ローカルボーイズ! | ティファニーで朝食を | ゴジラ−1.0(コメンタリー付き上映) | |
ゴジラ×コング 新たなる帝国 | ノットジラ | 紀元前百万年 | 十階のモスキート |
陰陽師0 | 天然コケッコー | エアフォース・ワン | 昨日消えた男 |
流転の地球 | 12日の殺人 | 恐怖の報酬(2024) | オッペンハイマー |
ローカルボーイズ!日時 2024年4月29日 場所 DVD 監督 堀江慶 製作 平成22年(2010年) ある地方都市の4人の若者は小学校5年の時に近所のサッカーチームで出会った。今は20代。役者志望のシンゴ、ヤンキーだったが今は健康食品の会社を起こしたエイジ。有名大学卒業のユウタロウ(馬場良馬)、サンゾー(高崎翔太)は実家のパン屋で働いていた。ユウタロウはアメリカの大学院に進学が決まっていて、シンゴは明日東京に行くという。 前の晩は4人で飲み明かし、シンゴの部屋で朝を迎えた。そこへシンゴの妹の麗子がやってきた。麗子はユウタロウが好きで、ユウタロウもその気持ちは分かっていたが自分の夢の為にアメリカに行く気持ちは変わらなかった。 麗子とユウタロウの二人にするために部屋を出る3人。 シンゴは美女二人組を見かけて早速声をかける。サンゾーは河原の散歩道で歌っている少女を見かけ話しかける。エイジは自分の会社へ。 シンゴは美女二人から「死相がでている」と言われて逃げ出す。河原で誰かのバイクに跨がって呆然としていると、バイクの持ち主のヤンキーがやってきた。そこから喧嘩が始まり、助っ人としてエイジも呼び出された。 サッカーで勝負をつけようとなり、ユウタロウまで呼び出される。 麗子はまだユウタロウのことをあきらめきれずにいた。自分の気持ちを地元のFMで放送してもらおうとスタジオに乱入。パーソナリティをしていたのはサンゾーだった。 一時期やたらと中古DVDを買うのが趣味の時期があって、ブックオフ等に行くと大して欲しくなくても安ければ買っていた時期があった。 その頃に買った1本がこれ。 もともと何となく買った映画だから、そのままになっていたのだが、断捨離も兼ねて観た。 滅茶苦茶つまらん。 4人組というから4人がメインかと思ったら、役者志望のシンゴが中心。東京に行くというが役者のためなのか、就職のためなのか? その辺がはっきりしない。 それにやたら大声出してギャーギャーいうだけでうるさいだけ。 水商売風の女二人組が出てくるが、なんか死相が出てるといって壷でも買わせるのかと思ったらそういうわけでもない。 何のために出てきたのかよくわからない。 そしてサンゾーがラジオのパーソナリティをしていたというサプライズだが、これ、仲間なら気付くだろう。 それにもっと事前に伏線として出てこないとサプライズにならないよ。 高崎翔太とか馬場良馬とか出演者はみんなミュージカル「テニスの王子様」(略称テニミュ)の出身らしい。 彼らに仕事を与えるという意味で作ったのかも知れなくて、そのことは否定しないけど、ならもうちょっとシナリオを何とかしてよ。 監督の堀江慶は「忘れないと誓った僕がいた」の監督だが、こういう駄作もあったのかとしか言えない。 とにかく時間の無駄だった。 ティファニーで朝食を日時 2024年4月28日10:40〜 場所 ユナイテッドシネマ・ウニクス秩父・スクリーン5 監督 ブレイク・エドワーズ 製作 1961年(昭和36年) ニューヨークのアパートに住むホリー・ゴライトリー(オードリー・ヘップバーン)は朝帰りの途中、宝石店ティファニーの前でパンとコーヒーの朝食を取るのが好きだった。ここで食べると憂鬱が晴れる。 彼女のアパートの上の階にポール・バージャック(ジョージ・ペパード)という若い作家が引っ越してきた。作家といっても数年前に1冊出しただけ。事実上は室内装飾家の女性の援助を受けていた。 ホリーは毎晩のようにパーティに出てはトイレに行くときのチップで生活していた。あとは週に一度シンシン刑務所に収監中のサリー・トマトに面会に行き、天気予報を聞いてきて弁護士に伝えると100ドルがもらえる仕事をしていた。 ある日、「6時にお酒を飲みに来て」というホリーの伝言通りにポールが行ってみるとそこでは多数の男女が集まってパーティをしていた。 あまりのうるささに上の階に住む日本人ユニオシ(ミッキー・ルーニー)に警察を呼ばれる始末。 別の日、ポールのマダムがアパートの前に男がいると言ってきた。夫の雇った探偵ではないかと疑い、ポールが話しかけてみると実はホリーの夫だった。ホリーは14歳の時にこの男と結婚し、家出していたというのだ。 連れ戻そうとするが、ホリーは断った。 やがてポールも短編が売れ、50ドルが手に入った。ホリーと出かけるポール。今までしなかったことしよう、とティファニーに向かう。 ティファニーで買い物をしたかったが、予算が足りなくて出来ず、代わりにお菓子の景品の指輪に名入れをしてもらった。 ホリーは金持ち男と結婚することを夢見ていたが、やがてブラジル人の名家の男と結婚することが決まった。そんな時ホリーの兄が軍隊で死亡したと連絡が入った。彼女は荒れた。 結婚間近になったが、彼女が面会に行っていたサリー・トマトの伝言が実は麻薬組織への暗号文だったため、彼女も身柄を拘束された。 なんとか保釈されたが、ブラジル人との結婚は破談になった。 「午前十時の映画祭14」枠での上映。 季節もよくなったのでまた秩父に行きたいなあと思っていたときに他に見たい映画もなかったのでこれにした。 タイトルだけは昔から知っていた映画。 「ティファニーって宝石店のことだから、何でそこで朝食なんだ?カフェテリアでもあるのか?」って思っていたが、そんなものはなく、ティファニーのショーウインドウを見ながら路上でパンとコーヒーを食べるのだった。 昔テレビで見たときに作家のポールとホリーが図書館に行き、自分の本にサインをするシーンを覚えていたが、このシーンはあった。その続きのスーパーで万引きをするシーンも。 で結局面白かったかというとこのホリーという女がその日暮らしの生活で、どうにも好きになれない。オードリー・ヘップバーンが演じているからいいようなものの、別の女優だったらもっとだめだったかも知れない。 