世界沈没 | |||
狂った果実(1981) | 20歳のソウル | 愛国と教育 | 死の十字路 |
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三匹の侍 | エデンの東 | シン・ウルトラマン | エスパイ |
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12人の優しい日本人 | 狂った一頁(染色版) | タワーリング・ダウン | 狂熱の果て |
世界沈没日時 2022年5月31日 場所 amazon Prime Video 監督 ギャレス・エドワーズ 製作 2005年 アメリカで行われる粒子加速器の実験のためにロンドンからニューヨークに向かう飛行機に乗ろうとするハウエル博士。 テレビのニュース、各所に設置されたテレビでは大西洋の火山が噴火し、アメリカ東海岸を大津波が襲ったと報じる。 テレビの学者は「いつかは起こること」と解説する それを伝えるテレビが終わり、ハウエル博士は目を覚ます。ニューヨークに向かう博士。テレビでは突然隕石が降ってくると警告している。それもベルリン近郊だ。核ミサイルで爆破しようとするが、結局細かく砕いただけで逆に多数の隕石となり被害は拡大した。テレビの学者は「いつかは起こること」。 それを伝えるテレビが終わるとハウエル博士は空港に向かう。 アジアからやってきた乗客が致死性の高いウイルスに感染し、亡くなったのだ。その飛行機に乗った人々は次々に感染し、亡くなっていく。 テレビの学者は「いつかは起こること」 ハウエル博士はニューヨークに向かう。反対運動が起きている粒子加速器の実験だが、科学者は「事故は起きない。起こるとしたら3週連続で宝くじが当たるようなものだ」。 実験は開始された。しかし予想もしなかった事態になった。ブラックホールが発生し、すべては飲み込まれていく。 「トップガン・マーベリック」が公開され、映画ファンの間では絶賛の嵐だ。パスするつもりでいたが「そんなに評判なら」という気になった。それでは前作もアマプラで無料で観られるので、観ようかと思ったがどうにも食指が動かない。 アマプラをうろうろと検索していたらアルバトロスの映画みたいなこの映画に出会った。監督はギャレス・エドワーズ。2014年の「GODZILLA」の監督じゃん。ハリウッドの3本の中では一番好きなゴジラなんだよね。 (ソウルまで観に行ったという個人的な思い入れもあるのだが) しかも48分という中編で短いのが一番と鑑賞してみた。 BBC製作だからギャレスのイギリス時代のテレビ番組なのだろう。 48分しかないのに普通なら1本の映画が出来そうな「地球滅亡級の災害」を4つも描くのだ! 1本の映画のクライマックスが4つ続くという贅沢さ。 もちろんCGなどには(2005年という技術力が今とは違うとはいえ)お寒いところもあるのだが、それにしても豪華である。 また津波のシーンは「GODILLA」のハワイ上陸のシーンを想起させるし、ベルリンでは隕石落下が警告され、逃げまどう家族が子供だけが列車に乗ってしまい、それをホームで探す父親のシーンがある。これも「GODZILLA」のハワイの空港のシーンにもつながる。 「GODZILLA」の原型になったようなシーンも上記のようにあり、ギャレスの災害映画好き、な面が伺えて好感が持てる映画だった。 ウィキを観ると初監督作品らしい。(当時30歳) 「スター・ウォーズ」のスピンオフ「ローグワン」を撮ってから新作の話がないが、彼の映画ならまた観たいと思った。 狂った果実(1981)日時 2022年5月29日 場所 東映チャンネル録画 監督 根岸吉太郎 製作 昭和56年(1981年) 田舎から出てきてガソリンスタンドで働く二十歳の青年佐川哲夫(本間優二)が森千加(蜷川有紀)と知り合ったのは千加が仲間たちと哲夫のガソリンスタンドにやってきたときだった。千加はある中年男性(岡田英次)と肉体関係にあった。その男性とのホテルからの帰りに千加は哲夫と再び出会った。哲夫が道の陰でこっそりオナニーしているのをみてしまい、それをからかい、車に乗せた。路地に入ったときに哲夫は千加を犯した。 また千加はガソリンスタンドに来て哲夫を「強姦魔!」とからかった。それに気を取られ、哲夫は客の車をぶつけてしまい、仕事を首になってしまう。 哲夫は千加の友達のたまり場に連れて行く。しかし金持ちの息子からすると哲夫は嘲笑の対象でしかなかった。 千加は自分の実家に哲夫を連れて行った。そこには母の再婚相手がいた。それは例の中年男だった。彼女は義父と関係を持っていたのだ。 哲夫が働く夜のバーに千加とその連れが遊びに行った。彼らは哲夫や店の女の子をからかい、あげくには店を壊していった。 元ボクサーの店の兄貴分の大沢(益富信孝)の妻を流産させてしまう。 大沢とともに哲夫は彼らのたまり場に行き、包丁で彼らを刺してしまう哲夫。 石原裕次郎の「狂った果実」とは関係ない本作。 70年代後半にヒットを連発していたアリスの「狂った果実」をエンディング曲にした映画だ。といっても「ヒット曲の映画化」というほどこの曲に乗っかっているわけではない。1981年4月24日公開だから「連合艦隊」の「群青」の前である。(アリスのコンサートムービー「Alice THE MOVIE 美しき絆」は79年11月3日公開) そこそこ売れていたのになんで日活ロマンポルノの主題歌にされたかはよくわからない。 当時はアリスのファンだったのでこの映画のことはずっと気になっていたのだ。先日東映チャンネルで放送されたので見てみた。 「こんな映画だったんだあ」というのが正直な感想。 別に評価が高い映画という訳ではなく、私自身が気になっていただけだから、それもそうなのかもしれない。 基本的にロマンポルノなので濡れ場、カラミのシーンは無駄に多い。 金持ちの不良娘が田舎出身の社会の底辺にいるような若者に興味を持って関わり出すが、悲劇になる、という話なのだが、貧乏くさいし、悲惨な感じで観ていていやになった。 だから全体の評価はこれ以上いうことはない。 岡田英次がロマンポルノにでてるし、雨降らしもあるし、やっぱりロマンポルノはピンク映画より予算があったと実感させられる。 20歳のソウル日時 2022年5月28日17:25〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン11 監督 秋山 純 千葉県船橋市立船橋高等学校。この学校に入学した浅野大義(神尾楓珠)。ブラスバンド部に入部したものの、顧問の高橋健一先生(佐藤浩市)はよさこいソーランを踊ることから始め、大義は不満を持っていた。 高橋は「まずは人間関係を作ることから」という理由だった。 大義の親友の野球部員滝沢が怪我で野球が出来なくなり、落ち込んでいるのを励まそうと大義は応援曲を作曲した。高橋は「長いな」と言ったものの、最初の出だしだけを繰り返させる。この曲は「市船ソウル」として今後も演奏されていく。 高校を卒業し音楽大学に入学する大義。彼女の夏月(福本莉子)も出来、すべては順調に見えた。そんな時、胸を不調を覚える。それは悪性の腫瘍だった。抗ガン剤治療と手術で全快。しかし脳へ転移し、やがて命を奪われることになる。 神尾楓珠主演映画。最近は人気急上昇中の彼で来月にはまた別の主演作も公開される。とは言っても公開二日目の夕方の回でも半分も入っていなかったからそれほどの人気はまだないのかも知れない。 でも業界からは愛されているようだ。 難病もの、部活もの、音楽系、などの「ヒット作の要素」を全部ぶち込んだような企画。(事実「ハルチカ」に続き、前野航基がブラスバンド部員として出演) 安易と言ってしまえばそれまでだが、王道ともいう。 事実、見終わって場内が明るくなると二人連れの女子(大学生ぐらい)の一人が大泣きして友人から「あんた泣きすぎ」とからかわれていた。 「市船ソウル」は野球の応援の曲で勢いがある曲だから、それを葬儀のシーンで演奏するとさすがにこちらの涙腺もゆるむ。(さすがに泣きはしなかったが、ウルっとはきた) でもまあそれだけ。 上映時間は2時間15分以上あり、ちょっと長い。本来なら葬儀のシーンがクライマックスなのだが、その前が長くてどうも散漫である。 