オルフェ | 母性 | 七人の侍 LIVE ZOUND上映 | |
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オルフェ日時 2022年11月27日 場所 DVD 監督 ジャン・コクトー 製作 1950年(昭和25年) 売れっ子詩人オルフェ(ジャン・マレー)は詩人カフェに来ていた。そこへ王女と呼ばれる女性(マリア・カレザス)が若手詩人セジェスト(エドゥアール・デルミ)を伴ってやってきた。セジェストはすぐにオートバイ2台にひき逃げにされた。王女は乗ってきたロールスロイスにセジェストを乗せ、オルフェにも乗るように指示した。 オルフェたちを乗せた車は町外れの古城に到着。そこでセジェストは動きだし、王女と鏡の中に入っていった。驚いたオルフェだったが、鏡の中に入ろうとして気絶した。気がついたら古城はない。近くに王女の車が止まっていて運転手ウルトビーズ(フランソワ・ペリエ)が自宅まで送ってくれた。 車のラジオからは謎の言葉や数字が流れてくる。オルフェは妻・ユリティス(マリー・デア)のいうことも聞かずにそのラジオに夢中になる。やがて妻が表に出たとき、例のオートバイ2台によってひき殺された。 オルフェはウルトビーズや王女が死者の国の住人と聞かされ、ウルトビーズと死者の国へ向かう。 そこでは自分の判断のみでユリティスを殺した王女に対しての裁判が行われていた。 王女はオルフェを愛しているのだ。裁判の結果、「ユリティスの姿は 一切見ない」事を条件に元の世界に帰ることが許された。 ウルトビーズが監視役として3人で元の世界に戻った。しかしついオルフェはユリティスの方を向こうとしてしまう。ユリティスは結局鏡に映った自分の姿を見せ、死者の国へ行ってしまった。そこへオルフェを避難する群衆が押し寄せ、オルフェも死んでしまう。 オルフェとウルトビーズも死者の国へ。だが王女も思い直し、オルフェと妻は地上の世界に帰って行った。 コスミック出版の「ミステリー・サスペンスコレクション」の10枚組廉価版DVDの未見だった最後の1本。 95分の映画だが、結局3時間以上かかって見たことになる。 集中力が続かなくて、ついネットとか見てしまう。 ぜんぜん作品世界に入れない。 「死者の国に行ってしまった妻を迎えに行ったオルフェスだったが、妻を連れて帰るときに『妻を見てはならない』という約束を破ってしまったために妻は死んでしまった」というギリシャ神話の伝説をモチーフにしているそうだ。元ネタは日本の神話にも似たものがある気がする。 一応話は分かるのだが描きたいテーマが分からないので話にさっぱり乗れない。第一これ「ミステリー・サスペンスコレクションかよ!」と思ってしまう。(これは「美女と野獣」の時も思ったけど) 一種のファンタジーなんでしょうけど、とにかく作品世界に入れないので退屈なままである。 割れている鏡が一瞬で元に戻るカットとか、死者の国に入る時にする手袋をつけるカットが脱ぐカットの逆回しとか、オルフェ視点で鏡の中に入ろうとするのにカメラが写っていないカットとか(これはたぶん鏡は使わずにオルフェにカメラが向かっていき、カメラの前に別人の手をかざし手の先がカメラに写り込むようにして撮ったのであろう)、初めて死者の国へ入るときのウルトビーズが動かない画とか(前を行くウルトビーズは立ってるだけにして、後ろを歩くオルフェの姿をスクリーンプロセスで写し、さもウルトビーズは歩いていないのに手前に向かって移動しているように見える)、などなどのトリック撮影を用いてのファンタジー映像は面白かった。 そういう特撮カット以外は印象に残らない映画だった。たぶん1年後には内容はまったく覚えていない。 母性日時 2022年11月26日16:30〜 場所 TOHOシネマズ川崎スクリーン3 監督 廣木隆一 ルミ子(戸田恵梨香)は絵画教室である男性と知り合った。彼の描く絵は好きではなかったが、母(大地真央)が誉めたので自分も誉めmねばならないと考える。母の好きと自分の好きは一緒でなければならないのだ。 やがてルミ子はその男性と結婚した。彼の母親、義母は厳しい人でルミ子は好かれていないと思ったが、夫は「気にしなくていい」という。やがてルミ子は妊娠、清佳を生んだ。 ルミ子の関心は母が喜んでくれることだった。母が喜んでくれることを言う、することを望んだ。 ある母が泊まりに来ていた台風の夜、夫は夜勤でいない。台風で停電、ろうそくを立てているとき、台風によって家の前の気が倒れ窓を破り、母と清佳はタンスの下敷きになった。ろうそくが倒れ、火事になった。母は清佳が助けることを願った。 10数年後、今は高校生となった清佳(永野芽郁)。ルミ子と夫も夫の実家に離れを建ててもらい暮らしていた。義母は厳しく、毎日毎日食事のおかずが少ない、味が薄い、何年いってもわからない、風呂の湯を無駄に使う、誰のおかげで住めると思ってる、とルミ子につらく当たった。 清佳はある日、父が仕事から帰ってどこかに行くのを見かける。つけて行ってみるとそこはルミ子の実家だった。父はルミ子と父の共通の女友達に会ってた。そこで夫婦のような生活をしていた。 