コメディリリーフで上の階に住む日本人が登場するが、この日本人(演じているのはミッキー・ルーニーらしい)が後のピンクパンサーシリーズのカトーにつながっているのではないか? またパーティのシーンでホリーの持った長キセルのたばこが座っている女性の帽子に火をつけてしまう。それを見たポールがあわてるが、時間を聞かれた男が腕時計を見ようとして手首を回し、その拍子にグラスの液体がその火のついた女性の頭にかかって火が消える、というあたりのドタバタも後のピンクパンサーの原型と見た。 そういうことが解っただけでも見た価値はあったけど。 ゴジラ−1.0(コメンタリー付き上映)日時 2024年4月27日14:15〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン11 監督 山崎貴 製作 令和5年(2013年) 4月26日から「ゴジラ×コング 新たなる帝国」が始まったわけだが、その時になったら公開が終わるといわれていたマイナスワン、まだまだ上映を続けている。 19日からは年始に続き、入場者プレゼント第2弾でオリジナルステッカーをプレゼントに加え、事前にアプリをダウンロードしておけば山崎監督や白組スタッフのオーディオコメンタリーを聞きながら鑑賞できるというわけだ。 このアプリは「Hello!Movie」というもので、事前にダウンロードし、音声ファイルもダウンロードしておけば、映画の上映が始まると映画の音声と同期しながら再生できるという。だから「マイクは塞がないでください」と上映間にはイヤホンから流れる。 さすがにもうリピーターばかりで音声ガイドを聞きに来たファンばかりと思いきや(劇場は8割がた埋まっている)そういう人はいない。 へ〜、みんな映画だけ見に来てるんだな。 その中で記憶に残ってるのは 1、敷島の家の周りはオープンセットかと思っていたらスタジオ内だったそうだ。 だから雨のシーンなどは排水など大変だったそうだ。 2、秋子がタイミング良く泣く、といわれたが、あれは何日も一緒にいると秋子が泣きそうなタイミングが分かってくるので、「泣きそうだな」というちょっと前から神木が演技を始めてタイミングをあわせていたそうだ。 3、銀座で典子を敷島が見つけるシーン、「唐突だ」と散々SNSで言われたが山崎監督言わせれば、「震災の日に妻を探しに行ったら偶然会えたので想いがあれば会えるということでいいのだ」 4、水島(山田裕貴)がわだつみ作戦の最後でタグボートでやってくるシーン、「あんな漁船で引き上げられるか?」とSNSで言われたがあれはタグボート。「でもタグボードが軍団で来ましたってせりふで言うのもねえ」。 5、最初の大戸島のシーンでは海をバックにしたカットでは遠くにホテルなどが写ってしまったので消すのが大変だった。椰子の木などはCGで足した。 6、「ゴジラを倒した後の敬礼が意味不明とか言われたが、神を倒したことや、倒した敵に敬意を払っての敬礼」 7、銀座で典子が吹っ飛ぶシーンを観たので「こりゃ生きてないな」と想い、後付け的に説明しようかと思ってラストの首筋のカットを足した。 8、震電の操縦席にドイツ語で書いてあるのだが、これが日本人には分からないがドイツ語で「脱出装置」とか書いてあるので、ドイツなどで公開したら完全にネタバレになってしまうので困った。 9、アカデミー賞でハリウッドに行ったとき、ノミネートされた人々の交流会のランチ会があった。その時にスピルバーグに会えた。 スピルバーグもただ「よかったよ」と言ってくれるのではなく、「あのカットでは手前と奥で解像度を変えてたよね。あれがよかった」的なかなり突っ込んだ誉め方をしてくれて、スピルバーグはそこまで理解しているのだと知ることが出来た。 10、わだつみ作戦だが、全身を泡で包めばともかく、腰から上だけではたぶん沈まない。同じく深海ではおそらくバルーンは膨らまない。その辺は映画的嘘です。 全体的にゴジラが登場したシーンでは周りの音が大きくなるのでコメンタリーが聞こえなくなる。 ラストで「このコメンタリーを聞いてくださってる方々は初めてこの映画を見てくださる方でもないでしょうから興行的に支えてくれた方。みなさんのおかげでヒットしました」と山崎監督の言葉。 リピーターを呼び込むよい作戦だとは思うので、アイドル映画でもやったらいいかも知れない。あっでもブルーレイとかでもやるから2回コメンタリーをするのは難しいかな。 ゴジラ×コング 新たなる帝国日時 2024年4月27日11:15〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン9(Dolby) 監督 アダム・ウィンガード コングは地下空洞にゴジラは地上の怪獣王としてそれぞれ交わることなく暮らしていた。モナークのコング担当のアイリーンは髑髏島のイーウィス族の生き残り、ジラがなかなか自分の居場所がなさそうで悩んでいた。 そんな時、地底から何かの信号を受け取る。それによってゴジラが覚醒した。 その信号を突き止めるべく、アイリーン、ジラ、そしてモナークの怪獣の獣医トラッパー、そしてネット配信のバーニーとともにコングの住む地下空洞へ。 コングは地下深くのアイリーンたちがまだ未探査の領域に入っていった。 そこではコングの同族が集団で住んでいた。その猿たちを束ねるのがスカーキング。こいつは仲間を奴隷のように支配するだけでなく、シーモという冷凍光線を吐き出す怪獣を支配していた。 そしてジラたちはイーウィス族の生き残りたちとも出会う。 彼らがシーモたちからの脅威に対して信号を送っていたのだ。 アイリーンたちはゴジラを地底世界に呼び寄せ、シーモやスカーキングと戦わせようと考える。それにはモスラの力を借りる。 レジェンダリーのモンスターヴァースシリーズの映画版の第5作。 「ゴジラ」「キング・オブ・モンスターズ」「髑髏島の巨神」「ゴジラVSコング」でこれ。ディズニープラスで配信ドラマ「モナーク」があるがまだ観ていない。(これは新宿近くで一昨年撮影してるのがネットで話題になって「マイナスワン」の撮影と混同された) 昨日公開だが、前作の「ゴジラVSコングがまるでだめだったので今回は初日の夜はパス。