大統領の堕ちた日 | 宇宙からの暗殺者 | 野球どアホウ未亡人 | |
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大統領の堕ちた日日時 2024年1月28日 場所 DVD 監督 ウィリアム・リチャート 製作 1979年(昭和54年)日本劇場未公開 大財閥の次男だが父の事業を嫌って船に乗ってるニック・キーガン(ジェフ・ブリッジス)。そんな彼の船に父の旧友キーフェック(リチャード・ブーン)が訪ねてきた。ニックの兄は大統領だったが、19年前の1960年に暗殺されてた。その真犯人という男を連れてきたのだ。男は全身包帯で「自分が大統領を撃った。撃った銃はあるビルに隠した」と証言し、死んだ。 ニックはとりあえずそのビルに行ってみた。銃は存在したが、一緒に行った警官たちは直後に狙撃された。ニックは父に会う。「警察やFBIなどの捜査機関に報告すべきだ」とニックは行ったが「奴らは真犯人かも知れない。この件はお前が調べるんだ」と命令する。 父は大統領選で争ったドーソン(スタンリー・ヘイドン)が黒幕だと疑っていた。会ってみたが、ドーソンはマフィアが黒幕だという。 ニックはニューヨークに住む恋人のイベットに相談する。イベットは雑誌の編集部にいて彼女ならマフィアにもつてがあるかもと思ったのだ。 マフィアにあうニック。しかしマフィアも私ではないという。 兄の狙撃犯とされたウイリー・アーノルドは逮捕後、ジョー・ダイヤモンドという男に殺されていた。ジョーを雇った男をそのマフィアは紹介してくれた。ある店でニックがその男にあった直後、その店ごと爆破された。 そしてイベットとも連絡が取れなくなった。 死んだと思われたキーフェッツが現れた。父の契約書等を保管するセルッティ(アンソニー・パーキンス)なら何か知ってるかも知れないと教えてくれた。ニックはセルッティに会うのだが。 昨日に引き続き、買ったままになっていたDVDの消化。 この映画はかなり前(たぶん80年代後半)にレンタルVHSで観ている。学生時代に制作に関わった8mm映画のタイトルが「WINTER KILL」で「同タイトルの映画があるよ」と言われていて劇場では未公開で気になっていたからレンタルになって似ても似つかないタイトルで出ていたのだ・ だから30年以上前にも観ているのだが、内容は全く覚えておらず「三船敏郎出演」と聞いて楽しみしたが、ワンシーンの出演で本筋にも関係なく何のために出てきたか解らないような出演だったことは覚えていた。 (ちなみに三船の役はキーガン家の執事役で「ショーグン」という名の犬を連れている。ひょっとしたら「将軍」の撮影で渡米していたところを特別出演させたのかも知れない) この映画、全米では公開数日で打ち切られたそうだが、「ケネディ暗殺をモチーフにしてるから」などともっともらしくウィキなどでは書かれてるけど、そうじゃないと思うよ。それ以前に「ダラスの熱い日」とかあったもん。 単につまらなくて客が入らなかっただけなのでは? まず話がよくわからなくなる。とにかく登場人物が多いのだが、名前しか出てこない人もいたり、誰が誰やらよく解らなくなる。 ここら辺が話の整理が出来ていないのだな。 まず第一に兄の大統領がどのように殺されたのかがよく解らない。 ケネディ事件を思えばいいのかも知れないけど、ここは画でちゃんと描かなきゃ。 結局いろいろ出てくるけど、父も関わっていて父は会社で情報管理をしているセルッティ(アンソニー・パキンス)がすべて指示したことだという。 「はあ?」である。 ではなぜそもそもニックが事件を調べるような事態になったのか? 仮に狙撃者が自白したとしてもそれをニックに知らせなければいいだけ。 彼女の恋人のイベットも実は編集者ではなく、父が差し向けた女だった、となるのだが、なんでそんなことをしたのか逆に疑問になってくる。 シナリオが悪いよ。 またスタンリー・ヘイドンとかやたらスターが出てくるけど、みんなワンシーンとかの出演。 「スターは出てくるけどワンシーンだけ」という70年代に流行った上げ底映画である。 まあ当たらなくても不思議はない。 宇宙からの暗殺者日時 2024年1月27日 場所 DVD 監督 W・リー・ワイルダー 製作 1954年(昭和29年) ネバダ州で核実験に立ち会ったダグラス・マーティン博士(ピーター・グレイブス)。彼の乗った観測機は実験現場付近で奇妙な光を見て、確かめようと降下したところ墜落した。パイロットは遺体が確認されたが、マーティン博士の遺体はなかった。 数日後、基地の入り口に現れたマーティン博士。健康診断を受けたが、胸に心当たりのない手術痕がある以外は至って健康だった。しかし墜落事故前後の記憶がない。 FBIのブリックスの監視下におかれたが、いったん自宅療養となった。しかし「次の核実験はいつだ?」とやたら聞いてくる。仕事熱心とも胃受け取れたが、何か変だ。 ある日マーティンは基地にやってきて復職を願ったが却下された。彼はその足で同僚の博士の研究室に忍び込み、資料を書き写した。そして彼はそのメモを墜落地点の付近の岩に隠そうとした。それをブリックスに見つかり逃亡したものの、逮捕された。 病院に連行され、自白薬を使われた。彼の話では墜落直後、宇宙人の基地に連れ去られ、核実験の資料を盗むようにいわれたというのだ。 そして宇宙人たちは巨大昆虫、巨大トカゲを養殖し、人類を死滅させる計画だった。 だがブリックスをはじめ皆半信半疑。宇宙人の基地爆破を進言するマーティンだが、無視される。 マーティンは敵の基地は発電所から電気を盗んでいる、その電気を止めれば宇宙人の基地の機械が暴走し、爆発すると考えた。 クラシックSF。 例によってDVDを買ってから(2009年らしい)何年もそのままにしていたのだが映画鑑賞本数稼ぎのため鑑賞。 観る気にならなかったのは「ゴミ映画」「ピンポン玉を目につけてるだけの宇宙人」など「Z級映画」ぶりを逆に売りにしていたため、私は逆に「そんなに言わなくても・・・」という気分になったためだろう。 確かに宇宙人は主人公の話の中で登場する。 そして目以上に全身タイツを着ているだけのそまつな感じである。でもまあこの50年代のSFなんてこんなものである。 それよりも気になったのが巨大生物。マーティンが宇宙人の基地から逃げよとして洞窟をさまよううちに、目の前に巨大なトカゲやサソリ、ゴキブリ(?)が登場する。 てっきり「実は宇宙人たちはミクロサイズ」という展開になるかと思ったらそういう訳ではなく、巨大生物という設定である。 