his日時 2020年1月26日19:05〜 場所 TOHOシネマズ川崎・スクリーン2 監督 今泉力哉 迅(シュン)(宮沢氷魚)と渚(藤原季節)はゲイカップル。大学時代はつきあっていて同棲していたが、渚から突然別れが切り出される。 迅は会社に就職したものの、ゲイであることを隠すつらさから田舎で半ば自給自足の生活をしていた。 そこへ突然渚が娘の空をつれて現れた。話を聞いてみると渚はプロサーファーになろうと思ってオーストラリアに行ったが挫折し、そのときにオーストラリアに通訳の仕事で来ていた玲奈(松本若菜)と知り合い、結婚し子供が出来たという。渚は主夫をしていたが、やはりゲイとして男とセックスしてしまい、迅が必要だと気づいたという。 一度は自分と勝手に別れて結婚して子供まで作ってまた暮らしたいという渚に腹を立てる迅。 そんな時、玲奈が空を連れにきた。これから離婚裁判だ。 離婚そのものは両者とも納得しているが、問題は子供の親権である。玲奈の弁護士、渚の弁護士(戸田恵子)も双方譲らない。 渚の弁護士は玲奈に「働きながら本当に子育てが出来る環境なのか?」と問いつめる。それを見た渚は予定になかった決断をする。 今泉力哉監督作品。去年「愛がなんだ」「アイネクライネナハトムジーク」の2本を公開して、今月「mellow」という作品も公開し(たぶん観ないかな、時間的に)、そして5月にはまた新作が公開されるという。 「一体日本に今何人の今泉力哉という監督がいるんだ!」と言いたくなるぐらいのハイペース。さらに松坂桃李主演作の企画も発表され心事等寝ないくらいのペース。(実際にTwitterで「何人いるんだ?」とつぶやいたらご本人から「8人です」とレスが来たけど) 映画を見てる途中は渚がイケメンだし、あんまりチャラくはないけど、それにしても勝手に別れて勝手に結婚して子供も作って、という自分の気持ちだけで動く生き方には好きになれなかった。 ゲイは結婚したり子供作ったりしちゃだめですよ。 でも後半「結婚して普通の男になれてほっとした」という部分はわからなくもない。 とにかく今の日本ではゲイとして生き続けるのは楽ではない。 子供がいれば絶対子供の口から二人の関係がばれるだろうな、と思っていたら案の定、その展開。そして近所の方が無くなった通夜の席で参列者から「あんたと渚さんは出来とるという噂じゃが」と言われる。 この「出来とる」という言葉が日本語として秀逸である。 「二人は出来てる」ああ、なんと隠微な秘密が隠されていることを感じさせる言葉だろう! そしてついに迅は村の人々の前でカミングアウトする。 結局村人は「この歳になったら男でも女でも関係ない」と認めてくれる。 このシーンは「そんなうまく行くかあ?」と思い不満だったが、脚本のアサダアツシ氏のインタビューを読むと実際に舞台になった白川村を訪ねたとき、住民に「ゲイのカップルが移住していたらどうしますか?」という質問に答えた言葉がベースになっているらしい。 アサダ氏によると村の人口減で消滅の危機の方が大事だからゲイでもなんでもいい、という気分らしい。そういう根拠のある台詞なら許そう。 でも私の本音ではそううまく行くかなあ?という気持ちはある。 事実、迅の回想シーンで会社の先輩に「君ホモって噂だけどそうなの?」と飲み会で言われるシーンがある。あれ、聞いてる方は悪気はないだろうけど、答える方はつらいんだよねえ。 もし「きもい」とか言われてからかわれたりしたらいたたまれないよ。 そして驚いたのは後半。 裁判があって結局親権は渚に認められ、渚と迅と空の3人で暮らして「新しい家族のかたち」ちゃんちゃんとなるだろうと思っていた。 そうなったらTwitterで罵倒してやろうと思っていたのだが、なんと渚は親権を放棄すると提案。 親権を勝ち取ろうとする余りに渚の弁護士が玲奈の悪いところをあげていくのがつらくなっていったのだろう。 玲奈には何の責任もなく、自分の行動でこうなってしまったのだから。 三方一両損、というのだろうか。三者がお互いに相手の立場を考えて譲り合って最良の答えを導いた感じ。 渚は親権を放棄し、迅は自分には関係ない子供を育てることを納得した、玲奈は渚と迅のカップルを認め、迅を信頼出来る人として接することにした。(ラストシーンで玲奈が迅に「実は私、自転車乗れないんです。二人には内緒ですけど」という台詞で玲奈の迅に対する信頼感が解る) 作者は物語の上では神なのだから渚が親権を得るエンディングを書くことも出来た。しかしそうはしなかった。おそらく考え抜いて出した結論だったと思う。 よかった。 今後しばらくはLGBTQについてのテキストになると思う。 早くも本年度ベストワン候補である。 でも重量級すぎて重かった! one night tune ―俺たちの伝言―日時 2020年1月26日15:25〜 場所 光音座1 監督 関根和美 製作 OP映画 小さなステージもあるバー、Pink triangelは来月8月10日に閉店することになっていた。常連客がマスター康平(なかみつせいじ)に「どうして?」と聞いても「飽きたから」としか答えない。 実は康平は病気を患っていた。「手術しても成功は低い」と言われ、それなら後は好きに旅行でもしようかと思っていた。 ある日怪我を負った若者・浩人(長谷川健一)がやってきた。彼の傷の手当てをし、泊めてやる康平。 康平は店の最後にかつてのバンド仲間を集めて演奏をしたがっていた。だがみんな今の生活があってままならない。 だが浩人がギターが出来ると知り、頼むが断られる。しかしそのとき浩人を追いかけて原田(那波隆史)がやってきた。浩人はどうやら早乙女という男から金を奪って逃げてきたらしい。金は返したが、原田は納得しない。康平は自分の店の権利書を渡し、「1ヶ月だけ待ってくれ」という。しぶしぶ承知する原田。 そんな頃、かつてのバンドメンバーで作曲担当だった誠(竹本泰志)がやってきた。誠が最近寝た男(野村貴浩)から康平の体がよくないと聞いてやってきたのだ。 康平は以前作曲を途中で止めていた「狭間のランチ」という曲を完成させるように頼む。誠は浩人とその曲を完成させる。 閉店後の演奏当日、美香(佐々木麻由子)の歌でその曲を歌い、康平は息絶えた。 だいたいこんな感じの話。 なんか話の芯がぶれてるんだよね。 浩人を拾ってきたことは結局はあまり話には関係ないし、メインのカップルは誠と康平だ。なかみつせいじと竹本泰志だよ。 もちろんお二人は役者としては魅力的だが、これでカラミのクライマックスにされてもねえ。 それ以前のカラミのシーンにしても野村貴浩となかみつ、野村と竹本だよ。いや役者としてはみなさん立派だが、脱いでカラまれても楽しくないのだな。 また浩人の扱いも中途半端だし(本来なら彼がリードボーカルを取るとかしないと)、ラストの曲が佐々木麻由子では(歌の善し悪しは別にして)ゲイ映画として成り立たないのじゃないか? 今日同時上映が「大阪のひと」で(以前光音座で見て去年新宿ぽるので観た)これは「浪速ド演歌」で正直嫌いなのだが、映画としては芯が通ってる感じがして完成度はある。 それに比べて(偶然にも店に若い人が転がり込む、という設定は同じ)こちらはなんだか芯がなく、話の重心が定まってない。 やりようによってはもう少しなんとかなったんじゃないかなあ、と思わせる映画。 シグナル100日時 2020年1月26日12:30〜 場所 TOHOシネマズ上大岡・スクリーン1 監督 竹葉リサ 高校3年生の下部先生(中村獅童)の生徒たちは視聴覚教室に集められた。そこへ遅刻した生徒がやってきて、先生に指示されたあるDVDを再生する。不思議な映像を観た後、遅刻した生徒が急に窓から飛び降りた。 そこへ下部がやってくる。実はさっきの映像によって全員催眠術にかけられたのだ。そして定められた禁止事項100個のうちのどれかをすれば自殺するのだ。 下部に飛びかかる生徒は自殺した。携帯で助けを呼ぼうとした生徒も自殺した。下部が言うには「一人だけ生き残ったらその段階で、催眠は解ける」。