| ネトラレ遊戯 危険な木曜日 | ハンマー・キット | ||
| 代々木ジョニーの憂鬱な放課後(2回目) | 天使の集まる島(3回目) | 愚か者の身分 | 蟲 |
| 七人の侍(新4Kリマスター版) | シブがき隊 ボーイズ&ガールズ | 3つのグノシエンヌ | ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(デジタルリマスター版) |
| 超高層ホテル殺人事件 | 俺ではない炎上 | 新幹線大爆破(NETFLIX・劇場公開版) | 火喰鳥を、喰う |
ネトラレ遊戯 危険な木曜日日時 2025年10月26日15:35〜 場所 光音座1 監督 国沢 実 製作 OP PICTUERS 私立探偵をしている吾郎(金原輝儀)だが仕事は全くない。恋人でサラリーマンの邦彦に生活は頼り切っている。行きつけのバーにそのことを話すと「邦彦の会社は市場調査会社なんだから、なんか調査の仕事をやらせてみれば?」と言われる。社長の卓治に頼み込み、なんとか仕事を回してもらうことに。 とりあえずはお店の評判調査。探偵のスキルも生かして社長にも好評。振り込まれた報酬に驚喜した吾郎は飲み歩くようになり、ある日、守という男と知り合い、誘われるままにホテルに。 最近は遊び歩いて仕事も休みがちで調査レポートも適当になってきた吾郎。社長も苦い顔だが、邦彦が謝る。そんな社長は邦彦に迫り、邦彦も受け入れてしまう。やがて邦彦は社長に心が移っていく。 そんな時、守は吾郎に探偵としての仕事を頼む。自分の恋人を探ってほしいという。その恋人とは社長の卓治のことだった。 卓治を尾行しても誰かと密会してる様子はない。吾郎は社長と邦彦がつきあっていると疑い出す。 そして卓治と邦彦が会社でセックスしている現場に踏み込む吾郎。 卓治はすべてを話す。 「僕と守はもう何年も付き合っていて普通のセックスでは飽き足らなくなったんだ。そこで君たちカップルとお互いにセックスしてそれをビデオに撮ってお互い見せ合っていたんだ」 怒る吾郎だが卓治は「君たちはお互いの気持ちを確かめようしたのか?僕たちのやり方はほめられたものではないけど、こうやってお互い努力したんだ」 邦彦は会社を辞め、吾郎とともにやり直すのだった。 こんな感じの話。 今年はなぜか新作が3本ある。 ひょっとしたら来年光音座が閉館するので、公開時期を早めたのかと邪推したが、それは外れだろう。 なぜなら今日光音座に行って驚いたが、いすが全部新調されていたのだ。 今までは赤いいすでいすによってはぼろぼろだったが、今回はダークブラウンの上品な色になっている。8月に行ったのが最後だから、この2ヶ月以内に入れ替えたようだ。 これで当分は閉館はなさそうだな。 今回の作品、てっきり社長が邦彦をものにしようとして、守という男に吾郎と浮気させようとする、という展開かと思ったらそうではなかった。 でもまじめな邦彦が恋人の吾郎から社長に浮気しちゃだめだよ。 ここは断らなきゃ。 そしてろくに働かないだめ男の吾郎が私は好きになれない。 それに探偵ものなんだから、なんか事件の調査とかそういう方に話を持っていって欲しかったな。 同時上映は「美しき獲物 名探偵章六の事件簿T」。 何度もみてる映画だけど、佐賀照彦がいい。 そして犯人の「男をとられた悔しさ」「東京に対する嫉妬と復讐」「美少年を永遠の美しさにしたかった」という動機は実に共感する。 ENKのゲイ映画として名作に入ると思う。 ハンマー・キット日時 2025年10月26日12:40〜 場所 シネヴェーラ渋谷 監督 三輪 彰 製作 昭和37年(1962年) <謎の指輪>20分 <地球最後の日>22分 <地底城の決闘>25分 <晴海埠頭の対決>27分 世界は恐怖で覆われている。 