でも普通サイズのトカゲや虫をクローズアップで撮影したのが丸わかりなので、恐怖感もなにもない。 こっちの方が残念である。 周りのものを小さくしなきゃ巨大感はでないよ。 そしてラスト、マーティンは軍が信用してくれないので独断で宇宙人基地の爆破を試みる。軍人たちも半信半疑。医者は「自白剤ですから本当のことを話しているはず」というだけだ。 マーティンは近くの発電所の送電を10秒切るだけで宇宙人の基地は爆発する、と主張。そして発電所職員に銃を向け送電を止めさせる。 「マーティンの言うことは真実か、妄想か?」というのが一番のポイントだ。 ここが一番の盛り上がりところだ。 結果は大爆発。 挨拶などの無駄な会話のシーンが多く、脚本や編集で緊張感が少ないのが残念。アイデアだけ言ったらそこそこ面白い映画だと思う。 ちなみに監督はビリー・ワイルダーのお兄さんだそうだ。 野球どアホウ未亡人日時 2024年1月26日20:30〜 場所 池袋シネマロサ(2F) 監督 小野峻志 製作 令和5年(2023年) 水原夏子(森山みつき)の夫・賢一は今は野球に夢中で妻も省みないで休日は練習ばかり。夏子と賢一がキャッチボールをしている姿を見て、監督の重野(藤田建彦)は夏子に野球の才能を見いだす。 重野の率いるメッツの試合の後、賢一を特訓と称して呼び出す。その後、賢一は重野のボールが顔面に当たって亡くなった。賢一の死後、重野が夏子を訪ねてきた。賢一はチームの運営費や重野の野球本の出版の為の費用で借金をしていたというのだ。借金の代わりに野球をするように言われる夏子。最初は拒んだ夏子だったが、練習をするうちにその厳しさが逆に快感になってきた。 ある日、賢一の妹、春代(井筒しま)が上京してきた。春代は重野と重野の旧友で今は野球のスカウトマン吉田が立ち話しているのを聞いてしまう。それは夏子に野球をさせたいために重野はわざと賢一に球を当て殺したのだという。 夏子と重野はホームラン対決をすることなった。 昨年夏に公開され、今まで劇場を変えて上映されている本作。刈谷日劇では5ヶ月ロングランをしたとか。上映時間60分の自主制作のインディーズ映画だが、そこまで評判ならと気になっていた。 今までタイミングが合わず見逃していたが、今週末、特に見ることが決まってる映画もなく(山田涼介の「サイレントラブ」とか公開されたけど、どうもいまいち観る気が起こらない。「違う惑星の変な恋人」も今日から公開だが、舞台挨拶とかで満席なのでパスした)、たまたまTwitter(X)で「本日シネマロサでの凱旋上映最終日」というのを目にしたので「なんか映画見たかったし観てみるか」という気分で観た。 上映後に監督と主演の森山みつき、藤田建彦の舞台挨拶付き。 監督の「『なんじゃこりゃ』映画をご覧いただきありがとうございました。この映画にぴったりな言葉が見つかりました」と言っていたけどまさにそう。 で、私が楽しめたかというと全く楽しめなかった。 河崎実作品から特撮を抜いたような映画、と言った感じだろうか。 こちらも「そういう映画」と思って観ればよかったのだろうけど、予想していたのと違っていたので作品に全く乗れなかった。 ネットでは「スポ根ものとエロ映画のミックス」みたいなことが書いてあった。冒頭の配給のマークがロマンポルノ時代の日活マークをまねていたので、期待したのだが、エロ要素は感じなかったなあ。別におっぱいやお尻が出てくる訳じゃないし。 強いて言えば夏子が厳しい特訓をマゾ的体質で快感を感じるようになる点ぐらいかな。でもおっぱいとか出る訳じゃない。 しごきのシーンでは「巨人の星」に登場した大リーグ養成ギブスが登場する。まあ水原って名字は「野球狂の詩」だしタイトルも「男どアホウ甲子園」だしな。70年代のオマージュだなあ。監督が中年かと思ったら舞台挨拶で観る限りは30歳ぐらい。若い。リアルタイム世代じゃない。 んで最低でも試合のシーンがあるかと思ったらなし。 そもそも監督と夏子だけしか登場せず、チームメイトは数人がせりふ一つぐらいのエキストラ状態。 まあ後半のホームラン対決が試合と言えば試合なのですが。 最初は夏子が投げて監督が打つのだが、遅れてきた夏子が「小次郎破れたり」風に小理屈を並べて監督が負けになる。そして今度は監督がピッチャーで夏子がバッター。これも結局「デッドボールのルールはない」と言って夏子の胸にボールを当てたりするけど、結局夏子がバットを監督に投げて倒す。 まさに「なんじゃこりゃ?」としか言いようのない映画。 私は完全に作品世界に入れずに全く楽しめなかったが、ロングラン上映が示すように受けてはいるようだ。 「ゴールデンカムイ」も楽しめなかったし、これも楽しめなかったし「世間で受けてる映画が楽しめない」と自分の感性を疑うし何より損している気になる。 007/ユア・アイズ・オンリー日時 2024年1月21日 場所 DVD 監督 ジョン・グレン 製作 1981年(昭和56年) ギリシア沖で英国のスパイ船が沈没した。船に積まれていたATACを引き上げるには英国政府が表立って動けないため、海洋学者のハブロック郷に依頼した。しかしハブロック卿は引き上げ作業の最中に飛行機の銃撃にあって死んだ。 ATACは潜水艦からのミサイルを誘導させることが出来る装置だ。ソ連にわたれば、英国がミサイルの脅威にさらされることになる。 英国政府はジェームズ・ボンド(ロジャー・ムーア)にATAC 引き上げ作業を行わせることにする。 ボンドはハブロック卿を殺した犯人、ゴンザレスを追ってマドリッドへ飛んだ。しかしゴンザレスはハブロックの娘メリナ(キャロル・ブーケ)によって殺された。 ゴンザレスの一味からメリナを救うボンド。現場でゴンザレスに金を渡していた男をみたボンドはロンドンでQ(デズモンド・リーウェリン)の開発したモンタージュ装置でロックという男と調べをつける。ロックを追って北イタリアのスキーリゾートに向かう。そこでも両親の復讐を狙うメリナと再会。ロックのボスを突きとめようと親英的な男、クリスタトスに接触する。 ロックのボスはコロンボ(トポル)という密輸業者だと言われるが、時通はクリスタトスは二重スパイでソ連側にも通じているとコロンボに教えられる。 コロンボの協力を得て、メリナとともに海底に沈むスパイ船からATACを回収したが、クリスタトスに奪われてしまう。 宿敵クリスタトスを倒したいコロンボの協力を得て、ボンドたちはギリシアのメテオラ山に向かう。そこでATACをソ連に引き渡す約束なのだ。 