これが1時間40分ぐらいならもっとよかったと思う。 脚本と原作者が同じ。 現在発売中の原作本「20歳のソウル」の後書きを高橋先生自身が書いているが、この浅野大義の話を聞いた中井由梨子が関係者へのインタビューを重ね、本として出版した。それが映画化になって自分から脚本を書いたから思い入れがあって再構成が出来なかったかも知れない。 俺なら「大義が亡くなって葬儀の前の晩」から話を始めて回想で大義を語る構成を取るけど。 それは「私が監督するなら」であるから、別に従う必要なない。 出演の神尾楓珠は安定の良さ。これからも着実に仕事を重ねていくだろう。 佐藤浩市が安定の良さで、さすがに彼の出演シーンは画面が締まる思いがする。 悪い映画ではなかった。 (パンフレットは購入せず) 愛国と教育日時 2022年5月27日11:00〜 場所 シネリーブル池袋 監督 斉加尚代 2017年にギャラクシー賞を受賞したMBSのドキュメンタリー番組を追加取材をし映画として公開。 教科書検定の事実上の政府の介入をはじめとした、国の歴史教育への踏み込みを描く。 要するに「従軍慰安婦問題」「沖縄の集団自決強要問題」に対して「そんなものはなかった」とする右派の主張が強くなっていく懸念だ。 教科書出版社側は検定に合格しないと会社としては倒産の危機に立つ。実際に倒産した会社も出てくる。その会社の教科書を執筆した一橋大学の吉田名誉教授は「出版社には誠に申し訳ないことをした」という。 そりゃ学者としての信念に従ってしたことで出版社が倒産したらさぞつらいだろう。 そして「新しい歴史教科書を作る会」が右派(まあ日本会議)で結成され、それは分裂とか内輪もめのあったようだが、歴史教科書を作り、一版発売もされた(まあ採択してくる可能性も低かったから、一般のウヨクに向けたのだろう)。 それを書いた東大教授の伊藤隆が本音を語ってくれて面白い。 イ「歴史になにを学んでほしいですか?」 伊藤「歴史に学ぶ必要はない」 これが意味が分からない。ではあなたはなぜに歴史研究の学者になったのか。 イ「この教科書を作った動機は?」 伊藤「ちゃんとした日本人を育てないから」 イ「ちゃんとしたとは?」 伊藤「うーん、・・・左翼じゃない」 はあ、この程度の認識か。 「共産主義、赤=悪」っていう思想はいつから生まれたんだろう? この教授、後半にも登場する。 「隣の国が沖縄の先の島に領海侵犯してるでしょ?普通領海侵犯したら戦争ですよ」「他の国に攻められる」「(攻められるとしたら)私が死んでからにしてくれ」 とにかく憲法改正主義者たちは二言目には「近隣諸国に攻められる」という。近隣諸国に占領される恐怖なんだな。もっとも安倍晋三なんかはそいう右派の応援に乗っかってるだけで、本人は「俺が威張りたい」ってだけの人にしか見えないが。 安倍晋三は仮に日本が攻められたらさっさと逃亡するイメージなんだよなあ。 あと「私が死んでからにしてくれ」。うがった見方かも知れないが、ここにも本音がでてる気がする。つまり「今だけ、俺だけ」なのだ。 「表現の不自由展」などの右翼の抗議活動も登場する。 とにかく右翼って攻撃的なのだ。Twitterなどにしてもやたらと攻撃的な口調だし、「不自由展」(だけではないが)威嚇、恫喝の連続だ。 リベラル側の抗議行動ってこういう暴力的なことはしないなあ。 まあ昔は爆弾テロなどを行ったが、今はその反省からか暴力は否定する。 あと籠池さんも登場したが、彼はもうこういったドキュメンタリーでは「右翼の洗脳が溶けたいい人」の扱いである。 「学び舎」という会社の教科書は「左翼的」と批判され、それを採択した学校には抗議のはがきが殺到したそうだ。 「このような教科書を採択するのはよくない」という。ほとんどが匿名だったが、中には(籠池さんもその一人だが)山口県の防府市長のように実名ではがきをだしたものもいる。 イ「学び舎の教科書をご存じですか?」 市長「知らん」 イ「この抗議はがきですが」 市長「ああ、これは私の尊敬する人から頼まれて出しました」 イ「学び舎の教科書は読んでいない?」 市長「見たぐらいでしょうね」 もうバカ丸出しである。 原点をちゃんと見極める、という勉強をしないで聞きかじりの知識で相手を叩く、徹底的に叩く。 これが私の右派を信用できない理由の一つである。 まあとにかく困ったものだ。 日本会議も高齢化している。幹部が死んだら活動は沈静化するのだろうか? いや大阪維新の会のように年下でもネトウヨはいる。 まだまだ戦いは続く。 彼らの手による憲法改正だけは食い止めねばならない。 死の十字路日時 2022年5月22日 場所 amazon prime 監督 井上梅次 製作 昭和31年(1956年) 伊勢商事社長・伊勢省吾は秘書の沖晴美(新珠美千代)と結婚を考えていた。伊勢の妻友子(山岡久乃)は新興宗教にのめり込み、伊勢の気持ちは冷え切っていた。晴美の団地の部屋にいるとき、友子がやってきて晴美を殺そうとする。それを止めた伊勢だったが、勢い余って友子を死なせてしまう。伊勢は死体を近日ダムに沈む村の古井戸に捨てようと思い立つ。 銀座の街角のバーで相馬良介(大坂志郎)と真下(三島耕)は言い争っていた。良介の妹の芳江(芦川いづみ)と真下は結婚するつもりだったが、相馬はそれに反対していた。取っ組み合いになり、酔っていた相馬は転んで頭を打ってしまう。そのまま店の外へでる相馬。 伊勢は死体を車に乗せダムへと向かう。途中、銀座の街角で事故を起こしてしまう。そこへ相馬が通りかかった。 二つの事件が交わる十字路だ。 アマゾンプライムで「あなたにお勧めの映画」として紹介されたこの映画。江戸川乱歩原作で井上梅次監督の組み合わせとくれば面白そうなにおいがぷんぷんするじゃありませんか。 そしてその期待は裏切られなかった。 「悪魔のような女」にも似た犯人にとってどんどん思いがけない事態になっていく。死体の入った車のトランクを開けられそうになるし、果ては交通事故。さらに全く知らないと男が死んでいる! 死体を捨てにいけば妻がはいていた靴がない。もうあきらめて古井戸に捨てる、で約半分。 そしてたまたま相馬の妹が兄にそっくりな男、南と会う。南は私立探偵。「私が協力しましょう。もちろん依頼者の収入を見て無理なんかもうしません」という。で捜査に乗り出して・・・・という展開。 いや〜面白い。この探偵がなぜ明智ではないのだろう?相馬と似ているという設定だから?と思っていたが、それだけじゃないんだな。 南は最後の最後に伊勢の犯行に気づき、例の靴を使って伊勢を脅迫する。 南は元警官だったのだが、まあその程度の男だったのですねえ。 とにかくグイグイと大坂志郎の探偵が迫っていく。そして追いつめられる三国連太郎。 そして最後はそれまでほとんど活躍のなかった警視庁の警部(安部徹)登場。 事件の真相はすべてばれる。 出演では芦川いづみが出演。裕次郎登場以前から日活で活躍していたんだ、と知る。 面白かった。日本のスリラー映画はだいたい観たと思ってたけど、まだまだありそうだなあ。 ハケンアニメ!日時 2022年5月21日16:55〜 場所 TOHOシネマズ池袋・スクリーン2 監督 吉野耕平 土曜日夕方5時の枠で新作アニメの製作が決まった。一つは新人監督斎藤瞳(吉岡里帆)の「サウンドバック奏の石」、若き天才監督といわれたが7年のブランクがある王子千春監督(中村倫也)の「運命戦線リデルライト」の対決だ。 ところが王子は大事な時期に1週間行方不明。プロデューサーの有科(尾野真千子)はやきもきしたが、なんとか姿を現してくれた。集中するために都内のホテルにこもっていたのだ。 作品に集中したい瞳だが、フィギュアの会議やらファッション誌の取材やらやたらと雑事をプロデューサーの行城(柄本佑)に振り回されっぱなし。 やがて放送が始まる。初回視聴率はほぼ同格。しかし徐々に「リデルライト」に負けていく。果たして「ハケン(覇権)」はとれるのか? 筆者は西武鉄道利用者なのだが、西武新宿駅では宣伝用ディスプレイで毎日流している。最近まで知らない映画だったが、「アニメ界のお仕事話」ということで観に行った。 まえに「SHIROBAKO」というアニメ業界のアニメを面白く観たし。 まあアニメの世界は大変である。基本的に絵を描く世界なのだから終始机に向かってカリカリと作業をする。 