の夫が彼女を連れ戻そうとしていた。


構想30年という瀬々敬久監督の自主制作映画。
2015年末に製作が発表され、出演者募集やクラウドファンディングいよる資金調達が話題になった(一部で)。
その後のことは知らなかったのだが、2016年秋から2017年始めにかけて撮影を行い、2017年末に完成。そしてこの7月に公開だ。

この映画、3時間以上ある。
顔ぶれだって主役は東出で、美術も立派だしエキストラも多いし、自主制作とは言え、ケイズシネマで上映する映画とは規模が違う。1億円ぐらいかかってるんじゃないか?

内容は「日本をよくしようとする若者と、世間や官憲から疎まれる女相撲」を組み合わせたアイデアはよい。しかし3時間もあると飽きるのだよ。
ここは2時間ぐらいにまとめて欲しかったなあ。

私自身は東出が大きなポイントなので、東出が逮捕されてからは映画が失速した感が否めない。あくまで個人の感想だけど。
そうは言っても寛一郎(佐藤浩市の息子だって)も初仕事(公開の順は逆になっていて他の映画はすでに公開済み)にも関わらず、存在感があり、やはり血筋なのか。

そして花菊の木竜麻生もなかなか存在感があり、印象に残る。
今後の活躍が期待できる。

でも自主制作とは言え、他の自主映画にあるような貧乏臭さは全くないし、瀬々敬久監督の色んな意味での力を見せつけられた気がした。









ときめき


日時 2018年7月14日19:48〜 
場所 光音座1
監督 新倉直人
製作 OP映画


自転車好きのヒロシとトシオは颯爽と走るサングラスの男と知り合った。男はアキラと名乗る。ヒロシとトオルは自分たち自転車好きが集まる場所に連れて行く。アキラはどこか暗さがあり、何か隠してるようだ。
自転車仲間のリーダーはアキラの男気に嫉妬したのか、アキラが好きになれない。
仲間の一人でマスターと呼ばれる男は困ってる仲間に金を貸してた。利息はしっかりいただく。しかし利息が払えない場合は体で払ってもらう。それがマスターのやり方だった。
リーダーはアキラのアパートである殺人事件の記事に印が打ってあるのを発見する。
マスターの提案でみんなで一泊旅行に行った日。ヒロシはアキラに「好きだ!」と打ち明ける。風呂で打ち明けたヒロシはアキラに挿入してもらうよう頼む。
またマスターも支払いが遅れてるメンバーから利息代わりの体をいただいていた。
翌日、湖畔をレースするアキラとリーダー。妨害をしたマスターが転倒したがアキラは助ける。
その時、警察がやってきた。殺人事件の容疑者だが、あの事件の時現場に行ったがすでに被害者は死んでいた。動転したアキラは指紋をあちこちにつけてしまったから容疑者にされ、逃げているという。
アキラはもう諦め警察に連行されていく。
そのパトカーを追い続けるヒロシたちだった。


話は全部書いた。
小林悟(新倉直人)らしい支離滅裂な話である。
アキラの部屋で新聞の殺人事件の切り抜きを見つけるのだが、これが偶然すぎるだろう。ただ戸棚を開けたら入ってたノートに挟んであっただけじゃん。これで伏線って思うのは無理ありすぎだよ。

実は「アキラは犯人を追う刑事だった!」っていうならまだ解るけど、ラストになって唐突に「俺は現場に居合わせただけ。でも逃亡に疲れたから捕まる」って無理ありすぎ。

ツイッターで先週までの「熱き心を」を観た人が「小林悟はこの唐突さ、無茶苦茶さを楽しんでる」という意見を見て。それは確かにそうでも思わなきゃやってられんというのも解るけど、でもそういう見方はしたくない。
だめな物はだめですよ。
でも開き直ってそういう見方したほうが楽だな。