この映画は封切りの時は観ておらず、翌年ぐらいに池袋文芸座で観た記憶がある。だから40年ぶりぐらいに観たのか。結構面白かった記憶があり、再見しようとDVDは買っていた。しかしDVDを買ったのは2007年だから随分長く放っておいたものだ。 とにかくロジャー・ムーアになってからやたら秘密兵器も大仕掛けになって、仕舞いには「ムーンレイカー」で宇宙に行ったり、リチャード・キール演じる「ジョーズ」という殺し屋も登場し、マンガ的でやりすぎ感があってついていけなかった。出てくる感想は「やっぱりショーン・コネリーの方がいい」だったな。 そんな中でこの「ユア・アイズ・オンリー」は馬鹿馬鹿しさがなく、真っ当なアクション映画な気がしたのだ。第一タイトルがいいですね。原題は「FOR YOUR EYES ONLY」で「お前だけ見ろ」転じて「読後焼却すべし」ってなんかかっこいいですよね。「あなたの瞳に」って訳してるのを見たことあるけどそういうメロウな意味ではないと思う。でも最後に事件が解決した後にメリナが服を脱いでボンドに抱かれるとき、「FOR YOUR EYES ONLY」って言ってたみたいだから、あながち誤訳でもないかも知れないが。 で、今回再見したわけですが、40年前に見たときほど面白くはなかったなあ。映画館と自宅でのDVDの違いはあるでしょうけど。 アクションに次ぐアクションな訳ですが、アクションシーンをつなぐためだけ脚本が存在してるかのようで、話は全く前に進まない。 毎回毎回アクションがあって目的に逃げられて、別の国の場所でまたアクションする、の繰り返しなのだな。 アクションだが、マドリッドでのカーアクション、北イタリアでのスキーアクション、ギリシアでの海の死闘、そして最後の断崖絶壁を上るボンドとアクション満載だが、どうにも飽きてくる。こっちが年取ったからだろうか? でもアバンタイトルで「女王陛下の007」に登場した妻や。ブロフェルド風の男とのヘリコプターでのアクションシーン、ブロフェルド再登場はよかったかな。でもあっさり倒されるけど。 ラストでクリスタトスがボンドたちにナイフを投げようとして、一瞬早くコロンボがナイフを投げ倒すシーン、私は見て「あっ」と言った。 個人的なことだが学生時代に作った映画でこのシーンをパクったのだ。 いやあ完全に忘れてたなあ。 40年たって年を取ったせいか、以前ほど楽しめなかったけど、懐かしさは発見出来ました。再見してよかったです。 ゴールデンカムイ日時 2024年1月20日17:15〜 場所 新所沢レッツシネパーク 監督 久保茂昭 明治末期。日露戦争の二百三高地の戦いで「不死身の杉元」の異名を取った杉元佐一(山崎賢人)は今は一攫千金を求めて北海道に砂金を求めてやってきた。しかし思うようにはいかない。そんな時、後藤(マキタ・スポーツ)という男から、「かつてアイヌの村を襲って彼らが隠していた金を強奪した男がいた。その男は今は網走刑務所にいる。男は死刑囚に金の隠し場所を示した暗号を刺青で記した。そのことを知った同じく金を狙う軍部は死刑囚を護送しようとしたが、彼らは脱獄した」という話を聞かされる。 実は後藤がその死刑囚の一人だったのだ。後藤はその話の直後に熊に殺された。杉元も危ういところをアイヌのアシリパ(山田杏奈)に助けられた。 杉元は金を分ける代わりに協力してくれるようアシリパに頼む。アシリパの父は金が強奪された時に殺された一人だった。金が見つかれば村を襲った男は死刑になる。父への復讐になると考えたアシリパは杉元に協力することに。 彼らは他の死刑囚が逃げ込みそうな町、小樽に行ってみることにした。 原作はコミック。私もタイトルは聞いたことがある。 山崎賢人主演なので、あまり興味が持てない企画だったが、とりあえず観ることは決めていた。でも昨日公開され、映画好きの方のTwitterを観ていても評判がいい。 とは言っても特に期待せずに観た。 うーん、予告を観て期待した内容と特に変わらなかった。 アクションも良く出来てるし、熊や狼のCGもよく出来ている。うん、文句はない。 でもね、好きか嫌いかで言ったら好きになれないのですよ。これはもう私個人の好みの問題。 まずね、私は役者に特殊メイクをするのが嫌い。 あれで役者の演技が楽しめなくなる。 主役の山崎賢人からして顔に傷がある。まあ原作がそうなのだろうから、仕方ないんだろうけど。 そして後半に登場する敵役の玉木宏。 これも顔の上半分が火傷のような痕がある。これじゃ役者の表情とかが楽しめないわけですよ。あくまで私基準だが。 そして明治時代の軍服や衣装がどうもなじめない。 なんかかっこいいと思えないんだなあ。 それでも映画が楽しめない。 んで金の隠し場所の暗号の謎解きの話には全くいかない。どうなることかと思ったら、案の定、話は終わらない。 原作はコミック30巻ぐらいあるらしいのだが、今回はまだ3巻ぐらいらしい。 話が終わってないので、もやもや感だけが残る。 昔も「人間の條件」とか「戦争と人間」とか何部作になる作品はあったよ。でもそれらは最初から最終的に何部作になるかは決まっていた。 しかし最近はまったく先が見えない。最終的に何部になるのか解らない映画はやめてほしい。こっちが落ち着かないから。 「沈黙の艦隊」とかもがっかりだったしなあ。 かといって全部だめというわけではない。 アイヌ民族の考え方の紹介など興味深い点も多々ある。 アイヌ民族をバカにする一部の人々に見せたいね。たぶん原作からそうなのだろうけど、アイヌ民族に対する敬意が感じられる。 山崎賢人、デビューの頃から少女コミックの実写化の企画が多かったが、最近は青年コミックなどの実写化になってきた。 「キングダム」と「ゴールデンカムイ」などの2つのシリーズを抱えることになったか。他の山崎賢人は当分見れないのかなあ。 死神バーバー日時 2024年1月17日21:00〜 場所 下北沢K2 監督 いまおかしんじ 製作 令和5年(2023年) 亡くなった人をあの世に送る前にメイクアップして3分間だけ現世に戻れるシステムがある。それを行っているのが死神たちだ。 死神・サクマ(木口健太)は先輩クロダ(森蔭晨之介)とともに美容室・冥供愛富で働いていた。 今日も一人亡くなった。佐伯ミホ29歳(桜井玲香)、職業美容師。早速サクマが霊を迎えにいく。しかしサクマの勘違いで、彼女はまだ交通事故で生死をさまよっているだけだった。亡くなる予定の1週間、彼女は美容師の仕事も死神の仕事も手伝うことになった。 売れない漫才師が酒に酔って橋から落ちて亡くなった。