前にあるアニメの監督から直接聞いた話だが、「実写映画の世界では天気とか、夜になったとか、役者のスケジュールとか、予算とか、どこかでやりたいと思ってもあきらめなければならないという壁が出てくる。 でもアニメの世界って極論すれば夜中の3時に今からやり直すぞ!って言ってそれができてしまう世界。だから無限に仕事は続く」と言っていた。 けだし名言だと思う。 今回もそういう世界の話である。 王子監督は前の作品で主人公を殺したかったがプロデューサーから「止めろ」と言われて出来なかった悔いを残している。 今回も同じことを言う。土曜の夕方の時間帯で子供向けだからバッドエンドはあり得ないという話だ。 昔の私なら「それは違う!」と自信を持って言ったかも知れないが、今は監督の方が無茶である。 私も年をとって安全パイを好むようになったのかなあ。 この映画でも言われてるように億単位の金が動き、ソフトやフィギュアなどの売れ行きにも影響する。それはその業界で働く人々のサラリーに結ぶつく問題だ。監督の「こうしたい」だけですむ話ではない。 その責任を考えたらうかつなことは出来ないですよ。 斎藤監督も「ラストはこうします!」と王子監督に影響を受けたのか大幅な変更を言い出す。「SHIROBAKO」もそうだったし、このジャンルのおきまりの展開なのか? でもねえ、「納得のいかないものは出せない」って言うのは解るけど個人作業ならいざ知らず、人を使ってやる作業だからねえ。 それでも作品の締め切りはあるわけだから、人に残業を強いるわけ。 それってどうなんだろう? もちろんいい作品を作れば周り回って自分にも帰ってくることは解るけど、急な変更が名作につながるとは限らないし、なんだかなあって気がする。 とにかくアニメの世界は映画以上に基地外だ。 そんな気になった。 吉岡美帆はメガネ姿で美形を封印する出演。 イメージチェンジの意図か。 あと舞台に秩父が出てきてだから西武線が協力してるのか。 西武は秩父を観光地として育てようとしてるので。 秩父を舞台にしたアニメ、なんだったけ、「あの日見た花の名前を僕らはまだ知らない」(そんなようなタイトル)つながりなのかな。 すいません、アニメは詳しくなくて。 あと斎藤監督がコージーコーナーのエクレアが好き。帰りに買ってみたくなった。 流浪の月日時 2022年5月21日11:55〜 場所 TOHOシネマズ池袋・スクリーン6 監督 李 相日 更紗は父親は早くになくなり、母親は別の男と結婚しおばの家に住んでいた。しかし従兄弟が毎晩体をさわってきていやな思いをしていた。 そんな時、大学生の佐伯文(松坂桃李)と出会う。 「うち来る?」という文の誘いに乗って何日も文の部屋で過ごし、何でも許してくれる文との生活は心地よかった。しかし世間では幼児誘拐として更紗は保護され、文は逮捕された。 15年後、今は更紗(広瀬すず)はファミレスでバイトをしながら、一流企業に勤める恋人の亮(横浜流星)と一緒に住み、一見幸せな日々を送っていた。 ある日バイト仲間の安西に「行ってみたい店がある」と言われ言ってみた。そこはバーではなくカフェだったが店主をしているのは文だった。 どこか支配的な亮に疑問があった更紗は文の店に通いだす。 しかし亮に見つかった。亮の実家に行くと家族は暖かく迎えてくれたが、妹から兄はDVの疑いがあり、いなくなった母のトラウマで絶対に逃げ場がないような女性を好む、と聞いてしまう。 案の定、やがて亮は暴力を振るい、更紗は家を出て文の隣の部屋に引っ越した。 バイト仲間の安西はシングルマザーだったが、「未来の夫と3日ほど旅行する」と子供を更紗に預け出かけた。しかし安西は戻ってこない。 その子の世話を更紗と文でする。やがて文はまた幼女誘拐の容疑をかけられてしまう。 広瀬すずである。朝ドラの主演をしていたせいか、最近映画が途切れていたので楽しみにしていた。しかも共演は安定の松坂桃李と横浜流星。 結構期待してしまったが、イマイチだったという印象。 まずは話の展開がないのだよ。 だらだらと淡々と話は進む。もう少しドラマチックに展開するかと思ったら、間の問題ないのか話が進まないのだなあ。 更紗と文の視点から話は進むので、それ以外人物は彼らの見た姿でしかない。横浜流星の恋人とか、シングルマザーの子供を捨てかけた母親とかいろいろと深堀してほしいキャラクターもいるのだが。 この映画に登場する人物はどこか愛にゆがんでいる。 更紗と文はもちろんだし、更紗の恋人も母親がいなくなり女性に対しトラウマを抱えている。シングルマザーも娘より男を選んだどこかゆがんでいる。 そして最後の最後に文は自分が抱えている女性に対するコンプレックスを打ち明けるシーン。「母親は家に植えていた植物を育ちが悪いと引っこ抜いたことがあった」というのだが、彼の性器が異常に小さい。短小というレベルではなく、赤ん坊の頃から変わっていないような大きさだ。 それはそれでコンプレックスでセックスには消極的にはなるだろうけど、それが「少女愛」になるのかなあ? 原作は凪良ゆう。ええと確か先月DVDで見た「美しい彼」と同じ原作者だった。あれも同じゲイの話でも精神的なSMというか支配被支配の関係の二人の物語だった。 こういう「一風変わった二人の関係」が作風なのだろうか。 今回はちょっと同意しかねる気がした。 広瀬すずは安定の良さ。横浜流星は髭面になってDV気味の男で今までにない姿でよかったと思う。 パンフレットは買ってない。 大河への道日時 2022年5月20日19:00〜 場所 新宿ピカデリー・スクリーン6 監督 中西健二 千葉県香取市。この町も日本の他の地域と同様に観光客誘致に知恵を絞っている。総務課の池本(中井貴一)は会議の席で「大河ドラマの舞台にしてもらったら?」と言ってしまう。 郷土の偉人というと日本地図を作った伊能忠敬。これをドラマにしようと提案したら県知事からもやってほしいと指示がきた。しかも脚本家は加藤(橋爪功)と指名までされた。池本は加藤の元に日参し、何とか企画書を書いてもらうようお願いする。最初はやる気のなかった加藤だが、伊能忠敬記念館に行き、伊能の作った日本地図を見て驚愕する。 「江戸時代にこんなに歩いて測量しただけでこんな精密な地図を作ったのか!」と驚愕。加藤は伊能忠敬について調べてみた。 しかしさらに驚きの事実が分かった。 宣伝もあまりしてなかったせいか、知らなかったこの映画。今月に入ってからじゃないか、この映画の存在を知ったのは。 製作はキノフィルム。この会社、木下工務店がバックなのだがいったいどういう会社なのだろう?「空母いぶき」など結構面白い映画を作る会社なのだが。 自治体が地元の偉人を大河ドラマにしてもらおうと誘致活動をするのはあり得ると思うが、脚本家まで知事が指名して企画を進めるというのはありなのだろうか? 実際に決めるのはNHKだろ?脚本家もNHKの考えで決めるんでしょ? 自治体が脚本家まで指名していいの?などと考えてしまったが、まあ細かいことは気にしない。 千葉県知事と言えば俳優の森田健作が有名だが、今回特に彼がモデルというわけではないようだ。(俳優出身とかの説明はない) 実は日本地図の完成より伊能は先に死んでいた、ということがわかる。 Wikiも読んだけど、箇条書きに羅列しただけである。 脚本家の加藤はここにドラマを見いだす。 映画は伊能が天文学を学んだ自分より年下だった鈴木の子、通称「若先生」の高橋景保がもはや10年以上かかっている日本地図作製の作業をやめさせようとする動きもある幕府をだますために交渉していった話が描かれる。 伊能の元妻のエイ(北川景子)や使用人のトヨ(岸井ゆきの)たちが怪しんだ勘定奉行が差し向けた密偵(西村まさ彦)をだましていく過程が適度に面白い。ふざけすぎもせず、かと言ってしらけてもいない。 結局脚本家の加藤は「俺が書くなら伊能忠敬の死後、高橋たちが頑張った物語になってしまう。だからあなたたちの期待するものは書けない」と降りてしまう。 原作は立川志の輔の新作落語だそうだ。こちらも是非見てみたい。 企画に中井貴一も加わっている(というか中井貴一が動いて実現させたらしい)。 過去パートで将軍役、現代パートで知事役を演じたのは草刈正雄。 