翌日にして「マイナスワン」と2本連続で観ることにした。 そのために前作をすっかり忘れているので、今週「KOM」と「VSコング」を自宅で復習しておいた。 思ったよりTwitterでは評判がよい。しかし予告CMでゴジラとコングが並んで駆け出すカットがあったので「これはどうよ?」と思っていた。 ゴジラのあの重量感のある歩き方がいいのであって、走っちゃだめでしょう。(あくまで俺基準) で思った通りで私がみたいタイプの怪獣映画ではない。 とにかく怪獣の動きが敏捷すぎるのだよ。重量感がまるでない。 そして敵怪獣もコングと同じ猿だし、シモなる奴も事前情報がなかったせいかまるで魅力を感じない。 ゴジラやコングのスター性に比べればまるでド新人。 格が違うよ。 ほんとに怪獣が主役で人間たちは怪獣の行動の説明役。 ああ俺ってホントに怪獣バトルには興味がないんだなあ。 怪獣がアメコミヒーロー並に派手に暴れられてもねえ。 ゴジラやコングが戦うのが、ローマやエジプト、リオデジャネイロでまあよく知られている場所でそこは唯一よかったな。 どんなに評判がよくてもまた観ることはないかな。 ノットジラ日時 2024年4月27日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 ミッチ・ティームリー 製作 2020年(令和2年) 1962年。日本では怪獣ノットジラを倒した。怪獣を保護したいホンダ・イチヒロ博士はノットジラの卵をもってアメリカに逃れた。しかし飛行機のトイレでその卵を流してしまい、卵はシンシナティへ。 そのシンシナティの地下500階には核融合研究施設があった。所長のブローカートの助手、シャーリーは自分が核融合の学者だという自負があったが、ブローカートは「女の子」としか扱ってくれず不満に思っていた。 ある晩シンシナティの川で卵を拾うブローカートとシャーリー。 研究所に持ち帰り、ブローカートがビールを飲んでいるときに卵からノットジラが孵化した。赤ん坊のノットジラにビールを飲ませるブローカート。しかしノットジラはアルコールを飲むと巨大化する性質を持っていた! 翌朝朝食を食べているレストランでブローカートたちとホンダは知り合った。レストランのウエイトレスは実はジャーナリスト。皿洗いの青年の家に怪獣が来たというので行ってみると彼の家中のビールが飲まれていた。 ブローカートは軍に連絡を取るも対応したのは空調の管理人。 この管理人の指揮の下、軍が出動する。 軍では歯が立たず、ブローカートは核熱線の兵器を開発をはじめ、ホンダはアルコールを冷ますビールを開発を始めた! ノットジラは「NOTZILLA」と書く。つまりどうみたってゴジラの英語表記「GODZILLA」の頭がNOTに変わって「ゴジラではない」というパロディ表記である。 この映画のことを知ったのはアメリカで公開された2020年頃だが(アメリカでも劇場公開はされていないらしい)、「これは日本では公開されないかもしれないな」と思って海外版を入手。しかし何となく観ないうちに去年ぐらいに日本語版がDVDリリースされた。(劇場公開はされてないと思う。イベント上映ぐらいはあったかも知れないが) レンタルにもあったので、明日「ゴジラXコング 新たなる帝国」を観るのでその前哨戦に鑑賞。 日本語なしで観なくてよかったな、と思う。 アメリカンジョーク(と言っていいのか)、言葉による笑いの連発で英語で観たらさっぱりわからなかったろう。 とにかくノジラのおしっこをブローハート博士が飲んでしまったり、ギャグが下品。 その上、ブローハートが女性差別者だったり(それがギャグなのかも知れないけど)とにかく笑えなかったなあ。 唯一ちょっと笑ったのが、ノジラ(ノットジラと字幕では表記されるが発音はノジラだ)にセーバー戦闘機が攻撃したシーンで、ノジラがピアノ線をつかんで戦闘機を壊すところかな。 とにかく観ていてイライラしてくるような映画でアメリカ人のギャグは私にはわかりづらい。 観て損したと言いたくなる映画。 紀元前百万年日時 2024年4月21日 場所 DVD 監督 ハル・ローチ/ハル・ローチJr 製作 1940年(昭和15年) 日本公開 1951年(昭和26年) ある登山客が嵐にあって洞窟に避難した。そこにいた考古学者はこの洞窟の壁画にあった物語を読み解くことが出来たという。 考古学者はその太古の物語を聞かせるのだった。 その時代ロック族とシェル族という部族がいた。ロック族は力の強い者が勝つ、という掟だった。一番強い者が長であり、獲物を捕っても一番最初に長が食べ、残りを順番に食べていった。長の息子、トゥマク(ヴィクター・マチュア)はその獲物の取り分のことで父と争い、追われることになった。 トゥマクは若い娘と知り合う。その娘、ロアナ(キャロル・ランディス)はシェル族で、トゥマクを自分の部族に連れて行く。その部族では穫れた獲物は部族で平等に分けることが基本だった。戸惑うトゥマクだったが、やがては受け入れていく。またシェル族は石槍を使っていた。こん棒しか知らなかったトゥマクにとっては驚きだった。 しかし石槍の取り合いからトゥマクはシェル族も追われることになった。 トゥマクにロアナもついてきた。 トゥマクはロック族に戻ったが、父は部族の長を追われていた。そんな時、再びロック族からも離れたトゥマクとロアナだが、外では恐竜同士の戦いが繰り広げられていた。 そして火山が爆発した。ロック族の洞窟も崩れ落ち、恐竜も地割れに飲み込まれていく。 火砕流から逃げ出す間にトゥマクとロアナは離ればなれになった。ロアナとシェル族の女たちは洞窟に逃げ込んだが、その入り口に今度は恐竜が陣取り、外へでれない。 トゥマクと父は知恵を絞り、上から岩を落とし恐竜を倒すことになった。 作戦は成功し、恐竜は岩に生き埋めになった。 シェル族とロック族は力を合わせて暮らしていくことになるだろう。 話は全部書いた。「恐竜100万年」の元の映画だ。 冒頭に登場した考古学者が、映画の途中途中で登場して解説をしていくのかと思ったらさにあらず。考古学者(それを聞く登山客にビクター・マチュアやキャロル・ランディスもいるのだが)はその後、全く登場しない。 (だから必要ないのでリメイク版ではこのシーンなし) 楽しみなのは恐竜対決なのだが、これがなかなか登場しないのだなあ。映画は80分なのだが、40分過ぎたぐらいから登場するだろうか。 恐竜と言ったって、この時代の他の恐竜登場映画(「ロスト・ワールド」とか)と同じく、トカゲをアップにして大きく見せたもの。 さらにワニに背びれをつけて対決させる。 もう本物のワニとトカゲで食いつきあって戦っている。今なら「動物虐待映画」として出来ないかも知れない。 それよりも最後の火山の爆発である。 大セットの洞窟の天井が落ちてくるし、なかなかのスペクタクルである。 特に火砕流の溶岩に女性が飲み込まれていくシーンは単なるスクリーンプロセスにも思えず、かといって左から走ってきた女性が画面奥から流れてくる溶岩に飲み込まれてしまい、一瞬のカットだけどどうやって撮ったんだろう?まさか本物の土砂を流して撮ったんだろうか? しかしまあ音楽はあるものの、事実上のサイレント映画で、退屈なことこの上ない。せりふの情報がない分、画だけでストーリーを追わねばならず、ものすごく疲れる。 やっぱり音のない映画は苦手です。 十階のモスキート日時 2024年4月21日 場所 DVD 監督 崔 洋一 製作 昭和58年(1983年) ある町の交番。ここに勤務する交番の主任(内田裕也)は離婚して慰謝料の支払いが滞り、前妻(吉行和子)から支払いを催促されていた。 後輩からは出世しないことをを揶揄されている。近所のスナックで酒を飲んでも気が晴れない。ゲームの目的でパソコンを購入した。その時に30万円借りた。やがてその男は競艇で返済しようとするが結局はうまくいかない。昇任試験もまた落ちた 中学生の娘(小泉今日子)は東京の原宿で遊び歩いている。 男はスーパーでお酒を万引きした女(アン・ルイス)を自宅に連れ込んで犯した。そしてスナックのホステス(中村れいこ)と関係を持つ。 サラ金の取り立ては厳しくなる。サラ金はついに交番にもやってきた。署長(佐藤慶)の耳にも入り、叱責を受ける。 追いつめられて前妻にも借金を申し込んだが断られる。 サラ金の取り立てはどんどん厳しくなる。男はついに郵便局強盗を行う。 崔洋一監督の劇場用映画第1回作品(映画の冒頭にも大きくクレジットされる)。テレビ作品では「プロハンター」ですでに監督になっていたが、劇場用映画では初だ。 内田裕也はこの前に「水のないプール」がヒットしていてその勢いでもう1本、という感じの映画。公開時にも観ている。たしか新宿のトーア会館(今のトー横広場のアパホテルのあるところ)だったと思う。 内容も似ていて、正直二番煎じ感は否めない。 当時はそこそこ面白かったからDVDも買っていた(ただし買ったのは2009年だ)。そのまま棚に置きぱなしだったが、やっと鑑賞。 今回40年ぶりに再見したわけだが、それなりに面白く観たが、やや長いというのが正直な感想。 仕事でも出世の見込みはない、妻とも離婚した、娘は言うことを聞かず不良になりそうだ、酒を飲んでも憂さは晴れない、ギャンブルでも勝てない、サラ金に手を出してしまう、そして返済は滞る、唯一の趣味はパソコンの自作ゲーム。なんかこうどん詰まり感がある。負の連鎖。 それは実によく伝わってくるが少々くどいのだよ。 同じようなシーンが何度も出てくる。なぜ離婚に至ったか(出世の見込みのない夫に愛想を尽かしたのかも知れない)、そのあたりから転落の道が描かれたらもっとよかったかも知れないけど。 ゲスト出演は豪華でアン・ルイス、横山やすし、ビート・たけし(と表記)、小泉今日子などなど。もう完全に内田裕也や崔洋一の個人的つきあいで連れてきた感じである。 小泉今日子なんてこの頃アイドルとして絶頂だった気がするがよく出てくれたなあ。 その他、安岡力也、阿藤海、清水宏、下元史郎(この3人が警官の後輩)、小林稔侍、鶴田忍、梅津栄などなど。 再び見てよかった。 陰陽師0日時 2024年4月20日17:50〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン5 監督 佐藤嗣麻子 平安時代、陰陽師と呼ばれる占い師たちが政治において重要な立場を占めていた。陰陽師になるには今風にいえば学校に通い、博士と呼ばれる先生たちから指導を受けていた。 その中でも安倍晴明(山崎賢人)は優秀であったが出世に興味がなく、授業も受けないで一人で本を読んでいた。ある日、源博雅(染谷将太)という高官から相談を受ける。従兄弟のヨシコ女王から毎晩琴の弦が切れるという不思議なことが起きるので調べてほしいと言われる。 最初は断った晴明だったが、結局は引き受けることに。夜中に見張っていると黄金の龍が現れた。なんとかその龍を瓶に閉じこめることが出来た晴明だった。 やがて学生の橘泰家(村上虹郎)が殺された。博士の長の藤原は学生たちに犯人を見つけだすよう迫る。その犯人を見つけたものを出世させるというのだ。 山崎賢人主演作。監督は佐藤嗣麻子。「K20」(とかいうタイトルの映画)を撮った人。 陰陽師とか別に興味はないんだけど、山崎賢人主演だから見る。 「キングダム」とか「ゴールデンカムイ」とかファンタジー系(というくくりも適切でないかも知れないが)のアクション映画が連発。 また現代劇の恋愛物とか刑事物とかも観たいですね。 「ハリーポッター」の平安版とかも言われたけど「ガリレオ」の平安版とも言ってよいか。 怪奇な事件や殺人事件の謎を安倍晴明となぜか下に見られる博雅が挑んでいく。 言葉使いが現代的すぎるという意見をどこかで見たような気がするが、おオープニングで平安時代の社会構造や、この時代の官僚制度などの解説があって、陰陽師の授業のシーン。ここで北村一輝が講義をしていて言葉がさっぱりわからないな、と思っていたら「1000年前の言葉ではわかりにくいですから、ここからは現代語で」とナレーションがあって今の話し方になる。 カタカナ言葉はさすがになかった気がするが「安倍晴明の陰陽師としての才能はピカイチですから」という台詞があったのが何か面白かった。 結局深層心理の世界に入ってファンタジックな画になってあまり本格的な謎解きという訳ではない。 「深層心理の世界」とかの話になるのであまり論理的に考えないようにした。 