からかい上手の高木さん日時 2024年5月31日19:00〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン7 監督 今泉力哉 小豆島の中学校の体育教師の西片(高橋文哉)は今度教育実習生が来るので、その担当を任された。現れたのは中学時代の同級生の高木さん(永野芽郁)だった。 驚く西片。中学時代もずっと何かとからかわれていた高木さんだったが、実は気になる存在でもあった。10年ぶりの再会。高木さんは親の仕事の都合でフランスに15歳から20歳まで行っていて、その後日本に帰ってきてから美大に入ったのだ。西片も同級生同士で集まる同窓があった。 その時も「西片と高木って中学時代つきあっていたんだっけ?」と言われるが、西片は「え、そんなんじゃないよ!」と否定する。 西片のクラスには不登校になった子・町田(斎藤潤)がいた。絵を描くのが好きということで、高木さんも町田が海でスケッチしているときに話しかける。 それを見る大関さんという女の子がいた。大関さんは西片に「自分が好きって告白したことがきっかけで学校に来なくなった」と相談する。 急に好きとか言われて心の負担になったのではないかと案じているのだ。 青春恋愛映画である。 主演は高橋文哉。去年「交換ウソ日記」に去年主演。出身は仮面ライダーだ。2022年にTBSのドラマで「君の花になる」で劇中のアイドルグループのセンターを演じて人気が急上昇したらしい。(そのグループは「8LOOM」(ブルームと読む)で宮世琉弥、綱啓永、山下幸輝などがいた) 「君の花になる」や「交換ウソ日記」ではどっちかというと俺様キャラというかツンデレだったが、今回はヘタレ男子。 今回の高橋文哉はよかったですね。そのヘタレぶりが好感が持てます。 いつまで経っても告白しない西片。それをあきらめずに待つ高木さん。 このほのぼのカップルが見ていてほんわかする。 もうそれだけの映画である。 町田と大関さんのカップルなども出てくるが、それほど印象に残らない。 圧巻はラストの教育実習が終わって帰ることになる高木さんに告白するシーン。体感で15分ぐらいやってる気がするが、正面からのワンカット。 時々高木さんや西片のアップが入るが、たぶん複数のカメラで撮影し、それをアップは編集で入れたのだろう。 撮影は通しで行ったと思われる空気感だ。 いつ言うか、いつ言うかと観客をじらしまくっての告白、だけではなく結婚の申し込みまで。 なんかほのぼのするなあ。 西片君のほのぼの好青年で持っている映画。 高橋文哉、「俺様」だけでなくこういう役もできるんだと感心した。 若い頃の唐沢寿明にも似てる気がした。 本日は舞台挨拶中継付き。 司会から「初恋の思い出は?」と聞かれて高橋が「小学校1年の時に告白されて、それから毎年その子に告白された。中学になったぐらいで周りから『いい加減返事してやれば』と言われて『ごめんなさい』した」という話をしていた。 もてるなあ。まんま西片君じゃん。 ミッシング日時 2024年5月28日13:35〜 場所 新宿ピカデリー・スクリーン6 監督 吉田恵輔 静岡県沼津市で6歳の少女が自宅から300mの場所にある公園から帰る途中で行方不明になった。 母親の沙織里(石原さとみ)と父親の豊(青木崇高)は時間があれば駅前でビラを配って情報提供を求めている。そんな夫婦を地元のテレビ局記者・砂田(中村倫也)は取材を続けていた。 しかし寄せられる情報はデマやいたすらばかり。蒲郡で見かけたという人がSNSのDMで寄せられたので、行ってみたが本人は待ち合わせ場所に現れない。 その上、娘がいなくなった時、沙織里は大好きなアイドルグループのライブに行っており、その事がSNS上でバッシングされていた。 行方不明になる直前、沙織里の弟の圭吾(森優作)と一緒だったため、砂田は取材をさせてほしいと申し出る。いやがる圭吾の取材をしたが、何の情報もなく、圭吾が逆に疑われる事態に。 局の方でも次第に取り上げる価値が無くなっていく。そんな中、砂田は取材を続ける。 冷静な豊だが、沙織里はその冷静さがかえっていらつかせ、喧嘩も絶えない。 石原さとみの迫真の演技、と前宣伝が激しい本作。たしかに美人女優としてヒロインを演じてきたが、そろそろ新しいことにチャレンジしたくなるのも分かる。 映画自体は否定しないが、石原さとみが泣く、叫ぶ、怒るの怒濤の感情の爆発の連続。 しかしそれが飽きるかというと飽きないのだな。 映画自体も、何の情報もない、バッシングが起きる、偽情報に振りまわされる、の連続で進展はない。 予想していたが、結局娘の安否は映画では示されないまま終わる。 もとよりこの少女失踪事件を描きたい訳ではないのだ。 描きたいのはSNSという奴のバッシングの人間の心の闇だろう。 途中で別の少女の失踪事件が起き、沙織里たちは「この事件に自分の娘も関連してるのでは?」と思い、独自でチラシを配る。 結局はその少女は見つかったが沙織里の娘は見つからない。 でもラストでチラシを配っても有力な情報を得られない中、その見つかった方の少女の母親が沙織里たちに協力を申し出る。 そして沙織里たちに根拠のないデマによる誹謗中傷を行ったものは名誉毀損で逮捕される。 少しは希望のあるラストである。 「神は見返りを求める」に続く吉田恵輔のネット空間に対する憤りが伝わってくる。 個人的には沙織里の母親役で美保純、砂田と同行するカメラマン役で「階段の先には踊り場がある」の滝役の細川岳。 この二人の出演は得した気がした。 愛のきずな日時 2024年5月26日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 坪島 孝 製作 昭和42年(1967年) ある観光会社の総務課長代理の鈴木良平(藤田まこと)は雨の晩、車で帰り途中で雨宿りしてた女性を家まで送っていった。その女・雪子(園まり)の連絡先を聞き、時々会うようになりやがて体の関係へと発展した。鈴木は実は専務の娘・早苗(原知佐子)と結婚したものの、関係は冷え切っており、そのこともあって雪子に心が動いていった。鈴木は自分は結婚していて君と結婚はできないと正直に言った。それでも雪子はかまわないという。「せめて一晩だけでも朝までいてほしい」という雪子だったが、それは出来ない。 ある日、雪子は自分の夫が刑務所から出てくるという。その夫平井健次(佐藤允)は雪子と暮らしている時に中学の同級生とカレーを食べただけで勘違いして男を刺したという。しかも雪子は鈴木のことも話すつもりだという。 命の危険を感じた鈴木は雪子の殺害を思い立つ。長野県の温泉に行こうと誘い出し、林の中で殺した。 1年後、会社でも宣伝課長になっていた鈴木はある温泉街の新しいCMのラッシュフィルムの中に雪子が写ってることに気づく。 鈴木はその温泉街に向かう。近所の話では喫茶店につとめてる娘だが、記憶喪失だという。 松本清張原作。最近よく観るけど、やっぱり松本清張はいいなあ。 原作のタイトルは「たづたづし」という短編。 渡辺プロとの提携作品で、園まりと藤田まこと主演というのは最初から決まっていた企画なのだろう。それ以外の出演者は佐藤允など東宝のメンバーである。 松本清張にありがちな会社でもある程度安定してきた男が浮気をするというパターン。 100分弱の映画だがこのあたりまでで60分ぐらい。 前半は普通だが、雪子が実は結婚していたということから話は急展開。 その後は実は死んでなくて記憶喪失だったとか、雪子の夫が会社を訪ねてきて雪子の日記に「S」という名前の男が出てくるとかどんどん追いつめられていく。 怒濤の展開である。 さらに雪子が働いている喫茶店から彼女を東京に連れ出したと思ったら、そのマンションに妻が訪ねてくる。しかし妻は離婚したくないので今回のことは別れてくれたら忘れるという。 彼女の父である専務も「まあ女遊びなんて男の甲斐性だ」と許す。 万事うまく収まると思ったら、やっぱり鈴木は彼女が忘れられずに迎えにいく。 この時に専務の言いつけで箱根まで車で政治献金の現金を運んでいるのだが、途中で交通事故を目撃する。すると気が変わり(「人間どうせ死ぬんなら思い通りに生きよう」と思ったのか)その献金を持って長野に帰ろうとする雪子を新宿駅まで迎えに行く。 その後、金を持って二人で逃避行、となるわけだけど、途中の駅で(唐突に)雪子の夫と遭遇! 列車内でもみ合って結局二人との列車から落ちて死ぬ。 特に最後の列車のデッキでのもみ合いは、雪子の夫が列車から落ちたと思ったら、また登場しもうゾンビのようである。 ちょっと最後はやり過ぎな気がする。 そもそも妻も専務も水に流してくれたんだから、そのまま元に戻ればいいじゃない。それを(今の言葉で言えば)メンヘラ気味の雪子と逃避行とはなあ。 原作とはラストが違うらしい。 あと藤田まことはこういった役は似合わない。 渡辺プロの事情というのは解るけどね。 顔(1957)日時 2024年5月26日 場所 衛星劇場録画 監督 大曽根辰夫 製作 昭和32年(1957年) ある東海道線の駅で東京行きの夜行各駅停車に乗り込んだのはモグリの堕胎医飯島(山内明)だった。山内は車中で昔の女の水原秋子(岡田茉莉子)を見かける。復縁を迫る飯島だったが、秋子は拒否する。その時のもめてる様子を石岡(大木実)にみられてしまう。結局秋子は飯島を列車から突き落とした。 