あと冒頭の会議室の場面で「武田信玄2」のポスターを見て中井貴一が「大河ドラマはどうでしょう?」と言い出すのだが、笑ってる人がいた。 あれはかつて中井貴一が武田信玄を演じたパロディだったのか。 めちゃくちゃ名作!という訳でもないけど、安心して鑑賞できるレベルの映画。 パンフレットは買ってない。 シェラ・デ・コブレの幽霊日時 2022年5月15日 場所 アマゾンプライム 監督 ジョセフ・ステファノ 製作 1964年 建築家であり心霊研究家でもあるネルソン・オリオン(マーティン・ランドー)は盲目の資産家のヘンリー・マンドールから夜中にかかってくる死んだ母からの電話で悩まされていると相談される。 実際に応対したのは彼の妻のヴィヴィア。話を詳しく聞くと去年亡くなったヘンリーの母親がまだ生きているのに埋葬されるのを恐れ、遺体は墓地の部屋に保管し、自宅に通じる電話を引かせたというのだ。その電話から毎夜のように母から電話がかかって来るという。 ヴィヴィアとオリオンはその墓地に行ってみた。確かに電話はあったが、遺体は白骨化している。そのとき、ヴィヴィアンは幽霊を見た。 気絶したヴィヴィアンを取り合えず自分の家につれて帰るネルソン。ネルソンの家にあったかつてネルソンが調査したシェラ・デ・コブレの絵を見て反応するヴィヴィアン。 ネルソンはヴィヴィアンを家に送り、そこで依頼人のヘンリーと異様な雰囲気の家政婦ポーリナに会う。その時、窓際のソファのマットがめくれる怪現象が起こった。 ポーリナに「以前会いましたか?」と聞き、シェラ・デ・コブレで会ったと話す。シェラ・デ・コブレではかつてアメリカ人女教師が亡くなっていたが、それは呪いではなく、毒物による死だとネルソンは調査したことがあったのだ。しかし呪いと信じるポーリナはネルソンを無能とののしる。 自宅に帰ったネルソンだが、あることに気づく。それは幽霊を見たのはヘンリーではなくヴィヴィアンだということ。 呪われているのはヴィヴィアンなのだ。果たして事件の真相は? 私より映画に詳しい人たちが時々話題にするこの映画。金沢の映画祭で上映したら映写機が壊れたとか、映写技師が病気になったとか変な噂を聞く映画。それなのに今はアマゾンプライムに日本語字幕付きで配信中。 早速見てみた。 主演は「スパイ大作戦」で変装の名人のマーティン・ランドー。もともと顔が怖いのでホラーにはうってつけである。 そしてヴィヴィアンが見る幽霊はちょっと怖い。ネガポジを反転させたような女性の叫び顔でそれがオーバーラップ合成。ここは怖いね。自分の家で明るい部屋で見たからそれほど怖くないけど、真っ暗な映画館で見たらさすがに怖かったかも知れない。 事件の真相はかつてシェラ・デ・コブレの村では観光客相手に幽霊スポットを見せていた。そこでは幻覚を見せる薬を少し与えて恐怖を味わってもらっていたのだが、「幽霊がでない!」とうるさいアメリカ人観光客がいたので多めに薬を与えたら死んでしまったということ。 ポーリナは実はヴィヴィアンの母で、夫を幽霊騒ぎでこの土地から追い出すために土地を売らせようと夜な夜な母に扮して電話をしていたというのだ。 これで事件は解決かと思いきや、アメリカ人教師の幽霊がポーリナを殺し、ヴィヴィアンも自動車事故に見せかけて殺してしまうというオチ。 怪奇現象が起こる、主人公が調べる、怪奇現象ではないと結論づける、やっぱり怪奇は起こる、っていう私の好きなタイプのホラーの定番のストーリー展開だったので、十分に面白かった。 ウィキペデァを読んでわかったのだが、この映画、怖すぎたからとか言われてるが、製作したがアメリカでは未公開に終わり、海外でテレビ放映などされたという。当然日本でも放送され、見た人たちは子供心に例の幽霊のシーンが怖くて印象に残ったのだろう。 アメリカではソフト化されているが日本では未ソフト化。 とにかく日本語字幕付きで観ることができ、よかった。 でも日本語字幕、ヘンリーに対して「マンドール夫人」て呼びかけていて(台詞では「ミスター」って言ってるように聞こえたが)ちょっといい加減だった。 三匹の侍日時 2022年5月14日17:00〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 五社英雄 製作 昭和39年(1964年) 浪人・柴左近(丹波哲郎)はあてのない旅の途中である水車小屋の前でかんざしを拾う。水車小屋に入ってみると3人の百姓(藤原釜足ら)が武家の娘を縛り上げていた。話を聞くと飢饉で苦しんでいる百姓の願いを代官所に訴えても無視されるばかりなので代官の娘をさらってきたという。 近々参勤交代で殿がこの近くを通るのでそれまでに解決せねばならない。 焦った代官は部下を差し向けるが柴が助っ人に入ったことにより手が出ない。 代官の用心棒として雇われている桔梗鋭之介(平幹二郎)はのらりくらりと出て行かない。関所破りをしようとしたとして捕まっていた桜京十郎(長門勇)も柴を倒すために駆り出されるが、代官が悪いと知った桜は柴の側に立つ。 代官は百姓の一人の娘を探しだし、折檻する。それを見た百姓は代官の娘を同じように折檻しようとし、柴に止められる。 「娘は返そう。俺が見代わりになって刑を受ける。その代わり百姓を見逃せ」と代官と約束した柴。柴は捕まって百叩きの刑にあうが結局百姓たちは代官に殺されてしまう。 代官の裏切りに怒りを覚える柴。しかし柴を助けてくれたのは他ならぬ代官の娘だった。 丹波哲郎主演作。元々はテレビシリーズだが、今ネットで調べて見たらテレビシリーズの第1シーズン(こんな言葉は昔はなかったが)放送後に作られたそうだ。 テレビシリーズは丹波、長門、平の3人だが、その出会いを描く第1話に相当する話だ。 タイトルは知っていたが何となく見逃していたので、今回ラピュタ阿佐ヶ谷の「監督のデビュー作特集」で鑑賞。 五社英雄はすでにテレビで監督としてデビューしていたが、劇場用映画としては初監督ということらしい。 事情はわからないが、丹波哲郎もプロデューサーとして名を連ねているから出資もしてるのかな。 あとで丹波さんの本を読んでみよう。 80年代に勝新太郎の「人斬り」と2本立てでリバイバル公開されたことがあった。そのときに丹波さんは劇場にふらっとやってきて「三匹の侍は何時からだ?」と行ってきたという。「人斬り」は2時間ぐらいの大作だし、9時終了が原則の映画館だったから2本立てだと最終回は5時ぐらいに始まる。丹波さんがやってきたのは5時過ぎだったらしく、「そうか今日はもう観れないか」と帰って行ったという。 以上私が当時バイトしていた映画館でのエピソード。私はその日にいなかったが、バイト仲間が「この間丹波哲郎来たぜ」と上記の話をしてくれた。 製作だったからだから丹波さんも思い入れがあったのかも知れない。 映画の方は要するに「用心棒」変形みたいな話。 なんとか逃げ出した柴が百姓たちが残した直訴状を見つけだす。 そして殿の大名行列がやってくる。ここで柴は残ってる百姓たちに「お前たちの中で直訴する奴はいないのか!千載一遇の機会だぞ!」と叱咤するが誰も直訴しない。 このあたりの描写がもの悲しかった。 案外時代的に学生運動とかが根底にあったのかも知れないな。 代官を殺しにいく柴だが、結局髷を切って「その無様な姿を部下の前にさらせ〜」と叫ぶ。 むやみに殺さないところがいいです。 あとはもっさりした長門勇が槍の達人として登場でこちらもかっこよかったです。平はちょっときざなキャラクター。 テレビシリーズも少し観てみたいが、残ってないかな。 エデンの東日時 2022年5月14日9:00〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン8 監督 エリア・カザン 製作 1954年(昭和29年) 1917年のアメリカ郊外。この町のはずれに住むキャル(ジェームズ・ディーン)はある酒場の女経営者をつける。酒場の用心棒に追い出されて結局会えなかったキャル。実は死んだと聞かされている母がこの酒場の経営者と聞いたのだ。 キャルの父親は地元では人格者で通っていて、キャルの兄アダムも真面目な好青年と知られ、恋人もいた。しかしキャルは父親から愛されていないと思い、ひねくれていた。 