「告白」の湊かなえの原作。湊かなえは「この小説が書けたら作家を辞めてもいい」というコメントをチラシ(だったと思う)で見た。 予告編を見てなになら複雑そうなミステリーな感じがして楽しみにしていた。 冒頭、ネットニュースで女子高生の自殺の記事が出てくる。「警察は自殺と殺人の両面で捜査中」などというせりふが出てくるので、この死についての話かと思ったら、それを見ていた女教師が自分の母の回想を始める。 母の結婚の話が母の視点で描かれる。登場する車が70年代前半の様子である。その母の娘が自殺したらネットニュースで紹介される時代とは合わないなあ、とずっと疑問だったが、結局この冒頭の自殺は本筋とは直接関係はない。第一あとで気がついたが、回想してるのは永野芽郁だしな。 ルミ子の母に対する執着も異常だし、後半の義母のルミ子いじめも異常である。演じている高畑淳子が本当に怖い。高畑淳子はテレビドラマではちょくちょく見かけるが、映画ではあまり見かけないような気がするが、見ていて不愉快になるような怪演!女優賞ものである。 正直、ルミ子も母も義母もどこか異常で、清佳はまあまともだが、それでも劇中「まじめすぎる」と言われ、どこか好きになれない。 清佳が大人になって、お好み焼きやで彼氏らしき同僚と話すが、そこで「母性というものは生まれつきではなく、あとからついてくるもの。だから母性のない人もいる」「娘から母へとどこかで変わる」「一生娘でいたいという人もいる」という女性にとっての「娘」「母」がテーマなのはわかるが、男の私には映画の話としてはわかるけど、自分のこととして身近な話題ではないな。 はっきり言ってよくわからない。 本作、噂では脚本を湊かなえが気に入らなくて準備段階でもかなりもめ、監督も代わったようで、最後に廣木隆一がついたらしい。あくまでも噂。 そんな混乱状態な映画だったが、映画としては破綻することもなく成立していて、さすが廣木隆一である。 とにかく女性としての微妙な心理の話なので、湊かなえにしてみれば「自分の書きたいことがうまく脚本になってない」と思っていたのかも知れない。とにかく本人にしては渾身の作品らしいからなあ。 しかし私には高畑淳子の怖さだけが残った。 七人の侍 LIVE ZOUND上映日時 2022年11月26日10:40〜 場所 川崎チネチッタ・スクリーン8 監督 黒澤明 製作 昭和29年(1954年) ストーリー省略。 何度も観ている映画だが、川崎チネチッタで新しいサウンドシステム「LIVE ZOUND」で上映。今回の上映チラシには「チネチッタ100周年記念特別上映」とある。チネチッタを運営する会社が創業100周年を迎えてのイベント上映。 11月前半には「2001年宇宙の旅」も同様に上映された。 今回の上映の素材はもちろんフィルムではなく、おそらく数年前に出来た4K版だろう。それを音の迫力を増しての上映(ということだと思う) 東宝マークが始まってクレジットと音楽。この音楽が太鼓の音を基本にした音楽だが、この重低音の響きがいい。 そしてやはり馬の蹄の音などが迫力が出ますねえ。 今回はキャパ532席の大箱で観ることが出来、それもうれしい。やはり大きな箱で観ると気持ちいいです。 もう何十回も観てる映画なので、特に新しい発見はなかったが、今までドラマを侍中心に観ていたが、今回は百姓たちの描き方が気になった。 百姓たちも一枚岩ではない。やけになって突っ込もうとする者、自分の家族だけを考える者、村から離れて「自分たちの家は自分たちだけで守ろう」と言い出す者。 何か改革とか運動をしようとしてもなかなか一致団結することが出来ないのが人間。野武士という共通の敵があるにも関わらず、だ。 なんか現実の政治運動とかそういった問題に立ち向かおうにしてもなぜか弱者がまとまりきれなくて苦労し、あげくには隙を作ったりする。 そんな人間の難しさを改めて感じた。もちろんストーリー上は知ってたけど、今回特にそれを強く感じたなあ。 やはり現実の政治にいくら不満があっても「政権は変わらない」というむなしさからくるのか。 数年に一度は形を変えて観たい映画ですね。 また別の機会に劇場で鑑賞したいです。(ソフトは持っているので) 愛の三分間指圧日時 2022年11月22日19:00〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 弓削太郎 製作 昭和43年(1968年) ラピュタ阿佐ヶ谷「大映バイプレーヤー特集」で上映。 この映画は昭和ガメラのすべての脚本を書いた高橋二三さんの作品履歴を調べているときに発見した映画。 指圧で有名な浪越徳治郎は知っていたけど、それを映画化するなんてどんな映画だったんだろう?と10年ぐらい前から気になっていた。 今回の特殊上映で発見し、他の映画はパスしても観たかった映画。上映時間を見たら45分とSPより短い。 いったいどんな映画だと思ったらこれが驚きの内容。 「日本は交通事故が多く、むち打ち症でで苦しんでいる方も多くいます」というナレーションから始まり、患者たちが「指圧で直るって話だぜ」と本を片手に浪越先生を訪ねる。 