翌朝警察による検分が行われ、飯島は飲酒していたと思われるので誤って落ちたと判断された。しかし霊安室に花が贈られ、地元署の刑事、長谷川(笠智衆)は不振を感じる。 列車で見かけた男が不振死をしたと知った石岡は警察にもめていた女のことを申し出る。石岡の証言でモンタージュ写真が作られた。警視庁と協力することになった長谷川だが、石岡が新聞社にネタ代をせびっていることを知る。 秋子はファッションモデルとして売り出し中だった。秋子も石岡の件を新聞で知り、手紙で石岡を呼び出そうとするが彼は来なかった。石岡はその手紙を新聞に売ろうとしたが、結局は警察に知られる。その手紙は上にあった紙で洋服のデザインをしたと思われる痕がある。そのことからファッション関係を当たり出す長谷川たち。 飯島の出入りしていた飲み屋からつきあいのあった女たちも調べる。やがて秋子が働いていた店にも長谷川たちがやってくる。 たまたま戴いた衛星劇場で松本清張特集として放送された1本。 原作は読んでいる。なにかで紹介された短編だ。アマゾンで古本を買って読んだ。原作は売れてない男の俳優が、たまたまある監督に気に入られ個性派俳優として売れていくが、過去の女を殺したことがあるので、一緒だったところを見られているかも知れないのであんまり俳優として売れるのも困る、といった内容だったと思う。 映画化にあたってかなり改変されたようだ。 この映画のキモはなんといっても目撃者石岡だろう。「張込み」の刑事役が有名だがこの映画では金に困って目撃者の存在を犯罪者にばらし、そしてマスコミからも金をもらおうという小悪党である。 このアイデアがいい。 あらすじからは省いたが、秋子はプロ野球選手(といっても2軍選手らしいが)とつき合っていて、石岡に追いつめられて、彼と結婚しようとする。そのプロ野球選手の元に石岡は行き、金をせしめ、そして秋子の過去を知ったプロ野球選手は秋子と別れる。 最後は石岡は秋子を脅迫する。石岡は底辺な者同士として秋子に同情する部分もあったが、体を開こうとしたため逆に交渉を止めた。その後秋子は石岡を殺そうとしたが、結局交通事故で死ぬ。ここちょっと唐突。 作者の都合でしかない気がして残念。 笠智衆のベテラン刑事がいい。刑事役は珍しいので、それだけでも見る価値がある。 ラストで秋子が指名手配され銀座の町をパトカーで回る。そのときにネオンを見て「東京には色付きの明かりが多すぎる。この明かりに秋子も石岡も飯島も要せられたんですねえ」という。 いい台詞だが映画自体が白黒なので効果が出ない。残念。 ソイレント・グリーン日時 2024年5月24日18:40〜 場所 シネマート新宿・スクリーン1 監督 リチャード・フライシャー 製作 1972年(昭和47年) 2022年、ニューヨーク。人口は4000万人を超え、町には文字通り人があふれかえっていた。この町の半分は失業者とも言われている。 通常の食事はもはや贅沢となり、人々は政府が支給するソイレント社の栄養食を口にしていた。そして今回「ソイレント・イエロー」「ソイレント・レッド」に続き、「ソイレント・グリーン」という新製品が登場した。 そんな時代、富裕層のマンションでサイモンソン(ジョセフ・コットン)という老人が殺された。捜査に当たったのは14分署の刑事ソーン(チャールトン・ヘストン)。物盗りに見せかけていたが、護衛役のタブ(チャック・コナーズ)や「家具」と呼ばれる部屋付き女性のシャールが外出中だったことから、「物盗りに見せかけた計画的殺人」と判断する。 ソーンは同居人の「本」と呼ばれるソル(エドワード・G・ロビンソン)という老人の助けを借りて捜査開始。 サイモンソンはソイレント社の設立に関わった人物で、現州知事とも関係があった。シャールの話では数日前にサイモンソンは教会に懺悔に行ったという。やがてソーンにも尾行がついた。そして捜査中止命令。 ソルはサイモンソンの部屋にあった資料から「本」仲間の助けでソイレント社の秘密にたどり着き、「ホーム」と呼ばれる公営安楽死施設に向かう。 ソーンはソルを止めようとするが遅かった。ソルの遺体の運ばれる先を確認するソーン。 70年代は私にとって映画に関心を持ち始めた時期だが、この映画、タイトルはよく知っていた。原作のタイトルが「人間がいっぱい」ということも。 DVDにもなってるので観ようと思えば観る機会がいくらでもあったが、今回デジタルリマスター版公開(4Kという訳でもないようだ)なので映画館で鑑賞した。 「衝撃の結末」と宣伝文句にはあるけれど、「ソイレントグリーンの材料は実は人間でした!」というのは聞いたような気がしていたし、容易に想像がつく。しかもそれは裏切られない。 一昨年の「PLAN75」の方が現実に迫ってる感がある。 それよりも楽しめたのは2022年のニューヨークだろう。 文字通り人があふれている。ソーンのアパートの階段はなぜか人で溢れて人と人の隙間を縫って上り下りする。 また貧富の差は拡大し、高級マンションには「家具」と呼ばれる部屋に一人若い女性が付属している。 知恵者たちは「本」と呼ばれるが、今でいうならインターネットであろう。 しかしソーンも携帯電話が持ってない。それは誰も予測していなかった。 そして「ソイレントが足らない」となって暴動を起こした市民たちはブルドーザーのような車で排除される。 闇の食料品店があり、そこで野菜が高値で売買される。 店主が「今日は上物が入りましたぜ」と中に入れてもらうと冷蔵庫には「こんな大きな牛肉始めてみたでしょう」とステーキ1枚分ぐらいの肉を見せる。 牛肉が不自由なく食べられる現在からすると皮肉に満ちた世界である。 ソルは「昔はこれが当たり前だった」と何度も愚痴る。 この世界ではいつからステーキ1枚分の牛肉が「初めて見る」世界になったのだろう? 牛肉は大げさにしても日本で言えば定期預金の金利なんて昔は5%ぐらい珍しくなかったけど、今や0.5%で多い方である。 そしてソルが安楽死するシーン。 巨大スクリーンに美しい大自然が写されベートーベンの「田園」が流れる中死んでいくシーンのすばらしさよ。 この映画、スクリーンの大きいスクリーン1で観ることが出来て本当によかった。 このシーンは「2001年宇宙の旅」の「ツァラトストラかく語りき」の使用に匹敵する名シーンだ。 このシーンを観るだけでも映画館で観る価値はあった。 湖の女たち日時 2024年5月19日12:20〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン8 監督 大森立嗣 琵琶湖湖畔の介護施設で早朝に100歳の老人・市島が亡くなった。だれかが意図的に人工呼吸器を止めたとしか考えられない。 事件の捜査にあたった西湖署の濱中(福士蒼汰)と伊佐美(浅野忠信)。老人は1階で亡くなり、その階を担当していた松本(財前直見)に容疑がかかる。しかし松本をいくら取り調べても否認するばかり。もとより物的証拠はなく、自白させることしか捜査方針がなかった。 この取り調べにあたるうち、2階を担当する豊田佳代(松本まりか)と知り合う濱中。やがて濱中は佳代に強引にキスを迫り、そして夜に湖畔に呼出し、佳代に自分の自慰行為を見せつけるのだった。 この事件を調べる週刊誌記者の池田(福地桃子)は最初の被害者の市島が戦時中の731部隊に関わっていたことを知る。そして過去にあった血液製剤の50人以上亡くなった事件にも関わっていて、その捜査を止めたこととも関わっているらしい。池田は市島の妻・松江(三田佳子)に話を聞きにいく。松江は満州にいるときに今や厚生労働大臣になった男が過去にロシア人の少女と日本人の少年を殺したらしい事実にたどり着く。 しかし731関係の話は取材打ち切りになった。 濱中と佳代はやがて支配被支配の関係になっていった。 また池田は介護施設で働く服部の中学生の孫娘が市島を殺したのではないかと疑い出す。 福士蒼汰である。福士蒼汰はファンなので、楽しみにしていた。映画は「旅猫リポート」以来ではないか? 最近ヒット作がなくなったので、テレビの連ドラでもテレビ東京である。 好きなんですけどねえ。 それにしてもびっくりの展開である。 まず前半の取り調べのあたりも会話と会話に変な間があったりしてどうもテンポが悪い。昭和の冤罪事件のように強引な取り調べをする。 このあたりで「福士蒼汰のイメージじゃないなあ」とか思い出す。 さらに佳代との関係がさっぱりわからない。 佳代の家に強引に行き家の前で迫る、そして夜に呼び出し、佳代がやってくると濱中は自分の車で左足をダッシュボードにおいてオナニーをしている。 仰け反ったね。いくら下半身は隠れていても手の動きからオナニーだ。 福士蒼汰がオナニーする姿を見てファンは喜ぶのだろうか?そりゃ10代のファンは少なくて大人のファンが多いのは解るけどなあ。 福士蒼汰も今までと違う役をしたかったのは解るが。 同じ吉田修一の原作「悪人」で妻夫木が濡れ場を演じて男優賞も取ったけどそれにあやかろうとしたんだろうか? (あとその前に風呂上がりで腰にバスタオルを巻いただけの姿で弁当を食べていて、立ち上がってタオルが取れてバックヌードも披露してたな) あとの731がらみの話もなんとなくは解ったが、この濱中と佳代の関係についてこれなくて、731との関係がさっぱりつかめない。 