そんな時東京オリンピックの道路工事で白骨遺体が発見された。新聞に掲載された写真を見てハンマーキットと助手の二人は、その隣には箱に注目。これは数ヶ月前に行方不明になった父のものだという。 ハンマーキットの助手の二人は行方不明になった科学者の父を探すために助手になったのだ。 ハンマーキットたちは白骨死体の発見現場に行ってみると箱はない。実は工事現場の作業員が箱とその中にあった2個の指輪を盗んだのだ。 しかしその作業員は謎の外国人集団に襲われて指輪は1個は取られてしまった。もう1個は「地球の支配者」を名乗る男に取られたのだ。 外国人集団・ネルソンの一味と「地球の支配者」とハンマーキットの三つ巴の戦いが今始まる! ヴェーラで行われてる新東宝特集。新東宝の映画なんて結局はBC級映画、という認識になったので今回はパスするつもりでいたのだが、Xを見ていたら、この「ハンマーキット」なるほとんど資料がないヒーローものが上映されると聞いて興味がわいた。 やっぱりこういうのは気になるのだよ。 しかしタイトルからして怪しい。「ハンマーキッド」ではないのか?「キット」なら何かの部品が集まってるみたいだ。 内容とは関係ないが、クレジットが黒紙に白地で手書き文字。 でも2カ所ぐらい間違えたところらしいのを黒塗料で消して白塗料で書き直してたぞ。 完全に手抜きである。 で、1話30分弱の4話構成。1話完結かと思ったら連続ドラマである。 テレビ用に作ったのかと思ったが、シネスコ! ってことは劇場公開が前提の映画だ。 そして別に依頼人が出てきたわけではないが、キットが普段いる場所は「探偵事務所」と書いてあるから、生業は私立探偵のようである。 案外「まぼろし探偵」の類似作品だったのかも知れない。 指輪の横にあった白骨は何百年も前の骨だったので殺人事件ではない。 で指輪を工事人が盗んだというとんでもない展開。 工事人から指輪を盗もうと変な外国人もどきが近寄って来るときは「スンズン」とかいいながら指を鳴らして(なかったかな?)いて、「ウエストサイド物語」のパロディだったんだろうか? 助手二人の父親が高名な科学者で、「原始Q」なるものの方程式(なんじゃそれ?)を発見してその方程式を二つの指輪に分割して隠したのだ。 でも東京オリンピック工事で見つかったんだからお間抜けである。 終始この指輪の争奪戦なのだが、そこは「地球の支配者」VS「ハンマーキット」だけではなき、ネルソン一味も加わってくるからそこは工夫がある。 でもキットが「地球の支配者」(自称)に「待て、支配者!」と支配者呼びをするのは実に滑稽。 キットは車を持ってないので、タクシーで敵の車を追いかけたりする。 でも靴に仕込んだロケットを噴射させると空を飛べるのだ。 ところが噴射するロケットがついてる靴のアップ、その次のカットは空を飛ぶキットの上半身だけのカット。 完全に手抜きである。 で指輪を奪われたり取り戻したりを繰り返し、ついに「支配者」の地下城に幽閉されてた博士を救出。しかし警視総監に変装した「支配者」にまた連れ去られる。 で最後は晴海埠頭で対決するのだが、ここが完全に人が集まっている場所で対決してるのだ。 明らかに撮影を見に来た野次馬である。 それを堂々と写してしまうこのテキトーさ。 このレベルでは「ジャリ番組」とバカにされるのも仕方あるまい。 兎に角、脱力と失笑でしかないのだが、こういうのを見るとその3年後に生まれる「ウルトラQ」「ウルトラマン」が実にレベルが高かったかわかる。 こういうレベルの作品も見ておかないといろいろと見えてくるものがある気がします。 代々木ジョニーの憂鬱な放課後(2回目)日時 2025年10月25日20:00〜 場所 アップリンク吉祥寺・スクリーン3 監督 木村聡志 ストーリー省略。 