「指圧のこころは母心、押せば命の泉湧く」というキャッチフレーズを言ってテレビ番組が始まる。浪越徳治郎の指圧教室、というテレビ番組という体裁で浪越先生が視聴者からの悩み相談のはがきを元に、大映の若手女優が下着姿になって「そういう場合はここのツボを押すといい」と実地で説明していくという形。 白黒シネスコの映画だが(本日の上映は16mm。だからちょっとトリミングされてる感がある)若い女優が半裸になって浪越先生が指圧をして女優が気持ちよさそうな表情をする、という完全に半エロ映画。 絶対そういう風に見られたとと思う。 頭の指圧から始まって徐々に下の方に下がっていく。 指圧を始める前に「では準備の間に私の思い出をしましょう。10年ほど前に帝国ホテルから呼び出され言ってみたら相手はマリリン・モンローでした」という話をする。 有名なエピソードだけど、たびたび話していたんだなあ。 でも患者のことを話すなんて守秘義務違反だと思うぞ。いいのか?たぶん当時は誰も気にしなかったのだろう。 そしておへそのあたりをしていくようになり、「やだ、先生」「私はまじめに指圧をしてるだけですぞ」とか、パンツをめくろうとして先生が止められて、「仕方ないですね。では下着の上から」と指圧をする。 足になったら「足なら大丈夫ですわ」「足の付け根も足ですからね」と言って指圧する。 もうエロ映画だよ。 思ったのだが当時の昭和のおじさんはどこぞの女の子に「指圧をしてあげよう」と言ってさわりまくっていた人がいたのではないか? 今回の特集は大映バイプレーヤー特集だが、私は詳しくないのでだれ一人知ってる役者はいなかった。 まだまだ奥が深い。 銀平町シネマブルース日時 2022年11月20日17:30〜 場所 ヴィータホール 監督 城定秀夫 銀平町にあるスカラ座という映画館。この映画館も経営は苦しい。 近藤誠(小出恵介)は学生時代の友人にお金を借りに銀平町にやってきた。しかし断られ途方にくれた時にホームレスの佐藤(宇野祥平)やスカラ座の館主梶原(吹越満)と出会う。梶原は映画館に住み込むこととバイトで働くことを許可してくれた。一泊千円だけど。 酔って帰った日、梶原は近藤のパソコンを見てしまった。彼はホラー映画の監督で、それなりにその道で有名な監督だったとわかる。ある事情がきっかけで撮影しただけの作品が未完で終わっていたのだ。 スカラ座も梶原はスタッフや常連客と相談し、60周年記念イベントをすることにした。メインは近藤の未完成作品のお披露目上映会! 脚本:いまおかしんじ、監督:城定秀夫という最強のコンビ作。 もともとはコロナ禍で映画館を応援しよう!ということが企画の始まりだったそうだ。 銀平スカラ座は「カサブランカ」「市民ケーン」とかを上映する名画座。現実的には今時そんな映画館はないんだけど、そこは気にしない。 話の中心は近藤の復活で、映画館の話と言うより映画監督の話なんだけど。 近藤の映画中断の原因はいつもついていてくれた助監督(平井亜門)の自殺が原因。自殺の理由はわからないし、その助監督についての説明はない。 いまおか監督の周りにいる人がモデルかなと思ってあれこれ想像するのも楽しい。7歳年下という設定なのであるいは坂本礼監督がモデルかも知れない。 近藤のほかにもう1本若手映画監督が作った映画も登場する。父親が映画監督だったそうで、その父親をモデルにしたとか。こちらに描かれる監督はアル中状態でも「映画を撮りたい」と言ってるくず的な男なのだが、今はこういうタイプはいないだろうけど、かつてはいたかも知れない。しょぼい現場で映画を撮っていたから案外ピンク映画の監督かも知れない。 ひょっとしたらいまおかさんのピンク助監督時代の誰かがモデルになっているのだろうか?酔った監督が「だめだ。あの人のベンツにうんこしちゃったからもうだめだろう」と酔っぱらってクダを巻くシーンがあるが、これは小林悟とか儲かっていた時代のピンク映画か。 こちらの劇中映画の助監督も平井亜門が演じている。 自殺した助監督の実家に近藤が言って母親(片岡礼子)と会話をするシーンがあるがこのシーンがいいなあ。「自殺の原因なんか誰にもわかりませんよね」とつぶやくせりふがいい。そうだよなあ、自殺は周りが後でつらい思いをするんだよね。 近藤の映画が終わった後、メイキングを撮っていた助監督のシーンをつないだ特別映像が流れる。撮影時には特になってことはないことなのだが平井亜門の笑顔のショットが続くと私は泣いた。 別に亜門君の演技がいいというより、編集の力なんだけど。 佐藤がホームレスでやくざの貧困詐欺(生活保護を受給させ、その半分を手数料で持って行く)にあったのを実はもと弁護士だった梶原(ここは少し唐突だが)が助けるところは爽快。 ラストでは映画を見ながら亡くなる(彼はいい映画に出会うと合掌するのだ)。 今回はTAMAシネマフォーラムでのワールドプレミア上映。来年2月から公開。公開の際にはロケ地となっった川越スカラ座で観たいものだ。 まなみ100%日時 2022年11月20日14:30〜 場所 ヴィータホール 監督 川北ゆめき 山南(青木柚)は高校に入って友人と体操部に入った。