ピンク映画じゃないから「仕方なく入れました」という訳でもなかろうに。 まあ杉田水脈の「LGBTは生産性がない発言」が週刊誌の記事で出てくるから(もともと「新潮45」での発言)、これがキーワードか。 最後に出てきた中学生も「あんな老人生きてる意味があるのか。生きてる意味が解らない」と言わせている。 池田は彼女が犯人だと思って防犯カメラを伊佐美に調べてもらうが、防犯カメラには不振人物はいなかった。 でもその中学生が出てきたシーンで見せた不適な笑いは怖かった。 結局最初の市島の事件の犯人ははっきりしない。 福士蒼汰はがんばってるけど、話が意味不明だし、犯人もはっきりしないし(私はあの中学生と思うけど)、もやもやした話である。 原作を読めば解るのかも知れない。 14歳の栞日時 2024年5月18日19:30〜 場所 池袋シネマロサ・地下1階 監督 竹林亮 製作 2021年公開 ある中学校の2年6組の3学期を生徒一人一人に密着したドキュメンタリー。3年前に公開され、そのときから知っていたが見逃していた。 この3月ぐらいから再び上映が始まり、最初に公開していた池袋シネマロサでも上映。今週は1日2回上映だ。 1日2回上映というのでそんなに入っているのかと思ったら、私が観た土曜の夜は20人ぐらい。ロサは箱がでかいからガラガラである。 それだけ長く上映されてるから面白いのかと思ったらそうでもない。 クラス35名全員をほぼ均等に扱うから120分の映画とは言え一人3分程度である。 本人のインタビュー、その子の部活の様子などが出てくる。 年が近ければ「ああいう奴クラスにいた」と共感を持てるかも知れないが、彼らとは半世紀近い年の差があるともう忘れた、という感じである。 スマホとかSNSはあんまり関係ない気がする。 ドラマらしいドラマもなく、中には不登校になった子がいたり、車いすの子もいる。それなりに映画的バラエティには富んでいる。 不登校の子はさすがに出てこないかな、と思ったらたまには学校にきて保健室に行ってるらしく、彼もインタビューには出てくる。 先生が「3年生の卒業式は出てほしい」というが、彼は「行かない」という。先生は「わかった。その意志が聞けただけでもうれしい」という。 たぶん以前はなにも話さなかったのかも知れない。 映画全体は学校の許可を受けた上で撮影してるわけだろうけど、彼もよく同意したなあ。 あと面白かったのはバレンタインでチョコをもらった男の子が相手の女の子の友達に彼女の好きなキャラクターとか聞いて、受信した女の子も「直接聞けよ」とかイオンで話している。そしてホワイトデーのお返しを家に持って行く。 ここを女の子の家と男が玄関で渡すシーンを劇映画のように両方から撮っている。 玄関前での渡すシーンはロングの隠し撮りだが、音声はちゃんと拾ってるので、マイクはつけてるな。 男子「今は部活で忙しいけど部活が終わったらつきあおう。俺は好きな人は変わらないから」とか言ってた。 はあ、かっこいいねえ。 あと「友達関係をリセットしたい」と言ってる女子がいて、それなりに友達つきあいしてる女子もいるので、インタビュアーが「リセットしたいとか言っても大丈夫?」と聞いている。 そうかあ、ちゃんとこの映画が元で喧嘩にならないように気を使ってるな。 あと「いじるのは話しかけるきっかけ作り」と言ってる子がいるかと思えば「いじってくる人は相手の反応を楽しんでるわけだから、そういうのに乗ったら相手の思うつぼ」という子もいる。 中学生もなかなか考えている。 クラスの人間関係も難しいものだ。 映画の最後や、この映画のHPや、映画館で「この映画に登場するのはすべて実在の人たちです。SNSでの誹謗中傷は彼らの人生に影響を及ぼしますのでお控えください」と出る。 こういう映画だから広く一般に見やすくするためにソフト化や配信はなく、劇場公開に限定してるそうだ。 追記しておくと音声の聞き取りづらさを心配してか言葉にはすべて日本語字幕付きだった。 喜劇 大誘拐日時 2024年5月18日14:20〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 前田陽一 製作 昭和46年(1971年) 赤木(森田健作)は毎日5時起きて茨城県から東京に通うサラリーマン。礼子(夏純子)という恋人がいて結婚間近だがマンションの頭金を払ったものの、建築資材高騰で追加資金を150万円と言われて困っていた。 赤木はいつも同じ電車で東京に通う通勤仲間が3人いた。内野(小倉一郎)、中谷(三木のり平)、蒲生(岸部シロー)である。 ある日礼子が働く上野の居酒屋で飲んでいるとき、スタジオカメラマンをしている蒲生がCMに出てきた北上大作という男を話をする。元は印旛沼の農家の息子だったが、土地成金で次回の選挙にまで出ようと言う男。 こいつから誘拐して金をせしめようと計画。その晩は盛り上がったが、翌日になると中谷以外はみんなやる気がなかった。 北上の孫が忍者ごっこが大好きなのでいつも祖母のマツ(ミヤコ蝶々)と遊んでいた。北上の仕事をしたことがある蒲生の伝手であるパーティに潜入、中谷は誘拐に誘う。結局赤木も礼子も内野も参加。 忍者もののテレビ番組の撮影と称して孫を連れ出すが、怖くなって内野が逃げだし、孫はタクシーに乗せて返した。だが内野の車にはマツが乗っていた。 事情を知ったマツは自分が誘拐されたことにしようと言い出す。 身代金は5億円だ。 前田陽一特集での上映。「あゝ軍歌」を観たついでに聞いたことがあった映画なので鑑賞。後に岡本喜八によって映画化される天藤真の「大誘拐」とは関係がない。原作が発表されるのはこの2年後だ。当時から天藤真の小説が映画化の話があり、この映画が盗作か否かみたいなことがちょっと話題になった気がする。(映画の見始め、キネ旬の読み始めの頃でなんかそんな記事を読んだ気がするのだ) 本格犯罪ものを期待した訳ではないが、それにしてもお粗末。 酒飲んで「誘拐だ!」と盛り上がったが、翌日になると気が引けてるとか小市民すぎる、さらに子供を誘拐して「やっぱり止めよう」と言い出すとか小市民を越えてバカである。 主人公グループがバカというのはタチが悪い。 そもそも誘拐をするのが始まって45分ぐらいでもたもたしすぎ。 でも北上が5億円の身代金をあっさり承知。それは実は地元の有力代議士から地盤を引き継ぐために5億円を要求され、誘拐犯に金を渡せば「母思いの孝行息子」になって、こちらで金を取り戻せばその金は「裏金」として使えるというお得があるのだ。 それで誘拐犯たちから金の受け渡しで何とか北上側が警察を巻き、金の受け渡しは成功。 しかしその晩には金は取り返されるという展開。 マツとしては最近変わってしまった息子が自分を大切に思ってくれてるかを確かめたかったから誘拐されたことにしたということなので、北上が有力代議士に金を渡すホテルで金を奪う手引きをする。 しかしボーイに化けた赤木が支配人に疑われ、金の入った袋をゴミに捨ててしまう。そしてすぐに回収されてしまった!という流れ。 結局、金はゴミの山から発見できず、金は入らず仕舞い。 主人公が犯罪で得た金を手にするハッピーエンドは出来ないということでの展開は理解するがそれにしてもバカすぎる。 どうしてもそうせざるを得なかった、またはもっと悪い奴に持ち逃げされた、という展開なら分かるのだが。 犯罪ものとしてはお粗末だし、「だから日本映画はダメになったんだ!」という70年代日本映画のプログラムピクチュアのダメさを表すような映画だった。 北上の秘書役で立川談志が出演。この頃はこういう仕事もしてたんだなあ。 喜劇 あゝ軍歌日時 2024年5月18日12:30〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 前田陽一 製作 昭和45年(1970年) 福田勝造(フランキー堺)は戦時中はソ満国境で戦争を経験した。今は紅観光という観光会社で東京案内のガイドをしていた。紅観光の社長カトやん(財津一郎)は戦友。でも田舎から出てきた年寄りの観光ばかりでうんざりしていた。今日も宮崎ハルミ(北林谷栄)という婆さんを御霊神社まで案内した。息子さんが戦死したらしい。このまま死ぬと婆さんは言うが、そうも行かずに自宅まで連れてくる。 アフリカに行きたいという兄ちゃんを密入国させようとしたが、失敗。兄ちゃんが隠れていたタンスが福田の家に届いてしまう。そして婆さんも養老院に入れたが逃げ出してしまい、17歳の女の子までついてくる。そしてカトやんと飲み屋街で福田を家出した夫と間違えたというツネ子まで付いてくる。福田の家には4人の居候が住み着いた。 婆さんの息子の話を聞いてみると「戦線を離脱したため、御霊神社には祀ることが出来ない」と言われているという。 よくよく話を聞いてみると福田とカトやんは戦時中、気ちがいのフリをして病院に入り、戦線から逃げていた。その時に病院で一緒だった男だ。 そのときに軍医(人見明)の嫌がらせで機銃掃射にあって死んでいた。 その軍医がたまたま旅館の手配の仕事を紅観光に持ち込んだが、福田は断った。 でも金に困ったカトやんたちはみんなで御霊神社の8月15日の賽銭を盗むことにした。福田が賽銭箱に忍び込んでのだが。 ラピュタ阿佐ヶ谷の前田陽一特集で鑑賞。この映画の製作は昭和45年。2000年を昭和20年に例えれば今は昭和44年に当たる。 