父親はレタスを氷で冷やした状態にすれば新鮮なままだということを利用して氷で冷やしたレタスをニューヨークに運んだが、途中で雪崩の影響で汽車が遅れ氷が溶けだしてレタスをだめにしてしまった。 全財産を失う父親。キャルは父親を助けようとして、酒場の母親に頭を下げて金を借り、それを元手に大豆相場に手を出した。 第一次大戦にアメリカは参戦。相場は上がり、キャルは大金を手にした。 父親の誕生日、兄は恋人との婚約を父親に告げる。父は素直に喜んでくれた。しかし戦争でもうけた金は受け取れないとキャルの金を受け取らない。 キャルは兄を困らせようと「実は僕らの母は生きている」と告げる。 兄はやけっぱちになって戦争に行った。父はショックでいろいろあって脳梗塞で倒れた。 父はキャルに看病してもらうことを望んだ。 午前十時の映画祭枠での上映。最近は午前10時開始とは限らない。 今回初めて4Kになったわけではないだろうし、今までにも上映される機会はあったろうけど何となく見逃していて、今回何となく観たくなったので昨日の「シン・ウルトラマン」に続いて新宿東宝で鑑賞。 (特別料金1200円かと思っていたら1500円だった。高くなったなあ。まあdポイントで観たけど) 実はジェームズ・ディーンの映画を観るのはこれが初めてである。 最近はファンも高齢化というか亡くなってきたのかさすがに「ジミー!ジミー!」いわれることはなくなった。昔は小森和子がうるさかったですねえ。 スチルでしか観たことがなかったジェームズ・ディーン。思ったほどイケメンではなかった。斜め横からのアングルだといいのだが、正面からのアングルだとやや寄り目気味でちょっとイメージと違ったなあ。 映画の方ですが? なんだか「俺は父親に愛されてない!」ってだだこねてる若者でかように子育ては難しいものだな、という感想しか起きない。 ジェームズ・ディーンが初主演作でなかったら映画史には残らなかったんではないか? どうなんでしょうねえ。 シン・ウルトラマン日時 2022年5月13日19:00〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン9 監督 樋口真嗣 脚本・総監修 庵野秀明 ゴメスの出現以降、巨大植物、巨大鳥などの巨大生物による災害が頻発した。政府は防災庁を作り対策チームとして禍特対を発足。 今回も発電所の電気を捕食する禍威獣ネロンガ出現。そこへ赤い球体が現れ銀色の巨人が出現し、ネロンガをクロスした手から発する光線でしとめた。 そして今度は放射性物質を狙う地底禍威獣ガボラ出現。またしても銀色の巨人が倒してくれた。 そして今度は宇宙からやってきた外星人、ザラブ星人がやってきた。 はたして地球はどうなる? ストーリーは簡単に済ませた。「シン・ゴジラ」の庵野秀明=樋口真嗣コンビをはじめとするスタッフによる「ウルトラマン」だ。 撮影は2019年に行われたと聞くし、その後コロナによる公開延期や、それだけでない製作延長も手伝ってつい最近(4月ぐらいまで)はポスプロをやっていたらしい。 期待と不安が入り交じって初日を迎える。IMAXはほぼ満席で前の方しか空いてなかったで、今回は新宿東宝の最大のスクリーン9で鑑賞。 冒頭、東宝マークとカラーのマークの後にオリジナルの効果音とともに渦巻き模様。渦巻きが止まって「ウルトラQ」と出るかと思いきや「シン・ゴジラ」。私は笑った。 それをぶち破って「シン・ウルトラマン」 そしてなんとゴメスの登場。「ウルトラQ」の怪獣が次々と現れる。 まさか「ウルトラQ」から話を始めるとは思わなかった。 そして禍特対は巨災対みたいな設定で登場。 禍特対は制服はなしでスーツ姿に流星マークのバッチのみ。 ふん、まあそうなるかとは思うが、なんか寂しい。やっぱりオレンジとはいかなくても制服は欲しかったなあ。俺が作ったら何らかの制服は欲しい。 前線基地に出ても自衛隊員も含めみんなパソコンを見てカメラからの映像で判断している。21世紀だなあ。 ウルトラマン登場だが、スペシウム光線がパワーアップしている。 ゴジラの放射性熱線なみに溜めてから一発お見舞いだ! ウルトラマンは禍特対の神永新二(斎藤工)と一体化しているのだが、このあとの新二は完全にウルトラマンの人間形態となり、新二としての人格は消えている。 う〜ん、ハヤタはハヤタだったけどなあ。 そしてザラブ星人登場。ザラブ星人は後ろ半分がない形態で登場。うん?どういうこと?なぜかそれは劇中では話題にならない。 予告編でザラブ星人の登場は明かされていたがネット上で「じゃニセウルトラマンも登場か?」と言われていたが出た! でも本家ほど偽物然とはしてなかったが。 ここらあたりから長澤まさみの浅見弘子がベータカプセルを持って行ったりして新二がウルトラマンと気づく。(ザラブ星人に捕まって縛られていたのを涙で溶かすとかはなかった) 続いてメフィラス星人登場。 浅見分析官がいなくなって「どこへいったんでしょう?」「見つかりました!」「どこだ?」「それが・・・」となった段階で私は笑みがこぼれた。 そして「巨大浅見分析官」登場! いやキターーーー!って感じでしたね。 そしてこのあたりから違和感を覚え始める。 つまり新二がウルトラマンに変身できると身ばれしてしまうのだ。 「えっいいの?」という感じだ。 うすうす感じながらも「新二がウルトラマンとは気づいていない」という点がキモの一つなのに。 最終回のゼットン登場だが、なんとゾフィーがゼットンを持ってきた。 「宇宙にとって人類は有害だから排除しよう。それが宇宙の平和につながる。宇宙には150億の知的生命体がいる。その一つがなくなってもどうということはない」言い放つ! ええっ、ゾフィー、お前はそんなキャラだったのか! ウルトラマンもゼットン(怪獣形態ではないけど)に挑むがかなわない。 理科系担当の滝明久(有岡大貴)が敗北を感じるが「人間を巨大化できる仕組み」についての理論を教えてもらい、それを元に国際会議を開く。 この国際会議がVRゴーグルをしての開催。 昔は一つの部屋に集まって大会議をしていたが、21世紀はこうかあ。 まあこうなるかな。 まあ最後はウルトラマンと人間の共同でゼットンを倒すことに成功し、ゾフィーも許してくれた。 でもウルトラマンは帰って行って新二が帰ってきて禍特対のメンバーのアップで終わる。 なんかはっきりしないな、まあ新二はウルトラマンになる力はなくなったんだろうけど。 そして主題歌はいつかかるんだ?と思っていたらエンドクレジットは普通に米津弦師の歌のみ。う〜ん、米津は嫌いではないが(むしろ好きな方だが)オリジナルの歌も聞かせて欲しかったな。 あとは雑感。 禍威獣のCGが思ったより立体感がなく平坦。特に最初のネロンガは薄っぺらだったなあ。 長澤まさみが普段はぺったんこの靴を履いているのに、禍特対に入るとハイヒールに履き替えるのはなんだろう? 科学特捜隊でがイデ隊員が好きだった。今回科学担当は有岡大貴の滝がそれに相当するのだが、予告編というかキャストが発表された時から「う〜ん?」と思っていた。イデ隊員は長身でイケメンだがユーモラスというイメージがあったのだ。 それが丸顔のベビーフェイスの有岡とはなんか違和感があった。 見終わって気がついた。あれは石川進ではなかったのか? 石川進が当初イデ隊員を演じる予定だった話はマニアなら誰でも知ってる話。あのキャスティングは「もしイデ隊員を石川進が演じていたらこうなっていたかも?」という意図ではないのか。 そして翌日に気がついた。あれはホシノ少年かもしれない。 そう勝手に考えてしまうのは私がイデ隊員ファンだからかな。 あとウルトラマンのデザイン。少しやせて筋肉質過ぎるかなあ。 人間の体に直接ボディペインテイングしたような皮膚感がちょっと気になった。 成田亨のデザインに乗っ取ってカラータイマーをなくしたことはすでに知られているが、「エネルギーが好くなくなると体の赤ラインが緑になる」という設定で「そうきたか!」と思った。 あとはガボラ、ネロンガ、パゴスなどが実は同じ着ぐるみの改造なのだそうだが(私はよく知らないが)、滝ともう一人の早見あかりの船縁由美の会話で「なんか3体とも同じ体型ですね」とかのオタクネタが面白いと言えば面白いがうるさいと言えばうるさい。 まだ書くけど電話の音とか爆発音とかスペシウム光線の音とか昔のままでよかった。音楽も宮内国郎の曲ばかりで世界観が踏襲されていていい。 