すでに入っていたまなみ(中村守里)が練習している姿を見て一目惚れしたのだ。 まなみちゃんにメルアドを聞く。すると「猿語で送ってね」と不思議なコメント付き。「ウッキー」と送ってみると「コーヒー牛乳おごってくれるんだね。ありがとう」と不思議な返信が来た。 彼女に「つきあってください」と言っても「だめ、本気じゃないから」と相手にされない。 高校生の時はいろいろあったけど結局まなみちゃんとは何もなく卒業。大学に入って映画を作り始めた。 高校の体操部の瀬尾先輩が病気になって亡くなった。葬式で久々に再会する体操部の仲間。瀬尾先輩はさとし先輩とはつきあっていなかったという。まなみちゃんは葬式には来なかった。 まなみちゃんは別の男性と結婚した。その結婚式を撮影する僕。 いまおかしんじ脚本、川北ゆめき監督作品。川北監督は27歳で、「自分の高校時代に出会ったなまみちゃん」への思いを込めて撮った映画。 細かい点は事実とは異なるそうだが(まなみちゃんの猿語リクエストとか)、瀬尾先輩の死がきっかけで映画にしたいと思ったそうだ。 川北監督が書き上げた「こんなに分厚い奴(いまおか氏談)」と3センチぐらいの厚さの自分史(?)をいまおかさんが脚本にしたそうで。 普遍的共感を持たせる脚本にしたのはさすがいまおかしんじである。 しかしこの映画を好きかというとそうでもない。 というかこの主人公が単なる「まなみちゃん大好き」ではなく、結構セフレもいてモテるのだ。 客観的に見ていやな奴である。 実際の川北監督は今は髪を赤く染めお笑いのEXITの兼近みたいな感じ。特にイケメンではない。 演じているのは青木柚。「いやみが無いように特にイケメン!って感じではない人にした」と監督は舞台挨拶で言ってたけど、そうかなあ。 むしろたとえば吉沢亮のようないかにもイケメンが演じていた方が「あのルックスならセフレがいてもおかしくないよな。でもイケメンでも本当に好きな人とはなかなか結ばれないんだな」とある意味共感を得られたような気がする。(少なくとも俺ならそう思うだろう) 特にイケメンではない男がセフレ作って一人の女の子を延々追いかけてるってなんだかなあ、という感じである。それだけ。 ヒロインの中村守里さん、まだ19歳だそうで。ってことは「アルプススタンドのはじの方」は15、6歳だったわけだ。「アルプス」で最後で大人になった姿をしてもしっくり来ていたので「アルプス」の頃で20歳ぐらいかと思っていた。失礼しました。 ULTRAMAN日時 2022年11月19日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 小中和哉 製作 平成16年(2004年) 航空自衛隊のイーグルのパイロット、真木舜一(別所哲也)は4歳の息子が難病を抱えており、自衛隊を辞め家族との時間を優先させることを決意した。 勤務最後の夜、スクランブルで発進し、謎の赤い飛行物体を追った。その赤い物体と衝突した真木の機は墜落。彼は奇跡的に傷一つなく助かった。 今は民間航空の星川航空のパイロットとなった真木だったが、飛行中に突然自衛隊機によって緊急着陸を命じられ、監禁された。 担当官の水原沙羅(遠山景織子)の話では数ヶ月前に海に青い飛行物体が落下し、それと接触した海自隊員が怪物になってしまったという。 それで真木にも同様のことが起こると考えたのだ。 ザ・ワンと命名されているその怪物は真木に接触しようとしてきた。ザ・ワンに襲われる研究所。そのとき真木の体にも変化が起き、彼は銀色の巨人に変身し、水原を救った。 「シン・ウルトラマン」の公開の時に「過去にも大人向けのウルトラマンが作られたことがある」とちょっと話題になっていた映画。 レンタルがなかなか回ってこなかったのだが、やっと鑑賞できた。 はっきり言って「シン・ウルトラマン」に比べると数段落ちる。(いや数十段か) そもそもこの映画のことはよく知らなかった。2004年だから忙しくて映画を見に行けない時代ではなく、十分映画はよく見ていた。にもかかわらず存在すらよく知らなかったのだからどこで公開されていたのだろう? 松竹系での公開だから、新宿松竹でもやっていただろうか?(まだ昔の新宿松竹、ピカデリーの閉館の前だ) まず話のテンポが遅い。最初にウルトラマンに変身するまでに40分近くかかっている。これはどうにも遅い。 そして真木が子供を抱えた父親である。今までのウルトラマンも現在のウルトラマンも基本、変身する前は独身の20代の男である。基本ヒーローは独身だよ。子持ちのヒーローなんて珍しい。その辺が「大人向け」だったのだろうか? またザ・ワンと呼ばれる怪生物もねえ。新怪獣は大変だよ。やっぱりバルタンとかおなじみの怪獣が出てきた方がよかったかなあ。「シン・ウルトラマン」はその辺は馴染みの怪獣でよかったんだよね。 そしてウルトラマンの形態。今までと違って、体の表面がパーツに分かれており、ロボット的な形態。メカゴジラに近いんだよなあ。 特撮が「Xメカゴジラ」の菊池雄一さんだからか? 真木(「怪奇大作戦」の牧から取ったのか?)が勤める航空会社が星川航空で社長(草刈正雄)が万城目(名前はクレジットを見て知った)、同僚は一平(しかも会社では後輩なのに「先輩!」