下部はそういい残して窓から飛び降りた。 学校から出ようとする生徒も自殺した。すべては下部が仕組んだことだった。 生き残った生徒たちのリーダー的存在の樫村(橋本環奈)、榊(小関裕太)はみんなの団結を呼びかける。だがもともとクラスに馴染んでいなかった和田(瀬戸利樹)は何かをたくらんでるようだ。 彼らは下部の私物や、図書館で催眠術について調べていく。 東映作品はバルト9などでポイントや割引特典がない状況で観なければならなから、だんだんと遠くなる。今回は本日までTOHOシネマズ1ヶ月フリーパスポートがあったので、光音座に行くついでにもう一声京急に乗って上大岡で鑑賞。 ところがチケットを取ろうとしたら(フリーパスポートは当日窓口でしか引き替えられないのだ)、上映開始1時間まで、しかもがらがらにも関わらず「ポイントやフリーパスポート用の枠は上限に達しました」と断られる。今まで「スターウォーズ」も大丈夫だったのにな。きっと「ただなら観るか」の奴が数人いたんだろう。どんだけ儲からない映画なんだよ。 観た動機は瀬戸利樹。この間の「カイジ」にも出ていたが、どうにももう一ついい役ではない。彼はあれだけイケメンだから少女コミックの映画化で主演をしてもいいような気がするんだけどねえ。 その中でも今回は「みんな死ねばいいと思っている」ような陰気な性格の奴を演じる。そんな役を瀬戸利樹が演じるから妙に怖いんですよね。 狂気の殺人犯をイケメンが演じると怖さ倍増だからなあ。 映画全体はスプラッタ満載のB級ホラー映画でそれ以上でもそれ以下でもない。 私は個人的にスプラッタとか残酷なのは好みではないので、あまり観ないのだが、まあいい出来なんじゃないでしょうか。 それよりも主演の橋本環奈。去年は「キングダム」「かぐや様〜」「午前0時、キスしにきてよ」など出演作目白押し。 もう出すぎだろ!って感じ。 すごい。 サヨナラまでの30分日時 2020年1月25日15:20〜 場所 TOHOシネマズ日本橋・スクリーン2 監督 萩原健太郎 就職活動中の大学生、颯太(北村匠海)は人と関わるのが苦手で面接もうまく行かない。そんな時、自分の隠れ家としている今は使われてないプール跡に行った時に偶然カセットテープの入った携帯プレーヤーを拾う。 そのプレイヤーを再生したところ元の持ち主だった宮田アキ(新田真剣佑)がこの世に颯太の姿となって戻ることが出来た。アキは1年前、メジャーデビュー寸前だったバンドのボーカルで事故で亡くなっていた。 アキはバンドメンバーで恋人だったカナに会いに行くが当然カナは分かってくれない。カナには颯太の姿しか見えないのだ。 どうやらこのカセットを再生している30分間だけアキはこの世に颯太の姿を借りて甦ることが出来るのだ。 ポジティブなアキは面接が苦手な颯太に代わって面接をクリアする。 「就職活動が終わるまで」という条件付きで颯太はアキに体を貸すことを承知する。 北村匠海、新田真剣佑のW主演の音楽青春映画。 今北村匠海は「出演作は全部観る」というお気に入りなので鑑賞。死者がよみがえるパターンだが、もう一つだったなあ。 まず甦る理屈、というかルールがいちいち説明が必要。「カセットテープに想いが残っていてそれが再生してる間だけ甦ることが出来るが、やがて新しい記憶が上書きされていく」みたいな説明されれば分かるのだが、どうにも分かったような分からないような話である。 まあ死者が甦ることがもともと非現実的だからファンタジーの設定の理屈付けが必要になるんだろうけど。 それと颯太が甦ったことで起こるちぐはぐで、(お決まりなのだが)笑いのシーンがもっとあってもよかったのではないか? 颯太も一人でパソコンで作曲している設定なのだが、人付き合いを避けていた颯太もアキの代わりにバンドのメンバーと話しているうちにバンドに目覚めていくという流れ。 でも最後の最後には「やっぱり辞める」とか言い出す。 最後のフェスに参加するかしないかがサスペンスの要素にはなったと思うが、ここは「自分はフェスに参加したいが不可効力で参加できない。どうする?」という方が好きである。 ラストもフェスで歌って終わりでは「で結局颯太もアキもカナもどうなるの?」というのが少し中途半端な終わり方だと思う。 コミック原作かと思ったら、本作は完全オリジナルだそうだ。 最近なかなかオリジナルは企画が通りにくいらしいので、そういう意味では応援したい。 北村匠海は「DISH//」というバンドでボーカルをしているが、その歌ってる姿は映画では初めて観た。 なかなかのボーカルで、今後はこちらの活躍も期待したい。 大ヒット曲が生まれるといいですね。 ジョジョ・ラビット日時 2020年1月25日11:50〜 場所 TOHOシネマズ日本橋・スクリーン6 監督 タイカ・ワイティティ 敗戦色も濃厚になってきたドイツ。10歳の少年・ジョジョ(ローマン・グリフィン・デイビス)はヒトラーユーゲントの合宿に参加した。 ジョジョは妄想の親友ヒトラー(タイカ・ワイティティ)と話すのも楽しみの一つ。ユーゲントの合宿は厳しく、勇気を試すためとウサギを絞め殺すことを命じられる。しかしジョジョは殺すことができなかった。周りからバカにされたジョジョは逆に手榴弾の訓練で張り切りすぎて怪我をしてしまう。 母親のロージーは抗議をし、ジョジョはユーゲントの事務局で雑用係として奉仕することになった。 ある日、死んだ姉の部屋に隠し扉があることに気づいたジョジョ。恐る恐る開けてみるとそこには少女・エルサがいた。彼女はユダヤ人でナチスに反対のロージーによって匿われていたのだ。 エルサは「通報したければ通報しなさい。でもあなたの母親も協力者として逮捕されるわ」と言われる。どうしようもなくなったジョジョは「ユダヤ人について教えてくれたら住んでもいい」と条件を出す。 年に2〜3本はあるナチスもの。ナチとかヒトラーが出てくる映画は星の数ほど作られているのではないか。大まじめなものからサスペンス映画、こういったブラックコメディなどなどジャンルも様々。戦後75年経っているのに未だに無くなりそうな気配はない。 この映画も「バリバリの愛国少年とユダヤ人の少女が出会ったら」という絶妙のアイデアで話は始まる。 だからエルサと出会うまでは快調なのだが、その後はどうも話がもたついている印象を受けた。 出だしは快調なのだが、その後話がぐるぐると回るだけで進展がないのだな。 近所のいやなおばさんがネチネチと追求してくるとかなんかないとなあ。 後半、ついにジョジョの住む街にもソ連軍もアメリカ軍もやってくる。 そうかあ、考えてみればドイツは日本と違って本土決戦をしているのだよな。日本に戦前回帰を求める人々がいるのはこの本土決戦をしてないからだろうか? 空襲で焼け野原になったけど、見えない敵にやられるより顔の見れる地上戦の方が、インパクトは違うだろう。 そうそう冒頭でビートルズの「抱きしめたい」のドイツ語版が流れたのは驚いた。パンフレットにも書かれているが、ポップな感じを出したいのは解るけど、そこでビートルズかあ? でも子供の目を通してナチスを描く、という発想は賛成する。 またこう言った映画(ナチスだけではなく日本が舞台でも)観たいと思う。 リチャード・ジュエル日時 2020年1月24日18:20〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン11 監督 クリント・イーストウッド 1996年のアトランタオリンピック。数々の関連イベントが行われる中、公園でのコンサート中に爆破事件が起きた。爆弾は爆発直前で発見されていたため、最悪の事態は避けられた。爆弾の発見者はコンサートで警備を担当していた警備員、リチャード・ジュエルだ。 ジュエルは「人々を守りたい」という使命感から警官や警備員を志す。しかし大学の警備員時代に「寮で酒を飲んではいけない」という規則に違反した学生をしつこく取り締まり、逆に学長の怒りを買い退職になったことがあった。 ジュエルは最初の数日間は「ヒーロー」と賞賛される。