経過した時間は同じだから、この映画の時代では戦争はついこの間だったのだ。 戦争に行っていた世代が中年だが働き盛りである。 今とは戦争との距離感がまるで違う。 映画では御霊神社、と言われるが靖国神社である。 劇中のせりふで「国が息子を祀ってくれない」というけど、靖国神社で祀る祀らない、は神社が決めることなので本来は国は関係ないのだが、国の戦死者に関する記録を元に決めていた、と考えれば「国が決めていた」と考えられてもおかしくはない。 婆さんの息子の為に傷痍軍人になって募金を集めようとするシーンがある。傷痍軍人というのがまだこの頃はいたのである。 そしてちまちまするより神社の賽銭をいただこうとなるのだが。 しかしまあ松竹らしい貧乏くさい喜劇である。 神社の賽銭なんか小銭ばかりで大した稼ぎにはなるまい。 そして福田の住むのが(開発前のお台場か?)バラック小屋である。 また賽銭を盗む方法というのが賽銭箱に忍び込む(忍び込み方は出てこない)だけ。とにかく安易で観てられないし、「話が安易すぎて、だから日本映画はダメなんだ」と昔思ったけど、そのまんまの感想である。 戦争との距離感の違いはよく解ったが、「軍旗はためく下に」的展開はあるものの、私の嫌いな松竹的貧乏喜劇で特に好きになることはなかった。 蒲団日時 2024年5月14日18:00〜 場所 新宿K's cinema 監督 山嵜晋平 かつては大ヒットドラマを書いた竹中時雄(斉藤陽一郎)も最近は惰性になってきていた。そんな時、新潟の女子大生・横山芳美(秋谷百音)から「先生のドラマに救われました。脚本家になりたいので弟子にしてください!」という手紙を何度も受け取る。手紙で断った竹中だったが芳美は竹中の仕事場に押し掛けてきた。仕方なく彼女の脚本を読む竹中。 彼女に可能性を感じた竹中は誤字脱字の確認を手伝わせることにする。やがて彼女はそれだけでなく書き足すようになる。その部分が制作会社のプロデューサー(永岡佑)に誉められる。彼女に才能に嫉妬しつつ竹中は彼女を利用しようとする。そんな時、芳美が新潟時代からつきあっている脚本家志望の男が上京してくることになった。大学を中退するというので「それはだめだ」と竹中は言うが、結局はやってきた。 引っ越しの手伝いをすると称してその男、田中秀夫(兵頭功海)に会い、彼を否定する。 やがて芳美が手伝いにこなくなった。今や彼女がいなければ脚本が進まない竹中は彼女の家に無理矢理に行く。そしてつい彼女を犯そうとしてしまった。 それ以降、彼女はまったく竹中から離れていく。 上映後のトークイベントにいまおかしんじ監督が登壇されるというので行ってきた。コギトワークス制作だが、レジェンドの作るR15のエロVシネ(という言い方が正しいのか)と同じような枠らしい。 予備知識なしで観たが、前半がややだるさを感じたが、後半になって「新潟の彼氏」が話に出てきてからが面白い。 その彼が「相談があるので上京するので今日は5時に終わらせてほしい」と言っても、竹中は「だめだ」と言ったあと「やることやったらいいよ」「どこまでやりますか?」「あと50枚」と無理難題をいう。 ここでいったん安心させておいて無理を言うのがミソである。 そして彼氏は大学を中退して東京に出てきてシナリオ修行する、と言い出す。竹中は「やめろ」という。普通の大人ならそういうだろう。 でもここに彼氏を近づけまいという嫉妬も見え隠れするからややこしい。 彼氏が上京して引っ越し手伝いとして会いに行く。 そこで「退路を断ってとか言ってるが彼女のそばに引っ越してきたんじゃ退路断ってないじゃないか」「シナリオも彼女もがんばればいいんじゃないですか?そういうの古いんですよ!あんたなんか30代で才能が尽きて今は惰性で書いてるだけだ!」と避難される。 こいつもよく言うなあ。一応相手はプロの脚本家だよ。 結局彼女がいなくなって本が書けなくなり、出来てもプロデューサーの受けは悪い。「もう他の人に頼んじゃったんで」と仕事を断られる。 その前に芳美の方も「前に習作を送った会社から書かないかって言われてるので」とあんなに尊敬してます、とか言ってたのにあっさり辞めていく。 彼氏の田中からも「あんた書きたい物あるのかよ!これを書かなきゃ死ねないっていうもの」と批判される。 これでもう竹中の完全な敗北である。 そして芳美が仮眠に使っていた蒲団に顔を埋める。 芳美と田中もセックスしている。芳美も彼とはなにもしていない、というようなことを言ってたけどする事はやっぱりしている。 田中「処女って信じてたみたいだよ」 芳美「聞かれてちょっとうなずいただけだったんだけど」 いや〜女は怖い。 さらに予想したとおり、芳美が仕事を依頼されたのは竹中と同じプロデューサー。師匠の仕事を奪っている。 プロデューサーに「誰か師匠いたの?」と聞かれ、「昔、ちょっと」的な完全に竹中のことは過去にしてしまってる様子。 女は怖いねえ。 竹中のほうは芳美とのいろいろを脚本に書く。 その原稿のアップになったところで、表紙が現れ、タイトルが「蒲団」 なかなかかっこいいタイトルの出し方だった。 もう一度観てもいいような面白さだった。 何度も言うけど女は怖い。 東京大地震 マグニチュード8.1(2回目)日時 2024年5月12日14:00〜 監督 西村潔 製作 昭和50年(1980年) 10年前にシネマヴェーラの千葉真一特集で見て以来2回目の鑑賞。 今回は製作関係者が放送されたものをビデオで録画していたものをDVDに焼いた形のものを鑑賞。 だから当時のCMも全部入っている。 作品全体の感想は10年前と同じ。 映画「日本沈没」のシーンが流用してあるかと思ったら、この映画の製作に関わったA氏(録画の人とは別の人)の話では相模湾の海底が地割れをするところはTV「日本沈没」からの流用だが他は新撮影だということ。 映画「日本沈没」からの流用は一切ないようだ。 とはいっても石油コンビナートの爆発とか、ガソリンスタンドに突っ込む車とか似たようなカットがある。だから流用だと思っていたが、結果的に似てしまったということらしい。 東京が大火災になっている俯瞰の夜景、手前の方のビルなどは作り込んであるが、奥の方などはみかん箱をひっくり返したものに布をかぶせて燃やしているとかもあったそうだ。 あと内トラも多く、結婚式のシーンでは仲人の役は坂野義光さんらしい。 先ほどのA氏も地割れを起こした道路に飲み込まれる人(ここは特撮班が撮った)で出演したとか。 それにしても脚本の下飯坂菊馬、全く知らなかったが検索すると昭和33年から大映、そして昭和40年ぐらいから東映で脚本を書いている。 そこそこ職人ライターだったんだ。 もう一人クレジットされてるのが笠原和夫。 大臣の岡田英次に千葉真一が「あんたらは安全圏にいてこんな立派な弁当を食っている。しかし外にでればみんな生きるか死ぬかなんだ」というようなことをいう。 あとから考えればこのあたりがなんだか笠原さんぽい。 今回CM付きだったので当時の時代の空気を感じられた。 システムキッチンのCMとかあったけど素材がどうとかを強調する。また車も「ICチップでクラッチを制御」と言ってなにやら基盤が写される。 今は住宅のCMは家族の団らんとかが強調されるし、車も性能よりも居住性が強調される。 案外、性能的にはもうみんな満足してるのかも知れない。 だからこそハード面ではなく、ソフト面を強調するのではないか。 そういうことも感じられて、興味深かった。 地球星人(エイリアン)は空想する日時 2024年5月11日20:15〜 場所 新宿k's cinema 監督 松本佳樹 雑誌記者の宇藤は自分にとっては興味のない取材ばかりでうんざりしていた。そんな時、石川県の羽咋(はくい)市で宇宙人にさらわれたという事件を調べることになった。羽咋は江戸時代からUFOの噂のある町だった。UFO博物館もある。宇藤はスタッフに案内されているときにチケットも買わずに入る女子高生ぐらいの女の子を見かける。 思わずとがめる宇藤だが、スタッフに「あの子はいいですから」と止められた。アブダクションはある神社の防犯カメラに森に入っていく大学生がいたが、森を抜ける道はないはずなのに防犯カメラにも写らず、森の反対側で発見されたという話だ。 例のアブダクションの現場に行ってみるとその女子高生もいた。 聞き込みをする途中、数年前にもUFOにさらわれたという女子中学生の話を聞き出す。その女子中学生が、宇藤が見かけた女子高生・乃愛だったのだ。 結局大学生の方は昔使われて今は使われなくなった抜け道を使って移動したという自作自演だった。 数年前の乃愛の誘拐事件は単なる家出事件として警察は捜査を終了していた。しかしかつて世間を騒がせた宗教団体が関わっていると確信する。その宗教団体が乃愛を拉致監禁したのでは考える。その宗教団体の幹部・鳩代という男が羽咋近郊に住んでいると知り、彼が犯人では?という記事を書き、反響を呼んだ。 その宗教団体は異常な献金などでその後摘発されていた。しかし鳩代はその内部告発した方だったのだ。鳩代が乃愛を拉致誘拐したのではなく、乃愛の意志で鳩代に会いにいったと考えるようになる。 アブダクション事件を追うジャーナリスト、とかなんだかわくわくさせるようなネタだったので初日に見に来た。というか20時15分からのレイト枠で2週間上映だから土曜日に見ておかないと時間が合わないかも知れないから。 