と真木を呼ぶ)、同じく同僚が由利子。そういう遊びは(少し)楽しかったけど。(しかも帽子は「ウルトラQ」の時に似ている。 基本、面白くないですよ。小中和哉と庵野=樋口チームの力の差を感じさせられた気がする。 ある男日時 2022年11月18日18:40〜 場所 新宿ピカデリー・スクリーン6 監督 石川 慶 宮崎県の林業の町。実家の文具店で働く谷口里枝(安藤サクラ)はよくスケッチブックを買いに来る谷口大祐(窪田正孝)という男と知り合った。 彼は最近町にやってきて林業の会社で働いていたが、程なく二人は結婚した。里枝はかつて結婚していたが、次男の難病をきっかけに離婚をしていた。 数年経ち、里枝の長男・悠人も中学生になり、大祐との間に花という娘も生まれていた。そんな幸せの日々の中、山の事故で大祐が死んだ。 一周忌の時、大祐の実家に連絡、鬼怒川温泉の旅館の社長の兄(眞島秀和)がやってきた。遺影を見て「大祐じゃないです」 里枝はかつて離婚の時にお世話になった弁護士の城戸(妻夫木聡)に相談し、大祐はいったい誰だったのかを調べてもらう。弁護士仲間の中北(小藪千豊)のヒントから大阪で戸籍の売買をしていて今は大阪刑務所に服役している小見浦(柄本明)という男を訪ねる。しかし一筋縄ではいかない小見浦。城戸はまずは本物の大祐の消息を訪ねる。地元の元恋人美涼にも話を聞く。 死刑囚の絵画展で城戸は偽物の大祐が描いていた絵と似たような絵を見つける。その絵を描いたのは加藤という男。その男は偽物の大祐と顔がよく似ている。しかし時代があわない。偽物の大祐はその死刑囚の息子だったのだ。 半年ぐらい前から予告編でよく見ていて妻夫木聡、窪田正孝共演で楽しみにしていた映画。久しぶりに初日の夜に見てきた。 窪田が死んでから妻夫木の登場となるので、二人が同じシーンで共演する事はない。 しかし物語の興味深さと相まって退屈しない。 だが、死刑囚の絵画展ですぐに偽大祐の正体が分かってしまうのは少々がっかり。令和の「砂の器」的な映画になる可能性があったのに残念だなあ。ここはもう少しミステリーとして引っ張って欲しかったな。 原作は平野啓一郎で、読んだことはない作家だけど、ミステリー作家ではないからか、その辺はあまりこだわらなかったようだ。 それにしても気になったのは弁護士の城戸が在日、という設定であるということだ。 小見浦には「あんた在日だろ?顔見ればわかる」と言われ、城戸の義父には「在日なんて生活保護の不正受給してる奴らだ。日本にそんな余裕はない」とネトウヨ丸出しのことを言われる。「あっ章良君は日本人だよ。3代続けば日本人だ」などと言われる。そしてヘイトスピーチをまき散らすデモのシーンがあったり、朝鮮人差別を伝えるニュース番組を見ているシーンが出てくる。 ここがどうも本筋と溶け込んでいない感じがするのだ。偽大祐は死刑囚の息子という消せない出自に苦しんでいる。彼もまた「在日」という出自に苦しんでいるという共感か。 城戸の妻も本筋とは関係なくどうやら不倫しているようだ。城戸も幸せとはいえない。 それも解らないではないが、城戸は金銭的には非常に裕福なのだ。高級そうなスーツを着て、持ち物も高級感であふれている。住んでいる家もおそらくは義父の援助もあって高級そうである。 途中で登場する本物の大祐も偽大祐も貧困というほどではないけど、裕福そうではない。 だから私も城戸に対しては「もちろん色々と大変だとは思うけど、あんたは金があるだけましじゃない」と貧乏人根性丸出しなことを考えてしまう。 「金があればすべての問題は解決する」とは言わないけど、「金があれば多くの問題が解決する」と思ってる私にはどうにも城戸という人物に共感を持てないのだなあ。 彼は最後のバーのシーンで(そのバーも高級そうなラウンジである。決して町の居酒屋ではない)、見知らぬ他人に対して「自分は鬼怒川温泉旅館の息子で」となりすましをしている。 「今までの自分ではない、他の自分になりたい」という願望をなのだろう。 そういえば本物の大祐もおそらくは優秀な兄と常に比べられ、実家では居場所がなかったのかも知れない。しかし城戸にしろ、本物の大祐にしろ、偽大祐(森誠という)に比べれば、その背負っているものの重さが違うような気がして、アンバランス感は否めない。 全体としてはイマイチ感が残るが、妻夫木聡、窪田正孝、安藤サクラの芝居を堪能でき、そこは十分満足だった。 緯度0大作戦 海底大戦争日時 2022年11月15日 場所 DVD 監督 本多猪四郎 製作 昭和49年(1974年) ストーリー省略。 「緯度0大作戦」のチャンピョン祭り版だ。「緯度0大作戦」日本公開版、海外版と観てきたので、ついでに鑑賞。日本公開版は約90分だが、このチャンピョン祭り版は68分。かなり短い。 しかも公開時は「モスラ」のチャンピョン祭り版との同時上映だったそうで。 話がずたずたになってわかりづらくなってないか?と思ったが、そこはそうでもない。話は分かる。 説明的な描写のシーンは極力排除した感じ。 