しかし犯人探しに焦るFBIは逆にジュエルを容疑者と見なし、スクープをほしがる地元新聞の記者にリークする。ジュエルは容疑者としてマスコミに追いかけらっれる。ジュエルは旧知の弁護士、ワトソンに相談する。 クリント・イーストウッド最新作。 アトランタオリンピックでの爆破事件は知っている。その事件の報復で戦争が起きるということにはならなかったが、爆弾の発見者が容疑者にされてしまった事態は知らなかった。日本ではそれほど報道されなかったのか、私が新聞を読んでいなかったのか。少なくともアメリカほどの報道はなかったと思う。当時日本はオウム事件や酒鬼薔薇事件の方が関心がたかったと思う。 しかしちょっと感想に困る。「冤罪事件はあってはならない」「ジュエル氏は嫌疑が晴れて本当によかった」的な当たり前の感想しか出てこない。 結局は何となく「アメリカはいい国」みたいな「隣の芝生は青い」的な印象を私なんかは持ちがちだが、冤罪事件が起きるのはアメリカも日本も同じである。 「自白重視の旧刑法だからこそ冤罪は起きやすかった」と主張を聞いたことがあるが、日本の旧刑法下でなくても冤罪は起きるのだ。 結局は司法の思いこみ、焦った捜査が冤罪を生むのだなあ。また手柄を焦るマスコミ。こういった構図はアメリカも日本も、いや世界中のどの国でも起こり得る。 映画としては徐々に追いつめられていく姿はサスペンスフルでおもしろさはつきない。最後にFBIとの取り調べで「で、証拠はあるのか?」と反論するあたりは痛快である。この辺のカタルシスは観ていてたまらない。 こういったカタルシスを最後に持ってくるあたりの構成はさすがクリント・イーストウッドである。 それにしても前の「ハドソン川の奇跡」といい、この「リチャード・ジュエル」といい、アメリカは一旦はヒーローになった者をたたく文化があるのか?日本でも一時はマスコミの寵児になった人間がその後たたかれることはあるからアメリカだけではないのか。 思いこみで捜査する司法、スクープを焦るマスコミといつの時代でもどこの国でも起こり得る問題。この映画ではそこまで踏み込んではいないが、この世に人間がいる限り起こりそうな問題である。 映画とは関係ないが、当のジュエル氏は2007年に44歳で心臓病でなくなったとか。やっぱり太りすぎは健康によくないな、と映画とは関係ない感想を最後に持った。 記憶屋―あなたを忘れない―日時 2020年1月19日16:30〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン6 監督 平川雄一朗 大学4年の吉森遼一(山田涼介)は就職も決まり、平和な日々を送っていた。遼一は彼女の澤田杏子と付き合っていたが、ある日突然連絡が取れなくなり、彼女を駅で見かけたときに声をかけたら全く遼一のことは覚えていなかった。それ以来「記憶屋」と呼ばれる人の記憶を消すことができる人という都市伝説をネットで追いかけていた。 ある日、公開授業でテレビでも活躍する弁護士の高原(佐々木蔵之介)に記憶屋について質問してみる。もちろんその場では否定されたが、実は高原自身も記憶屋の存在に興味を持っていた。 杏子のバイト先のカフェの店長(ブラザートム)が遼一と杏子が付き合っていたことを知っており、遼一の妄想ではない。 遼一の家にはは広島で暮らしていた頃の幼なじみで3歳年下の真希が下宿していた。実は真希は子供の頃養女誘拐事件の被害者であり、その事件を自分が守りきれなかったせいだと遼一は気にしていた。だが真希は事件そのものを記憶してない。 高原は同様にレイプされた経験を持つ女子高生・佐々操が記憶をなくしていることを気にしていた。関係があるのだろうか? 真希の事件に手がかりがあると思った高原と遼一は広島に向かう。 山田涼介主演。もうそれだけで観る価値あり。 都市伝説の検証というホラー小説でありそうな展開でスタート。(実際原作は角川ホラー文庫みたいだが) 途中、佐々操の元にやってくる女性が後ろ姿で登場したり、何となく真希が「記憶屋」っぽく見えてくる。それは完全に裏切られない。 「記憶を無くすことで人間は前向きになれる場合もある」「記憶を無くさせるなんて許せない」と真希と遼一の間でたびたび討論される。 真希は遼一に惚れているから、てっきり遼一と杏子を別れさせるために悪意を以て真希が杏子の記憶を消させたのかと思ったが、そこまで悪ではなかった。 操の事件の連続レイプ犯の余罪の中に杏子が含まれていると解り、遼一と結婚を考えていた杏子は苦しむ。そこで記憶屋に頼んだという展開だ。 基本的に杏子が記憶を消えるのを望んでおり、そこへ真希がちょっと私情を挟んでしまったという扱いだ。 ラストは真希は遼一の元を去ることを決意し、自分の記憶を消して去っていく。そして杏子と遼一はまた最初からつきあい始めるんだろうな、という希望のあるラストだった。 書き忘れたが高原は余命がない。そこで離婚した妻との間の幼い娘から自分の記憶を消してほしいと願う。後々娘が父を亡くした悲しみを引きずらなくてもいいように、というエピソードも出てくる。 でも記憶をテーマにした恋愛ドラマでは「忘れないと誓った僕がいた」が最高だったなあ。自分自身の「記憶」ということも考えさせられたからな。 出演ではあと操の友人役で「ウルトラマンジード」の濱田龍臣出演。出演映画が増えていくのはうれしい。そろそろ少女コミックの映画化とか出てほしいな。 あと主役の山田涼介。やっぱり華がありますよ。アップになるだけで、こちらの気持ちがあがるもん。 ラストレター日時 2020年1月19日13:05〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン2 監督 岩井俊二 裕理(松たか子)の姉・未咲(広瀬すず)が亡くなった。表向きは病死だったが、実は自殺だった。実家に未咲宛の高校の同窓会の案内が来ていた。 裕理は代わりにいって姉が亡くなったことを伝えようとしたが、みんなは未咲が来たと勘違いしてしまい、裕理も訂正できないでいた。早々に帰ろうとしたときにバス停で乙坂鏡史郎(福山雅治)から「もう少し飲みませんか?」と誘われるが、断ってしまう。しかし連絡先だけは交換した。 裕理に鏡史郎からメッセージが届く。それを夫(庵野秀明)に勘違いされてしまう。 裕理は姉の振りをして鏡史郎に手紙を書く。鏡史郎は未咲の実家に返事を書いた。未咲の娘・鮎美(広瀬すず・二役)は「母宛に手紙が来た」と驚く。いたずら心で鮎美は鏡史郎に返事を書く。「私のこと覚えていますか」。鏡史郎の返信は若き日の鏡史郎(神木隆之介)の未咲への初恋の思い出が書かれていた。 岩井俊二の新作。岩井俊二は「リリイ・シュシュのすべて」が全く受け付けなかったので、それ以来遠ざかっていて嫌悪感だけが残っていた。しかし今回広瀬すずと神木隆之介の共演となれば観たくなる。 広瀬すずは昨年のNHKの朝ドラの出演のせいか映画出演が少しとぎれていた。 また彼女の映画作品が見られるのは喜ばしい。 前半話に違和感があった。 まず鏡史郎の元に裕理と鮎美から二つ未咲名義の手紙が来る訳だが、それを鏡史郎が不思議がる様子が全くない。「不思議じゃないよ」ということが解っている描き方をしてればいいのだが、そういうのはない。 それと後半になって、鏡史郎は高校時代の未咲に恋をしていて、実は裕理の初恋の相手が鏡史郎だったという展開になる。 ん?それなら同窓会で鏡史郎と再会したときもう少しリアクションがあってもよいのでは?また鏡史郎は姉の未咲をモデルにした小説を出版していて、それを全く知らなかったというのも冷たい。 まあ姉はダメ人間の阿藤(豊川悦司)と同棲して家出同然になっていて姉とは疎遠になっていたというのもあるだろうけど、それにしても友人から「鏡史郎さん小説書いたらしいよ」と噂でも知っててもいいのでは? まあこういう細かいアラを探すのは野暮かも知れないけど。 そうはいっても後半になって未咲と鮎美の話になってくると広瀬すずに後半は全部持って行かれる。もう松たか子なんかこっちは存在も忘れていた。 