ゾフィーが「人類なんか滅ぼしちゃえ」っていうけどあれは「エヴァンゲリオン」の人類補完計画につながる思想なのかなと思い、やはり庵野秀明である。 パンフレットに「庵野さんが巨大フジ隊員とニセウルトラマンを出したがった」っていうのはさすがにマニアックである。 普通はバルタン星人とかレッドキングとかゴモラだろ。 いろいろ書いたけど総じて面白かった。 今年のベストワンとは思わないが、アメリカゴジラの最近の2本が全く受け付けなかったから、今回は楽しめた。 またIMAXでも見よう。 早くしないと「トップガン」が始まっちゃうぞ。 エスパイ日時 2022年5月8日 場所 監督 福田 純 製作 1974年 時々「エスパイ」だが今回はDVDで鑑賞。 まあ前に観たときに「国際秘密警察〜念力作戦」と思ってみればそのB級感も許容できてしまう。 それよりも草刈政雄の使い方がもったいないと思う。 新人エスパイとしてヘタレなままなのだな。 元レーサーの設定なのだから、途中でカーチェイスもあって派手なカースタントの見せ場があればよかったのだが、カースタントは藤岡弘に取られちゃうし。 そして逆エスパイを内田勝正ではなく、もっとスター級の人が演じればよかったのではないか? 草刈ではどうかと思ったが、当時まだ草刈は次世代スターの立場だったから無理だろう。 しかしたとえば宍戸錠クラスの悪役が出演してれば「東映若山冨三郎」「日活宍戸錠」「東宝加山雄三」の3人競演でなかなか話題性があってよかったかも? もちろんオファーしたけどだめだった可能性もあるので何ともいえないが宍戸錠が演じていたら全体の印象がまるで違った気がする。 脳内変換してまた観てみるか。 浅田英一監督はこの映画にも参加し、フォースでカチンコを叩いていたとか。 死刑にいたる病日時 2022年5月7日17:00〜 場所 丸の内ピカデリー1 監督 白石和彌 数年前に栃木県で起こった連続少年少女殺人事件。犯人の榛村大和(はいむらやまと・阿部サダヲ)はパン屋を経営しながら店に来る客や町で出会ったまじめそうな高校生たちをターゲットにし拉致し、残酷な責めを行ったと殺していた。すでに死刑判決が出ている。 大学生の雅也(岡田健史)の元に榛村から手紙が届いた。会って頼みたいことがあるという。迷った末に榛村に会いに行く雅也。 榛村は24人を殺し、9件で立件されていた。だが榛村が言うには最後の1件だけは自分ではないという。 雅也は中学生の頃は榛村のパン屋によく行っていて榛村のことは知っていたのだ。 雅也は榛村の弁護士元に行き、「アルバイトという扱いで」と記録をすべて見せてもらう。最後の1件の現場にも行き、調査を始める雅也。 しかしそこには驚愕の事実、自分と榛村との関係などが明かになっていく。 予告編を観て楽しみにしていた本作。映画の内容も面白そうだったのだが、岡田健史の主演ということで楽しみにしてきた。 岡田健史は数年前にドラマ「中学聖日記」で教師と恋仲になる中学生を演じて話題になったが、その後がなぜか続かず、2020年の堤真一主演の「望み」で失踪した息子役を演じた程度でどうも見かけない。 と思っていたら今回の主演である。 冒頭、榛村の犯行が描かれるが、これが凄惨な事件で私は爪をはがすとか苦手なので、もう完全に画面から目をそらしてしまう。 そして岡田健史である。 鋭いまなざしでこちらを射抜く。ものすごい迫力と色気である。セクシーである。 終始この岡田健史の魅力にやられっぱなし。 この映画の成功は岡田健史の起用といっても過言ではない。 阿部サダヲの猟期的殺人者もいいのだが、良さのレベルでは岡田の方が上だ。 雅也の母が若い頃、榛村と交流があったことを知り、「自分はこの男の子供では?」と疑い出す。 自分は果たして殺人者の息子なのか?そして自分中にも狂気があるかさえ試してしまう。 そして明らかになる事件の犯人。どんでん返しに次ぐどんでん返し。 近づいてきた女子大生が「何かある」と思ったらそうだったので、それはわかりましたけどね。でも彼女の真意がいまいちわかりにくいので、原作も読んで見ようかと思う。 でもキャストで岩田剛典の名前があるのにどこに出てるかわからない。 顔に痣があるので髪を伸ばし顔を隠してる人、が出てくるので「あの役か?」と思って鑑賞後ネットで検索したらやっぱりそうだった。 「今までやってなかった役をやってみたい」「俺は顔がいいだけじゃない」というのは解るけど二枚目でルックスが売りの役者が顔かくして出演してどうするよ? ファンの期待も答えなきゃ。 映画自体はもう1回観たい気になった。 パンフレットは買わなかったけど。 南国の肌日時 2022年5月7日12:20〜 場所 国立映画アーカイブ・地下小ホール 監督 本多猪四郎 製作 昭和27年(1952年) 鹿児島県のシラス台地。このあたりは霧島火山、桜島の影響で大地は火山灰で成り立ち肥沃な大地ではない。しかし人々はそんな土地でも林業などで暮らしていた。 資質研究者の大野(伊豆肇)と高山(春日俊二)はこの土地の研究をしていた。この土地は地図上ではシラス台地にはなっていなかったが、改めて調査するとやはり地質的には山崩れの危険がある。 土地の一部を山林業者(小杉義男)が買い取って木を伐採する計画があった。そんなことをしたら山崩れの危険が増す。大野たちは業者の説得に行くが耳を貸さない。 ついに山は買われ伐採が始まった。大野たちは大雨が降れば山崩れが起こって部落は消滅する可能性があると訴えたが、高額な保証を要求され埒があかない。 部落移転を人々に呼びかけるが、若い人はともかく老人たちは「俺たちはこの山で何十年も暮らしてきた。あんたよりこの土地のことはよく知っている!」と耳を貸さない。 ついに大雨が降った。 洪水により山崩れが起き、部落は壊滅した。 2年後、人々は新しい村を作っていた。 「ゴジラ」以前の本多作品。「太平洋の鷲」以前になり、本多=円谷のコンビがこの作品から始まったそうだ。 そういう風に見てるからそう見えるかもしれないが、「ゴジラ」との関係性を読みとってしまう。 まず大自然の脅威。ゴジラをはじめとする怪獣たちは大自然からの人間たちへのしっぺ返しだった。その意味ではシラス台地は十分に怪獣足り得る。 次に科学軽視。科学者の科学的知見を無視して、金儲けのための行動が取られる。「獣人雪男」しかり「モスラ」しかり「モスラ対ゴジラ」しかり。 またドラマとしては人間関係。 上記のあらすじでは省いてしまったが、大野と高山のほかに東京からこの土地の住民の健康状況などを調査にきた藤田泰子演じる若き女医が登場。 この女医は大野が好きなのだが、高山は女医が好き、という三角関係でまるで「ゴジラ」の宝田明の尾形と平田昭彦の芹沢と河内桃子の3人の関係を想起させる。 しかしこの映画の高山は過労で死ぬ。 また地元の娘で福岡に女中奉公していたが、そこの家の男に手込めにされ、さらに両親も隣村の山崩れで死んで頭が少しおかしくなったという娘が登場。 そして女医は叔父に紹介される若い実業家がこの娘を犯した奴という展開。 このあたりは特に後の作品にはつながってないと思う。 というかSF映画ではここまでネチネチとした要素は必要なかったろう。 しかし小杉義男の強欲な男だけでなく、地元の老人も「俺の方がよく知っている!」と言い出すあたりは現代にも通じる。 昨年の熱海の土砂崩れしかり、いやいやこのコロナ禍しかり。 そしてラストは大怪獣ならぬ大雨でついに山崩れ。 このあたりの円谷特撮は見応えがあった。 全体的に「科学軽視、大自然軽視」で人間がしっぺかえしにあうという話はホント後の作品につながる部分も多く、「ゴジラ」の原点とも言えるだろう。 同時上映は短編教育映画「伊勢志摩」。 以前チャンネルNECO(だったか)で放送したのを見て以来。 こちらも「ゴジラ」につながる作品で、この番組は「ゴジラの原点を探る」というサブタイトルがふさわしいプログラムだった。 チェルノブイリ1986日時 2022年5月6日18:45〜 場所 新宿ピカデリー・シアター9 監督 ダニーラ・コズロフスキー 1986年のウクライナ、チェルノブイリ。ソ連を代表する原発がある。 その原発の消防隊で働くアレクセイは美容室でかつての恋人、オリガと再会する。復縁を考えたアレクセイだったが、オリガには10歳の男の子がいた。