前半の黒鮫号とα号の攻防戦と後半の中村哲の博士たちの救出、そして黒鮫号とα号の2回戦に話を絞っているからあらすじ感は否めないけど、「モスラ」の時のような唐突感はなかった。 それにしてもα号がドックに到着するカット、コウモリ人間のシーン、大ねずみのシーンなど、本来なら見せ所のカットも削除されていた。 「日本公開版とチャンピョン祭り版で最後のオチ(新聞記者の話を誰も信じない件)が違っている」と聞いたことがあったが、そんなことはなかったな。 同じ映画を3バージョンに渡って3回観たけど、「ネモ艦長対ドクター・モロー」と考えれば、それなりに面白く、私にとってはそういう予備知識を持って観なければならない映画だった。 そこは勉強になった。 美女と野獣日時 2022年11月13日 場所 DVD 監督 ジャン・コクトー 製作 1946年(昭和21年) 裕福な家庭だったが、父の所有する船を失い財産を失ったベルの一家。その前からベルの姉たちはベルを召使いのように扱い、兄のリュドヴィクは放蕩三昧だった。リュドヴィクの友人のアヴナンはベルの美しさを見抜き求婚するがベルは父を捨てられずに困っていた。 父の財産は何とかなったが、リュドヴィクの借金のせいで消えてしまう。 財産の交渉に行った父は森の帰り道で道に迷い、不思議な館にたどり着く。そこでは誰もあわずに一晩過ごしたが、朝になって庭にあったバラをベルのために摘んだとき、その家の主人が出てきて怒り出した。 その主人は野獣の姿をしていて、他のものならともかく、バラを摘んだことは死刑に値するという。殺されるか、娘を差し出すかどちらかにしろと言われ、いったん家に帰る父。ベルは父の苦境を知り、自らその屋敷に向かった。そして野獣との二人暮らしを始める。野獣はベルに求婚するが、どうしても受け入れられなかった。 やがて魔法の鏡の力でベルは父が病気になっていると知り、野獣に1週間だけでも家に帰してくれ、という。 ベルはいったん家に帰る。野獣に可愛がられて宝石を身につけているベルを見て姉たちは嫉妬する。やがてベルが帰るタイミングでリュドヴィクとアヴナンは野獣の屋敷に行って財宝を奪おうとする。 財宝の隠してある部屋に入ったアナヴンだったが、ヴィーナスの彫像が放った矢で絶命した。 すると今まで野獣だったのが、王子に変わった。 ベルと王子は幸せに暮らした。 こんな感じの話。話は全部書いた。 例のコスミック出版の「ミステリー・サスペンスコレクション」の中に入ってたので観た。内容的にはファンタジーで「ミステリー・サスペンス」とは言えない。いったいどういうチョイスなのか? ファンタジーなので、一種特撮的な楽しさはある。 父親が最初に館に入っていったとき、壁から腕だけが出てきてろうそくの燭台を持っているというなんだか江戸川乱歩的な猟期的な感じなのだが、ここで火がついていなかったろうそくにパッと火がつくカットがある。 これは火のついたろうそくを消して撮影して逆回転。 また真実を写す鏡を覗いての合成。 感心したのは、一度家に帰ったベルの真珠の首飾りを姉に渡すと一瞬で縄(木のつる?)に変わってしまうカット。あと野獣から魔法の手袋をもらったベルが一瞬に家に帰るのだが、その時に家の壁から出てくるカットがある。 ここは立派な特撮カットだったなあ。 まあ映画の内容としては心の美しいベルは幸せになって強欲な姉兄たち不幸になるという典型的な寓話。 ジャン・コクトーの映画なんて初めて見たけど、第二次世界大戦終了の翌年にこういうファンタジーな映画を撮っていたことも驚きだ。 LATITUDE ZERO(緯度0大作戦 海外版)日時 2022年11月13日 場所 DVD 監督 本多猪四郎 製作 1969年(昭和44年) ストーリー省略。 「緯度0大作戦」の海外版。1週間前に日本公開版の「緯度0大作戦」を見たのだが、せっかくなのでオリジナルとも言える海外版=英語版を鑑賞。 大前均のα号操舵手のみ何故か日本語のままだが、他は全員英語。 ジョセフ・コットンやシーザー・ロメロは撮影時は英語で話していて、宝田明や岡田真澄も英語でせりふを言っていて、その後、自分で日本語吹き替えを行ったという。 やはりジョセフ・コットンと宝田明が日本語で会話していると何かしら変な感じがする。 日本公開版は89分だが、この海外版は105分。16分も長い。 はてどこが追加されていたのかしら? 緯度0の世界で食事を宝田明たちが取るシーンでメニューを見て注文して自動的にでてくるシーンはなかったような気がするが、どうだろう? 暇なときに見比べて確認してみるか。 とにかく英語版のこっちがオリジナルと考えた方がよい、という結論に達した。 高度7000米 恐怖の四時間日時 2022年11月13日 場所 東映チャンネル 監督 小林恒夫 製作 昭和34年(1959年) 羽田発札幌千歳行きの北日本航空機。様々な乗客が乗り込む。シボレーのセールスウーマン石川和子(中原ひとみ)、彼女を追ってきた同僚の藤尾(梅宮辰夫)、夫婦で旅行の新聞記者の小林(加藤嘉、風見章子)、政治家の佐々田(殿山泰司)、老夫婦(左卜全)などなど。スチュワーデスは大野(久保菜穂子)、副操縦士・原(今井健二)、そして機長は山本(高倉健)。 