結局泰家を殺したのは博士の長・藤原(小林薫)。出世の邪魔になりそうな若手を殺したということ。 村上虹郎があっさり殺されたので意外だった。割と出番が多そうな役だと思っていたので。 板垣李光人が帝役。彼の映画出演作はあまり見ていないが、ノーブルな顔立ちが帝役にはあっていたと思う。 つまらなくはないけど、私にとっては「山崎賢人主演」という以外、おもしろさを見いだせなかったな。(これは「キングダム」も「ゴールデンカムイ」も同じだけど) 天然コケッコー日時 2024年4月20日 場所 DVD 監督 山下敦弘 製作 平成19年(2007年) 海がきれいな田舎町。この町の学校には小学生が3人、中学生が3人しかいない。右田そよ(夏帆)は中学2年生。この夏、東京から大沢広海(岡田将生)という転校生がやってきた。そよにとっては初めての同級生で割とイケメン。 家族のようにしている学校の仲間で海に行く。広海も誘って海にきた。 夏祭りで広海の母親と初めて会った。そよの父(佐藤浩市)は広海の母親と何かあったらしく、広海と仲良くするなという。 冬が近づきコートがほしくなった。下級生と町まで買いに行くが気に入ったのがない。広海の着ているコートが欲しくなり「そのコートちょうだい。代わりにチューしていいよ」 バレンタイン。中学生女子3人で近くの町のスーパーまでチョコや手作り用の材料を買いに行く。弟の手前、広海と弟のチョコは同じものにした。しかし下級生の二人が作ったチョコの方が見栄えがした。 3年になった。そよの弟も中学生だ。 中学3年の修学旅行は東京にしてもらった。広海と先生2人の4人で東京見物。広海の友達も合流する。広海はとても楽しそうだ。 やがて受験の季節が来た。広海は東京の高校を受験したいと言い出す。 数年前に買ってそのままになっていたDVD。 「ゴールドボーイ」の岡田将生もまだ中学生役である。監督は山下敦弘。 「都会から転校生がやってきて、最初は田舎をバカにするがだんだんと馴染んでいく」というほどドラマチックな展開はない。 最初はちょっとつっけんどんだった広海だが、みんなに海に誘われると普通についてくる。「だりーよ。俺ゲームしていたい」とか言わない。 そよの弟ともこの段階で馴染んで海で遊んでいる。 中学生らしく(?)、この海にみんなで行ったときから広海はそよにキスしようとする。 日常の生活のスケッチ風で、家出したりとかのドラマチックな展開はなし。 夏秋冬春夏と四季は巡る。 1回15分ほどのエピソードの積み重ねである。 原作はコミックだが、WIKI情報などを読むと原作も日常風景の描写的な話だったらしい。アニメ「紙兎ロペ」もそうだけど、ああいうのは1話ずつみるから何となくほのぼのするのであって、映画としてまとまってみると物足りなさを感じる。 原作のファンなら楽しめるのかも知れないけど、あまりの淡々さに私は退屈さのほうが先に立ってしまった。 エピソードとエピソードの間もわざと説明がない。 たとえば高校受験のために2つの高校を広海たちは行くのだが、「地元の人は普通こっちに行く」という高校を見て広海は「坊主だからいやだ。東京の高校の受験を考えている」という。 しかし合格発表の日(それも広海が職員室にやってきて先生の前に座り、その次のカットでそよと広海は手をつないで電車に乗っている。そして学校に帰ってくるが、先生たちは「合格ならオレンジ色の袋だよねえ」とか言っていてるだけ)のシーンにつながる。 広海をどうやって東京行きを断念させたのかがない。 しかし季節の風景も美しいし、主演は夏帆と岡田将生という美男美女だし、「こういう淡々とした映画だ」と思ってみればまた違うのかも知れない。 判断に迷う。 でもDVDのせいなのかも知れないが、せりふが小さいのか滑舌が悪いのか、せりふをはっきり発音させようとしていないのか、せりふが聞きづらく、通常より音を大きくしなければいけなかった。 この辺も話を解ってみれば、また違うのかも知れない。 エアフォース・ワン日時 2024年4月19日 場所 DVD 監督 ウォルガンフ・ペーターゼン 製作 平成9年(1997年) カザフスタンの独裁者・ラデク将軍をアメリカとロシアの合同の特殊部隊が拘束した。3週間後、アメリカ大統領ジャームズ・マーシャル「(ハリソン・フォード)はモスクワで「今後も政治的な自国の利益にとらわれず、テロと戦う」と演説する。 アメリカに帰る大統領専用機エアフォース・ワン。モスクワを離陸直後、ロシアのテレビクルーに扮した6人組にハイジャックされる。リーダーはイワン(ゲイリー・オールドマン)。彼は狂信的なラデク信奉者でラデクの解放が目的だった。 大統領警護官たちはマーシャルを脱出ポットで脱出させた。在ドイツの米軍がその脱出ポッドを追ったところ空だった。マーシャルは脱出しなかったのだ。 ドイツの米軍基地に機長は着陸させようとする。しかしイワンは機長たちを殺害し、再び離陸した。同時にF15が追尾することとなる。 マーシャルは貨物室にあった携帯電話を使ってホワイトハウスと連絡を取る。F15に攻撃させ混乱にさせる、燃料を捨てるなどの抵抗活動を試みる。 「Uボート」のウォルガンフ・ペーターゼン監督作品。封切時に新宿文化シネマで観ている。正月映画だったと思う(調べて観たら日本公開は1997年11月29日公開)。 そのときは結構面白く観て、2016年にディスクユニオンで100円セールで買ったDVDがそのままになっていたのを鑑賞。 見終わって「あれ、思っていたより機内のシーンが中心だったんだなあ」という印象。 細かいことはすっかり忘れていて、ラストで大統領が他の米軍機に空中移動し、最後に「新コールネーム、エアフォース・ワン」という台詞がやたらとかっこよかった記憶しかない。 もちろんこの台詞は記憶の通りにあったけど。 なんと言ってもこの映画の特徴は「大統領自身がテロリストと戦う」って言う点ですよね。 普通なら大統領SPの一人とか意外と地味な立場のスタッフが戦う、という展開になるわけだけど大統領自身な訳です。 「インデペンデンス・デイ」もラストでは大統領自身がパイロットになって戦うという展開だったけど、この頃は大統領自身が戦うわけです。 