カラミの方は相変わらず着衣で下半身だけ出すというやり方。珍しく風呂のシーンでは(当然ながら)全裸だったけど。

でも小林作品って多いなあ。やっぱりやり手がいなかったのかな、ゲイ映画は。





のんけ


日時 2018年7月14日18:48〜 
場所 光音座1
監督 剣崎譲
製作 ENK


ビデオ男優のユウダイ(佐賀照彦)は来月30歳になるのを機に引退しようとしていた。母親から結婚を勧められ、母親のためにも見合いをするつもりだった。
最後のビデオ撮影が終わった夜、昔なじみのマスターの店で飲むユウダイ。カウンターの隅には若い男が泥酔していた。若い男が店を出てユウダイも店を出るとさっきの若い男が倒れている。
仕方なく自分のアパートに連れて帰るユウダイ。ベッドに寝かせ、彼の裸を見て彼とセックスする妄想をする。
翌朝、彼が起きてびっくりしている。「まさか・・・」と不安がる彼を見て「安心して。俺はモーホーじゃない」と言ってしまうユウダイ。
朝食を二人で食べながら自己紹介してくれた。彼の名前は宮田ケンイチロウ。美大の学生でこの間彼女にフられたという。最近絵が描けなくて機嫌が悪かったので愛想を尽かされたらしい。それで芸術家にはホモが多いと聞いてゲイバーに飲みに行ったという。単純な発想をつい笑ってしまう二人。ユウダイもかつては美大で絵を描いていた。「今度僕の絵を見てください」というケンイチロウ。
バーのマスターから「そんなノンケなんて諦めなさい」と言われるが、ユウダイは諦めきれない。
「今度の日曜日に絵を持って行くので見てください」と留守番電話にメッセージが残されていた。それを聞いて思わずオナニーしてしまうユウダイ。
ケンイチロウが来るので部屋を掃除するユウダイ。ちり紙交換のトラックが来たので急いで出て行くユウダイ。その間にケンイチロウがやってきた。ユウダイのいない部屋で、ビデオを見つける。まさかと思ってそのビデオを再生してみたらユウダイが男と絡んでいた。
帰ってきたユウダイは「違うんだ。ちゃんと説明を聞いてくれ」と言うが、「ユウダイさんがビデオに出てても仕方ない。でも嘘をつかれたのがショックです」と言ってケンイチロウは出て行った。
バーで一人で飲むユウダイはまだケンイチロウが諦めきれない。
彼のアパートに行くと部屋には女がいた。ケンイチロウはユウダイの目の前で女に挿入。「俺のチンポが欲しかっただけだろう。いましゃぶって見ろよ!」と言い放つ。
ユウダイはしゃぶろうとする。怒ったケンイチロウは「帰れよ!どっちかがホモじゃ友情は成り立たないよ」と言ってしまう。
部屋を出るユウダイ。残された部屋で女が「もう帰っていい?」「ああお金はそこにあるよ」
女は金を手にして「あたしがどうこう言うことじゃないけど愛情はちんこやオメコじゃないよ。愛されてることが大切だよ」という。
ユウダイを探すケンイチロウ。バーに行ってもいない。ユウダイの部屋にいてみたら血塗れになっていた。股間を切ったらしい。
「死なないで!」というケンイチロウにユウダイは「アソコ切ったぐらいじゃ死なないよ。それより救急車呼んでくれ。痛くてたまんないよ」と笑いながら言った。


結構長くなったが、話は全部書いた。のんけに恋したゲイの話で切なくなる。
ビデオ男優がのんけに恋する話、と聞いていててっきり美大生の役が佐賀照彦だと思っていた。それが30歳になる男優が佐賀照彦と映画を見始めて知って驚いた。
そうかあ、佐賀照彦も30歳の役をやるようになっていたのか。

のんけに恋したゲイの話でとにかく切ない。切なさを通り越して心が痛くなる。正直、ゲイ映画館に来てこういう気持ちにはなりたくないなあ。いや映画としてはいいのだが、そういう切なさからの逃避として映画館に来ているのだからつらすぎる。
しかも30歳になって親のために結婚しようかと主人公が悩むなど、これも切なすぎる。勘弁してくれよ。いや映画としてはいい出来なんだけどさ。

しかし最後にユウダイが股間を切ってしまう展開は無茶すぎるし、猟奇的すぎる。ここはやめて欲しかった。
でもラストではユウダイとケンイチロウが手をつないで歩いているので、大した傷ではなかったのかな?