その魂に会うサクマとミホ。彼はもう一度相方と漫才をして魂はあの世へ行った。 残された相方も「ネタはあいつが書いていたから俺一人残っても何もできへん」と死のうとしたところを助けるミホ。 ミホも最後に会いたい人が決まった。 それは別れを切り出された恋人にもう一度会ってみた。 いまおかしんじ監督の最新作。 「このハンバーガー、ピクルス忘れてる」の東京MXテレビの深夜ドラマ枠の「Treatment」で2回にわたって放送されたものの劇場公開版。といっても特に再編集が行われていたわけではなく、1話のエンドクレジット部分をカットし、すぐに2話が入り2話のメインタイトルのカットが省略されただけ。だから大きな違いはない。 もともとはスポッテッドの直井プロデューサーが日芸の学生に映画プロット募集をして(そういう講座があったのかな?)でそれで採用された作品。当初、映画化を模索していたが、「まずはパイロット版ということで」今回のテレビ化につながったようだ。 今回劇場で見ると、やはりテレビ版とはちょっと印象が違う。CMが亡くなった分連続してみるので、気分がとぎれないのだな。CMはいくら録画ではスキップできるとはいえ、気分がとぎれる。(これは「ハンバーガー」の時も思ったけど) そして桜井玲香がよかった。 アラサーで結婚する人生を考えていたのに、男から突然別れを告げられる。最後の3分間では男に会いに行く。 「ハグして」と断られ、「もう一度キスして」と言って「もっとだめでしょう」と断られる。 その絶望感が実によく出てたなあ。 あと上司のクロダの森蔭晨之介がよかった。 演技はあまりうまくない感じだが、サクマより(見た目は)年下なのに上司である、サクマより身長が低い、などの凸凹の逆な関係がよかった。 これは設定の成功だと思う。 映画版の完成に期待する。 ラブレター(井口昇監督)日時 2024年1月17日20:30〜 場所 下北沢K2 監督 井口昇 製作 平成29年(2016年) シナリオライターの大介(斎藤工)はシナリオを書いていた。自身の中学時代にあこがれた美少女、彩乃(山本舞香)がブルーハーツの曲を歌っていたところを覗き見してしまった。それを見つかって責められたとき、何を言われたか今となっては思い出せない。彼女はその晩、工事現場から落ちてきた鉄骨に当たって亡くなった。 大介はその過去を変えようとして今書いている彩乃が登場するシナリオを訂正する。すると自分と映画仲間の淳太(要潤)は中学時代に戻ってしまった。 その世界では彩乃の手はハサミになっていた。落ちてきた鉄骨をかわせるようにだ。だが、過去を変えたために彩乃の彼氏の容貌とか大介自身も変わっていく。過去を変えたためだ。それを知った彩乃は大介のシナリオを書き直す。 そして元の世界に戻っていった。 MOOSIC LAB枠でいまおかしんじ監督の「死神バーバー」と同時に上映。こちらは24分の短編。 本日はいまおかしんじ監督と井口昇監督のトークイベント付き。 元々は「ブルーハーツが聞こえる」というブルーハーツの結成30年を記念して複数の監督によるオムニバスが2014年頃に制作されたそうで、その中の1本。撮影してから公開の資金がなくなってクラウドファンディングなどして公開に至ったそうだ。 元の映画では「ブルーハーツの曲をモチーフに」ということだけで、他の作品とは特に関連がないらしい。 何も知らずに観たから斎藤工とか要潤とか山本舞香などそこそこの役者が出てるのでびっくりした。 彩乃の手がハサミになってしまう、という感覚はさずが「片腕マシンガンガール」(未見だけど)の監督のことだけはある。 そういう発想は井口監督独特だ。 しかし鉄骨をかわすのになぜハサミなのかと思っていたら、最初のシナリオでは彩乃は通り魔に刃物で殺される設定だったんだそうだ。 でも通り魔が原因だと「通り魔はどうなった?」が気になるので、鉄骨が落ちてきた事故になったという。 で、現在から過去にいくのがトイレ。 シナリオをパソコンで変え始めたら便器の中に吸い込まれていく、という展開。 トークイベントでも話題になったが、独特の感性とした言いようがない。 俺には思いつかないなあ。好きでもないけど。 観て損はない映画でした。 ヤジと民主主義日時 2024年1月15日14:05〜 場所 第七芸術劇場(大阪・十三) 監督 山崎裕侍 2019年7月、参議院選挙の応援演説で安倍総理は札幌にやってきた。札幌駅前広場で演説中に大杉さんと女子大生の桃井さんが「あべやめろ!」「増税反対」などのヤジを飛ばしたところ、警察から排除された。 「ヤジを飛ばすのがどんな法律違反に当たるんですか!?」と抗議しても「いや、ですからなんかあるといけませんから」「演説を聞きたい方の迷惑ですから」などと根拠はあいまいなまま。結局腕を捕まれ排除され、桃井さんはしばらく警官に囲まれたままだった。 大杉さんと桃井さんは不当行為として裁判を争う。 この事件は当時ちょっとTwitterでも話題になったので知っていた。 当時の安倍総理への忖度がまかり通る時代で、反安倍の象徴的な事件であった。 こういうヤジへの排除の法的根拠はない。しかし警官は実力行使が事実上できる。ヤジをいう人を取り囲んでつまみ出せばいい。しかしそれは法的根拠があるかということである。 警察官が法的根拠のないことをすることは出来ないはずである。 ところが実行してしまった。「なぜだめなんだ。国会でもヤジは与野党とも飛ばしてるじゃないか」と言われても「まあまあ」とか「迷惑になるますから」「お願いしてるんです」「あなたが危険ですよ」などと場当たりなことを言う。果ては女子大生の桃井さんには「ジュース買う?コーラでいい?」など「子供かよ」と言いたくなる。 見ていて終始腹が立つ。 結局刑事事件としては不起訴になったが、民事では一言で言えば「警察のやりすぎ」は認められた。しかしその後、安倍氏の殺害事件、岸田氏の爆弾事件などがあり、二審では一言で言えば「やりすぎとは言えない」と警察の主張を一部認めた。 しかし警察の主張はかなり無理がある。 ヤフコメのネトウヨが書き込んだ「ヤジ排除は当然」とする意見を「世間は認めている」と主張するとか、大杉さんが放っておけば暴れ出したり、物を投げたりする可能性があったというもの。 これはもう「よくやるよ」としか言えない。 今回知ったこととしては現在警視庁警備部長を勤めているのは安倍総理秘書官を長年勤めた方だということ。映画ではそれ以上ふれないが、安倍氏からの意向があったことは十分予測される。 