名前は同じアレクセイ。 4月26日、チェルノブイリ原発で原子炉が爆発した。アレクセイはオリガたちと一緒にキエフに引っ越して新たな生活を考えていたが、かつての仲間を見捨てることが出来ずに現場に駆けつける。 そこでは想像以上の現場でかつての仲間たちも次々と死んでいった。 一段落した段階で事故処理委員会から呼び出される。 原子炉の下には処理水があり、原子炉の熱はコンクリートも溶かし、水蒸気爆発の危険があるという。そうなったら欧州全土に放射性物質がまき散らされる恐れがある。 アレクセイは危険な仕事なのでいったんは断ったが、被曝したオリガの息子のアレクセイを最高の治療を受けさせるために志願する。 まずは電気を復活させ、排水ポンプで排水しようとしたが失敗。 次はすでに50度以上の水の中を潜水具をつけて潜り、手動で排水バルブを開けるしかない。 あのチェルノブイリ事故を描いた映画である。宣伝もあまりなかったので私がこの映画の存在を知ったのは4月の半ば(ひょっとしたら「クレしん を見に行ったときだったろうか。 チラシなどをみて「恋人の為に俺は戦う」的な売り方だったのでいやな予感はしたが、やっぱりその通り。 だいたいアレクセイということが好きになれない。 そもそも10年前に別れた理由がはっきり描かれないのだが、再会して「また会おう」としつこく迫り、オリガが断ってバスに乗るとそのバスを車で追いかけ、バスの前に止めバスを強制的に停車。「俺の車に乗ってくれなきゃ車は動かさない」と脅迫する。 迷惑運転で犯罪だよ!拉致連行でこれも犯罪だよ! 「俺様!」的な男で好きになれない。 この恋人同士の痴話喧嘩でも30分以上は使う。長い長い。 アレクセイの同僚たちも描かれるが、最初の事故の時どんどん死んでしまう。時間かけて描いた意味なし。 そして水蒸気爆発の件もいったんは断るのだがアレクセイ(息子の方)が被曝したと知ると「あの子を病院に入れてくれるなら」と志願する。 要するに欧州全土の人間はどうでもよくて自分の子供(たぶん)だけが大切という自己中心的な男にしか見えない。 後半になって諜報機関の男が勇敢だったりとこの辺は見所あり。 前半のオリガとのあれこれなどをカットして、排水バルブをどうやって開けるか?に集中して描いてくれば私は好きな映画になったかも知れない。 それにしてもアレクセイは息子の方に気に入られようと8mmカメラをプレゼントするのだが、それも買ってくるのではなく、職場の友人からお金を払って貰う。アレクセイもカセットデッキを同僚に売っている。 中古品をお互いに売買して「いかにもかつてのソ連!」っていう感じだった。 今ウクライナはロシアとの戦争の真っ最中。 この映画でキエフと称される町も今はキーフと読むようになる。 チェルノブイリも「チョルノーブィリ」とウクライナ読みをするようになるとか。 とにかく早く戦争が終わることを祈るだけである。 ウルトラマンVS仮面ライダー日時 2022年5月5日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 佛田洋 製作 1993年 「ウルトラマンVS仮面ライダー」という作品があると知ったのは何年か前にテレビのクイズ番組だった。 DVDレンタルになっていると知り、今回鑑賞した次第。 ウルトラマンと仮面ライダーが対決する内容ではない。 89分なのだが(最初はVHSビデオでのオリジナルビデオ作品として販売)75分は歴代のウルトラマンシリーズや仮面ライダーシリーズの「変身」とか「メカシーン」「激闘」などの名場面集。 仮面ライダーは全くと言っていいほど観ていない。 なんか興味が沸かないし、数年前にディアゴ(だったか)で「仮面ライダー」が発売されたので例によって1巻だけ買ってみた。 んで観たのだが、出てくる怪人などがチープなお面をかぶり、顔にはペイントしただけで、どうにも安っぽさばかりが気になって完全にだめ。 みんなが熱狂する理由が共有できないなあ。 そもそも仮面ライダーって東映伝統の時代劇の上に成り立っているというのが自説である。 ヒーローは馬をバイクの乗り換え活躍する。怪人たちは悪代官の入れ替わり。ショッカーの怪人は下っ端の侍である。 格闘が出来る大勢の俳優がいたからこそ出来たものだろう。 特撮チームを持っていた東宝が出自となるウルトラマンでは歴史的に流れが違うのだな。 名場面集の合間に満田監督と森次さんの対談あり。「湖のひみつ」(制作第1話)の時にリハでは弾着の場所を示す旗があったが本番では旗がなくなって焦った話をしていた。 ライダーの方ではV3を演じた宮内洋さんは撮影開始当初はバイクに乗れなくて数メートル走っただけで転倒していたそうだ。 しかし「これではいかん!」と撮影中の移動中もバイクに乗って移動し、やがて片手運転、手放し運転が出来るようになり、バイクの上での変身ポーズも出来るようになって、そしてついには変身しながら手放しで緩いカーブも曲がれるようになったとか。 それはすごい! 今では考えられないですが。 で肝心の「ウルトラマンVS仮面ライダー」は15分以下新撮もの。 ドラマのなにもなく、怪獣が現れ、怪人も出現。それぞれウルトラマンと仮面ライダーが戦っていたが、両方の怪人、怪物が合体して強力になりになり、ここでなぜか(理屈は特に説明なしで)仮面ライダーも巨大化し怪獣を二人で倒す、というもの。 ウルトラマンがスペシウム光線を出し、仮面ライダーがとどめのライダーキックを放って怪獣倒れる、という感じ。 まあとにかく「珍品を観た」という感想以外ないですね。 12人の優しい日本人日時 2022年5月4日14:00〜 場所 シネマノヴェチェント 監督 中原 俊 製作 平成5年(1991年) ストーリー省略。 シネマノヴェチェントでのGWでの上映。 昨日は中原監督と大河内浩さん山口さんのトークイベント付き。 本日は監督と陪審員1号の塩見三省さんがゲスト。 映画は35mm上映かと思ったらDVD上映。ちょっとがっかり。 劇中たばこを吸ってる人も多く、時代を感じさせた。今なら完全禁煙が普通だからなあ。 最後の「ここで裁かれているのは被告なんです。あなたの奥さんじゃない」で相島一之さんがガクっと座ること座ることころでは涙が出た。 塩見さんは今は病気で左半身付随の状態。ロレツは多少怪しいが、まだはなせる状態で時の流れを感じてしまう。 それでも本日参加いただいたことには感謝しかないです。 中原監督の話では討議する部屋のセットをワンセット作ったのだが、壁ははずせない構造で(監督が「壁は強固にはずせない構造で」と指示)、壁と椅子の間を移動車で通っていたとか。 そのために本番はカメラマンと音声スタッフの少数のみしか部屋に入れず、監督もモニターで見ていただけだそう。 それでも成り立ったのは1日のスケジュールの組み方にあったようだ。 まず1ヶ月稽古場で演劇的に稽古をして完全に一公演出きるまでに仕上げる。 そしてクランクイン。 9時集合、10時よりリハーサルスタート、本番で午前中は終わり。 午後はそれぞれのアップなどを撮影。 その後明日の撮影のリハーサルスタート。ここで完全に仕上げる。そして翌日の午前中にリハ、本番。このリハは技術スタッフへの確認のためで、監督としては前日の午後の段階で決めて、もう追加の指示は出来なかったそうだ。突然演出が変わると技術スタッフもやり直しになるため。 そんな感じで14日で撮影完了したそうだ。 あと梶原善が無罪チームを集めて外で打ち合わせをするシーン、あそこはロケかと思っていたら、実際に部屋の外も美術がセットを作ったので「どうせなら使おう」という監督の要望で外で作戦会議をするようになったとか。 とにかく名作です。 数年に一度は観たいですね。 狂った一頁(染色版)日時 2022年5月3日16:00〜 場所 国立シネマアーカイブ・2階ホール(OZUホール) 監督 衣笠貞之助 製作 1926年(大正15年) 国立シネマアーカイブでの「発掘された映画たち」特集の今回の目玉の1本。 1971年に衣笠監督の京都の自宅の蔵から発見されたエピソードは有名だが、このプリント、実は青く染色されていたと最近になって判明。 発見されたポジフィルムをアーカイブに寄贈され、調べてみたら青く染色されていたということだった。 