監督は剣崎譲。確か「SEE YOU AGAIN 広島物語」の監督だ。
この2本でこの監督作品は信用できそうな気がする。







虹色デイズ


日時 2018年7月14日11:15〜 
場所 新宿ピカデリー・シアター7
監督 飯塚健


なっちゃん(佐野玲於)、まっつん(中川大志)、つよぽん(高杉真宙)、恵ちゃん(横浜流星)は仲のよい高校2年の4人組。
なっつんは今小早川杏奈(吉川愛)に恋していた。いつも電車に乗ってくる彼女を自転車で追いかける日々。ある日、水たまりに落ちてびしょぬれの時に声をかけたから彼女がタオルを貸してくれた。
タオルを返すタイミングでLINEとか交換しようと思ったが、杏奈の親友のまり(垣松祐里)に阻まれる。
成績優秀なつよぽんを除く3人は夏休みに補習に。追試をがんばるためにつよぽんの家で勉強。その時に杏奈も教える側でやってきて、どきどきするなっちゃん。
夏祭りでもどきどき。そしてクリスマス。つよぽんの家でみんなでパーティ。まりのサプライズバースデーをしたのだが、驚いたまりは飛び出してしまう。
みんなでまりを探す。まっつんはいつの間にかまりを意識していた。
寒い中探し回ったことでなっちゃんは熱を出す。杏奈に助けてもらったが、よろけた時にキスをしてしまった。しかしなっちゃんはよく覚えていない。
二人の間を微妙な距離感が生まれる。


今日本の芸能界では若手イケメン俳優枠があってそこにはカテゴリーが存在する。そのAクラスにいるのが福士蒼汰、山崎賢人、佐藤健、岩田剛典などがいる。(東出昌大、松坂桃李はイケメンお兄さん枠)
最近は吉沢亮も入ってきた。(吉沢はまだA’かも)
菅田将暉とか神木隆之介、窪田正孝なんかはイケメンではなく、若手演技派だ。
んでそのBクラスにいるのがこの映画のメンバー。(あと北村匠海もここか)高杉真宙は今後、Aクラスに移行する可能性があると期待している。
ここまで書いた評価はあくまで私基準。
人によっては異なるだろう。

この映画は最初はパスしようかと思ったが、観た。結局高杉真宙目当てである。
少女コミックの実写映画化作品は全部ではないが、たいてい観ている。
それはもう内容ではなく、出演者目当てだ。

そういう気持ちで観ているので、やっぱりなんていうかBクラスが4人も出てきても満足できないですよ。Aクラスが一人出てればいいんですよ、そういうことがすごく解った。
これが北村匠海が出てればまた違ったかもと思う。(北村は最近ピカデリーの映画前のCM(JTかな)で故郷の母から野菜とか送られて感動する新人サラリーマンを演じているな)
要はこの手の映画では私は内容ではなく、俳優を楽しんでいるのである。

さらに女優も印象に残らない。「オオカミ少女と黒王子」の二階堂ふみとか「四月は君の嘘」の広瀬すずとかはよかったが、知らない新人女優で、まったく印象に残らない。最近の新人で言えば「セトウツミ」で内海を好きな子として出てきた中条あやみが印象に残る。(そういえば中条は最近菅田とカローラのCMでドライブする恋人、を演じている)