そして今回のヤジ排除の瞬間をテレビカメラなどが捉えていたにも関わらず、ヤジ排除が行われたこと。 警察OBの方が「マスコミが見ててもやったんだよ。あんたたち(取材者のこと)がなめられてると思っていい」と言っていたこと。 安倍氏の事件があったためにヤフコメでは「ヤジを排除しないからこんな事が起きるんだ」という主張があったそうだが、桃井さんが「ヤジを排除し、聞く耳を持たないから実力行使にでる者が現れたとも言える」という趣旨の話をする。 私もこの意見には賛成である。 この映画、配給が太秦などではなく、角川映画である。 角川と言えば歴彦氏が逮捕されたり、どっちかというと政権よりと思われていた会社である。 いったい何がどうなってるのか? 映画を見ていて終始怒りしか沸かなかった。 とにかく日本は悪い方向に向かっているとしか思えない。 YUMENO ユメノ日時 2024年1月14日13:50〜 場所 神戸映画資料館 監督 鎌田義孝 製作 2005年 ヨシキ(小林且弥)は沢井ユメノ(菜葉菜)の家に強盗に入った。 小学生の島田リョウ(金井史更)は父親(伊藤猛)が自殺して、離婚した母親を訪ねようとしていた。 ヨシキは強盗に入ったのは女のことだった。ホステスの女の家にいたのだが、「今日は出勤する」と言った女に「行くなよ」と出がけに喧嘩になったことだった。店のやくざに絡まれ「女を店に出れなくした慰謝料として200万円払え。でないと今度はオホーツクの海に沈めるぞ」と言われたことがきっかけだった。むしゃくしゃして車を出しているとき、家出してきたユメノと接触し、そのことがきっかけで車に乗せたのだった。 ユメノは父親(小木茂光)の会社がミサイルの部品を作っていると知り、「武器を作った金で暮らしたくない」と父親を忌避し、家出したのだった。付き合っていた妻子持ちの男を訪ねたが「離婚は出来ない」と拒否される。一人自転車で町を走っているときにヨシキの車と接触したのだった。 一旦は離れたヨシキとユメノだったが、ユメノの家に強盗に入ったヨシキ。ところがユメノの母親や、たまたま戻ってきた父親に騒がれ殺してしまう。父親と母親の死体を運び出し、脅かされてついて行くユメノ。ユメノは父親の会社に行って通帳を持ってきたが、不審に思った社員がユメノ家を訪ね事件が発覚。 ヨシキはヤクザに連絡を取ったが、事件の火の粉が飛ぶのを恐れて「おまえとんでも無いことしてくれたな。お前と俺たちは一切関係がない。わかったな」と告げられる。 氷の張った湖に死体を捨てようとしたところをリョウに見られてしまうヨシキ。仕方なくリョウも連れて行く。隙を見てヨシキを殺してしまうリョウ。リョウとユメノはリョウの母親が住む網走の家に行ってみるのだが。 国映映画研究部(国映の有志)が主催する神戸の震災の近くの日程で行う「れいこいるか」上映会。2022年から始まって「すずしい木陰」「東京の恋人」などのいまおか監督の仲間の作品を上映してきたが、今回は昨年「タスカー」が公開された鎌田監督の以前の作品、「ユメノ」の上映だ。「ユメノ」は2004年に撮影され、2005年公開。 その後映画は撮らずに昨年公開の「タスカー」になったという。 こちらも「タスカー」と同じく北海道が舞台。この映画、千葉の市川で起こった一家惨殺事件がベースになっている。ベースの事件は市川なのに舞台を北海道に移している。これは鎌田監督が北海道出身ということに関連してるそうだ。北海道と行っても札幌のような大都会もあれば網走のような場所もあるのだが。 実際の事件では父親と母親だけでなく、祖父とかも殺したので人数はもう少し多かったそうだ(犯人はその後死刑になった)。そして娘と犯人は3日間ほど逃避行をしたという。娘と犯人はどんなことを話していたのか、そんなところに興味を引かれ、今回の映画化になったそうだ。 「タスカー」は撮影が11月で秋だったが、今回は2月で完全に冬。 冬、雪、氷。極寒の厳しさが伝わってくる。リョウが母親を訪ねて電車に乗るが、ついた駅が海沿いの駅で俯瞰で撮った画は奥は極寒の海で、その上を雪が降ってくる。自然の厳しさが彼らの運命の過酷さを物語る。 自分の意志とは関係ないところで自分の人生が左右されていく。 リョウは女のことで喧嘩したが、まさかそれが200万円になるとは思わなかった、ユメノは父親がミサイルの部品を作ってたいた、リョウは父親が自殺した、なんかこう自分の責任ではないこととで人生が左右されていく。 とにかく「人生、ああ荒野」という感じで私は好きである。 その厳しさが北海道の極寒の季節が過酷に表現されていた。 オホーツクの流氷を見ながらユメノは何を思ったか。映画は特に結論を出さないで終わる。 でもよかった。 脚本は井土紀州と鎌田監督の共同。 井土さんの現実の事件をベースにした作品は侮れないものが多い。 助監督は坂本礼。 当時31歳ぐらいだったそうだが、本作の準備(ロケハン、ロケ地の交渉、宿泊先の確保、役者の移動の手配などなど)をすべて一人でやりきったそうな。 ご本人も上映後のトークイベントで「若かったなあ」とおっしゃってました。 ほとんど上映の機会がない本作だが、もっと見られてもいい映画だと思う。 ゴジラー1.0/C日時 2024年1月13日17:35〜 場所 TOHOシネマズ池袋・スクリーン4 監督 山崎貴 ストーリー省略。 公開当初は週末ランキング1位を連続して快進撃していたが、11月23日に「翔んで埼玉」が公開されてから徐々に勢いをなくして「SPY FAMILY」などが12月に入って公開され、ますます勢いをなくしてきた。 「シン・ゴジラ」は抜けないことは分かっていただろうけど、このままでは「キングダム」に負けてしまう。 海外でのセールスが好調なので、合計では負けてないんだろうけど。 テコ入れのために上映されたのが、なんと「モノクロ版」 タイトルに「ーC」と付け、「マイナスカラー」だそうだ。 もちろん映画が公開されてからあわててモノクロ化したわけではあるまい。 「シン・ゴジラ オルソ」もあったけど、その手を思いついたわけだ。 冒頭、カラーの通常の東宝マークが出る。「あれれ?間違い?」と思っていたら、モノクロの東宝マークが出た。(ほっとした) 昭和20〜22年ぐらいが舞台なので、この時代だと逆に白黒の方がなじみがある世界である。この時代をリアルに写した映像は白黒しかないので(厳密にはカラーは存在したが、劇映画でカラー映画になるのはもう少し後だ)しっくりくる。 最近のモノクロ映画は明るすぎてちょっと気に入らないことが多かったが、「オルソ」を観て「カラコレをちゃんとすれば白黒フィルムっぽく見えるんだ」ということが分かった。 