結論からいうと期待した内容ではなかった。 乃愛は小学校でリンゴの絵を描いたとき、みんなは赤いリンゴを描いて自分だけ真っ青なリンゴを描いて奇異な目で見られ、そこから自分と世界の違和感を感じるようになったのだ。 宇藤自身もやたら正義感が強く「この雑誌はどうでもいいことばかりを伝えて本当に大事なことを書かない!」と義憤にかられている。乃愛がUFO博物館に勝手に入っていったのを咎めるのもそうだ。 乃愛はそういった違和感を鳩代たちの宗教団体たちの思想に感化され「自分は本当は宇宙人でその魂がたまたま地球に来てしまった」という考えにたどり着いたというもの。 要するにこの世に違和感を感じて居場所を見つけられない女の子の話なのである。 期待したのと違ったなあ。 それ以上に撮影、編集に気に入らなかった。 手持ちカメラで映像はぐらぐら揺れっぱなし。しかもあれは手ぶれで揺れているのではなく、明らかにわざと揺らしている。さらにカットも短く嫌いなタイプの編集。 監督は1995年生まれの29歳。でも撮影したのは2021年だったそうだから26歳ぐらいの時に取ったことになる。 舞台挨拶で主演の宇藤さん以外主要キャストと監督が登壇されたが、監督は好きなSF映画の話になって「エブリシング・エブリフォエア・オール・アット・ワンス」をあげられていた。 私は未見だが、なんかナイーブそうな感じがする。 ハードボイルド・レシピ日時 2024年5月11日17:10〜 場所 シネマート新宿・スクリーン2 監督 松浦本 北斗会のサクマは組の集会に遅れて行ったところ会長や幹部は全員殺されていた。今度取引をする外国の組織との接触を好まない同業者にやられたらしい。外国組織との連絡係、カドクラ(筒井真理子)から連絡があり、凄腕のボディガードがあなたを守ると言ってくれた。だが連絡があったのはどうみてもそこら辺にいそうな若い女の子。しかし新宿の路地であっと言う間に敵3人を倒してくれた。 刑事のミズサワ、サトウはある武器商人が麻薬を日本の組織に売ろうとしているという情報をつかんだ。おおっぴらに捜査できないので通称マニラシスターズと呼ばれる極悪三姉妹を使うことにした。 取引があるという日、ミズサワ、サトウはトラックに偽装した指揮車に乗り、ホテルから出てきた男を対象A、女を対象01としの尾行を開始する。 まずは三姉妹の三女が尾行を始める。すると対象01に若い女が接触してきた。今度は次女が交代。ついで長女が交代。 しかし長女は若い女の動きに不振なものを感じる。どうも尾行を意識しているようだ。 そのころ、対象Aはサクマと接触していた。 いまおかしんじ監督がブログで「ハードボイルド・レシピ観た。新宿、渋谷でずっと撮影している。どうやったんだろ」と書いていて週末に観る映画を探していたときだったので、これに決めた。 「一見その辺の女の子にしか見えないけど実は凄腕の殺し屋」というのは昨年「ベイビーわるきゅーれ」で観て「面白かったけどもう宍戸錠が殺し屋の時代は終わったなあ」という感慨を持ち、今回も冒頭からそんな感じだったので少々心が離れる。 しかし新宿、渋谷で完全ロケ。しかもこういうロケにありがちな手ぶれカメラのぐらぐら映像が全くない。カットはかなり割ってるし、移動とかはあるけど安定したカメラワークで観ていて安心。 映画のほとんどがただ尾行してるだけと言ってしまえばそれまでの内容なのだが、その尾行の描写が丁寧なので飽きさせない。 ここまで尾行が丁寧なのは80年代の刑事ドラマ「ジャングル」の空き巣の常習犯のエピソードで容疑者を尾行するシーン以来ではないか。 尾行している次女が指揮車に戻ったらコートにシールが貼り付いている。これで実は尾行がばれていたという展開。 ラストはこの三姉妹とこの悪党専門ボディガードとの対決。 ここが宇都宮スカラ座でロケされた模様で、映画館でのドンパチは大好きなので満足。 基本、女の子同士の戦いとかあまり個人的には興味がないし、映画を通じて視点がまとまってないとかの疑問点はあるのだが、総じてよかった。 見逃さなくて本当によかったと思う。 75分と上映時間が短いのもいい。 危険な女日時 2024年5月10日 場所 amazon prime video 監督 若杉光夫 製作 昭和34年(1959年) 小説家の杉本(芦田伸介)は東中野の駅前の新聞スタンドで山梨県の地方紙を買う女を見かける。自分の小説が読みたくてこの新聞を買っているのだという。 そのときは特に声をかけなかったが後日出版社で「僕の小説を読みたくてわざわざ地方紙を買ってる人もいるんだ」と話したところ信じてくれない。 記者の篤子に頼んでまた買いにくるだろうということで新聞スタンドに張り込んでもらった。彼女は見つかり、銀座のバーに勤める潮田芳子(渡辺美佐子)という女性だと判る。 しかし数日後、芳子は新聞を買うのをやめたと知る。杉本はもう一度山梨の地方紙を調べてみた。ちょうど彼女が新聞を買い出した頃に心中事件のニュースが載っていた。そして購読が終わった頃に「心中事件の捜査終了」の記事が載っていた。潮田芳子とこの心中事件は何か関係があるのではないか? 心中事件で亡くなった男を篤子に頼んで調べてみると実に悪い男だったらしい。杉本は芳子の勤めるバーに行ってみる。 わざと心中事件の話を芳子に振ってみる杉本。 篤子は心中事件の男が芳子のアパートに時々来ていたのを突き止めた。芳子に山梨の心中事件の男と関係を問いただす。実は彼に脅かされていたという。 やがて杉本は芳子に「誰か女性と3人で伊豆に行きましょう」と誘われた。杉本は篤子と3人で伊豆にハイキングに出かけた。 昼を食べるとき、芳子は作ってきたサンドイッチを勧める。しかし杉本は「これには毒が入っている」と捨ててしまう。怒った芳子は残りのサンドイッチを全部食べた。しかし芳子はなんともなかった。 後日、彼女から杉本の元に手紙が来た。毒が入っていたのはサンドイッチではなく、ジュースの方だった。 「アリバイ」を見終わってアマゾンから「おすすめの作品」として紹介されたのがこれ。紹介文を読むと松本清張の「地方紙を買う女」らしい。 早速見てみたらやっぱりクレジットに「原作 松本清張」とある。 調べて見るとこの原作、映画化1回、テレビドラマには9回なっている。 すごいな、松本清張原作ものでも最高の回数じゃないのか。 なんだろうね、この魅力は。 やはり導入の地方紙を買う女の目的は実は別のところにあった!というアイデアか。 原作は読んだと思うが、これは新聞社にバックナンバーを取り寄せる形での購読だったと思う。 「それでは画にならん!」と判断されたのか、全国各地の地方紙を売っている新聞スタンドが登場。かつてそんなスタンドがあったのかは判らないが、なんか映画的である。 55分のSPだし芦田伸介が主演という地味な映画である。 正直展開もちょっと遅くて間延びした印象。 昨日観た「アリバイ」に比べれば見劣りする。 でも「地方紙を買う女」が好きな自分としてはテレビドラマ完走はしたい気分である。 アリバイ日時 2024年5月10日 場所 amazon prime video 監督 牛原陽一 製作 昭和38年(1963年) 世田谷の住宅街でアルファ電機の経理担当の中島が射殺体で発見された。 警視庁捜査一課の畑中(二谷英明)と所轄のベテラン刑事佐川(宮口精二)は拳銃の出所を追う。数日前に米軍立川基地から盗まれたコルト457丁のうちの一つとだと判明。他の拳銃は回収されたが、最後の1丁は大野という男と判明した。滝村は流しの強盗と見せかけて知人が訪ねてきて殺したと判断する。また三和銀行から額面100万円のギフトチェックが届いていたと判明。銀行から中島に送ったのは千恵(渡辺美佐子)と判明。千恵に聞き込みに行ったが夫が送ったのではないかという。 千恵の夫は呉羽という中国人で捜査二課も目を付けている詐欺の常習犯だった。二課の滝村(鈴木瑞穂)も加わり、畑中たちは千恵をマークする。 すると千恵は関西にいた頃大野と付き合っていたと判明。 アルファ電機は近く新製品の生産工場建設のため呉羽から融資を受けていたと解る。呉羽は融資相手に最初は低利で金を貸しておいてやがて融資してほしい額の手形を発行させる、しかし手形を受け取ってそのまま融資しないという詐欺を行っていた。アルファ電機もこれに引っかかったと思われるが、信用問題もあるのでアルファは認めようとしたい。 しかも中島の殺された犯行時間に千恵と大野は会っていて、その時間に薬局でアンプルを飲んだという。薬局に捨てられたアンプルと大野の指紋を照合。大野の指紋のあるアンプルは見つかった! アマゾンで検索していたら「関連作品」として出てきたのがこの映画。 地味な刑事映画らしいので早速鑑賞。監督は牛原陽一。牛原はマイベスト日活アクションの「紅の拳銃」の監督だ。 派手な展開もなく、私の好きなタイプの刑事映画だ。面白い! 脚本、助監督は熊井啓。そういう目で見るからかも知れないけど名作「日本列島」の原型を見る思いがある。 鈴木瑞穂が「この呉羽という奴は数年前から内偵してるんですが、最後の最後で合法的に逃げられてしまう。なんとかしたいと思ってるんですよ」というあたりは完全に「日本列島」の刑事と同じである。 佐川が昔ながらの刑事で「私の勘では大野が本ボシです。科学とか関係ない。そういうのは違うとは思うんですが、絶対にあきらめられないのです」という。