あとまりがやたらと杏奈のことを「友達以上の存在!」っていうから「この子LGBTなのかな?」と思ったが、そういうわけではないらしい。

というわけで話も男女優とも楽しめず、「俺はなんで観てるんだ?」という気分になった。この手の映画はやっぱり内容より役者ですよ。
内容なんてそんなに変わらないもん。




ジュラシック・ワールド/炎の王国


日時 2018年7月13日18:45〜 
場所 新宿ピカデリー・シアター1
監督 J・A・パヨナ


ジュラシック・ワールドのあったイスラ・ヌブラル島の火山が噴火を始めた。3年前の事故で今は人のいない島だが、恐竜たちは残っている。
政府はイアン・マルコム博士(ジェフ・ゴールドブラム)を招いて委員会を開き、「自然に戻すべきだ。人類は遺伝子操作など行きすぎた」と主張。委員会はそれを受け入れ、恐竜達はそのままになった。
今は恐竜保護団体にいるクレア(ブライダス・ダラス・ハワード)はジュラシック・パークの創始者ハモンドのパートナーのロックウッド(ジェームズ・クロムウエル)から恐竜達の保護の依頼を受ける。
かつてラプトルのブルーを育てたオーウェン(クリス・プラット)は最初はためらったが、やはりブルーが気がかりで救出に向かうことに。
同行するのは獣医のジア(ダニエラ・ピネダ)とITが得意なフランクリン(ジャスティス・スミス)だ。
火山が大噴火を起こすところでブルーたちを救出するオーウェンたち。だがロックウッドの部下のイーライ・ミルズ(レイフ・スポール)の目的は別にあった。ウー博士(BDウォン)の元で作った恐竜を兵器として開発し、そして残った恐竜達を高額な闇オークションで販売することだ。


人間が追いかけられまくってなんとか逃げる、というパターンを延々と繰り返すこのシリーズ。90年代のCG幕開けでその恐竜描写で感動したが、3年前からシリーズ再開。
今度はジュラシックワールドの島がなくなるという。
もう恐竜と火山の2本立てである。
恐竜に追われつつ、火山の爆発も気にしつつ島を逃げ回りなんとか脱出、というエンディングかと思ったらさにあらず。
島は始まって1時間以内に脱出した。

は?と思いつつ今度はお話は第2部へ。大金持ちの家があってその管財人が恐竜で一儲けしようとして結局は恐竜にやられるパターン。
オークション会場で結局恐竜が暴れ出し、悪い金持ちは食われていく。
新種としてこのロックウッドの家の中でウー博士が生物兵器として使える恐竜を開発。恐竜ハンターとして登場の男が、恐竜達の歯をコレクションしていて、この新種の歯も抜こうとする。いったん弱ったかに見せて(新種は頭がいい)、ニヤリと笑って(恐竜が笑うように見えるのだ!)やっぱり食われるというのが怖くもあり、痛快でもあった。

メイジー(イザベラ・サーモン)というロックウッドの孫娘が登場するのだが、最後の最後になって「この娘はロックウッドの孫娘じゃない。娘を失った悲しみからロックウッドが作らせたクローン人間だ!」と言われる。
正直、この告白は唐突。あと若い二人組(獣医とITオタク)が途中で物語から消えたりとキャラクターを増やしすぎてる気がして欲しい。
というか重要な面白そうな役なのに、活躍の場が足りないのだな。

それより驚いたのはラスト。
ロックウッドの研究所からガス漏れで、放っておいたら恐竜は死ぬ、という場面になる。恐竜を放てば彼らは助かるが、街に恐竜が出て大変なことになる。クレアは恐竜を死なせる選択をするのだが、メイジーが扉を開けて恐竜を放ってしまう!

これは驚いた。これから米軍と恐竜の戦いが始まるかと思ったら、ここで終了。
動物園に恐竜が現れ、サーフィンは海の恐竜に飲み込まれる。
マルコム博士は「これからは恐竜と共存する時代になったのだ。ウエルカム・トゥ・ジュラシックワールド」という。
行きすぎた科学は人類の驚異となる、という実は隠れた「ジュラシックパーク」のテーマを再度原点に戻ったいいラストだったと思う。
まさかとは思ったけどね。