3月のKCU特集での観て以来の2回目。 木村聡志作品はその会話の妙がくせになる。一度観ただけでは収まらず、何度も観たくなる。 それにしてもジョニー君は優しい子だなあ。 「代々木ジョニーの優しい放課後」の感じである。 最初に「日本史と同じ程度にしか好きでない」とフってしまった熱子ちゃんだけど、たぶん告白されて「断るのも悪いな」と思ってしまったのだろう。 幼なじみの引きこもりの神楽さんは心配で時々訪ねる。 でも好きになったのは宮崎から来ている出雲さん。 結局ジョニー自身も「クセ強」な女子が好きなんじゃないだろうか。 だから熱子ちゃんみたいな普通の女子高生では物足りなかったのかも。 案外振り回されたいタイプなのか。 そう言えば出雲さんへのプレゼントを買うのもバタ子さんに頼んだもんなあ。同じ部活で親しいからってもあるだろうけど、なんか信頼してたのかな。 木村作品「恋愛依存症の女」「階段の先には踊り場がある「違う惑星の変な恋人」「このハンバーガーピクルス忘れてる」もみんな「恋はいろいろ経験したけどうまくない」男女が登場したけど、今回は「初恋」のようだ。 ラストで大学生になったジョニーを訪ねてきたのは宮崎に帰った出雲さんと初見では思ったけど、監督の話では神楽さんらしい。 ジョニーが神楽さんの家を訪ねるとき、呼び鈴を3回押す、という約束が二人にあったようで、ラストのアパートを訪ねてくる時も3回おされるんだそうだ。 その前もずっと桃を食べていたし、出雲さんのことはきっぱり諦めたようだ。 その中でもわからなかったのは桃を食べてるシーンが最後に数回あるが、その時に一切れひもでぶら下がっていた。 あれはどういうことだろう? もう1回観てみたい。 本日はミスマガの女の子4人と神父さん役の高橋璃央さん、高橋先輩役の平井亜門さんで舞台挨拶。 平井さんは司会の直井さんから本日不在のカノンの印象を聞かれて「木村作品のあのせりふ量を18歳、映画初出演、初主演でやりきっちゃうのがすごく肝が座ってる感じ。自分の18歳の時を思い出すと自分では出来るかわからない」ということでした。 終わってからサイン会。 トークが終わったのが22時20分ぐらいだからサイン会はないと思っていたらあった。 舞台挨拶には登壇しなかった木村監督もいらっしゃってパンフにはサインもいただきました。 天使の集まる島(3回目)日時 2025年10月25日18:25〜 場所 アップリンク吉祥寺・スクリーン2 監督 堀井綾香 この映画、観るのは3回目である。1回目と2回目はテアトル新宿で2回目には平井亜門さんトーク付き。 今回も平井さんが出演した短編「prologue」と同時上映である。 「prologue」は同じ吉祥寺で「飛べない天使」と2本立てで同じく平井さんトーク付きで観た。(3月の「飛べない天使」の日記参照) とにかくこの監督の映画は好きになれないなあ。というか単純に面白くないのだよ。 よく映画監督などが推薦のコメントをいろんな映画で寄せられてるけど、あれつまんなかったらどうするんだろう? 無理に書くのかな。 この映画だったら「美しい南国の景色。天使が集まる幻想的な島での一息の休息」とか書くんだろうか? で平井さんと監督のトークイベント。 本日小雨だったのだが、平井さん、靴を履きつぶして来る途中で靴の中に水が染みて靴下が濡れて気持ち悪いとか。 それはファン向けの有料投稿サイト(Xみたいな感じ)でも今日言っていた。 「prologue」ではなぜ金髪だったか、の話になり 平井「確かテレビの『捜査一課長』にゲスト出演したときに金髪にしたのだと思う」ということだった。 結局またカードゲームにはまってる話になって、そこから「外国のカードは海外の通販サイトでしか買えない。