(そういうのが時として冤罪を生むんだけどね) このあたりの老刑事と若手刑事の組み合わせは「野良犬」「張込み」「点と線」でも描かれたお約束のパターンだ。 佐川は妻が病気で危ないにも関わらず捜査に向かう。結局は妻は亡くなるのだが、ここだけだと単なるウエットなエピソードを無理矢理入れたように感じる。 しかし脚本も一工夫していて、アルファ電機から呉羽のことを何とか認めさせようとして社長(下元勉)を尾行する。そのことで妻を看取ることができなかった。それを引け目に感じて社長は葬式に個人名で花を出す。 それがきっかけで最後は呉羽に手形をパクられたことを認める。 結局薬局に来た男は大野と同じような服装をした男に行かせ、アンプルは事前に用意したものとすり替えたという結末。 しかし大野も妹を呉羽に誘拐され、自白するわけにはいかない。 という訳で最後は呉羽の手下のチンピラ(郷英治〜エイは金偏に英が正しい)たちと畑中が対決。 このシーン、花畑で対決するので、「野良犬」を思い出す。 熊井啓なら書きそうかな。 これで呉羽も国外逃亡寸前に逮捕。 中島の妻が逮捕の電光ニュースを見るシーンで終わる。 ラストカットは渋谷の夜景なのだが、これがハチ公前広場から今の109方面を見たカットで、なんと「マタンゴ」のネオンサインが点滅している。 今のTOHOシネマズ渋谷の場所だ。旧渋谷東宝の場所だろう。 なんか得した気分。 緑色の髪の少年日時 2024年5月6日 場所 DVD 監督 ジョセフ・ロージー 製作 1948年(昭和23年) ある警察署では10歳ぐらいの坊主頭の少年を保護していた。だが少年は名前さえも教えてくれない。 医師のエバンスが呼び出され、少年から事情を聞くことに。お腹が空いていたのか出されたハンバーガーはすぐに食べた。やっと心を開いてくれた少年は、生まれた頃からの話を始めるのだった。 少年・ピーターは両親が亡くなってから親戚中をたらい回しにされた。やっと祖父のフライに引き取られた。フライは芸人で何かと楽しませてくれた。 学校にも通い始め、友達も出来楽しい日々が続いた。 戦災孤児のために服を集めるボランティア活動をする彼ら。その時ピーターの友人が「君も戦災孤児なんでしょ?先生が言ってた」とつい言ってしまう。両親は旅行中でいつか帰ってくると信じていたピーターは怒って喧嘩になってしまう。なんとかなだめる先生。 その晩、風呂に入って髪を洗うと髪の毛が緑になっていた。 石鹸のせいかと思って再度洗っても緑のままだ。 翌日から周りの人々から奇異な目で見られる。 「伝染病だから近づくな」とまで言われてしまう。「牛乳のせいだ」とも噂する人々。医者もわからないという。髪を全部刈ってしまえばまた黒い髪が生えてくるかもしれないと言われる。 町の人々の不安を和らげるために髪を切るようにフライはピーターにいうのだが、ピーターは拒絶する。 これも昔買ったままになっていたDVDの1本。 下高井戸駅の改札の前にある書店で買った記憶がある。買ったのは2013年10月6日。この日は下高井戸シネマで「惑星ソラリス」を観た日だ。だから下高井戸で買ったのは間違いない。 反戦映画ということで買ったのだと思う。期間限定価格280円。 まあやたらとDVDを買いあさってした時期だったのだな。 「両親は死んでいないと信じる」というピーターの気持ちは解るけど、戦災孤児をなんか異端者のように扱う設定がよくわからない。 正直、第二次世界大戦直後のアメリカの空気がよくわからないからなのか。 でも後半の「緑色の髪の少年」を異端視する、というのは現代日本でも通じる。いや現代日本特有の現象なのかと思っていたら、アメリカでもあるのだな。 異分子、異端児、見慣れないものへの恐怖。 そういう恐怖が排除という方向に向かっていく。 今の日本でいえば外国人、LGBT、夫婦別姓などなど今までの価値観とは違うものをすべて排除しようとする恐怖。 この映画では少年は周りの人を安心させるために髪を切るのだが、結局は家出をする。 そして冒頭につながるのだが、結局は警察におじいちゃんと担任の先生と医者の先生が迎えに来てくれている。 最終的にはハッピーエンド。 これが少年を殺してしてしまったりしたら「ミステリー・ゾーン」にありそうな話になる。 でも今でもリメイクしても十分通じそうだから、怖い話だ。 愛獣 熱く凌す(けがす)日時 2024年5月5日18:40〜 場所 上野オークラ劇場 監督 和泉聖治 製作 日活ロマンポルノ 富士山の麓に住む奈津子と父親の藤二郎。藤二郎はかつて妻がバイクで遊びに来た若者にレイプされ自殺したという過去を持っていた。奈津子の妹の可奈子はそのレイプされた時にできた子供という噂もあった。妹は今は父親と喧嘩して家出中だった。 ある日奈津子は今つきあっている男から雑誌のグラビアに加奈子が載っているのを見せられる。 奈津子は出版社に行き、このグラビアの女性に会いたいと訪ねていく。 カメラマン、芸能プロダクションなどを訪ね、仲のよかったモデルから「今は横田基地の近くにいて黒人とつきあっている」と教えてもらった。 編集部で出会った男、真鍋の車で妹のアパートに向かう。 妹はいなくて、夜になり置き手紙を置いていくことにした。 仕方なく、奈津子は真鍋のアパートに泊めてもらった。しかし温和しいと思われた真鍋は奈津子を犯した。 奈津子はかつて自分もレイプされた経験があり、そのことが蘇る。 翌日奈津子たちは再び加奈子のアパートへ。呼び鈴を押しても出なかったが、裏へ回って見てみると妹は確かに黒人の男とセックスしていた。 部屋に入る奈津子たち。黒人の男は奈津子から「姉」と紹介されると自然に握手を求めてきた。 黒人の男が帰った後話す奈津子と加奈子。加奈子は「彼は今は基地で働く整備士だけどエンジニアになろうとして勉強もしている。そんな彼を悪く言うのは人種差別だ。とにかく家には帰らない」と拒絶。 仕方なく実家に帰る奈津子。真鍋は奈津子を実家まで送っていくという。 途中の湖で泳ぎたいと奈津子は言い出す。 泳ぐ二人。崖のある場所に連れて行く。 奈津子は「ここは母が自殺した場所。母に包まれているよう」と言うのだった。 話は全部書いた。15時半頃オークラに着いたときに途中から見て最後にもう一度最初から観た。 時々、奈津子のレイプの回想シーンが入るのだが、水の中から奈津子が顔を出すカットが入る。これが「地獄の黙示録」のウイラード大尉がカーツの砦でカーツを殺しにいく直前の水の中から顔を出すカットのようだった。 結局母の自殺した場所で唐突に終わって、落としところがはっきりしなかったなあという印象。 わたしの同級生 肉感の果てに日時 2024年5月5日17:21〜 場所 上野オークラ劇場 監督 木村緩菜 昨年11月にOPフェスでR15版が公開され、5月3日からR18が公開。 前に観たときは少し話が混乱してきたな、という感想で終わったのだが、そういう感想はなかった。 後半、置いてあったボルボの車に乗って逃げるのだが、この車を追いかけてきた男に主人公の愛子が「なんでこんなところにいるの?」「お前こそこの車がなにかわかってるのか?」という。 このあたりが新しい人物が登場した、と前に観たときは思ったのだが、今回は不倫相手だった教習所の教官と思った。 そして今回はラストは「どこにも行く場所がないね」と途方に暮れる二人で終わる。 この方がごちゃごちゃクドくなくてよかったと思う。 蒼井そら 肉欲授業(2回目)日時 2024年5月5日16:19〜 場所 上野オークラ劇場 監督 高原秀和 上野オークラも久々である。木村緩菜監督の「安住の地」のピンク版が5月3日から上映され、それでやってきた。 んで3本立ての1本目がこれ。 観ているうちに「あるもんしかないがいいか?」と教師役の那波隆史さんが言ったあたりで「あれ観たことある?」と思って映画館を出たあと検索したら2018年3月31日に観ていた。 別の映画で櫻井拓也さんと那波隆史さんを目当てに見に行ったようだ。 感想を読み直したが、今回観て特に違った感想はなし。 ピンク映画鑑賞ではよくある話でした。 階段の先には踊り場がある(浅草九劇)日時 2024年5月5日11:00〜 場所 浅草九劇 監督 木村聡志 製作 令和3年(2022年) 製作会社のレプロが「感動シネマ」シリーズ枠で製作した6本の作品を2日間で一挙上映というGW企画。 昨日は「はざまき生きる、春」も上映された。今回上映後に監督、出演者との質疑応答のトークセッションが行われるということで行ってきた。 参加は木村監督、植田雅さん、朝木ちひろさん、平井亜門さん。 実を言うと開始時間についてイベント告知のHPでは「10時45分開場、11時上映開始」となっていたのだが、チケットをネットで買ったときの購入完了メールでは11時15分開場、11時30分上映開始と書いてあり、出がけにメールに書いてあった時間に合わせて11時頃九劇に行ったら「もう始まってます!」と言われてあわてて劇場に入った次第。 イベント後、「なんで時間が違ってるんだ」という話をしたが、「あれはイベント自体の開始時間でした」で昨日は「11時15分」に開場していた。 とにかく対応した人が要領を得なくて(たぶんWEB担当ではないのだろう)結局「返金します」と言ったが、今後もレプロと関わることがあるかも知れないし、向こうもそれほど客も入ってないだろうから、「いざとなったら返金する」という覚悟が聞けたので、ここで納めた。 