広瀬すずと神木隆之介という今の最高の若手の二人の共演はよかった。 もうこの二人を観てるだけで映画の元は取れる。 それにしても生徒会長までした優秀な人間がなんで阿藤みたいな稼ぎのない奴とつきあうかねえ。まったく男女は解らない。 だから高校時代だけでなく、大学時代の未咲、鏡史郎、阿藤の3人のドラマも観たかった。もう裕理なんかどうでもいいよ、私には。 鏡史郎目線で私が映画を見てるせいもあるだろうが、神木と広瀬の共演の芝居をもっと見たかった。それがあればこの映画をもっと好きになったのに。残念。 エロい血筋 交尾をあさる女日時 2020年1月18日18:30〜 場所 新世界国際地下劇場 監督 森山茂雄 製作 OP映画 東京のキャバクラで働くトモミの元に大阪の母親から電話が入る。父親(佐野和宏)が出所して東京へ行くという。 父親は泥棒で捕まって5年の刑期を終えたのだ。トモミは父親らしいことをしなかった父を嫌っていた。父親がトモミの店にやってきたが、ろくに口もきかない。仕方なく店のナンバーワンのエリカが相手をする。 トモミの部屋に泊めてもらおうとした父だがあっけなく断られ、エリカが仕方なく自分の部屋に泊める。だが翌朝、朝食を作ってくれ、その優しさに惚れて「一緒に暮らそう」という。 父親は「東京でたこ焼きやをやる」というが全く当てはない。そんな父をますます嫌いになる。 ある日、エリカのために料理を作っているとエリカの元彼が帰ってきた。なんとかはち合わせずに済んだが、エリカは復縁し、父は諦める。 仕方なくトモミの部屋に向かう。そのころトモミは同棲相手が勝手にお金を5万円使ったことを知り、激怒し追い出す。 トモミの部屋にやってきた父親。酒を買いに行くトモミ。そのトモミのいない間に部屋にあった8mm映写機が回り出す。それはトモミが町で見かけた親子の風景だった。 前から気になっていた新世界国際地下劇場。初めて入る。 そこで上映していたのがこれ。 話がだらだらしていてさっぱり進まない。父親がたこ焼き屋をやる話かと思ったが、まったくそうはならない。 まあ泥棒して捕まって競艇でお金をすって娘に借りにくるようなだめ人間である。 こういう人間が映画のキャラクターとしては好きになれなくてなあ。 映画を見終わって解ったが、監督は森山茂雄だが、脚本は佐野和宏。 佐野さんはこういう家族の話が好きなのだ。 しかし働かないだめ人間だけど、娘にも甘えるという二重でだめ人間である。 娘だけには迷惑かけまいと働いてほしいけどね。 ラストで映写機が回って、父親がその映像を見て、次にトモミが部屋に戻ってきて父親の手紙が置いてある、でクレジットが始まったから映画が終わったかと思ったよ。 でも映像の内容や手紙はクレジットが出ながら出てくる。 映像は町で見かけた親子の映像、そして手紙は「俺はたこ焼き屋を始めるぞ」という内容。 まあ8mmフィルムで親子の映像が出てくるなんて、佐野さんが好きな「家族」の話でげんなりした。「だめ男でさらに家族の温もりがほしい」とかどんだけ甘えてんだよ。 さらに手紙が終わった後で、トモミの元に電話がかかってきて「トモミ、お金貸してくれ」。あきれて物がいえない。 繰り返しになるけど、どんだけ甘えてんだよ。 という感じで不快な気分になった。 あと途中でサラリーマン風の男を自分の部屋に引き入れ、その男がSM好きで目隠しされて縛られてる間に通帳と印鑑を盗まれる女の話が挿入されたが、あれはトモミの母親だったのだろうか。だぶんそうだと思う。 でもう1本みたのが深町章の「手ごめにされた新妻 夫と義父と・・・」。始まって5分ぐらいして「これ観たな」と思って調べてみたら去年の4月に上野オークラで観ていた。 あともう1本は「未亡人女医 プライベート(秘)看護婦」。最初に終わりの5分ほど観たが、女医が勃起しないと訴える患者に「では治療しましょう。あなたも脱いで」と看護婦と始める。これでもうだいたい解った気になったので朝からピンク映画を観ていて疲れたのでパスした。 新世界地下劇場だが、めちゃくちゃ古く、戦前からあるんではないかという感じすらする。1階の洋画3本立て1000円(!)の劇場と共通のモギリで、地下に入ると特にロビーはなく、そのまま劇場になっている。 両脇の1〜2列がバルコニー状態で高くなってるのが珍しい。 ちなみに休憩時間(1本終わると5分ほど休憩を入れる)に座ってみたが、斜めから観るので見づらいので前の方の席に戻った。 古さ(汚さ)は年期が入っており、福原国際東映なんかきれいなもんである。 昔の浅草の映画館を彷彿とさせた。 癒しの遊女 濡れ舌の蜜日時 2020年1月18日11:39〜 場所 福原国際東映 監督 荒木太郎 製作 OP映画 作家大江(那波隆史)はテレビも出て顔が知られた作家。でも街へでると声をかけられることがいやで出不精になっていた。 ある日新聞で見かけた男の事件を読み、小説にならないかと考える。 その事件は私立中学の教師種田(荒木太郎)がある日路地裏で女性が乱暴されているのを見かけ助ける。その女性、スミコは種田の教え子だった。 優秀だったスミコだが、夫のDVがきっかけでデリヘルになっており、さっきの現場は客とトラブルになったためだった。スミコと種田は関係を結ぶ。スミコは夫と別れて種田とやり直す決意をする。種田も妻と離婚するつもりだったが、栄転で京都に転勤の話が出た。どっちも断ることができずに、最後にはスミコとの結婚式場を火事にして結婚式をつぶしたのだった。 大江はある雨の日、突然傘に飛び込んできた雪子と知り合う。家にいるのもいやだが、かといって行くところもない大江はつい雪子の元に出いるするようになる。雪子はスナックの2階で体を売っていた。大江はその常連になる。 二人の関係は親密になったが、雪子は突然辞めていった。 本日福原国際東映にきたのだが、実はその1本目に途中から見たのがこれ。 9時上映開始というので行ってみたら、なんと途中上映でスタートする時間編成。ケツが23時59分なので逆算するタイムテーブル。なら9時39分から始めればいいのに。従業員の労働時間からそうしなければならないのだろうか? フィルム時代なら2本目からかければいいだろうけど、今はデジタルなににねえ。よくわからん。 おかげでTOHO西宮に次にいこうかと思っていたので1本か2本見て帰るつもりだったが、これが那波隆史さんの主演作品と知ったら最初から見たくなる。だから浜野作品を2本見て、もう一度最初から見始めた。 (最初に見たときは種田がスミコと最初にするシーンからだった) 冒頭に「永井荷風〜ぼく(サンズイに墨)東綺譚」と出る。 そういえば荒木太郎は以前にも「空に咲く愛の地図」(だったか)で「浮雲」のピンク映画版を作ったことがあったから、日本文学シリーズか。 話が長くなるのを1時間にしなければならないので、時々入る大江のナレーションがどうしても説明口調になってしまう。だからシーンシーンで「溜め」と行ったものがもっとほしい気がした。 とにかく全体的にストーリーとか内容を説明するのが精一杯、という完治がするのだな。 それと大江が自分のことを「来年60歳」というが那波隆史ではまだそこまでには見えない。特に老けてる感じもしないし。 これが牧村耕次とかが大江を演じていたら、もう少し違った気もするのだなあ。 大江ではまだ若いので彼の少し頑固なところ(クーラーが苦手と行ったりのような少しわがままな感じ)がどうももう一つ似合わない。 その辺と説明的なところが惜しかったと思う。 那波さんは個人的には堪能できました。 この後、新開地あたりの街を見て、もう一つの成人映画館を見て高速神戸まで地下道を歩き、高速神戸から阪急に乗って梅田へ。 新世界に行き、前から気になっていた成人映画館へ向かう。 奔放マダムは・・・とってもエロかった日時 2020年1月18日10:39〜 場所 福原国際東映 監督 浜野佐知 製作 エクセス セックスシンボルとして写真集も出し大人気のアマンダ(朝吹ケイト)。彼女は自分のことを「尻軽じゃなくて超尻軽」という。 今日もその写真集のカメラマンとセックスした。