それと同様にモノクロ化してるので、明るすぎない。 でも個人的にはちょっと黒みが強い気がした。 この辺は担当者の好みだろう。 もう6回観てるので話は分かっているし、前半の敷島と典子の生活の部分とか敷島のトラウマのあたりは観ていて「うざいなあ」と思いながら観てしまう。 しかしゴジラとの遭遇で高雄が来るまでの機雷作戦、そして海神作戦のあたりは何度観ても燃えますねえ。 特に震電関係のシーンはいい。 敷島が最初に飛び立って、翼を2、3度降り、震電の具合を確認しにやっと笑うシーンからよい。 そして震電越しに海のカットで下にゴジラと駆逐艦がいるカットなど最高である。 この時の神木はカッコいんだよなあ。 正直言うと「オルソ」を観た後だと、「モノクロ化」というのが二番煎じ感がしてしまう。 モノクロも決して悪くはなかった。逆に私はもう一度通常版を4DXかなんかで観たくなったね。 もう1回ぐらいは映画館で観たい。 さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち<4Kリマスター>日時 2024年1月13日13:15〜 場所 グランドシネマサンシャイン池袋シアター7 監督 舛田利雄 製作 昭和53年(1978年) ガミラスとの戦いは終わり、地球は復興していた。古代進も今は輸送船の護衛艦の艦長として活躍していた。森雪との結婚は3日後だ。 地球に帰る途中、謎の電波を受信した。地球に帰って解析してみるとどこかの星から助けを求めているらしい。 その頃、謎の白色彗星が地球に近づいていた。この白色彗星には巨大な帝国があり、彗星が通過する途中にある星はすべて奴隷化していた。 そんな時、ヤマトの廃艦が決まった。「新造艦アンドロメダが地球にはある」と。また地球防衛軍上層部は助けを求めるメッセージを無視すると決めた。 古代たち旧乗組員はヤマトに乗り込み、メッセージの発信源に向かおうとする。ヤマトの新たなる旅が始まった。 前年の1977年にテレビの再編集版が大ヒットして作られた劇場版。 今から考えると1年で新作って早いなあと思う。でも作品のサイクルが遅くなったのは最近か。ゴジラも昔は年1本作ってたもんな。 この映画、4K化されての特別リバイバル上映。公開時にも1回観ていた記憶があるが、46年ぶりに観たことになる。 細かい部分は全く忘れていた。 今回、この映画を見直してあまり面白くなかったことを思い出した。 結局二番煎じにしかならないのだ。 メッセージの発信源はテレザート星のテレサ。 このメッセージの発信源に行くというのがまず前作と一緒。 そしてテレサのデザインがまるでスターシャと同じ顔。松本零士の「同じ顔のヒロイン」なのだよ。(今回は髪が長く全裸である) 敵のメカデザインもデスラーと同じ。 違う文明なのだからデザインも変えてもよかったと思うのだが、ここがもう「松本零士」なのだろう。 キャラクターも似てるな、と思っていたらさらにデスラー再登場。 いい加減にしろよ。 白色彗星を撃破したら、文明都市惑星が登場! これがデススターみたいに強力。あれ、78年夏公開ってことは「スター・ウォーズ」と同時期公開だったのか。へ〜、同時期だった記憶ないなあ。 完全に「スター・ウォーズ」に上書きされたんだろうね。 文明都市の破壊にヤマトメンバーが突撃していくのだが、このあたりの展開が山崎貴の実写版「ヤマト」と全く同じ。 山本機が落ちていくあたりのカットまで一緒である。 さらに真田さんと空間騎兵隊の隊長斉藤が死ぬあたりの展開も全く一緒。 斉藤が仁王立ちして真田を守っている間に真田が爆弾を仕掛けて爆破!っていう展開や斉藤の「慌てず急いで正確に!」とかいうけど、これも一緒だ。 あと徳川機関長が「エンジン出力低下するも航行に支障なし」という台詞も。 そうか、山崎の「ヤマト」は「さらば」も含めてのリメイクだったのか。 そして白色彗星を撃破したら、都市が出現して、都市を破壊したら巨大戦艦が出現とか「なんだそれ?らっきょの皮むきかよ!」と当時思ったことを思い出した。 それでヤマト乗組員を退艦させ、古代は一人で特攻。最後にやっとテレサが出てきて「反物質の世界の人間だからこの世界と交わると大爆発を起こす」という設定が生きてきて大爆発! ここで沢田研二の歌がかかるのだよなあ。 私は沢田研二のファンになったのはこの歌がきっかけだったと言っていい。懐かしい曲だったなあ。 そして最後の最後に作者からメッセージが! 「ヤマトを愛してくださったみなさん、ありがとう。 もうヤマトは永遠に出てくることはありません。 しかしヤマトは生き続けます。みなさんの心の中に、魂の中に」 というメッセージが出る。 後のヤマトの復活を知っているとギャグでしかないよね。 2年後だっけ?「ヤマトよ永遠に」でヤマトの3作目が出来たときは完全に冷めていた。 あのときは沖田艦長について「あのとき死んだと思ったのはわしの誤診だった」と佐渡先生がいうシーンがあって完全に心が離れた記憶がある。 当時はあまり気にならなかったけど、やはり日本の戦争中の精神がまだ引きずってるね。 ヤマトが出撃する際に防衛軍上層部から「君たちは反乱軍だ。処罰させる。いまならまだ間に合う」と言われる。 ここで「退艦者なし!」となって昔は感動したのだが、今はそう描き方はしない。「ゴジラー1.0」だって「去りたいものは去っていい」と言われて退出する自由を認めている。 私の記憶では「ローレライ」からそういう描写が始まったと思う。 「特攻」「死の美学」「生き恥をさらしたくない」などなど大日本帝国時代の価値観を70年代はまだまだ引きずっていたのだな、と改めて思った。 懐かしい映画だった。でも46年間一度も観ていなかった理由がわかった。 要は面白くなかったのだ。 ここで私はアニメから離れることになる。 そうそうこの映画、スタンダードサイズだったんですね。 当時はそんなこと思わなかったけど、78年の秋から始まった「宇宙戦艦ヤマト2」用に使えるようにテレビと同じサイズにしたんだとと思う。 もしも、僕の彼女が妖怪ハンターだったら(おかわり)日時 2024年1月8日14:20〜 場所 シネマ・ノヴェチェント 監督・脚本 國米美子 特撮監督 國米修市 製作 令和5年(2023年) 大学生の稲田大和(山本十三)は妖怪ハンターとは知らずに謝花雛(木下友里)とつきあい始めた。