羽田では夕べ池袋で拳銃強盗殺人があったと報じている。そこへサングラスをかけた石川という男(大村文武)が乗り込む。機は定刻で出発した。 機内で和子はラジオを聞いた。殺人犯は義足で拳銃を持っているという。 となりの石川は義足だ。 タイトルからして航空パニック映画ファンとしては興味が沸く映画。 そうは言っても昭和30年代の映画だからなあ、とハードルを低くして鑑賞したが、なかなかの出来だった。 当時はまだまだ飛行機は高価な乗り物で、おいそれとは乗れない代物だったろうし、飛行機に乗ったことない人の方が圧倒的に多かったろう。 そのせいだと思うけど、飛行機が出発するまでやたらとナレーションによる解説が多い。さらに乗客一人一人の紹介になるとちょっとうるさい。 しかし飛行機が出発してからは航空機パニック映画の王道をいく展開。「エアポート」シリーズの第1作に数えても遜色ない。 映画の方は和子(中原ひとみは相変わらず可愛い)はニュースで聞いた犯人の名前の木島を確かめるために男がトイレに立った隙に上着のネームを見る。その名前は木島!木島にもばれたことがわかり、和子は拳銃を突きつけられる。 そして仙台空港にいったん着陸。この頃は羽田千歳の直行便ではなく、仙台でいったん着陸していたのだな。まだ東北新幹線もないしなあ。 空港で和子は逃げようとするが失敗。結局元の飛行機に乗ったが、スチュワーデスに拳銃が見つかってしまい、ハイジャック(当時はそんな言葉はなかった)へと発展。 山本機長は乗客の安全第一に考えて八戸で臨時着陸し、木島を逃亡させようとするが、聞き込みによって飛行機に乗り込んだことを察知した警視庁によって手配済みのため、八戸空港には警官がいた。それを見て着陸は断念。怒った木島は拳銃を撃ち飛行機の機材が破損。 山本機長は飛行機の高度を7000メートルに上げ、酸素不足で犯人がよれよれになったところで急降下、急上昇をして木島が転倒したところで拳銃を取り上げようとしたが、山本も撃たれる。 なんとか木島は確保したが、今度は着陸時の車輪がでない!という航空パニック映画の王道の展開! 脚が出ないので急旋回して遠心力で脚を出そうとするが、数回やってみたが出ない。胴体着陸を決断した山本だったが・・・・というもうすごいですよ。 「新幹線大爆破」にもつながるパニック映画だなあ。 とにかくこの頃の飛行機事情がわかって興味深い。飛行機はまだまだ効果で決して当たり前の乗り物ではなかったし、仙台でも途中下車(とは言わないか)出来た。 そして荷物検査もないから拳銃も持ち込めた(これは70年代のよど号事件から厳しくなったようだが)。 しかも山本機長は戦時中もパイロット。うーん、時代だなあ。 結局胴体着陸に不安を感じた山本はもう一度旋回し、脚を出すことに成功。無事着陸。 乗客たちもやたら威張り散らす政治家とか特ダネ意識が何より大事の新聞記者とか田舎の老夫婦とか外国人(ハロルド・コンウエイ)とかそのあたりのグランドホテル形式も完全に今の航空パニックのセオリー通り。 (機長に惚れてるスチュワーデスも出てくる。 また北日本航空の全面協力で、実写とミニチュアの編集も見事だし、再評価されてもいい映画だと思う。 円盤化も希望である。 面白かった。 緯度0大作戦日時 2022年11月6日 場所 DVD 監督 本多猪四郎 製作 昭和44年(1969年) ストーリー省略。 20年ぐらい前になってしまったが、ラピュタ阿佐ヶ谷で円谷英二特集で上映されて以来のDVDでの鑑賞。 そのころはまだDVDも発売されておらず、製作会社のドン・シャープ・プロが倒産したために権利関係が不明確でVHS化もされなかった映画。 今は権利関係がクリアになったのでDVD化できたのだが、以前観たときに悪い印象を持っていたのでそのままになっていた。 (でもDVDは確か中古で安く買っていた) 「惑星大戦争」に登場した轟天号のデザインはこの映画に登場したα号似似ていないか?という仮説を思いついたので、それを確認するために鑑賞。 結論からいうと井上泰幸のデザインなので、まあつながっていると考えてよいだろう。 それよりこの映画全体の評価が変わった。 以前は登場するコウモリ人間や巨大ネズミ、羽を持つライオン・グリフォンがなにやらチープさばかりが気になったが、これを「低予算によるチープさ」と受け取っていたが、ちがうのだ。 これは「海底2万マイル」「巨大生物の島」や「ドクター・モローの島」などのジュール・ベルヌ、H・Gウエルズの世界なのだ。 アメリカから持ち込まれた企画なので、元ネタはそっちなのである。 本多監督作品なので、余計にいままでの東宝SFとの関連をイメージしてしまい、「宝田明が出ててもわき役の扱い」などと思ったが、これも違うのだ。 アメリカ映画に宝田明や岡田真澄がゲスト出演した、と解釈すべきなのだ。 そういう見方をするとこの映画の面白さが伝わってくる。 低予算で見所はやや乏しいが、「海底に文明の進んだユートピアがある」という発想は面白かった。 低評価を改めたいと思います。 フィンガー5の大冒険日時 2022年11月6日 場所 東映チェンネル録画 監督 石森章太郎 製作 昭和49年(1974年) 1974年7月25日公開のフィンガー5主演映画。