海外のサイトから買おうかどうしようか1ヶ月迷って、そのうちにこの迷ってる時間をバイトしたとして時給換算したらいくらになるか、と考えたら損してる気がしてついに買った」 監督「それはバイトしてないので比較にはならないです」 との答え。 観客の質問とかから「今後挑戦したいこと」の話題になり 平井「今英語に覚えたいと思ってます」 監督「それは海外作品にも出ようと思って?」 平井「というより外国映画を観るとき字幕なしでわかるようになりたいと思って。翻訳による略されたりすることがあるので直接理解したい」 ということで。 英語勉強アプリとかあるそうで、毎日チェックしなければならない仕組みになっていて、「今日もうすぐ終わったちゃうよ」とかせかしにくるとか。 そんな感じのトークイベントでした。 愚か者の身分日時 2025年10月25日15:40〜 場所 アップリンク吉祥寺・スクリーン4 監督 永田 琴 半グレ集団の中で戸籍売買を手がけるタクヤ(北村匠海)とその後輩マモル(林裕太)。彼らはマッチングアプリなどで女のいない、金もない訳ありの男を探しだし、女子大生の希沙良と会わせて詳しく話を聞きだす。そして絶望的な男に「戸籍を貸してくれたら100万円」と話を持ちかける。それを戸籍を買いたがってる男に数百万で売るのだ。 タクヤとマモルは貧困ビジネスのカモになってる時に知り合った。タクヤは弟を亡くしており、マモルが弟のように思えたのだ。 タクヤが何か隠し事をしてると察したマモルはタクヤを問いつめたが、タクヤは答えない。 翌日、タクヤは消えた。タクヤの兄貴分からマモルはタクヤの部屋の掃除をするように言われる。そこは床が血塗れになっていた。 タクヤは組織のトップの金1億円を盗んだことにされてしまったのだ。 そして臓器売買の対象にされていた。タクヤは今は両目が取られた状態。そのタクヤを病院に運ぶように言われたのがタクヤの先輩の梶谷(綾野剛)。 タクヤを自分の車で運ぶのだが、死体だと思っていたタクヤはまだ生きていた。迷ったあげく梶谷はタクヤと逃亡する。 北村匠海主演作。ミニシアター系の映画ではなく、ちゃんとTOHOジネマズでも上映してるのだが、本日は「天使の集まる島」「代々木ジョニーの憂鬱な放課後」を平井亜門の舞台挨拶付きで見るので、わざわざ新宿で見なくてもここでも上映があるので吉祥寺で観た。 (このシアターはアップリンク吉祥寺では初めてだ。吉祥寺って中途半端に行きづらいし、席数も小さいのだけど劇場もいすもきれいなのでいい映画館である) 「闇バイトに落ちた若者の話」ぐらいの予備知識で観たのだが、途中でタクヤが目がえぐられてしまうので完全に引いた。 私はこういう猟奇的なのが苦手なんです。 それに映画の中盤で北村匠海の目がえぐられちゃうから、もう顔のアップがなくなる。 いや、北村匠海を観に来てるのだからそれはないだろう。 ここでももう心が離れた。 結局梶谷の恋人の知り合いの神戸の店に隠れることになって一安心のだが、でも追っ手は梶谷の恋人のところにも押し掛けたりしないか? まあ追っ手の方は警察に捕まってるからいいのかも知れないが。 しかし映画の最初の方でタクヤに戸籍を買われる男(松浦祐也)が最後に刑事で登場したのはよかった。タクヤたちは捕まりそうだが、その方がタクヤもちゃんとした病院にいけるだろうし、殺される危険は当分なくなるし、その方が平和なんじゃないか。 金はマモルが手にしたしね。 後半のタクヤの目がえぐられる展開にどん引きして、なんかこう心が離れたな。 蟲日時 2025年10月17日16:45〜 場所 シネマート新宿・スクリーン1 監督 平波 亘 映画監督の柾木(平埜生成)は親の遺産で食いつなぎながら10年も暮らしていた。