1971年に上映速度を24コマにしてサウンド版を監督自身が監修して作成したのだが、(理由は今となっては不明。監督自身もそのことには残していない)そのときは通常の白黒映画として作成した。 それで白黒映画、と認識しされていた「狂った一頁」だが今回は染色してみたというので鑑賞。 正直言って青く染色したと言っても言われなきゃわからないレベル。 しかも今回は音楽なし、弁士なしの完全なサイレントなので観ていてかなりつらい。 しかし!映像の美しさには驚いた。 上映前のスタッフの解説によると今まで上映される「狂った一頁」は71年のサウンド版を作ったときに16mmを作り、それが世界各地で上映されたという。おそらく私が最初にみた米国版ブルーレイもこの16mm版を素材にしているのだろう。 「古い映画だから」と映像の粗さもあまり気にしたかったが、35mmニュープリントで観ると実に鮮やか! ぶっちゃけ、VHSとブルーレイぐらいの差はあると思う。 しかも71年版はサウンドトラックを左側に作ったためにフィルムの左3mmぐらいはトリミングされてしまっている。 だから途中の「大福引」の文字がブルーレイで観ると左に寄っているのだ。 しかし今回はちゃんと中央にある。もちろんラストの「終」の文字もだ。 今回映像は制作当時の形に再現されたが、本当の封切り時は弁士や音楽がついていたわけで当時の姿ではない。 音をつければトリミングの問題も残る。 録音した音楽や弁士をつけるにはデジタル化しなければならない。 そうするとフィルムではないという問題が発生する。 完全復元は難しい。 (6月3日(金)19:40〜新宿武蔵野館(!)で活弁付き特別上映がある。仕事が早く終われば行ってみようかな) 本日は同時上映「鬼あざみ」 14分の上映だが短編ではない。 おそらく長編の最後の1巻だろう。しかもユーゴスラビアの映画アーカイブから見つかったという。 時代劇で、主人公の侍が悪い奴に囲まれ、彼の恋人まで斬られてしまう。近所の人の助けで彼女は一命を取り留めたが、主人公はお縄にされる。 2年後、将軍の恩赦で主人公が戻ってきて、恋人と再会!で終わる。 時々出る字幕が完全に外国語で、それに日本語の翻訳がつく形。 説明がないとこの映画の価値はわからない。 タワーリング・ダウン日時 2022年5月1日 場所 DVD 監督 エリック・サマー 製作 2017年 高層ビルの設計士のブリアナは仕事で家を空けることも多く、夫のトムは不満だった。ブリアナが担当したUBXタワーのオーナーは経費削減のために手抜き工事をしたことがばれるのを恐れ、ブリアナが浮気しているという偽の写真を取り、夫婦の仲を悪化させそれで自分から担当をはずれていった。 半年後、ビルは完成した。トムとブリアナは今や離婚協議中で、たまたまUBXタワーの60階に事務所を持つ弁護士の部屋で面談することになった。二人の息子と娘は「この写真はフェイクだ!」と見抜き、二人を追いかけてUBXタワーに向かう。しかしエレベーターで60階に向かう途中で20階で起きた火災に巻き込まれエレベーターは停止した! トムとブリアナは子供たちを助けに向かう。ブリアナは得意のロッククライミングの技術を活かし救出に向かう。 これも「ハイジャック・ゲーム」と同じ時に買ったレンタルアップのDVD(レンタル落ちともいう)。 タイトルからして「タワーリング・インフェルノ」(原題は「CRYSTAL INFERNO」だから似たり寄ったりである。 まあ所詮はパッチもんのB級映画だと思ってみればそれほどひどい出来ではない。 もちろん爆発などはすべてCG合成だが、期待するのが野暮である。 話は終始エレベーターに閉じこめた二人の子供の救出の話。 携帯電話で連絡を取って、煙が出たからパネルをあけて天井へ。ところが兄が換気口につかまったところでエレベーターが降りていき、兄妹は別れ別れ。 ブリアナも60階からエレベーターのロープに伝わって降りる。夫は結局階段で下りるが煙にやられる。でも救助隊に助けられる。 このように家族がバラバラになる展開。 しかしお父さんの方は何もできずにおろおろするばかりで、母親の方が勇猛果敢に向かっていく。今までならお父さんが助けにいくだろうに。おパニック映画も変わったなあ。 悪いオーナーは自分でヘリを手配して逃げ出すが、結局爆発に巻き込まれヘリは墜落。(操縦士がかわいそうだ) オーナーは生き残って悪事が暴かれるというラスト。 とにかくB級映画と最初から割り切って期待値を低くしてみればそれなりに楽しめるレベル。 見逃してもいっこうにかまわないですが。 狂熱の果て日時 2022年5月1日12:25〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 山際永三 製作 昭和36年(1961年) 高校生のミチ(星輝美)は大企業の御曹司の健次(松原緑郎)やその仲間でトランペット吹きの陽二(藤木孝)と知り合った。 ミチの父親は戦犯で捕らえられたが、釈放された。しかし今は病気で入院していたが、家で療養したがっていた。ミチの家には茂という大学生がいた。茂の父はミチと同じ戦犯だったが、茂の父は死刑になった。それを後ろめたく思ったミチの父が引き取ったのだ。 ある日、健次の葉山の別荘に車で分乗して出かけた。健次、陽二、茂の乗ったスポーツカーは健次が運転。しかし途中で老婆をひき殺してしまい、その夫の老人も海に突き落として殺した。 ミチは陽二を好きになっていたが、陽二は生きることに希望がなく、二人でモーターボートで海にでた。燃料がなくなるまで走りきったが、何かが変わることはなかった。 警察が健次の別荘にやってきた。健次は事故をいなくなった陽二がやったと言い張った。陽二たちは発見され、警察に捕まった。だが陽二は刑事を殴り殺し脱走した。陽二はミチに「一緒に逃げてくれ」と頼んだが、ミチは警察に通報した。 ミチは健次の家に行った。健次と茂はテニスを楽しんでいる。ミチは茂を刺し殺した。健次にはナイフを取り上げられた。 ラピュタ阿佐ヶ谷の監督たちのデビュー作を集めた特集上映。 本日は山際永三監督のトークイベント付きなので観に行った。 太陽族映画の延長みたいな感じで、当時「六本木族」といわれた若者を題材にした映画。完全に太陽族映画の「柳の下のドジョウ」ねらいだと思われます。 冒頭、朝の町に2台のスポーツカーが走り、それが歩道に急停車。タイミング悪く牛乳配達の自転車が横転し、車から降りてきた健次が「これでいいだろ?」をお金を渡す。 冒頭からしてぶっ飛んでいる。昨日の「ドスえもん」ほどではないにしろ、ファーストシーンのインパクトは大きい。やはり冒頭で作品の世界観を披露するのは大事だよな。ここで観客の心をつかまなきゃ、 その後はストーリーらしいストーリーはなく、エピソードの羅列。監督によると秋本まさみという方の六本木族の日記みたいなものが原作になっていて(たぶん出版されていない)、まさに「今日はこういうことをした」というエピソードを元に脚本を作ったとか。だからこうだらだらとしたエピソードなんだ。 この映画、新東宝が解散した後の作品を配給するために作られた大宝映画製作で完全に急拵えの二番煎じ映画でしかない。 しかもキャストもノースターと言ってもいい面々だから、いかにも「パッチもん映画だなあ」という印象は拭えない。 若者の行動にもまったく共感も理解も出来ないしね。若者の自滅もなんだか取ってつけたようである。第一ひき逃げ犯で数々の悪さをした健次がそのままじゃなあ。 群像劇みたいになってるし、ミチと陽二に話を絞った方がよかったのでは?もっとも陽二は貧乏そうで、健次みたいないやなセレブ感はないけどね。 トークでおっしゃっていたが監督自身は大庭秀雄とか木下恵介みたいな映画が好きだったそうだが、プロデューサーからの企画でいやとは言えなかったらしい。 一応取材とかしたそうだが、監督自身も企画に乗れなかったんだろうな。 健次たちが別荘で例の事故のことで盛り上がらなくなったとき、「アウシュビッツごっこだ!」と言ってみんなが死体のようになって積み重なっていく遊び(誰が楽しいんだろ?死体役も楽しそうじゃないし)が昨日の「ドスえもん」に匹敵するぐらいブラックジョークだった。 結局は「太陽族映画」の二番煎じ映画でしかなかったように思う。 |