でも1日中、モヤモヤした。 (で帰りに以前言って閉まっていた「PERFECT DAYS」に登場した浅草の地下の福ちゃんで焼きそばとレモンサワーを食べてきた。 焼きそばはそばとキャベツだけで縁日の焼きそばよりお粗末。二度と行かない) で今回の会場の浅草九劇1階にカフェがあるのだが、ここが映画中の多部ちゃんと先輩がバイトする店のロケ場所だったんだそうだ。 このカフェを事前に入った人だけがティーチインに参加できるというシステムだが、特にチェックはなかった。 質疑応答はなかなか手が上がらない。結局私から。 私「映画の後、多部ちゃんと先輩はつきあったんでしょうか?」 木村監督「よくあの後どうなったんですか?と聞かれることがありますが、つきあって結婚しますということもあるんですが、後の作品では先輩は別の人と結婚したりするので流動的です」 という答え。 あとは「先輩が作った怪しい飲み物のレシピは?」 監督、平井「野菜ジュースとシロップにコーヒーミルク。野菜ジュースの味が強いのでそんな変な味ではなかった」 あとトークで 平井「植田さんで忘れられないのはアップリンク吉祥寺だったと思うけど公開時の舞台挨拶が一通り終わったときに『これでみなさんともお別れですね』と一生会わないような感じで言ったこと」 植田「いや会わないかも知れないから」 平井「あっ、毎回毎回これが最後と思って1回1回を大切にしようってことね」 という感じで結構不思議ちゃんでした。 「階段の先には踊り場がある」鑑賞記憶 2022年3月池袋シネマロサ(封切り時の舞台挨拶。このときが平井亜門を最初に観た日。「運命警察」のためだと思うが、金髪にしていて驚いた) 2023年3月(だったか)アップリンク吉祥寺(ムーラボ枠だったと思う)このパンフのサイン会の時「UnitUp!見てます」的な話をした気がする。 2023年12月東京ドーム近くのイベントスペース。主催者の態度が悪かった場所。 2024年2月高崎。22時過ぎに終わって無事帰れるかギリギリだった時。 2024年3月刈谷日劇。いい旅行だった。 んで今回で6回目。 注:その後2024年8月4日のフォーラム仙台での木村監督、平井亜門さんの舞台挨拶付き上映に参加。 同時鑑賞は「このハンバーガー、ピクルス忘れてる」 水深ゼロメートルから日時 2024年5月4日13:50〜 場所 ユナイテッドシネマ・テラスモール松戸スクリーン5 監督 山下敦弘 夏休み。高校2年生のミク(仲吉玲亜)とココロ(濱尾咲綺)は補習と称して学校のプールに集められた。そこには水泳部のチヅル(清田みくり)がいた。プールに水はなく、野球部のグラウンドから飛んできた砂がプールの底に溜まっている。体育教師の山本(さとうほなみ)はミクとココロに砂の掃除を命じて去っていく。 隣のグラウンドでは野球部が甲子園に向けて練習中だ。エースのクスノキは中学までは水泳部でチヅルと同じ部だったが高校に入ってから野球を始めた。それでエース。 水泳部も男子はインターハイに出場している。ココロはメイクが好き。本人曰く「可愛い方がいいに決まっている」 ミクは阿波踊りを習っているが、女踊りではなく男踊りをしている。子供の頃は何と思わなかったが、今は恥ずかしい。 そこへ水泳部の引退した3年生のユイ(花岡すみれ)もやってきた。水泳部の元部長だが、チヅルに比べればスピードも遅く、引け目を感じていた。 「アルプススタンドのはしの方」という名作を放ったスポッティッドプロダクションが送る高校演劇の映画化第2弾。 ちょっと期待していたのだが、完全に乗れなかった。 もう私のようなおじさんに女子高生特有の悩みなんか共有できるわけがないのである。彼女たちの悩みやグチが延々と出てくるのだが「えっ女子高生ってそんなことで悩んでるの?」という驚きしか出てこない。 それを知れただけでもみる価値はあったと言えばあったのだが、ただ驚いているだけで「そうだよなあ」という共感には至らなかった。 「アルプススタンドのはしの方」は藤野富士夫という男子もいたし、それにインフルで演劇大会に出られなかったとか、エースがいるので頑張ったってどうせ試合には出られない、という男女関係ない、高校生とかも関係ない人間として共感できる。だからこそ私の心にも響いた。 しかし今回は女子高生特有の悩みで(高校生の化粧の是非なんて、私が「化粧はしないほうがいい」って言ってもそれは単なる女子高生に対する好みでしかない)完全に置いてきぼり。 脳天気なようで彼女たちも悩んでいるのである。 出演では教師役の山本がいい。 ココロと言い合いになって「私だってもっとメイクしたいけど押さえてるの。濃い化粧したら他の先生や、生徒たちからなんて言われるか。先生らしくとか言われるに決まってる!」とつい言い返すシーンはよかったと思う。 他の大人はどう感じたのだろうか? 女子高生の悩みを共感できたのだろうか?そっちが気になる。 悪は存在しない日時 2024年5月4日10:10〜 場所 キネマ旬報シアター・スクリーン2 監督 濱口竜介 長野県のある町。巧(大美賀均)は近所のそばやで使う水汲みの手伝いなどをしていた。彼には花(西川玲)という幼い娘がいた。 この町では今度グランピング施設の計画が進行中だった。キャンプ場とホテルの中間のような施設だ。 事業者は芸能プロダクションで別にホテル業界の人間ではない。コロナの補助金目当ての事業だろうと噂している。その説明会が行われた。 担当の高橋は住民からの心配や提案に「持ち帰って検討します」としかいわず、住民の不安は募る。 下水による水が汚れるのではないか、訪れた人がキャンプファイヤーなどを行って山火事の心配はないか、などなど。 芸能プロの本社では「もう補助金もらってるから着工の予定は変えられない」と社長や現場を見ないコンサルタントはいう。コンサルタントの提案で巧に管理人として働いてもらうのはどうかと提案される。 社長も「それがいい、今から行け」と高橋に命じる。 住民たちと直接はなしている高橋たちは住民の不安や懸念ももっともだと考えていた。むしろ高橋は芸能プロの仕事にも惰性でしていて、いっそ自分が管理人として働こうかと考えていた。 巧に相談したが巧は「私は暇ではない」と拒絶した。 その日、保育園に花を迎えにいく。だが花は一人で帰ったという。 しかし夕方になっても花は見つからない。 朝になった。 特に濱口竜介は好きではないのだが、本日松戸の方にいくので前から気になっていたキネマ旬報シアターに行くのが目的で、観てもいいかなと思っていた「悪は存在しない」を観た。 正直前半は耐えられない。 林の中を延々と移動で花と巧が木の話をしながら歩く。 巧が延々と薪割りをする、などの描写が長く私はいらいらしてしまう。 しかし業者の説明会が始まってからは興味がわいてくる。芸能事務所が経営するグランピング施設なんていかにも怪しく、自然を理解していない都会の象徴、といった感じである。 その対立は簡単すぎるといえば簡単すぎるという気がしないでもない。 ラスト、花は見つかる。 ここから数カット解釈に若干迷う。 最初花は元気な姿。次に銃で撃たれた鹿。駆けつけようとする高橋、それを後ろから首を絞め行かせまいとする巧。そして今度は亡くなっている(だろう)花の姿。 その前にグランピング場は鹿の通り道という話が出てくる。「野生の鹿は人は襲わない。襲うとしたら手負いの時だ」 恐らくは猟師によって撃たれた鹿と花が遭遇し、花は亡くなったのだろう。 「自然と共生しようとせずに自然を娯楽としか見ない都会の人間へを自然が拒んだ」的な「自然と共生しない人間=悪」的な結末で、いやおっしゃることはごもっともなのだが、都会に染まりきった私のような人間には「はいはいお説教賜っておきます」となってしまう。 いや、人間そのものが自然にとっては悪だというのは数々のSF映画とか怪獣映画でも出てくる話であんまり面と向かって言われると「なんだかなあ」という感じである。 まあいい映画なんだろうけどさ。 アリスの恋日時 2024年5月3日 場所 DVD 監督 マーティン・スコセッシ 製作 1974年(昭和49年) 子供の頃歌手を夢見ていたアリス(エレン・バースティン)も27年経って今では11歳の男の子の母親。夫は気分屋で気に入らないとすぐ怒る。ところがある日交通事故で夫は急死した。 アリスは故郷に戻って歌手になって息子を育てようと思う。 家財道具や服を売って車で旅に出る。 最初の町でなんとかバーの歌手の仕事にありついた。安いモーテルに泊まるが息子のトム(アルフレッド・ルター)は「する事がない」と不満。 ある日、ベン(ハーベイ・カイテル)という8歳年下の27歳の男に口説かれる。最初は拒んだアリスだったが、彼の強引さに負けて体を許す仲に。 しかしある日ベンの妻がやってきた。ベンもやってきて部屋中で大暴れ。 アリスとトムはなんとか逃げ出した。 次に着いたのはトゥーソンの町。この町のレストランでウエイトレスの職を得た。そこでまたディビット(クリス・クリストファーソン)という男に口説かれる。今度は息子ともうまくやってるし、大丈夫そうだ。 しかしトムの誕生日の日、ギターをデヴィッドから教わるトムが「出来ないよ」と言ったことから喧嘩になり、デヴィッドはつい手を出してしまう。アリスとデヴィッドは険悪になってしまう。 