かつては映画監督として注目を浴びた時期もあったが、最近は撮っていない。彼の大学時代からの友人・池内(木口健太)はある日、柾木を芝居を観に連れ出す。柾木はその芝居を酷評したが、池内によって主演女優の芙蓉が現れるとその態度は一変する。 その後、柾木はその芝居に通い詰める。そして芙蓉を主演にした映画の脚本を書き上げる。池内にそれを読ませるが「商業作品として成り立たない」と却下した。 しかし柾木は直接芙蓉に読ませようとするが、柾木の態度に狂気を感じ避けてしまう。 落ち込む柾木の元に小林という女性が訪ねてきた。曰く「自分は池内のストーカーで彼の部屋を盗撮した」と動画を見せてくれた。 そこには池内と芙蓉が絡み合う姿が映っていた。 小林によって「オーディションがある」と芙蓉は呼び出されるが、そこにいたのは柾木だった。帰ろうとする芙蓉を柾木は止めるが、勢い余って彼女を殺してしまう。 柾木は芙蓉の死体を自分の家に持ち帰り、二人だけで映画を撮り始める。 乱歩ワールドの第2弾。先週観た「3つのグノシエンヌ」が拾いものだったので金曜日から始まって2日目に観た。 ところがはずれだった。 いや基本悪くないのだよ。 でもこの映画は90分ある。長いんだなあ。 途中から展開が無くなって柾木が死体と映画を撮るシーンが繰り返されるだけなんだよな。 これが60分尺だったら気に入ったと思うんだけどねえ。 あと「3つのグノシエンヌ」の時も思ったけど、映画監督とか俳優とか自分の身近な題材で作ってるのが発想が限られてる気がする。 自分の知ってる世界だけで脚本化してる気がしてなんかこう気になるんだよね。 今回も乱歩没後60周年とか言うけどみんなエロスドラマとして映画化されてる。 天知茂の路線もちょっと違う気がするが、それでも謎解き重視のミステリーもやってくれないだろうか。 自分が好きなのは「D坂の殺人事件」も「屋根裏の散歩者」も最後に明智がさらっと事件を解決させる鮮やかさが好きである。 「心理試験」は面白いが女性が登場しないので映画化されにくいのだろうか。そういうのが観たいんだけど。 出演では柾木の学生時代からの友人で今は映画プロデューサー(らしい)池内に木口健太。 いまおか監督のテレビ版「死神バーバー」の主演の方。 七人の侍(新4Kリマスター版)日時 2025年10月18日10:40〜 場所 池袋グランドシネマサンシャイン・スクリーン2 監督 黒澤 明 製作 昭和29年(1954年) ストーリー省略。 今回も「午前十時の映画祭」枠での上映。過去にも4Kリマスターはあったが、また新たにやり直したそうである。 でも正直、前回の4Kリマスターとの違いはわからん。 通常のブルーレイ画質でも結構満足してますから、私は。 秩父で観ようかと最初は思っていたのだが、上映時間が9時台の開始だったので、パス。新宿は8時台の上映だったのでパス。池袋が10時台だったのでここにした。 満席である。さすが都心、さすが「七人の侍」 もう何回も観てるので(ブルーレイなど入れれば10回は観てるだろう)特に新しい感想はないんだけど、ちょっと思ったのはこの映画、敵も味方も敗者なのだ。 野武士ももとは戦に負けて野武士になったし、勘兵衛も「出た戦はみんな負け戦」と言ってるし、他の侍もみんな負けてきた連中だ。 だからこそ、ラストの勘兵衛の「勝ったのはあの百姓たち」という台詞が効くのだ。 そもそも多くの人は「自分は負けている」と思っているに違いない。 人生すべて思い通りになった人なんて滅多にないだろう。 安倍晋三だって「自分は負けてる」と思っていたに違いない。 あとは何度観ても雨中の決戦シーンは素晴らしい。古今東西アクション映画は数あれど雨の中での戦いのシーンて「ゴジラXメカゴジラ」の冒頭ぐらいしか思いつかないんだよね。 