最近でもテロリストが大統領を人質にする、というのは「ホワイトハウスダウン」とかでもあったけど、あれも引退しようとしているSPなんかが主人公だったよなあ。 アメリカでは「大統領=ヒーロー(もしくはヒーローであってほしい存在)なんだなあ。 大統領専用機内を大統領が移動するカットをワンカットでとらえていて、バラバラのセットではなく、機内を完全に作ったもので豪華。 しかし8割が機内シーンなので、外のシーンももう少し欲しかったかな。 ラストの専用機が墜落するシーン、最近「日航123便墜落事件」の本ばかり読んでいるので、それを連想させていつもと違う感慨を持ってしまった。 ハリソン・フォード主演のテロリストものと言えばそれまでだが、「大統領自身が戦う」という設定が面白い。 日本じゃこの設定は無理を感じてしまうよなあ。 昨日消えた男日時 2024年4月14日10:30〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 マキノ正博 製作 昭和16年(1941年) 江戸の長屋。浪人源左衛門(徳川無声)は長屋の大家・勘兵衛(杉寛)から借金の返済を求められていた。借金が返せなければ娘のお京(高峰秀子)を差し出せと言う。 翌朝、勘兵衛の死体が水車小屋で発見された。目明かし八五郎(川田義雄)が現場に行ってみると死体はない。しかしまた悲鳴。行ってみると勘兵衛の死体がまるで踊っているように塀につるされていた。 八五郎は長屋の住人、文吉(長谷川一夫)をどこかで見たような気がする。調べを始めた八五郎だが、文吉が何かとちゃちゃを入れてくる。 また金貸しをしている勘兵衛は長屋のみんなから恨まれていた。 芸者小富(山田五十鈴)は文吉に惚れているらしい。 与力・原六乃進(江川宇禮雄)は勘兵衛は刀で殺されたらしいため、長屋の全員を集め、侍の源左衛門などの刀を調べようとした。そのとき、また死体が上がったと知らせが! しかし死体と思ったのは人形で、人形師椿山の妻(清川虹子)が夫の作った人形に嫉妬して川に捨てたのだった。 源左衛門の刀には人を斬った跡はなく、もう一人の刀に血油がついていた。「それは先日犬を斬った跡だ」と主張したが信じてもらえない。 勘兵衛の金庫を錠前師の太三郎に開けてもらったが中は空っぽだった。 翌日、太三郎は殺された。 お白州で南町奉行が直々に取り調べることになった。 奉行は文吉その人だった。 ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニング女優特集の高峰秀子の「少女スタア時代篇」での上映。 「昨日消えた男」はかなり昔に時代劇ミステリーと聞いていて、タイトルとともにどんな映画か気になっていたので、この機会に鑑賞。 昭和16年、太平洋戦争も前で黒澤明もまだ監督デビュー前の時代。 この時代になかなかの本格ミステリー映画だ。 Wiki情報ではダシール・ハメットの「影なき男」が原案らしい。 それを時代劇に本案したようだ。 東宝マークは戦後のマークと同じだから戦後にリバイバルしたプリントなのかも知れない。それでも俳優のクレジットが名前だけでなく、その出演者の映像にスーパーで紹介されるパターンだから驚いた。 (でも今書いたように戦後のリバイバル時にやり直したのかな) 殺した人と死体を移動させた人は別、しかも移動させたのは複数、となるのでミステリーとしての面白さは本格的だ。 さらに第2第3の殺人となれば格別。 結局最初に移動させたのは勘兵衛の使用人が自分が疑われるのを恐れて移動、そして死体を発見した男が勘兵衛が懐に金を持っていたので、それを盗み、ついでに罪を文吉に着せようと死体を移動させた。 太三郎は金庫を開けたときに自分の借金の証文を懐にいれてついでに持ってきたしまった証文が発覚するのを恐れた真犯人によって殺された、という訳。 その真犯人はなんと与力の原六乃進! いやちょっと卑怯だな。刑事が犯人でした!はよほど伏線を張っておいてくれないと。 最後の1巻が急に音声不良になって(たぶん、プリントがワカメ状態)で謎解きの一部が聞けなかったけど、犯人と大体の謎は解けた。 駕籠やの二人組が「なるほどねえ」「いや全くだ」が口癖で繰り返す、清川虹子の夫婦喧嘩のシーンなどの笑いの要素も多く、ミステリー映画としては名作と言ってもいいだろう。 見てよかった。 流転の地球日時 2024年4月13日 場所 NTEFLIX 監督 グオ・ファン 製作 2019年(令和元年) 20XX年、太陽が膨張を始め100年後には地球消滅、300年後には太陽系消滅が予測される事態となった。人類は結集し、地球各所にロケットを建設、地球ごと4.2光年先の恒星に2500年かけて移住することになった。 地球が移動を開始して約20年。 父親が地球を先導する宇宙ステーションの職員のリウ中佐の息子フーコウは父にずっと不満を抱いていた。春雪の日、血はつながらないが妹同様の家族のドゥオドゥオとともに地下の居住区から地表にでた。そこはー80度の世界。燃料の採掘に使う大型トラックを盗み出して出発したがあえなく警察に逮捕されてしまう。 木星の引力を利用して元の軌道から離脱したのだったが逆に木星の引力に引きつけられ、34時間後に木星に衝突する事態となった。引力の影響で世界各地の噴射口は止まった。木星との衝突を避けるにはそれを再点火しなければならない。再点火には着火弾が必要だ。木星の引力の影響で地球では地震が起こり、フーコウたちも留置場から出られた。再びトラックを盗んだものの、軍の着火弾輸送のためにそのトラックは徴用され、なりゆきでフーコウも同行することに。 杭州の噴射口を目指したが、直前で噴射口は倒壊し使用不能に。 彼らは南のまだ無傷の噴射口に向かう。 しかし木星の引力の影響は予想より強く、地球衝突は避けられそうにない。 フーコウのアイデアで木星の水素に点火させ、その爆発力で地球と木星の距離を引き離す作戦が考えられた。 周りの反対などを押し切り、噴射口を通常より強く噴射させれば木星の水素を着火できるかもしれない。 「妖星ゴラス」を元ネタにしたようなSFが中国で書かれたという話は聞いていたが、その映画版がこれ。もっともWIKI情報では原作とはだいぶ異なるらしい。 