ある日ホームパーティを開き、やってきたデザイナーを早速部屋に連れ込み、セックス。 アマンダをよく思わない女がいて、カメラマンにアマンダがセックスしてるところを盗み見させる。 逆にアマンダにあこがれる若い子がいて、彼女はそのデザイナーに自分を売り込む。デザイナーはその若い子をつれてアマンダと「3人でしよう」というが、それはアマンダは望まなかった。 ある日アマンダとどうしてもやりたい男たちに拉致されるアマンダ。 アマンダは彼らに犯され、車でもとの場所まで戻される。そのときに助けてくれたのが男(山本竜二)がいた。自転車に乗ったその男を駅前で探し再会するが、男はつれない。 もう一度拉致されそうになったとき、自転車の男が助けてくれた。 今度は男も相手をしてくれた。 また新しい男から電話があり、会おうとするアマンダだった。 浜野佐知=山崎邦紀作品。3本中2本旦々社作品。 こちらも山崎脚本だが暴走していない。 山本竜二が役としてはすごい二枚目として登場。 でもなんか似合わないよなあ。 特に話にもひねりがない、普通のピンク映画だった 助監督として女池充も参加。 美脚秘書 締めつける股間で日時 2020年1月18日9:38〜 場所 福原国際東映 監督 浜野佐知 製作 エクセス 鍵島建設の社長秘書をしている辻ハスミはゴムの下着をつけるのが好きだった。締め付ける快感が何ともいえない。彼女には双子の妹のハスネがいて毎夜電話しながらオナニーをしていた。 鍵島社長(池島ゆたか)と不倫しているハスミ。だが社長室長のシオミ(久須美欽一)が「社長と不倫してるんだろ。黙っているから俺にもやらせろ」と迫ってきた。 社長に相談するも「ただの冗談だろ」と取り合ってくれない。やがてシオミはハスミをレイプした。 それを知ったハスネがシオミの家に押し掛けた。仕方なくハスネに協力するシオミ。実は鍵島が女と別れるためにシオミを使って脅していたのだ。 社長の妻が出かけているときに社長の家に行くハスネ。ハスネが社長と無理矢理していると、そこへ妻が帰ってくる。シオミがハスネの指示で妻に電話したのだ。 社長は娘婿で会長の逆鱗に振れ解雇。シオミも同様だった。 する事がなくなった鍵島はハスミの家に行く。ところがそこにはハスネと彼氏という男がいた。「なんですかあなたは!」と怒ったその彼氏はベッドの脇の電話をとって警察に連絡。しかしその電話はどこにも通じない。 ハスミの部屋からメンタルクリニックの診察券を見つけた鍵島はその病院に行ってみる。 実はハスミは二重人格で妹などいなかったのだ。 神戸に来たついでに新開地のピンク映画館を訪問。 ゴム製のパンティとブラジャーが好きという個性的な性癖が山崎邦紀らしい。監督が浜野佐知だから暴走した映画にはなってないけど。 ラストの「二重人格で実は双子ではない」というオチは最初から予想がついたので、驚かない。というかむしろ「当たった!」という納得感があってよかった。 建設中の都庁を見るシーンがあり(ハスミは建設中の建物を見ると欲情する)、時代を感じさせる。 飽きなかった。 セミドキュメント 観光バス濡れ濡れ・ジャック日時 2020年1月13日12:35〜 場所 シネロマン池袋 監督 久我剛 製作 ワタナベ・プロダクション(日活配給) 昭和52年(1977年) かもバスでは先輩ガイド若林が講師となって10数名の新人を乗せて研修中。一人がおしっこをしたいと言ってバスを降りたとき、係長は彼女を口説いて青姦中。他のガイドも休憩しているときに2日間なにも食べていない旅芸人らしき男二人ノダ(野上正義)とクロイワがバスの中のお菓子やおつまみが目当てで乗り込んだ。一番後ろで寝ている間に戻ってきたガイドたちは気づかずに出発。 ところが目を覚ましたノダたちを見て「バスジャックだあ」と騒ぎ出す。 ほとんどのガイドは逃げ出したが、若林や4人の新人はバスに残ってしまう。仕方なくバスを発車させた彼らだが、逃げ出したガイドが交番の駐在の警官(堺勝朗)に「バスジャックされた!」と駆け込む。 そのニュースは総理大臣、官房長官、法務大臣などに伝わった。 しかしバスは田圃の真ん中でエンコ。運転手も逃げ出してしまう。 仕方なく彼らは籠城を始めるが、もともとジャックではないので、ノダたちは食べ物しか要求しない。 警察署長、村長、駐在たちは仕方なくテントを張ってバスを見守るのだが。 今回シネロマン池袋のアカウントで「70年代のハイジャックをパロディにしたバスジャックもの」という紹介があり、興味があって見に来た。 今日の目当てはこの映画。 日本赤軍による日航機ハイジャック事件の直後に作られており、映画の中でも「ドイツは特殊部隊による急襲を行いましたが、どうしますか」と秘書官に言われ「そんな部隊があることがばれたら野党が大騒ぎする」と総理や法務大臣は否定。今までやっていた麻雀戻るという流れ。 そうそうエンテベの時や、その前にもドイツでハイジャックがあったときには急襲部隊が解決した。 その点日本では「超法規的措置」によりハイジャック犯の要求を聞き入れ、犯人たちも逮捕しなかったんだよな。 当時はかなり批判もあったけど、それはそれで「武力による解決を基本しない」日本の立場らしくてよかったんじゃないでしょうか。 今はそう思いますね。 映画の方は「バスジャック犯にされて逮捕されるならやっちゃおう」とノダたちはセックスを始める。 でもレイプ的な強制ではなく、あくまで映画では明るく展開。 ガイドたちの排泄シーンを署長や村長が双眼鏡でのぞいたりあくまでも明るく進む。 またノダの父親(刑務所に入っていたらしい)が説得にやってくるが、ガイドたちとセックスさせてもらう。それで満足して人生も果てて死んじゃうけど。 最後には歌って踊ってセックスしてのどんちゃん騒ぎなり(電線音頭を踊るのだ!)それを見た署長、村長、駐在の3人も「俺たちも入れてくれ!」と乱入。 世論動向では犯人たちに同情的な意見が多いと知った総理は犯人たちを「超法規的措置で無罪、さらに次の選挙で我が党から立候補させようか」となる。 そんな感じでお祭り騒ぎ的なのりで「終」。 それにしてもガイドの女性は裸になるのは4〜5人だけど前半に出てきた座ってるガイドは10人以上いる。さらに彼女たちも全員赤い制服を着ていて、予算があるなあ。 あとバス。制作時の77年でも珍しかったボンネットバス。70年代前半くらいに退役していったと思うから、まだ当時は少しは残っていたんでしょうね。珍しかった。 新任教師野本美穂 恥肉の裏授業日時 2020年1月13日11:30〜 場所 シネロマン池袋 監督 橋爪英雄 製作 不明 新人教師・島崎絹子(野本美穂)は授業中に不良生徒・大川和子がSM雑誌を見ていたのを咎め取り上げる。そのときについ手を出してしまう。 そのことが問題になって親が乗り込んでくる。絹子が交際している先輩教師の川村の話では和子の親は学校に多額の寄付をしており、教師の中にも和子に味方するものもして誰も指導できないという話だった。 生徒の洋子は和子に反感を持っており、和子に平手打ちをした絹子を尊敬した。 しかし今度は洋子が和子の標的になってしまう。 結局洋子を人質にして絹子を呼び出す和子。絹子は「きっと川村先生が助けにきてくれる」というが、実は和子の後押しをする教師というのは川村だったのだ。 川村、和子やその取り巻きの女生徒たちは和子や絹子を縛り上げ、攻めまくった。 数日後、校長から和子の親がまた寄付をしてくれたと喜んで報告してくれた。「どうやって和子を手懐けたんですか?」 実は絹子は川村たちに攻められたのがきっかけですっかりSMに目覚め、彼女たちとのプレイを楽しむようになったのだった。 SMレイプもの。 私、こういう話、だめなんです。SMの場合、攻められてる方が喜んでないと見てて楽しくないんだなあ。 いやがってる相手を攻めるプレイは嫌いなんです。 だからレイプもだめ。 仮にレイプものであってもラストは犯した犯人が捕まる、または復讐され殺される展開でないとなあ。 だから最後には校長が助けにきてくれるとか和子の配下の女生徒が裏切るとかそういう展開でないと。 