それだけでもやりきったのはスゴいですよ。 そして一番好きなのは勘兵衛の弓のシーン。 元はどこかで誰かが「矢が雨をはじきながら飛んでいくカットがかっこいい」と書いていたのを読んでそれからお気に入りのカットになった。 矢が飛んでいくときにピッと雨しぶきが飛ぶのはかっこいいねえ。 あとは菊千代が主にお笑い担当なのだが、私の好きなのは勘兵衛の「勝四郎、お前ももう大人だ。今日は存分に働け」ですね。 普段冗談を言わない勘兵衛が下ネタを言うから好きです。 シブがき隊 ボーイズ&ガールズ日時 2025年10月14日19:00〜 場所 国立映画アーカイブ・長瀬記念ホール(2F) 監督 森田芳光 製作 1982年(昭和57年) 公明(薬丸裕英)、大輔(本木雅弘)、正(布川敏和)の3人は全寮制の高校に通う高校1年生。ある晩、3人は寮を抜けだしヒッチハイクの旅に出た。行き着いたのが伊豆の旅館。 3人が泊まった晩、カップルが風呂場で騒いでいる。そいつらを驚かそうと公明と大輔は正に催眠術をかける。風呂場に連れてこられ風呂に入ろうとする正。服を脱いだときに置物の引き出しに大事に持っていた財布をしまう。 翌朝、財布を無くしたことに気づき大騒ぎする3人。正は夕べの風呂場でのことは全く覚えていない。仕方なく旅館の主人(宮尾すすむ)に訳を話し、少しバイトさせてもらうことにした。その置物は旅館の娘あゆみ(宇紗木千恵)のものだった。あゆみは自分の引き出しに財布が入っているのを見つけたが、その財布が渡してしまうと大輔たちは帰ってしまう。それがいやなあゆみはしばらく黙っていることにした。 高校1年のあゆみたちの手前、自分たちは大学生だと言っていた大輔たちはあゆみとあゆみの友達の久美、良子の3人の家庭教師をすることになった。 しかしあゆみたちの質問にしどろもどろになったので、高校生だとばれてしまう。夜遅くなったので久美と良子を送っていくことになった。 誰が誰を送っていくかはたたみを使ったあみだくじで決めた。公明が久美を送っていき、良子は正が送っていった。あゆみと大輔は旅館で待ってる。 その様子を見た旅館の主人は翌朝、3人を帰すことにした。 3人は旅館を去ったが、学校から帰ってそれを知ったあゆみたちは大輔たちを追ってバスに乗る。でももう一度あゆみたちと過ごしたい大輔たちも戻ってきた。バスを追いかけ、あゆみたちと大輔たちは合流する。 明日の日曜日はみんなで海に行くことにした。 噂ではジャニー喜多川の名前がクレジットされた映画はもう一般の名画座での上映はなく、新規にソフト化されることはないという。 理由はジャニー喜多川は性加害問題が公になり、「世界性犯罪史上に残る極悪人」になってしまい、そしてその名誉が回復することはないためで、「そんな犯罪者が関わった映画で儲ける訳にはいかない」という理由である。 だからたのきん映画とか「急げ!若者」はもう見られないらしい。 この度国立映画アーカイブで森田芳光特集が組まれることになり、この「ボーイズ&ガールズ」はどうなることかと思ったらあっさり上映されている。(ジャニー喜多川のクレジット表記は「企画」である) という訳で今回初めて観たのだが、これが面白くない。 笑いの取り方などは東宝アイドル映画っぽいベタな部分もあるのだが、話に派手さがないのだよ。 相手役の女の子も全く聞いたこともない女優だし。 東宝アイドル映画(というか田波靖男脚本)だともう少し話に縦糸がある。イベントとかミッションと言ってもいい。 「メンバーの一人が金が必要になってみんなで稼ぐ」とか、そういう話の芯がないのだな。 ただ東京の高校生が地方に行って地元の女の子に出会う、でも東京に帰るというだけ。 面白くもなんともないよ。 