あと個人的には恐竜オークションのシーンで、「アンキロサウルス」というアンギラスの元の恐竜が出てきてちょっと嬉しかった。




君が君で君だ


日時 2018年7月8日13:50〜 
場所 池袋ヒューマックスシネマ・スクリーン6
監督 松居大悟


尾崎豊(池松荘亮)、ブラピ(満島真之介)、坂本竜馬(大倉孝二)の3人は向かいのアパートに住む、韓国人の姫(キム・コッピ)をいつも見守っていた。
もちろん本名ではない3人だが、出会いは10年前。大学生だったブラピが彼女にフられて親友の尾崎が一緒にカラオケに行ったことだった。そこで倍としていたのが姫。その晩、姫が酔っぱらいに絡まれているのを助けようとして逆にはり倒される尾崎とブラピ。その場で姫と言葉を交わし、ブラピは姫に惚れた。
それに姫が行っていた大学の職員で姫とつきあっていた竜馬が姫にフられたことがきっかけで尾崎たちと合流したのだ。
3人はアパートから姫の生活を覗き見するのが生き甲斐になっていた。
そんな頃、姫のところに借金取り星野(YOU)と友枝(向井理)がやってくる。姫と同棲している宋太(高杉真宙)がギャンブルで作った借金が200万円に膨れていた。
星野たちは尾崎たちの存在に気づき、彼らのアパートに踏み込む。
「あの女が好きなら助けるためにあんたたちが金払ってくれない?」
そう持ちかける友枝。尾崎たちと姫の関係がついに動き始める。


最近映画では見かけなかった池松荘亮主演作。
この春のドラマで「宮本から君へ」に出演していて、それは先週まとめて見た。
この映画も池松主演作と言うだけで鑑賞。
(しかし配給がTーJOYということで、東京での上映は新宿バルト9と池袋ヒューマックスのみ。たまには行ったことのない映画館ということで池袋で鑑賞)

ストーカーを超えた狂気じみた愛情が描かれる。そこへ借金取りの友枝たちがやってきて、世間的価値観をぶつける。
「お前らなにが目的?つきあいたいんだろ?抱きたいんだろ?」というが「ただ守ってるだけです」という。

尾崎たちのやってることが狂気じみていることは作者もよく解っているのだろう。それを解っていながら尾崎たちを肯定的に描いていく。
かと言って見てる私が尾崎たちに共感することはなかったですね。
むしろ池松荘亮、満島真之介、向井理、高杉真宙らのイケメン俳優の無駄遣いと思ったくらい。
これが知らない役者だったらまた印象も違ったかも知れない。

最後には姫も尾崎たちの部屋に入ってきて「君の長い髪が好き」という尾崎の前で髪をハサミで切る。彼女が去った後、「彼女の気持ちをくみ取ろう」と尾崎はその髪をむしゃむしゃと食べ始める。
ここは池松荘亮すごい!と思った。

演技にかける執念を感じることのある池松だが、このシーンはすごかったなあ。
あと裸で下着だけになって上半身は姫になりきるためにブラジャーをつけるシーンも迫力があった。そしてアパートの階段で頭から滑る落ちるカットも。あれ危険だよ。

正直映画としては好きではないけど、池松、満島、高杉、向井の4人の共演は楽しく、そこは見る価値があった。




バミューダの謎 
 魔の三角水域に棲む巨大モンスター!


日時 2018年7月7日 
場所 DVD
監督 トム・コタニ(小谷承靖)
製作 1978年(昭和53年)


マグナス(リー・マクロスキー)は幼い頃に住んでいた海の町へ帰ってきた。彼は子供の頃、ある女の子とよく一緒に泳いだ。そして一緒にウミガメのかえるところを見た。ある日その女の子はウミガメとともに海へ帰っていった。
父の友人でバミューダ海域における巨大生物の調査を行っているポーリス博士(パール・アイヴス)を訪ねるマグナス。マグナスは父の死の原因を知りたがっていた。ある晩、何物かによって海岸の家が壊されたのだ。とりあえず友人のエリック(カール・ウェザース)とともにポーリス博士の海の調査の手伝いを始めるマグナス。
ある晩、海岸でかつて一緒に泳いだ女の子と再会する。彼女はジェニー・ハニバー(コニー・セレッカ)と名乗って去っていった。
その話をポーリス博士や博士の料理人の女性にすると一笑に付された。
ジェニー・ハニバーというのは伝説の女性で、非常に美しい金持ちの娘で、本土のハンサムな男と結婚しようと海を渡っているときに嵐にあって、自分だけ助かることを祈ってそのまま遭難した女性なのだ。
そんな頃、海岸に巨大生物が這った後が見つかる。エリックは巨大生物を通過舞えるために無反動砲(ホラ)を使うことを提案する。
しかし博士は「科学者の倫理に反する」と反対した。
エリックはマグナスを伴って二人で海にでる。