ましてや自分から喜んで求め出すなんてあり得ないよ。 校長役で谷幹一出演。最初出てきたとき似てるなあと思ったが、違うだろうと思ったらクレジットを見たら出ていた。 へーピンク映画(しかも端役)に出ていたとは知らなかった。 ノーパン熟女 まくる長襦袢日時 2020年1月13日10:30〜 場所 シネロマン池袋 監督 下元哲 製作 エクセス 里美(黒田詩織)は義理の息子で高校生のユウジ(深山貴洋)と関係を持っていた。夫(杉本まこと)は大企業をリストラされ、それがきっかけでギャンブルにはまって街金から借金をしていた。 借金が原因で夫はついに遠洋漁業の船に乗せられた。ユウジも大学に行かずに学校の先生の紹介で就職するはずだったが、なぜかだめになる。 実は街金の女社長がかつて里美に告白したが、里美は「女を好きになるなんて変態」とののしったことを恨みに思っていたのだ。 それで金を返せないようにするためにユウジの就職をだめにしたのだった。 女社長は里美を呼び出し、ホテルで犯す。そこへ家に残されたメモにあったホテルの部屋番号をみてユウジが助けにきた。 里美は助けられ、ユウジと里美は明日この街を出ようと決意し、求め合うのだった。 最後の1本の「観光バス濡れ濡れジャック」を見に来て同時上映がこれ。 ユウジを演じた深山貴洋。どこかで観た気がするのだが、光音座で観た芸映画で観たのではないか。なんかゲイ映画とか似合いそうな少年(青年)だったし。 普通のピンク映画。 フォードvsフェラーリ日時 2020年1月12日19:20〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン8 監督 ジェームズ・マンゴールド 1963年、売り上げ不振に悩むアメリカのフォード社はこれからの販売戦略として若者が飛びつくスポーツカーを柱にしていくべきだと判断、イタリアのフェラーリの買収を画策した。しかしフェラーリはレースを雄心としており、「レース出場の最終判断はどちらがするのか?」との問いにフォードが「フォードだ」と言ったことで買収を見送る。それだけでなく「醜い工場で醜い車を作ってろ!」と言われ、社長のフォード2世は激怒、「ルマンでフォードが優勝しフェラーリを負かせ!」と命じる。 アメリカ人でルマン優勝経験を持つキャロル・シェルビー(マット・デイモン)を現場責任者として向かい入れる。シェルビーは天才的なドライバーでエンジニアでもある旧知のケン・マイルズ(クリスチャン・ベイル)をチームに入れようとする。 しかし「フォードという会社では無理だ」と断るが、妻モリーの後押しで参戦を決意。 ケンが懸念したのは技術力というより会社の体質だった。上司の顔色を伺い、その上司はまた上司の顔色を伺うような贅肉体質の会社では絶対にうまくいかないと言うのだ。 遠慮のないケンはフォードの新車・ムスタングの発表会でムスタングの欠点を副社長のレオ・ビーブの反感を買う。 果たしてフォードはルマンで優勝なるか? カーレースもの。池井戸潤の小説みたいな映画かと思ったら、それは当たっていた。しかしタイトルにはやや偽りがあるな。「フォードvsフェラーリ」というよりフォード内部の争いの話だからね。 チームリーダーのシェルビーが無鉄砲だが天才のマイルズをなだめつつ、副社長を反対を押さえようとする話が中心になるから。 日本の企業体質もいろいろ批判されるが、アメリカでも同じことがあるんだなあ。社長も創業者の孫だしな。 どんな社会にも保守派と革新派がいて保守派が既得権益を持っていて革新勢力のじゃまをする、という構図は同じなのだ。 「遠すぎた橋」でも軍隊の硬直さが描かれたし、「日本はだめだ、それに比べて外国では・・・」的な論がよくなされるが、日本だけの話ではなさそうだ。 副社長の横やりをなんとか回避しつつルマンでは勝利が見えてくる。ところが宣伝のためにフォードが首位を独占してるなら3台同時ゴールにしろ!と副社長が命じる。 それはフォードにとってはいいが、マイルズは単独1位を目指したい、判断はマイルズ本人にゆだねられた!というのがクライマックス。 これも完全にVSフェラーリじゃなくてVSフォード社だよ。 結局単独でなくても1位は1位だから、とマイルズは譲ったのだが、「同着の場合、スタート位置が後ろだった方が勝ち」というルールがあり、マイルズは勝てたのに2位になってしまう。 単純に主役が1位を優勝!という具合にはならず、ハリウッド映画っぽくない終わりで、むしろ日本人には受けるんじゃない? 肝心のレースシーンは迫力でIMAXで観てほうが迫力あったと思わせた。 でも90%は企業内抗争で、IMAX関係ないけど。 面白かった。 パラサイト 半地下の家族日時 2020年1月12日15:10〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン3 監督 ポン・ジュノ 家族そろって失業中のキム一家。半地下の部屋にすみ、環境は劣悪。だお学入試に落ち続けている長男のギウは大学生の友人から自分が留学中の間、家庭教師の代理を頼まれる。 大学生ではないので、美術の才能がある妹のギジュンが在籍証明書を偽造。だが先方のパク家の奥様ヨンギョはギウの授業を見て採用を決めた。 パク家のまだ幼い息子ダソンには美術の才能があると思っていたヨンギョにギウは妹を「いとこの後輩」と偽って美術の家庭教師に雇ってもらう。 これはいけると思ったヨンギョはパク家の運転手を首になるよう仕向け、自分の父ギテクも雇われるようにし向ける。そしてこの家には前の家主の時代からつとめる家政婦・ムングァンがいた。 そのムングァンを「結核を煩っている」とヨンギョに思わせ首にさせた。 当然後釜には母チュンスクを雇わせた。 ダソンの誕生日の晩、パク一家はキャンプに出かけた。これ幸いとパク家で食事とお酒を楽しむキム一家。やがて嵐になる。 そこへ首にしたムングァンがやってきた!彼女がいうには地下室に忘れ物をして取りに来たという。仕方なく家族は隠れ、チュンスクが対応したのだが、この家には驚愕の事実があった! 2019年カンヌ国際映画祭パルムドール受賞作品。韓国映画は最近は「泣け」とばかりにスローモーションにしたり音楽を流す演出がいやで避けていたが、今回はなになら不思議なサスペンス映画のようなので鑑賞。 いや面白い! この緊張感はなんだろう。かつての鈴木英夫のサスペンス映画を観るようなじわじわくるものがある。前半のパク家に入り込んでいくキム一家。 正直ドキドキである。 またこの家族の半地下に部屋に比べ、パク一家の豪勢な暮らしはどうだろう。訳の分からん息子の絵に美術の家庭教師をつける母親。運転手付きのベンツに乗る若き社長。 正直、最初はギウに家庭教師を紹介した友人とパク家が何かを企んでおり「だましたつもりがちょいとだまされて」となるのかと思ったらそうはならない。 この家は建築家が建てた家なのだが、その建築家は北の攻撃に備えて核シェルターを作っていた。そのシェルターに借金取りに追われるムングァンの夫が住んでいたのだ! ここから映画は急転直下。 貧困一家対貧困夫婦の争いになってくる。 観ていて悲しくなった。共闘してパク一家から金を巻き上げれば。 法律的には問題はあるけど、とりあえずキム一家は仕事はこなしてるからパク家にはそれほど迷惑をかけていない。それどころか長女の方はギウのことを好きになってくる。 だが嵐がひどくなり、パク一家が戻ってくる。 そして翌日、庭で息子の誕生日パーティをするという。 ここらあたりから妙に貧富の差を改めて感じさせ、怒りが増してくる。 ムングァンの夫がパーティに乱入したことから殺人に発展。 ラストでギテクが今度は地下室に隠れる状況になる。 だが最後は家族の再会を祈って終わる。 サスペンスで盛り上げ、最後は家族の絆で泣かせる。 うん、なんというか、名作だ! 劇場版 新幹線変形ロボ シンカリオン未来からきた神速のALFA X 日時 2020年1月12日12:05〜 場所 TOHOシネマズ上野・スクリーン1 監督 池添隆博 えーっと、内容を紹介するのが難しいです。 