ほんとに等身大の高校生ならともかく、どこかアイドル映画らしいベタなギャグもいれてくるからなあ。 それにラストシーンは3人が乗ってる(らしい)電車を女の子がホームに追いかけてきて終わる。 それを俯瞰で撮ってるのだが、電車で去っていく3人の姿は映らない。 撮影の都合で3人が電車に乗ってる姿を撮ることができなかったのかなあ? 森田芳光が撮ったシブがき隊映画、ということで何か斬新なものを期待したのだが、なにもなかった。 単なる低予算のアイドル映画だった。 3つのグノシエンヌ日時 2025年10月11日19:00〜 場所 池袋シネマロサ・地下 監督 ウエダアツシ 小劇場の売れない役者の哲郎(松田凌)と小学校教師の妻・晴(安野澄)との仲は冷え切っていた。仕事のない哲郎は後輩役者の悠介(岩男海史)と釣り堀でつりをしている。 哲郎は役者にも浮気にもみんな飽きたという。演出家から新作の脚本を書いてくと言われ哲郎は悠介に協力させて書くことにする。 それは悠介と晴を出会わせ、二人を不倫関係にしてしまい、その反応をネタに脚本を書こうというのだ。 真面目で不器用はシステムエンジニアの設定で晴が通う手話サークルに入らせる。そこで出会う。家が同じ方向だと言って近くまで送る。それを繰り返し親しくなる。買い物のアドバイスがほしいと連絡する。哲郎は悠介と晴が会ってるときに不倫相手の女性と一緒のところを見せる。悠介は自分の顔に傷があるため(もちろん貼り付けた偽物)、女性の視線が怖くてセックスがうまくできないと言う。 やがて二人はホテルへ。それを部屋に忍び込んで覗き見する哲郎。悠介は女性の視線を隠すためという理由で晴に目隠しをする。いざ悠介と晴がセックスをする時になって哲郎は止める。そして哲郎が変わって晴を抱く。 今年は江戸川乱歩没後60年ということでそれに乗っかった企画として乱歩を原作、原案とした作品が連続公開される。 その第一弾。観ようか迷ったのだが、結果的には観てよかったと思う。 やがて悠介と晴が会う度にホテルに行くのだが、事前に隠れていたり晴がシャワーを浴びたりしている間に哲郎が部屋に入る。そして晴に目隠しをして入れ替わってベッドに入る。 映画を見てる間、この異常な愛の結末はどうなるのかが全く見えずドキドキした。 一度自宅で哲郎が脚本を書いてる時に晴にパソコンをちらっと見られる。でも晴は特に反応しない。てっきり今回のからくりをわかってしまったかと思ったが、彼女は特に変わらない。 この「哲郎が晴とセックスしてるのを横に悠介がいる」という状況に悠介はいやがり、降りると言い出す。この脚本が上演されるとは限らないし。 もはや晴が愛してる悠介に嫉妬する。悠介は「俺じゃなくてあなたが作り上げたシステムエンジニアにでしょう!」し、哲郎は「お前の顔がほしい、声がほしい」と狂気を展開させる。 哲郎はある晩、どう展開させるか思いつき、脚本を書き上げる。 そして自動車事故に遭い死亡。 この脚本は上演された。 悠介が予定通り主役を演じる。そこでは「お前の目が見えなければいい。声を聞こえなければいい」と目と耳を壊してくラストだった。 火葬場で悠介、晴、そして哲郎の不倫相手は顔を合わせる。 実は哲郎はガンで余命がなかった、保険に入っていたがガンで死ぬより交通事故の方が受け取れる金額が高い、哲郎は単になにもしなかった訳ではなくパン屋でバイトしていた、などの事実があかされる。 哲郎は実は妻に飽きていた訳ではなく、妻を本気で愛していた上で死期が迫った上での狂気の行動だったのか。余韻を残して映画は終わる。 全く予想できなかったラストだった。 原案「一人二役」はKindleで無料で読めた。15分ぐらいで読める短編。江戸川乱歩によく登場する「世の中に飽きた男」が夜中に帰ってきて妻の布団に忍び込み、別人と思わせやがて妻は忘れられなくなる、という話。 