小谷承靖監督がアメリカで撮った映画。といってもテレビ映画だ。
日本では劇場公開されずにテレビ(たぶんゴールデン洋画劇場)で放送されただけ。邦題はテレビ放送された時の物だから、内容説明もかねたサブタイトルがやたら長い。
オリジナルの画面は4:3のはずだが、本ソフトに納められている比率は16:9の今のテレビの画面サイズ。上下トリミングしている。
アマゾンのレビューでこれを非難する文章を読んだが、お気持ちは解るが、だからといって作品の価値が変わるものではなかろう。

はっきり言ってつまらない。話は全く進まないし、30分で終わるような話を97分も続けるから、そりゃ無駄なシーンばかりだよ。
「海に何かいる!」っていうのは当時ヒットしたスピルバーグの「ジョーズ」の亜流だろう。でもそれほど面白くない。
んで巨大生物が最後に出てくるなら解るけど、割と途中で姿を現す。
正体知っちゃったんだから観客は飽きるよ。殺人事件の犯人を途中で知ったようなもの。

正体はただの大ウミガメなんだけどね。その亀がガメラみたいに大暴れするならともかく、ただ海を泳いでいるだけ。
これじゃ興ざめもいいところだよ。

大きく期待してた訳じゃないけど、これほどつまらないとは思わなかった。
がっかり。





ハン・ソロ/スター・ウォーズ・ストーリー


日時 2018年7月1日16:00 
場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン7
監督 ロン・ハワード


惑星コレリアで奴隷のように働いていたハン(オールデン・エアエンライク)とキーラ(エミリア・クラーク)。ハンはいつか宇宙一のパイロットになることを夢見ていた。二人は宇宙港の管理官に賄賂を渡し脱出を計画した。しかしあと少しでハンだけが脱出し、キーラは残されてしまった。
キーラを迎えにくると誓うハン。ハンはパイロットになるために帝国軍のアカデミーに志願した。
そして3年、今や帝国軍の兵士となったハンだったが、戦場で戦場荒らしのグループと遭遇。そのリーダー・ベケットに頼み込み仲間にしてもらう。
ベケット達は帝国軍から宇宙船の燃料のコアクシウムの強奪を計画。すんでのところで邪魔が入り、強奪計画は失敗した。ハンの機転でベケットは助かったが、強奪計画の依頼人ドライディン・ヴォスに殺されるという。
ハンとベケットは次の計画を説明し、「今度の強奪で帳消しにしてくれ」と頼む。ハンはその場でヴォスの副官となっていたキーラと再会。
キーラを監視人としてつけることを条件にヴォスは承知した。
帝国軍はもう監視が厳しくてコアクシウムは奪えない。そこで惑星ケッセルで精製前のコクアシウムを奪うことを計画。そのためには船が必要だ。
密輸業者のランドも仲間に入れ、その船ミレニアム・ファルコンも計画に参加させることにした。


ここ数年、「スター・ウォーズ」シリーズの新作が公開されるわけだが、どれも乗れない。いやそもそも面白かったのは第1作(今で言う「新たなる希望」)以外は1回しか観ていない。

今回は人気ヒーロー、ハン・ソロの若き日を描く。
でも最近の「スター・ウォーズ」と一緒でどうも乗れない。はっきり言って同じような繰り返しで飽きてくる。

こういった作戦ものでは準備があって、計画の説明があって事態急変があって、というのがセオリーだが、最初からとにかくドンパチでさらに繰り返し。
長々とやるもんだから最初は面白いが、やがて飽きてくる。

それにハン・ソロ役の役者がどうも若い頃のハリソン・フォードを連想されない。どうも別人にしか見えないのだな。
んで、登場人物たちも裏切ってまた裏切ってまたまた裏切っての繰り返しで飽きてくる。

結局ハン・ソロの恋人はさらに上のボスのいうことを聞いてどこかに言ってしまったし、ハン・ソロの恋はいつ決着がつくんだ?