しかし彼女は妖怪ハンターで、大和は妖怪退治に巻き込まれていく(ここまで前作) 前回の妖怪退治で作ってしまった借金返済のため、より強い相手、すなわち最強の妖怪・ヤマタノオロチと戦う必要が出てきたが、オロチは強いだけでなく、そもそも出会えない。 そんな時、雛たちは誰かに追われてるらしい女性、市華を助ける。 市華は敵なのか、味方なのか? シネマノヴェチェントで上映。普通に上映イベントも行われるのだが、今回は特撮同好会枠で上映。ところが私は時間を間違えたために続編の方しか観ていない。「1」のタイトルは最後に「(仮)」が付く。 観てないけど、冒頭の数分で「前作のあらすじ」みたいな紹介がついたから、それほどハードルはなく観れた。 まあ、低予算の特撮映画である。低予算の特撮映画は正直観るに値しない映画のことが多い。東宝特撮的な映画ならともかく、これは東映ヒーロー系の流れの上にある特撮映画なので基本、乗れない。 しかも主役の大和を演じてる役者が、若々しさがなく、痛々しい限りである。 妖怪退治のアイテムを専用通販で勝ってその支払いがたまっている、というのが主人公が金に困っている設定。 また守銭奴の悪い妖怪ハンター(黒田勇樹)が前作で助けた家族から取り立てようとして四苦八苦する姿も平行して描かれる。 途中で西洋人形のロレッタが顔はかわいいが、性格は悪く、「かわいい」と誉めないと相手を攻撃するという感じ。ここ笑わせところらしい。 で、この映画「特撮あり、CGあり、アクションあり、コメディあり」のエンタテイメント作品、という売り(というか作者のスタンス)なのだが、この手の安い映画のコメディはまずは笑えない。 なぜコメディに走ろうとするのだろう? コメディってものすごく難しいのだが。 それで途中一反木綿出てきて、いたずらをするシーンがある。大和と雛を巻き付けてキスさせようとしたら、大和を好きな、雛の恋敵が出てきてそれをじゃまする、今度は雛が止めようとしてるうちに大和の男友達が巻き付けられてしまい、男同士でキスをするというシーンがあった。 そして次のシーンで市華が大和に「大和さんてそっちの方だったんですか?」っていう。 いやまあ低予算のC級映画に高い倫理観を求めるのは無理だと思うが、今のLGBTQがどうした、という時代にこのホモネタは古いと思う。 監督たち(國米さんはご夫婦らしく、1作目では修市氏が監督、2作目では美子氏が脚本、監督となったそうだ)に質問してみたが、監督たちはこの表現が差別表現には当たらないと考えているそうで。 まあ、この手のギャグは昔は定番だったから人権意識が低い人間にはわからないだろうなあ。 一挙にいやになった。 この監督の作品は観ないな。 PERFECT DAYS日時 2024年1月6日14:20〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン6 監督 ヴィム・ヴェンダース 平山(役所広司)は東京スカイツリーが近くに見える下町にメゾネットタイプのアパートに住み、早朝に起き、車で各地のトイレ掃除に向かう。 数カ所のトイレを定期的に回る。同僚(柄本時生)と一緒に仕事をすることもあるが、基本的に一人だ。 早く帰った日は近所の銭湯で一番風呂。その後、浅草の地下街の居酒屋で酒を飲むのが日課だった。寝る前に古本屋の100円均一本で買った文庫本を読む。 同僚は女の子を口説けるかどうかで毎日うるさい。平山が車で聞いているカセットテープを売ろう、高く売れる、と言われ店にまで連れていかされる。 ある日、姪が訪ねてきた。母親と喧嘩したという。一晩泊めたが、翌日妹が迎えにきた。 時々行くスナックの美人ママが店で男(三浦友和)と抱き合ってるのを見てしまった。 なんか複雑な気持ちになってコンビニで酒とたばこを買って川岸の公園で飲んでいたらさっきの男が話しかけてきた。末期ガンだという。 2023年のカンヌ国際映画祭で役所広司が主演男優賞を受賞した映画。そのときには日本公開が決まっておらず、「まあヒットしにくい映画なんだろうな」と思っていたが、公開3週目、1日3回に減ったとはいえ、満席である。結構がんばっている。普通なら武蔵野館あたりで上映しそうな地味めの映画だが、さすがカンヌ効果である。 (受賞後のインタビューかなにかで役所広司が「これで柳楽くんに追いついたかな?と思います」というコメントが好きである) 監督はヴィム・ヴェンダース。私はこの監督の作品はほとんど(もしかしたら1本も)観ていないのでなんともいえない。 ただ小津作品は好きだと聞いてるし、この映画の主人公の名前。「平山」は小津映画で笠智衆がたびたび演じた「平山周吉」から来てるのだろう。 そして私に言わせればヴェンダースの「僕が考える最強の理想の日本人像」なのだろう。 「口数は多くないが、清貧でまじめに丁寧に人の嫌がる仕事をこなし、目立たず日々コツコツと生きていく」と言った感じである。 平山は現代日本の象徴のようなスカイツリーのすぐ近くに住むが風呂なし洗濯機なしのアパートだ。(一部屋に1階と2階がある珍しいタイプだ) デジタルとは無縁で自分の車(だと思う)ではカセットテープで60年代の洋楽を聞いている。 彼の過去は全くと言っていいほど語られない。 訪ねてきた妹は黒塗りの運転手付きの高級車に乗っていることから半端ではない金持ちである。何か事情があって父親と決別し、今の生活を送るようになったらしい。 それだけである。 彼の1日を描くだけで約30分を使っている。朝起きて、仕事して、その仕事は近代的なデザイン、機能のトイレを旧来のやり方で、裏の汚れを鏡でチェックするような丁寧な仕事で、帰って銭湯に行って、浅草の地下街で酒を飲んで、文庫本を読んで寝る。 「なんとまあ、清貧でサムライのような生き方なんでしょう!」という外国人の声が聞こえてきそうである。 とにかく終始「僕の考える理想の日本人」なので「ああそうですか」としか言いようがない。 やっぱり市井の日本人ってああいうイメージなのかねえ? 「平山の乗ってる車って自分の車なのかな?」「携帯持ってないけど舞台は現代ではないのかな?」(と思ったら後半でガラケーを使っていた。これは会社の業務連絡用らしい)「首都高乗ってるんだ」などなど多少疑問を感じ、日本の描き方に違和感がないわけではない。 しかし「ゆく川の流れは絶えずしてしかも元の水にはあらず」という鴨長明の「方丈記」の考えを映画にしたような映画だった。 せりふは非常に少ない。昔だったら高倉健が演じてみたら面白かったと思う。 戦場にながれる歌日時 2024年1月3日 場所 DVD 監督 松山善三 製作 昭和40年(1965年) 第2次大戦末期、陸軍戸山学校軍楽隊に楽器経験のあるもの、ないものが入学した。