まず新幹線が変形ロボットとなって変形して悪と戦います。 大宮に総司令部があって名古屋、京都、門司などに支部(基地)があります。 北海道の函館よりの延伸工事中にトンネルの壁が割れ、次世代新幹線が出現します。 主人公の小学生の速杉ハヤトとその一家は北海道に旅行します。スキー場で雪国を楽しんでいると、光の粒子の球体が現れ、ゴジラが出現します。 ハヤトはシンカリオンに乗り込んでそのゴジラと戦おうとしますが、光に包まれ気がついたら病院にいました。隣には助かったときに発見された少年もいます。その少年は鉄道が大好き。 実はその少年はハヤトの父ホクトの少年時代の姿だったのです。 果たして現れた次世代新幹線ALFAXの正体は? まず「シンカリオン」なっていうアニメがあることは全く知らなかった。 この映画版にゴジラが出てくる、というツイートを観て、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートもあるので、鑑賞した次第。(でもパンフは買ったので売り上げには貢献している) 新幹線が変形してロボットになるという設定に驚く驚く。 これは「トランスフォーマー」が元ネタと言っていいのかな。それ以前にもあったのかも知れないけど、そう思いました。 そんなJRの宣伝番組のような気もしますが、発想はJRではないらしい。また東日本が中心なので、のぞみ、ひかり、こだまなどはメインキャラではない。ついでに言えば九州新幹線のさくらなどもロボットにはならず、主人公のお母さんの名前だけだったりします。 この辺は大人の事情がありそうですね。新幹線といえば東海道新幹線だと思いますが、むしろ東北新幹線がメインキャラクターですから。 んで、少年が操縦するとか、「エヴァンゲリオン」などを思わせますが、これはその前からあるでしょうから、直接の影響ではないでしょう。 そしていっぱい仲間が登場して共闘するのは戦隊もの、を思わせます。 なんか子供向け番組の要素を全部ぶち込んだ感じですね。 ゴジラとのコラボは「シン・ゴジラ」で新幹線爆弾が出てきたので、そのお返しということで発想されたらしい。(パンフに書いてあった) エヴァンゲリオンともコラボしていて、西日本の500系(これがかっこよくて好きだったが、座席数が違うなどで東海には乗り入れにくかったようで、世間の好みとは別でJR側の希望もあって今はなくなったのかな)をベースにしたロボットに変形します。 パンフには「エヴァンゲリオン」ネタは「シンカリオン」ファンのお子さまのお父様用に、「ゴジラ」はおじいさん用にと書いてあった。 失礼な!ゴジラはおじいちゃん用かよ!「のらくろ」じゃないんだぞ!若いファンもいるんだぞ! 主人公ハヤトの父親が子供の頃は鉄道の話が出来る友達がなかった、というのですが、その中で「好きなものはずっと好きでいいんだ!」というメッセージとなります。まさにオタク向けのせりふですね。 あと思ったのはとにかくカット割りが速く、がちゃがちゃとして落ち着きません。ああいうスピードが今はいいのでしょうか?「間」とか「溜め」と言ったものがもう少しほしいと思ったなあ。 今はこのスピードが流行なのか? 肝心のゴジラですが、雪国のゴジラが登場し、楽しめました。 ファンの方はソフト化されてからでもいいので、楽しめますね。 カイジ ファイナルゲーム日時 2020年1月10日18:50〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン7 監督 佐藤東弥 2020年の東京オリンピック後、日本は大不況に陥りハイパーインフレが起こっていた。貧困層と富裕層の格差は拡大。 その中で派遣労働で働くカイジ(藤原竜也)は「バベルの塔」というゲームに参加し勝利を得た。 首相秘書官の高倉(福士蒼汰)はこの日本の危機的状況を救うために「消費税30%、年金40%カット、生活保護廃止」を訴え、預金封鎖し国の借金を市民の金融資産で帳消し新円の発行を提案する。 それを察知した不動産王の東郷(伊武雅刀)は賄賂を有効に使ってその政策を阻止しようとする。そのためには資産500億円では足らない。1000億円まで増やす必要がある。そのために「バベルの塔」というゲームを主催し、勝利者を引き入れた。それがカイジだった。 地下で行われるギャンブルに参加する東郷とカイジ、東郷の秘書・廣瀬(新田真剣佑)、過去のバベルの塔の勝利者桐野(関水渚)。相手は派遣事業で大もうけした黒崎(吉田鋼太郎)。 これは自分の資産を金に換算し、その重さを競うものだ。自分の資産だけでなく、友人、家族、後援者からの支援を受けることができる。 果たしてカイジたちは高倉たちに勝てるのか? 「カイジ」はシリーズものだが、今回は第3弾。もっとやってるかと思ったらそうでもないんだ。さらに「1」は2009年、「2」は2011年だから結構前である。 こういうギャンブルものは同じ場面で延々とゲームをするだけなので、麻雀ものとかVシネでは割とある。こういうのは低予算で作ってるが、「カイジ」はそれを贅沢なセットでやりきる。 今回観る気になったのは福士蒼汰が出演してるから。今回は助演。 ギャンブルものって低予算で場面展開もないし、そんなには観ないのだが、たまに観ると結構はらはらする。 やはり「勝つか負けるか」がスポーツと同様ではらはらさせられるのだろう。スポーツでは体が動くけど、こちらは主に頭脳勝負だけど。 今回はバベルの塔、最後の審判、ドリームジャンプ、ゴールドジャンケンとまあ大体予想はつくものの、楽しめる。 特にゴールドジャンケンは裏で不正が出来ないのでこちらもゲームに参加している気分になり、考えながらで楽しんだ。 結局は福士蒼汰が目当てで観てるのだが、今回はめがねをかけて冷徹な若手エリート官僚。 彼は「役に立たない老人や貧乏人は切り捨てないと日本はつぶれる。彼らを捨てることが日本再生への道」と考えている。彼なりに日本を危うんでいるのだろう。 だがそれは選民思想であり、選んではいけない道だし、自分が捨てられる方にならないとも限らない。 実は映画とは全く関係ないが数年前に起こった相模原のやまゆり園で起こった「日本に役に立たない障害者は殺すべき」という思想に凝り固まった男が障害者を大量殺人した事件とだぶった。 もちろん高倉はゲームに負け、カイジから「それは間違っている」と指摘される。 なんかものすごくほっとした。 あと吉田鋼太郎が演じた派遣業者の社長は竹中平蔵がモデルですね、きっと。 福士蒼汰もこういう悪役もやるようになったのだなあ。いつまでもさわやか青年ではいられないから、たまにはこういう役もいいのだが、またいい青年役もやってほしい。 あと新田真剣佑や瀬戸利樹が出てるのは知らなかったから、ものすごく得した気分になった。でも新田真剣佑の使い方はちょっともったいなかったと思う。 瀬戸君は正当派の二枚目だと思うが、なぜかちょっとオバカな役である。 彼を主役にした恋愛ものとかみたいのだが、だめなのかな? ラストでカイジが生ビールを飲んで「悪魔的だぁ〜」というのは実にいい飲みっぷり。そのままビールのCMになりそうである。 モスラ3 キングギドラ来襲日時 2020年1月6日 場所 米国版Blu-ray 監督 米田興弘 製作 平成10年(1998年) 富士山の麓に多数の隕石が落下した。宇宙大怪獣ギングギドラが来襲し、名古屋を襲う。隕石に乗ってやってきたようだ。キングギドラは1億3千年前にも地球にやってきて恐竜を絶滅させたのだ。 キングギドラの力で子供たちが富士山麓のドーム状の中に閉じこめられた。 富士山近くに住む翔太、脩平、珠子の三兄弟の脩平と珠子も閉じこめられてしまう。翔太は不登校でたまたま学校にいなかったので助かったのだ。 エリアスのモルとロラはモスラを呼んでキングギドラを倒そうとするが歯が立たない。それどころかロラがキングギドラにマインドコントロールされてしまう。 