最初の列車強奪も面白いのだが、ああいうのをクライマックスに持ってきて、最後に見せ場を作った方がいいと思う。
予算の限りを尽くして見せ場が連続すぎると、まるで満腹になってるのにまだ料理が出されて結局は食べられなくなるような感じに似ている。
料理もほどほどでいいのだから、映画も見せ場はほどほどにしなくちゃ。

結局満腹すぎてもかえって満足は得られないのだと思った。






猫は抱くもの


日時 2018年7月1日12:15〜 
場所 新宿ピカデリー・スクリーン3
監督 犬童一心


元アイドルグループのサニーズのメンバーだった沙織(沢尻エリカ)。グループでもメインではなかったが、グループはそれほど売れないまま解散。今は田舎のスーパーでレジ打ちをしていた。
沙織の楽しみは店の倉庫で買っているロシアンブルーの猫、良男(吉沢亮)との会話だった。猫は裏切らないから何でも話せた。良男も沙織の気持ちに寄り添ううちに自分を人間だと思うようになっていた。
沙織はある日、スーパーのマネージャーの高橋から誘いを受ける。何度か二人で会ううちに体も許した。しかし高橋は沙織のほかに本命の彼女がいた。
ある日、スーパーで女子高生・帆乃(蒔田彩珠)が万引きをした。迎えにきたのは後藤保(峯田和伸)通称ゴッホという画家。帆乃はおじさんのゴッホが好きで気を引こうとして万引きを繰り返していた。
ゴッホにはきっと飼い猫がいるに違いないと妄想する沙織。
ある日、良男は倉庫を出て沙織のアパートに向かう。しかしその途中で川に落ち、橋の下の猫の集会所に迷い込む。
そこでゴッホの飼い猫キイロと会う。
沙織が良男を探している時にテレビ局から電話がある。沙織は同じくキイロを探しているゴッホと出会う。


猫映画はブームだが、この映画、それほど猫は出てこない。主役の猫が普段は人間の姿で登場だからだ。
その猫を演じるのが最近美青年の代名詞的存在になった吉沢亮。
特別なメイクをしなくてもそのままでも猫っぽい吉沢。彼の主演と言うだけで観に行った。正直あまり好きではない沢尻エリカとの共演なのだが、この際我慢する。

正直「なんだかなあ」という映画である。
映画の多くのシーンは舞台上にセットを組んだところで、多くの映画のようなリアルさを表現したわけではなく、通常の舞台セットのイメージだ。
全編これかと思えば、高橋とのデートシーンなどなどでは通常のロケも出てくる。

沙織の妄想は舞台セット、現実はロケ、という住分けがあるでもない。
この辺がなんだか気になった。
(原作が舞台劇なのかと思ったらそういう訳ではないらしい)

あと沙織が元アイドルでもう一度芸能活動を夢見ている、というのは特殊すぎないか?
これはこれで1本の映画になりうる話。
普通のOLとかスーパーの女性が猫を飼って夢見て男が出来て、というもうちょっと普遍的な設定にしたほうが私は好きである。

沢尻エリカはどうでもよくて、吉沢亮の体のラインが解るようなぴったりとした衣装、その猫のような身のこなしだけを堪能した。
吉沢亮が出てるからと言って、何でも観るわけではないが(たぶん「銀魂2」は観ない)しばらくは彼の活躍は観たいと思う。

そうそう最後にキイロが「この二人のためにみなさん拍手をしてください。私たちの手ではあまり音が出ません。人間のみなさんの手で拍手をしてください」っていうシーンがあって少し引いたが、あれって黒澤明の「素晴らしき日曜日」のオマージュだったのだろうか?よく解らんけど。