チンドン屋でクラリネットの鷲尾(二瓶正也)、音楽学校の作曲科の三条(児玉清)、死にたくないから軍楽隊を志願したという中平(久保明)たちだ。 通常2年かかる研修期間を8ヶ月で終える必要があり、教官たちのいじめのような訓練は厳しかった。晴れて研修を終え、三条、鷲尾、中平たちは中国に渡った。そこで見たのは中国人をまるで奴隷のように扱い、事故が起こっても平気で見捨てる日本兵だった。 雪の中、彼らの移動のトラックがシャフトが折れ走れなくなった。雪を避けるため、とりあえず中国人の民家に入った。そこの主人(森繁久弥)に頼み、娘の結婚相手の青年に部品の調達を頼んだ。日本兵では町で部品を売ってくれないと思われたからだ。青年は帰ってきて、トラックは動き出した。 今度はフィリピンに送られた三条たち。 そこで戸山で教官だった小沼中尉(加山雄三)と再会。しかし戦争は終わり、彼らは捕虜となった。捕虜の間でも「お前等のようなふぬけがいたから日本は負けたんだ!」と仲間から攻められる始末。 しかしアメリカの軍楽隊の演奏を聴き、三条たちも隠してあった楽器で演奏を始めた。 ディアゴスティーニの「東宝・新東宝戦争映画コレクション」の1本。 東宝からはDVDリリースされていないし、特に戦争映画を語る上で話題になったことはない。ではなぜこの映画を知っているかというと、それはフランス映画「冒険者たち」にこの映画のポスターが登場するのだ。 前半でアラン・ドロンが凱旋門をくぐろうとして失敗し、日本人のキョウバシ氏に電話をする。そのキョウバシ氏のオフィスに貼ってあったのがこの映画のポスター。それでこの映画を覚えた。それ以外では話題になったことはない。 評価も高くないのだろう。 最初の40分ほどは厳しい訓練の日々。 この教官たちが名古屋章、青島幸男、桂小金治、大村崑、山本廉、大村千吉などなど。この映画、無駄に豪華スターが出演しているのだ。 ほかにも軍楽隊の隊長で加東大介、中国で「軍楽隊が友軍の作戦の邪魔をした」と怒る将校に佐藤允やら、フィリピンの捕虜で小林桂樹などが登場。佐藤允などこれからも出てくるかと思ったらワンシーン。 クレジットでも加山やトップだが、加山も出番は少ない。 そう、この映画、主人公ともいうべき物語の中心になる人物がいないのだ。最初から最後までいるのは児玉清、二瓶正也、鈴木和夫、元相撲取りの青年とかなのだが、主人公というほどではない。 久保明は中国戦線で割と早く死ぬ。 藤山陽子が児玉清の恋人だがこれもろくにせりふもない。(まあたぶん下手だったからだろうけど) もとは作曲家の團伊玖磨の「陸軍軍隊始末記」というエッセイが原作だそうなので、もともとストーリーというものはなかったのだろうが、そこは映画なんだからもっと人物を浮かび上がらせた方がいいのではないだろうか? そうでないと、どうにも観客が映画に入れないのだ。 また不思議なのはラストシーン・ 加山雄三の小沼が「今みんなに必要なのは音楽じゃないか」と言っていて、アメリカの軍楽隊の演奏を聴いてみんなが隠して埋めていた楽器を掘り起こして演奏するという展開。 これはいいのだが、ラスト、海に足が入っていき、やがてどこか(たぶん日本)を見ている兵隊の後ろ姿で終わるのだが、これが誰の後ろ姿なのかさっぱりわからない。 話の流れからいうと小沼なのだろうけど、加山のアップがないと締まらないよ。 撮影のトラブルで何か撮れなくて別人でごまかした事情があったんだろうか? あと軍楽隊の研修の最後で靖国神社で演奏するシーンがあったが、たぶん本物でロケしてると思われる。 当時はまだ出来たんだな。 たぶん「南の島に雪が降る」という加東大介の体験を元にした戦争映画があったので、今度は團伊玖磨!とばかりにやったのだろうけど、何かの事情で計画が狂ってしまったんじゃないかと思わせる映画だった。 激突!日時 2024年1月3日 場所 DVD 監督 スティーブン・スピルバーグ 製作 1971年(昭和46年) デヴィッド・マン(デニス・ウィーバー)は仕事のために車で早朝から出かけた。 途中で大型タンクローリーが前をノロノロと走っているのに出くわす。約束の時間が気になるデヴィッドはついそのトラックを追い越す。それからそのトラックにあおられたり、進路を妨害されたりが繰り返される。 ドライブインで休憩をしたときに表にトラックが止まっていた。そのトラックの運転手と思った男に「もうやめてくれ!」と言ったところ、喧嘩になってしまった。その男は別の車で去っていった。 踏切で貨物列車の通過を待っていたところ、後ろから線路に押し込まれそうになった。警察に公衆電話から電話していたときについに電話ボックスごと追突された。 ついにデヴィッドはこの殺人タンクローリーと対決せざるを得なくなる。 先日「悪魔の追跡」を見て「ああ『激突!』の影響が大きいな」と思ったのでオリジナルの「激突!」をDVDで再見。 このDVDは2005年1月2日に買ったようだ。本編は見てなくて特典映像のスピルバーグインタビューは見た記憶がある。(スピルバーグが写りこんでカットがあるという話をしていたのだ) でも本編は見てなかった気がするのだが(テレビで学生時代に見たことがあるのは覚えている)、話の順番はともかく、シーンは覚えているところが多かった。 ドライブインに入る。トラックの運転手が足下しか写さず、ブーツを履いているということしか分からない。 ドライブインでビールを飲んだりサンドイッチを食べてる奴が全員怪しく見えてくる。このあたりがうまいんだなあ。 そしてエンストしているスクールバスをこのトラックが逆に助けたりするシーンもあり、「自分の訴えを聞いてもらえない感」が増してくる。 最後の最後にはトラックを倒すために自分の車をぶつけるという荒技にでるしかない。まるで怪獣に立ち向かうかのようだ。 撮影予定が10日のところ、少し延びて12、3日で撮ったというし、本来はテレビムービーだし低予算映画みたいに見えるけど、最後はトラックと車を崖から突き落としてるし(ミニチュア特撮ではない)でなかなかの規模だと思う。 「悪魔の追跡」との比較で言えば、「激突!」はドライバーは見えないけど、トラックという明確な敵があった。しかし「悪魔の追跡」は何を倒せば勝つことになるのか分からない。その辺の不気味さを一枚上だった気がする。 それにしてもこの「激突!」を20代前半で撮ってしまったのだから、やっぱりスピルバーグは「天才」としかいいようがない。 |