短編で上映時間28分。なんとまあ「急げ!若者」と全く同時期に公開だ。 しかも調べてみたら1974年3月には東宝チャンピョン祭りで「ハロー!フィンガー5」という同じくドキュメンタリー映画にも出ている。 さらに同じ年の8月3日公開のドリフの「超能力だよ全員集合!」にもゲストで出ているそうだ。 人気絶頂なのは2年間ほどのフィンガー5だが、その勢いは今のアイドルの比ではない。(まあ音楽業界全体の環境も違うので、一概には比較出来ませんが) 内容はまずは晃が妙子に電話する。(公衆電話から) 「見せたいものがあるんだ」という。妙子が行ってみると赤い花の中にきれいな白い花が咲いている。「綺麗だろう。摘んじゃおうか」という晃に妙子は「かわいそうじゃない」とたしなめる。 これが実は花の精。 その帰りに悪ガキ5人組に絡まれる晃と妙子。結局1週間後にバスケットボールで決着をつけることに。 バスケットなんかやったことのないフィンガー5だが、花の精が女学生になってコーチをしてくれた。 1週間後、誰もいない体育館で試合をする両者。前半は完全に負けているフィンガー5だが、花の精の助けで見る見るうちに逆転。 試合は終わって「もう仲直りしよう。そうだ!一緒にアメリカンフットボールをしよう!」と言ってアメフトの衣装(というか歌の衣装)に着替えて歌う。 これで「恋のダイヤル6700」「個人授業」「学園天国」とヒット曲4曲はすべて網羅。 個人的には晃のサングラスを取った顔を初めて見た(たぶん初めて) 意外に普通の顔で、特に美少年という感じでもない。 しかしハイトーンのあの歌声は今聞いてもぞくぞくする色気を感じる。 私は「恋のアメリカンフットボール」が好きなのだが、今YOUTUBEで当時のテレビ番組などを観ることが出来る。 とにかく勢いというものを感じる。 また70年代の衣装ってフィンガー5に限らず、ヒップラインがピチピチなんだよね。今観るとものすごく色っぽい 時々聞きたくなるんだよねえ、彼らの曲は。 監督はなぜか漫画家の石森章太郎。 そのせいで仮面ライダーネタの笑いあり。でも映画として成功してるとは思えなかったな。 フィンガー5も「急げ!若者」のように彼らの主演で1本映画を撮っておいて欲しかったな。もちろんそういった企画はあったと思う。 スケジュールの都合で出来なかったと思うが、惜しいことだったと思う。 帝都物語日時 2022年11月3日16:40〜 場所 新文芸座 監督 実相寺昭雄 製作 昭和63年(1988年) 明治45年。平将門はかつて関東に独立国を築こうとしたが失敗し、藻本人として処刑された。その首塚は今は大蔵省の中になる。移転させようとすると悪いことが起き、そのままになっているのだ。 渋沢栄一(勝新太郎)は陰陽師の平井(平幹二郎)や物理学者の寺田寅彦(寺泉憲)らと東京改造計画を進めていた。寺田は「これからは地下の時代」と地下鉄建設など考えていた。 そんな時、将門の怨念を復活させ東京を壊滅させようとする男、加藤保憲(嶋田久作)が現れた。 加藤の野望を打ち砕くため、役人の辰宮(石田純一)や幸田露伴、森鴎外、泉鏡花らが活躍する。 ストーリーはこんな感じ。ものすごく簡単に書いて実は設定のみである。 この映画、封切りの時に見ているがいい印象がなかった。 今回34年ぶりの鑑賞。(新文芸座としては池谷仙克さん追悼イベントとしての番組だ) 銀座のオープンセットとか明治の著名人が原作には多く登場など話題の要素はあったし、たしか西武系のセゾンが映画に出資などの話題の要素がたくさんあったのだ。しかも監督は「怪奇大作戦」の実相寺昭雄。 期待も高かったが、その分がっかり感もあった。 34年ぶりに観て感想が変わるかと思ったが、それはなかった。 この原因はなんだろう? まず人物が多すぎて散漫なのだな。 辰宮の友人(佐野史郎)が出てくるがこの人が思わせぶりに登場するのだが、印象に残る活躍する事もなく途中で故郷に帰る。 あと石田純一と原田美枝子の関係もよくわからない。説明不足っていうか「原作読んでれば当然わかるよね」みたいな感じなのだ。 原作は未読だが、「その辺の細かいことは知ってて当然」の感じで映画は進むのだ。 またクライマックスは学天測の地下鉄建設、石田純一の封じ込め、原田美枝子と加藤の対決、の3つが平行して行われるという豪華なようで、しかし結果的には散漫になってしまっている。 あと有名人が多数でるのだから字幕で「軍医 森鴎外」「作家 泉鏡花」など示してほしかったな。 そうすると登場人物に対する関心も変わったのではないか? 「鬼」と呼ばれる怪生物のデザインは「エイリアン」で私が名前を覚えたギーガー。完全に「エイリアン」と同じ感じ。ギーガーに頼めるほどに予算があったのだなあ。 予算といえば銀座のオープンセット。昭島の昭和記念公園に作ったそうだ。今だったら栃木に作るから、やっぱり金があったのか。 細かいことだけど学天測の西村真琴、実際に西村晃の父だそうだ。ヘー。 調べてみたら銀座線の開通は昭和2年、学天測が京都博覧会で展示されたのは昭和3年。細かいことは気にしない。 |