これもDVD買いっぱなしの1本。(買ったのは2009年1月18日HMV新宿サウス。高島屋の12階にあった店だ。ちなみに「地獄に堕ちた勇者ども」と一緒に買っている) マーティン・スコセッシ監督の「タクシードライバー」の前の映画。 高校生ぐらいの時にも見た記憶がある。どこで見たのだろう。伏見の名宝シネマだったか、それとも中日シネラマの1回の名画座だったか。 なぜ観たかというと「タクシードライバー」ファンだからではなく、息子役のアルフレッド・ルターが目当てである。 彼は後に「がんばれ!ベアーズ」でやたらとスコアに詳しい頭脳派のオギルビーを演じていて、彼のプロフィール欄にこの映画があったから。 それで観ていたが、当時まるで面白くなかった。 (「タクシードライバー」は観ていたと思うが、「ずいぶんと違うな」とも思った) で今回40年以上ぶり(たぶん)に観たわけで、感想が変わるかと思ったら変わらない。だらだらとした話である。 そもそもアリスがなんか好きになれない。 「子供の頃歌手になりたいと思った」という回想シーンが出てくるけど、ここは「オズの魔法使い」をまねているのだろうか? 「子供育てなきゃいけない」という事態なのに、「夫も亡くなったいい機会だから歌手に再チャレンジする」という。いや、地道に働いた方がいいんじゃない? (そういうのが男性目線なのかなあ??) その割には男を作ったりしている。 最初に出てきた「実はDV男(という言葉はまだなかったが)」がハーベイ・カイテルなのは驚いた。 この後の二番目の町でギター教室の友達がジョディ・フォスター! 「タクシードライバー」の二人がこの映画でも出演していたとは! 「故郷に戻って歌手になる」のが目的なんだから、早く帰れよとも思うのだが、ここがアメリカと日本の国土の広さの違いかも知れない。 (日本なら北海道から九州まで車で行っても2〜3日で着くだろう) で新しい町でもまた男が出来る。んで最後は別れるかと思ったら結局よりを戻す。 ぜんぜん女性の自立じゃないじゃん。 と思って特典映像のインタビューを観たら、ラストをどうするか撮影当日までもめたらしい。 そもそも「エレン・バースタインで主演映画を撮る」ということの中から出てきた企画で、監督は「若手がいい」ということでエレンがコッポラに紹介されて会ったのがスコセッシ、という流れだったそうだ。 70年代のウーマンリブ運動が始まったばかりで「女性が自立する話」というのはまだ珍しかったらしい。 それならばラストでエレンは男と別れて目的地に向かうべきだと思うし、エレンもそう思ったのだそうだ。 ところがプロデューサーは「ハッピーエンドであるべきだ!」と結婚を主張。 それで困ったところへクリス・クリストファーソンが「男が牧場を捨てて彼女に着いていくって言うのはどう?」と折衷案というかいいとこ取りのアイデアを提案してくれてそれで決まり!となったそうで。 となると「女性の自立を描きたい」と言いながら結局は「女の幸せは結婚」という昔ながらの考え方(日本だけでなくアメリカでもそうなんだな)に従うという中途半端な映画だなあ。 女性の自立というなら「その場所に女ありて」の方がよほど自立している。 あと店が忙しい時間帯に泣き出してトイレでウエイトレス仲間が慰めて店がてんてこまいになるのを笑いにする設定は私は嫌い。 迷惑この上ない。 やっぱり好きになれない映画だったな。 海の牙日時 2024年5月3日 場所 DVD 監督 ルネ・クレマン 製作 1946年(日本公開1948年〜昭和23年) 1945年4月18日、医師のギベールは故郷が解放され、家に帰ることができた。その翌日、オスロの港から密命を帯びたUボートが出航した。 乗組員だけでなく、国防軍のハウザー将軍、ゲシュタポのフォルスター、その部下のウィリー、イタリア人実業家ガローシ、その妻ヒルデ、ノルウエーの学者エリクセンとその妻、フランス人の新聞記者エリックセンなどのお客も乗せていた。 途中、英軍の攻撃に合うUボート。艦は助かったが、ヒルデが頭を扉にぶつけて怪我をした。医者がいないために仕方なくフランスに上陸、その土地の医者だったギベールを拉致した。 ギベールは殺されるかも知れないと思ったが、無線係が脱出用ボートの場所を教えてくれた。単独の脱出は出来なかったが、無線係がベルリン陥落、ヒトラー死亡のニュースを教えてくれた。 艦長たちもどうするか相談したが、「これは敵の攪乱か、ドイツ首脳部が連合軍を欺く作戦だ」とし、作戦の続行を指示する。 目的地の南米に着いた。ここで現地の工作員が燃料等の補給が手配されているはずだったが、もはやドイツに協力しても何も出てこないと思われ工作員は全くやる気がない。果てはウィリーは逃亡を計る。 もう一度出航したものの燃料が足りない。まだ港に近いうちにエリックセンも逃亡を図るがフォルスターに殺された。またエリクセンも娘を残し逃亡した。 燃料は補給船を呼んで補給することになった。 補給が始まったとき、すでに停戦命令を受け取っていた補給船から停戦命令を伝えられる。艦長やフォルスターは拒否。 しかし乗組員は反乱を起こす。 これも2009年5月9日に買ったままそのままにしていたDVD。 このGWはこういった「買ったまま」DVDを鑑賞していくのが目的。出来るだけ観ていこう。そして処分しよう。 監督はルネ・クレマン。「禁じられた遊び」の方なので叙情的な映画の方なのかと思っていたら、結構潜水艦戦争映画している。 女性が乗り込んでいて、密命を帯びた潜水艦とか東宝の「潜水艦イー457降伏せず」に似ている。案外元ネタなのかも知れない。 無線係がなぜフランス人のギベールに好意的だったか疑問だったのだが、見終わって考えると彼は無線係という立場上、敵のラジオ等も聞いていてドイツ降伏を予期出来た可能性もあるからフランス人に恩を売っておこうと考えていたかも知れない。 降伏命令を受けてもヒトラー死亡を聞いても信用せずに徹底抗戦を考える姿は日本軍と同じである。 それにしてもフランス人がこういうドイツの立場の映画を作るんだなあ。 あと本物のUボートを使って撮影したらしく、内部にチャチさはない。 結局最後はみんな殺されるか逃げて、ギベールだけが潜水艦に残されてしまう。 ここで死を迎えたらフランス映画らしいなあと思ったら最後はアメリカ海軍に助けられてました。 ルネクレマンとかフランス戦争映画とか知らなかったことが知ることが出来、勉強になった。 刑事マルク日時 2024年5月3日 場所 DVD 監督 ステルヴィオ・マッシ 製作 1975年(昭和50年) ミラノの刑事、マルク警視正はこの町の麻薬を取り仕切っているのは実業家のベンシだとにらんでいた。だが証拠がない。 今日も一人の男がプールで死んでいた。ヘロインのオーバードーズによるものだった。現場にいた死んだ男の連れだった女イレーヌから何か聞き出せないかと自分の家に連れて行く。 そんな時、グレーベルという男が出所した。かつての仲間が自分を売ったとして、その男を訪ね殺してしまう。そこを計画的に写真に撮られたグレーベルはベンシ一味の殺し屋となっていく。 マルクはかつての運び屋サルティが救急車の運転手をしいているのを見かけ後を付ける。救急車に乗り込んだところ、酸素ボンベの1本にはヘロインが隠されていた。だがそれも捜査は妨害された。実はベンシと警察署長がつながっていたのだ。 マルクを陥れるため、匿っていたイレーヌはヘロインを打たれて死んだ。 ベンシが扱っている人形製品が怪しいとにらんだマルクは部下の刑事ボノティに尾行させた。しかしボノティは白バイ警官に射殺された。 その白バイ警官も口封じに殺された。しかし白バイから検出された土の成分からベンシのヘロイン工場の場所がわかった。 マルクはそこに向かい銃撃戦となった。ベンシが一人逃げだし、それをマルクが追う! これも買ったままで棚においてあったDVDの一つ。購入したのは2017年10月15日で650円とメモがある。 「ブリット」とか「ダーティハリー」が流行った頃のポリスアクション。 日本でも東映あたりでそんな映画も作っていたが、イタリアでも作っていたのですね。制作規模とか似たような感じで、同じシナリオで日本でも出来そうである。 もちろんカーアクションもあってサルディがなんかやらかして車で逃げようとするのを拳銃で撃ち、車は横転、そこから逃げたのを追うあたり。 (このあとサルティは捕まるのだが、拳銃をマルクが向けていたから通りがかりの牧師が強盗と勘違いしてマルクを傘で殴り、サルティには逃げられる) あとはラストの逃げるベンシを追いかけるマルク。 近道をしようとして山道を駆け抜けていくのはなかなかの頑張った迫力。 日本と同じく車道でのカーチェイスは難しかったのかも知れない。 部下の刑事がマルクと別々の行動を取ったとき、「殺されるな」と思ったらその通りだった。 冒頭で鑑識の写真班なのにやたら射撃訓練がうまい若い奴登場。 ラストにこの青年がベンシのアジトに行ったとき活躍する。 最後にベンシを追いかけたマルクはベンシの車が過ぎた後、学校の生徒たちが道路横断するのに遮断され、逃してしまう。 ベンシが車のエレベーターに乗って出ようとしたときにマルクが拳銃を構えていた、でエンドクレジット。 だらだらしない幕切れである。 70年代の日本でもありそうなブームに乗った映画だった。 (本国では3本あるらしい) |