この映画は地球を脱出して以後、今度は木星との衝突の危機が起こり、それを回避するSF映画。 CGのクオリティだってアメリカ映画のそれと何ら変わりないし、中国の映画って日本にはぜんぜん入ってないけど全然侮れない。 アメリカ映画ばかり公開されてるから中国のこと日本人は何にも知らないけど映画大国ですよ、中国は。 メカのデザインもアメリカ映画と何ら変わりない。同じ脚本でアメリカでリメイクしたって全然問題ない内容だ。 でも編集のリズムが早すぎてつながりが悪かったり、「?」ってなるシーンが何カ所かあった。 主人公たちのトラックが徴用されて軍人とかネガティブな技術者が乗り込んでくるんだけど、地震でトラックが揺れまくって嘔吐する、その汚物をヘルメットの中にぶちまけちゃうんだけど、その後、窓が割れそうになってリーダーから「ヘルメット着用」と言われるんだけど、技術者は汚物があるからヘルメットはかぶりたくない。そこで隣のオーストラリア人と中国人のハーフの青年とヘルメットを取り上げようとする、という笑いのシーンあり。 しかし次のカットではきれいなヘルメットを技術者はかぶっている。 そして途中で別の隊と一緒になるんだが、別の車両に乗り込んだ途端、ドゥオドゥオがめがねをかけた男に襲われている。「あれ、今までの技術者が急に襲いだした?」と勘違いしたが、これは別の技術者。 知らない役者だから混同してしまった。 このように編集のリズムは早すぎるし、各キャラクターの描き混みが浅く、あらすじだけ、の印象は否めない。 特に人物なんか主人公と行動をともにするオーストラリアと中国のハーフ青年など見せ場があっても良さそうだけどね。 んで主人公の父親が宇宙ステーションにいるんだけど、地球からの木星の水素点火に失敗すると宇宙ステーションを木星に突っ込ませ点火させ地球を救う。当然父親は死ぬ。 この宇宙ステーションがロシア製で乗組員もロシア人。 アメリカ人は出てこないんだなあ。 日本人もすこし出てきて「地球はもうだめだ」となって本部から退避命令が出たとき自殺する隊員が日本人。「味噌汁が飲みてえ、白飯があれば最高だ!」と言って拳銃自殺する。 中国のSF映画を侮ってはいけません。 そういうことも含めて興味深い映画でした。 12日の殺人日時 2024年4月13日13:15〜 場所 新宿武蔵野館スクリーン3 監督 ドミニク・モル 2013年10月12日、フランス南東部のグルノーブルの警察署では捜査班長が定年で退職し、あたらしい班長ヨアンが着任しその歓迎会が行われていた。 その晩、女子大生のクララは友達の家で女の子同士の食事会をしていたが、家に帰った。帰宅途中、何者かにガソリンをかけられてそのまま火をつけられ生きたまま焼死した。 ヨアンたちは捜査に着手。まずはクララの交友関係から。友人たちの話ではクララは惚れっぽいところがあって、常に男友達を求めていたという。 ある男は「向こうが惚れてただけ。俺は特に好きじゃなかった」、別の男は「単なるセフレ」、別の男は一緒に住んでいる女性がいて単なる浮気相手だったという。 どれも動機も証拠も弱く、決め手がなかった。やがて事件は迷宮化する。 3年後、新しい予審判事が着任した。その女性判事は事件再捜査を命じる。まもなく事件からまる3年の日がやってくる。その晩に事件現場に張り込みをし、クララの墓のそばに臨時の監視カメラを設置し不審な人物がこないか調べてみる。 ヨアンは新人の女性刑事と張り込む。しかしクララの両親がやってきただけ。墓の方は監視カメラに今までの捜査から一度も見たことがない男が写っていた。 「未解決事件」がテーマ。実際にフランスで起こった事件だそうだから、フランスと日本では受け止め方が違うかも知れない。未解決に終わる、というのは知っていたから裏切られた感はないけど、やはりもやっとする。 拳銃での撃ち合いとか容疑者を車で追跡、などの派手な展開はない。 刑事たちの聞き込みのシーンばかりで、しかも特に事件は進展しないから、面白いことは面白いけどやや退屈にはなる。 そんな中でも刑事がクララの母親にクララの死を伝えにいくシーン、刑事の一人が「殺された死体を見ても平気だけど、被害者の家族に伝えるのは苦手なんだ。お前やってくれ」と言ったり、母親が娘の死を聞いて突然取り乱すシーンは描写として興味深い。 またヨアンと行動するベテラン刑事が「妻が妊娠した。離婚の話になってる」と言いだし、ヨアンが「?」となるけど、「妻が浮気して相手のこともが出来たんだ。俺とはいろいろやっても子供が出来なかったのに」とグチるシーンがよい。 あと再捜査のシーンでクララの隣の墓にダミーの墓石を建て、その中に監視カメラを設置する捜査方法は興味深い。何か別の映画でも使えそうだ。 それで今まで全く知らなかった男が登場し、クララの墓の前で上半身裸になって墓の前でうつ伏せに寝転がるなどの奇行を繰り返す。 何か歌を歌っているので、聾唖者に唇を読んでもらう。男が歌っていた歌をネットで検索するとSNS上で墓の前にいた男が見つかった。 連行したが「彼女と意志の疎通を図ろうとした」と意味不明のことをいう。 だが精神科に入院歴があり、事件当日は入院中だったと判明。結局は犯人は捕まらず終い。 もやっとするラストだけど派手な刑事ドラマに飽きた自分には面白かった。 (河屋秀俊さんに武蔵野館でたまたま会った) 恐怖の報酬(2024)日時 2024年4月7日 場所 NETFLIX 監督 ジュリアン・ルクレルク 製作 2024年(令和6年) 政情不安な某国。油田に向かう医療チームのNGOの車がゲリラに襲われ、流れ弾で油田に火災が発生した。800キロ離れた町から太陽光発電建設に使ったニトログリセリンを運び、そのニトロで鎮火させることになった。その町で運転手をしているフレッドは志願し、今は刑務所にいる兄のアレックスも同行させることを条件にした。 9ヶ月前、この国で内乱が起こったとき、その混乱に乗じて元の雇い主の金庫から金を盗もうとしたときに結局兄だけが捕まってしまい、今は刑務所にいるのだった。その兄は解体業で爆発物の専門家でもある。 フレッド、アレックス、そしてNGOの医師でフレッドの恋人、石油会社の雇った警備員のゴーティエらと町に行ってニトロを積み込む。