モスラはキングギドラに対抗するためには過去に現れたキングギドラを倒すしかないと恐竜時代にモルの力を借りてタイムスリップ。 恐竜時代で一度はキングギドラを倒すモスラ。しかしそのキングギドラの体の一部からキングギドラは甦生。現代に現れた。だが過去で死んだモスラは繭の形で1億3千年を過ごし、現代によみがえる。 そして今度こそキングギドラを倒すのだった。 平成モスラ3部作の最終作。ネット情報では配収は8.5億円。前作よりダウンしている。 毎回のごとく私の見たい要素のほとんどない怪獣映画で、見ていてつらい。 でも前作に比べればましなほう。 今回は名古屋などを襲うパニックシーンあり。うん、こういうシーンがないと怪獣映画は盛り上がらない。 でも結局子供が協力して怪獣を倒す話。 子供が主人公の怪獣映画はだめなんですよ、私。だから昭和ガメラの後半はだめでした。 でもまあ今回は主人公の子供が男の子なので、まだましだった。 恐竜時代に行くのだが、ここで登場するのがティラノサウルス、トリケラトプスなど。これが着ぐるみでもなくパペットで登場。「ジュラシックパーク」を観た後にこのカクカクした動きはつらいですよ。 で、翔太がなんとかドームの中に入って弟妹を始め子供たちを救い出す、のだがキングギドラが復活してまたドームの中に。 それにしても今回は対立していたベルベラとモルが最後には共闘するのが面白い。 もともとベルベラは「人間は地球の敵だ」ということで人間を嫌うのだが、キングギドラは地球をも滅ぼす、ということで今回は共闘。 まあどうでもいいんだけど。 最後はまた進化したモスラが登場する。 モスラが前作のアクアモードとか鎧モスラとか、私の心にはさっぱり響かない。 まあお好きな方もいらっしゃいますから否定はしませんけど。 怪獣映画って基本は恐怖やパニックという要素がほしいからこういうジュブナイルでやられるとシラケるんだな。 ジュブナイルそのものは嫌いじゃないけど、もう少し身近な冒険にしてもらえると乗れるんだけど。 子供ごときに怪獣は倒してほしくないですよ、私の怪獣映画に求める世界では。 公開以来20数年ぶりに観た三部作だったが、やっぱりだめだった。 これでは記憶からなくなっていても不思議ではない。 モスラ2 海底の大決戦日時 2020年1月5日 場所 米国版Blu-ray 監督 三好邦夫 製作 平成9年(1997年) 石垣島では漁師がヒトデの形をした怪物に悩まされていた。そんな時、密漁をする小谷と長瀬はぬいぐるみのようなかわいい生物を見かける。 それを捕まえようとして再び海へ。 小学生の汐里(満島ひかり)、洋二、航平はそのかわいい生物を見つける。同時にフェアリーとともにモル、ロラの姉妹も現れる。その生き物はゴーゴと言って沖縄の東の海にかつてあったと言われるニライカナイの秘宝を守っているという。そして今海に出現しているヒトデ状の生物はベーレムというかつてのニライカナイの人々が海洋汚染対策で作った生き物から派生した生物だった。 汐里たちの前に怪獣ダガーラが復活した。ダガーラは島を襲う。 モル、モラの言葉に導かれ、ダガーラを操るベルベラに対抗しようとする汐里たち。モル、モラがいうにはゴーゴはニライカナイの遺跡にあるダガーラを倒す秘宝について知っているという。 汐里たちの前にニライカナイのピラミッドが出現した。そのピラミッドに行き、秘宝を探す汐里たち。 またダガーラの前にモスラも登場した! 前年の「モスラ」に続いてお正月映画で製作された1本。 「ゴジラ」が終わっても平成モスラ3部作をお正月に持ってきていたのだから、まだまだ東宝も怪獣映画に重きをおいていたのだ。 今はアニメだけど。 この映画、公開の頃にももちろん観ている。でもさっぱり記憶に残っていない。 前年の「モスラ」もそうだけど、私が観たい怪獣映画の要素がまるで抜けているのだ。 「都市の破壊」「不思議な事件から大怪獣の出現」「自衛隊との攻防」「人間側の活躍」などなど。 ところがこれが怪獣島ものと同じで閉じた世界でがちゃがちゃ戦うだけである。しかも主人公が子供、さらに女の子。なんかこう怪獣映画っていうと男の子が活躍してほしいんですよね。 もう「モスラは女の子の受けがいいから主人公も女の子にしよう」っていう計算がミエミエ。 実際お客さんは配給収入は10.5億円だそうだから悪くはないですよね。正月映画は10億円行かなきゃいけませんから。 またモスラが海には行って「アクアモード」(違ったかな)とか言われると私は完全に心が離れる。なんだそれ?しっぽには尾ひれが付いてるし。 バカにしてんのか?(してる訳はなかろう) そんな感じで私の観たい怪獣映画の要素がまるでなく完全に後半は眠気を催した。オールナイトでもないのに眠気を催す怪獣映画は珍しい。 満島ひかりが映画初出演だそうだが、目鼻立ちのくっきりとした美少女。 後の売れっ子女優になるのも納得だ。 なお本作は手塚昌明監督がチーフ助監督でした。 ルパン三世 THE FIRST日時 2020年1月4日11:10〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン12 監督 山崎 貴 第二次大戦下のパリ。考古学者のブレッソン教授はナチに奪われそうになったノートをからくり箱の中に隠した。カラクリ箱はナチの手に落ちたがそれを開ける鍵は何処へと消えた。 10数年後のパリ。 ブレッソン教授の回顧展が開かれ、その目玉として例のカラクリ箱が展示された。そこへルパン三世より予告がくる。 ルパンが銭形に逮捕されたが、例の箱を盗もうとした美少女がいた。ルパンは彼女をつける。少女の名はレティシア(声:広瀬すず)。 レティシアは何者かにその箱を盗むように命じられ、実行したのだ。 それはランベール(声:吉田鋼太郎)。孤児だったレティシアはランベールによって育てられたのだ。そのランベールに指示を出すのがナチの残党ゲラルト(声:藤原竜也)。 お宝の箱はルパンによって開けられた。キーワードはレティシアの名前。レティシアは実はブレッソンの孫娘だったのだ。お宝のノートに書かれていたのは秘密の機械。これはメキシコに隠してあり、それを手に入れれば巨大な力を手に入れることが出来るらしい。ルパンたちはメキシコに向かった。 初めて3DCGアニメとして製作された「ルパン三世」。 「ルパン三世」はファーストシーズンは好きだったが、第2シーズン以降、ジャケットが赤くなってからのルパンは好きになれずに観なくなった。「カリオストロの城」もテレビ放送があったときに観ただけである。 予告とかのビジュアルを観ても全くみる気にならなかったが、今回TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートを入手したので「ただなら」と思って観た次第。 3DCGのなにやら気持ち悪い絵でも人間でもない中途半端は感じは最後まで違和感を感じた。 最初からこういう3Dならともかく、絵になれてしまいましたからねえ。違和感ありありですよ。 話の方はナチの残党とか秘密の新発見の謎とか「インディ・ジョーンズ」みたいな感じで面白い。 ルパンと銭形が一瞬手を組むとかまあありでしょう。 でも次元大介の帽子が取れてしまうのは「最近はそういうのありなんですか?」という気になった。 あとクレジットを観るまで知らなかったが広瀬すず、吉田鋼太郎、藤原竜也の声の出演。やっぱり本業の声優さんにやらせましょうよ。広瀬すずがやったからって特にプラスになってるようには思えなかったけどなあ。 まあファンとしてはそれなりに楽しみましたが、でもやっぱり顔が見えなきゃつまらないですよ。広瀬すずの顔が観たいんだから。 という訳で新年の映画はじめは「ルパン三世」。 フリーパスポート(「スターウォーズ」も「男はつらいよ」もこれで観た)は今月最後の土日まで使えるので、正月映画はもう観たのでこれからは正月第2弾作品を楽しみたい。 それにしてもこの「ルパン三世」、12月の頭に公開だったが、今はTOHO新宿では1日1回のみ。 うーん入ってないのかな。 |