フレッドの恋人はNGOとしてこの油田と町を何度も往復しており、道に詳しいので参加したのだ。 出発してすぐ軍の検問に捕まった。NGOの医療チームということでなんとか通過できたが、次に検問では「通行料をよこせ」といわれる。 ゴーティエは発砲し、銃撃戦となる。その中でNGOのメンバーのジブリルが死んだ。 NETFILXで「恐怖の報酬」がリメイクされたとXで知り早速鑑賞。3月29日から公開されたらしい。 1時間49分だが、最後の10分ぐらいは長いクレジットなので実質100分を切る短さ。 あまり期待していなかったが、やっぱり観たかったのとは違う感じ。 そもそもまた出発までが40分ぐらいある。長いよ。 しかも兄の方が刑務所で賭博格闘技とかやらされていて無駄に長い。 こんなところに手間暇かけるならさっさと出発すればいいのに。 その前のフレッドの雇い主の金庫を襲う箇所も長い。なんか尺延ばしのために取って付けたようにアクションシーンが出てくるのだ。(特に前半) んでやっと出発したと思ったら軍の検問とかで「これニトロじゃなくても話が成立しない?」という気になってしまう。 民兵に襲われるとか地雷原に突入してしまうとか、とにかく新規のエピソードはなあ。 クルーゾー版やフリードキン版にあった落ちそうになる橋などの冷や冷や感がないのだな。 ずっと不満に思って観ていたが、後半やっと油の沼とか大きな岩が道をふさぐなどが出てくる。 でもここは時間をかけずにわりとあっさり通過する。 いやいやいやいやそこはそうじゃないでしょう。 ラストは結局火災を鎮火させるためにトラックごと油田つっこむ必要が出てくる。そこでもう怪我をしていて「兄貴にすまないことをした」と思っているフレッドが鎮火のために突っ込んで爆死。 このラストは納得できましたけどね。 アクションシーンは頑張ってるんだけど、結局観たい「恐怖の報酬」ではなかったですね。 やっぱり、とも言えますが、残念。 オッペンハイマー日時 2024年4月6日18:10〜 場所 新宿バルト9・スクリーン9 監督 クリストファー・ノーラン オッペンハイマーは量子物理学者で第二次世界大戦時のアメリカの原爆製造計画「マンハッタン計画」の責任者であり原爆の父と呼ばれた。しかし戦後はソ連のスパイだったと疑われた人物。 1954年、オッペンハイマーはソ連のスパイ疑惑を受け聴聞会で追求を受ける。そして1959年ストローズの公聴会が開かれる。 その間にオッペンハイマーがマンハッタン計画に関わりやがて原爆を開発し、そしてこれ以上の核兵器開発の中止を大統領に進言する姿が描かれていく。 いつもはストーリーを書いていくのだが、今回は以上で省略。 登場人物は多いしとても名前までいちいち覚えられない。「あの人はオッペンハイマーの昔からの友人」「マンハッタン計画に誘った軍人」ぐらいの認識でいれば話は分かる。ストローズの聴聞会に関するシーンは白黒になるので、だいたいわかるよ。Xなどで「難解」という意見も見かけたが、それほど難解だと思わない。 原爆製造の「プロジェクトX」のような「現場の科学者の苦労話」っていうのはほとんどなく、「あいつは共産主義者じゃないか?」「あいつはソ連とつながってるに違いない」という政治的な話ばかりでドイツ相手では「連合国」という味方のはずのソ連も敵視していて、どこと戦争しているのか分からなくなる。 当初、核分裂を起こしたら連鎖反応で地球上のすべての大気が核分裂を起こす、つまり地球がすべて火の海に包まれるのではないかという懸念があったと知った。 アインシュタイン(トム・コンティ)に相談し、「それはないと思う」という「たぶんゼロ」という結論になる。 ドイツが核兵器の開発を進めていると知ったアメリカは「先に作る」としてオッペンハイマーをリーダーとしてマンハッタン計画を作る。 オッペンハイマーは効率と秘密保持のために国中に散らばっている各研究施設を一カ所に集め家族ごと移住させる。 当初、オッペンハイマーは核兵器を完成させれば実際に使わずとも「敵への脅威」となって十分だと考えていた。 しかし「使って見せつける」ことが重要だと政治家は考えドイツが降伏した後はもう降伏は目前、となっている日本に使用する。 「原爆を作ってもそれをどう使うかの権限は科学者にはない」と自分を納得させる。 原爆成功の報告で研究所の人々が集まっている中で、オッペンハイマーは原爆による破壊を空想する。 「広島、長崎がどうなったかのシーンがない」と批判があるが、私はこれで十分だと思う。 この映画はオッペンハイマーの視点で描かれているので唐突に広島長崎のシーンが出てきても違和感があるだろう。 それに破壊された町並みのカットだけで伝わるだろうか? オッペンハイマーのイメージで人間が熱で溶けていくカットで十分だと思った。 原爆の脅威をよく知っているオッペンハイマーは戦後、「世界各国が核兵器を持ったら大変なことになる。全世界で管理する機関の設立を」とトルーマン大統領に訴えるが却下。 そして彼はソ連のスパイと言われ聴聞会に呼ばれる。 オッペンハイマーをつぶしたい勢力(ストローズを中心として)によって。 「核兵器開発の責任者がソ連のスパイだった」なんて「じゃセキュリティはどうなってるの?」と思わず言ってしまいたくなりそうだが、この時代はそれを信じてしまうような疑心暗鬼の空気だったのだろう。 核兵器のような人類の命運を左右する強大な科学の産物も一介の政治家たちの疑心暗鬼や単なる嫉妬に左右されてしまう「人間のおろかさ」しか感じない。 ラストシーン、冒頭で戦後のオッペンハイマーがアインシュタインと会話するシーンが繰り返される。 冒頭では二人がなにを会話したか開かされないが、ラストでその会話が開かされる。 オッペンハイマー「核兵器を爆発させれば地球上のすべての大気が爆発するのでは?と相談しましたね」 アインシュタイン「うん」 オッペンハイマー「でも結局は世界中が爆発するものを作ってしまった」 と彼のイメージで地球上が爆発していくシーンが挿入させる。 自分が作ったものが世界を破滅させる可能性があるものを作ってしまった、という彼の嘆きが聞こえてくる。 「博士の異常な愛情」を思わせるラストシーンだった。 あと個人的にはトム・コンティの出演がとにかく懐かしかった。 |