でも最後は妻は気づいてました!というオチで夫婦はかえって円満になったという落語みたいな話でした。 悠介役の岩男海史さん、なんだか櫻井拓也さんに似ていた。 タイトルの「3つのグノシエンヌ」はエリック・サティの曲名。 エリック・サティの曲がずっと流れていたが、その曲名から取られたようだ。 ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃(デジタルリマスター版)日時 2025年10月10日19:45〜 場所 TOHOシネマズ日比谷・スクリーン6 監督 本多猪四郎 製作 1969年(昭和44年) ストーリー省略。 「ゴジラシアター」での上映。あれ前上映の「ゴジラの息子」ではは「4Kリマスター版」って劇場HPに書いてあった気がしたが、今回は劇場HPでは「デジタルリマスター版」。はて? この映画を観るのは22年ぶりかも知れない。しかもそのときはVHSレンタルだったと思う。となると映画館で観たのは何十年ぶりである。 今観ると当時の世相がよく反映されてるなあ。 「鍵っ子」「交通戦争(走り回る自動車)」「大気汚染」「廃ビルの遊び場」「真空管」などなど。堺左千夫の銀行強盗たちも「逃走中の車が発見された」など府中三億円事件を意識したものだったのかも知れない。 真空管なんてただの部品でしかないのだが、なんか子供は喜んだ。 ガラス管の中の精密な部品がなにか格好良かったのだ。 子供の服装見てると、「ああ俺もあんな感じのジャンパー着て半ズボンはいてた」と思い出す。 そして思ったよりドラマパートが長いんだ。 ずっと怪獣島にいた記憶だったのだが、怪獣島のシーンは4分の1ぐらいじゃないだろうか? さらに「ゴジラ対エビラ」「ゴジラ対クモンガ」「ゴジラ対カマキラス」「ゴジラのミニラ特訓」は過去作の流用だからゴジラとガバラとミニラのシーンだけが新撮。ゴジラとガバラは別カットが多かったから「ゴジラはすべて流用?」とか思ったけど、最後は同じカットにガバラとゴジラがいたからここは新撮だ。 この映画からチャンピョン祭りが始まった訳だが、この「オール怪獣」が一区切りで、この次の「ゴジラ対ヘドラ」から「メカゴジラの逆襲」で一つのグループだろう。 この映画までは低予算になったとは言え、出演は佐原健二、中真千子、天本英世、田島義文、堺左千夫、鈴木和夫、石田茂樹、沢村いき雄、佐田豊、当銀長太郎などなど。おなじみの東宝俳優の出演ですからね。 「ヘドラ」以降は東宝も専属がなくなってなじみのない俳優が主演をするようになりましたから。 見終わった後、関係者のSさんがいたのでご挨拶。 Sさんの話ではアーカイブを利用したシーンはかなりコピーというかデュープがされていて画質が悪かったそうだ。オリジナルネガから焼いてつなげたのではなく、何回か焼くのを繰り返した画質だったそうで。 でも今回のリマスターでは新撮のカットとは遜色ないカットになってたな。 ロビーへの通路で20歳前ぐらいからの少年から「ミニラ持ってきたんですよ!」といきなりフィギュアを見せられた。その少年、上映前のロビーで見かけた。なんかおじさんが大声でうんちくを垂れていて、それを聞いていた少年だ。そのときはてっきりイタいおじさんに少年が捕まってる、と思ったけどそうでもなかったのかな。 「へ?」と顔をしてしまったが、ちゃんと話せば友達になれたかも知れない。 来月のゴジフェスとかでまた会えたらいいな。 超高層ホテル殺人事件日時 2025年10月5日 場所 衛生劇場録画 監督 貞永方久 製作 昭和51年(1976年) 1975年12月。新宿に来春開業予定のイハラネルソンホテルが建設された。開業は来年4月だが外装は完成し、本日はお披露目パーティである。 ホテルオーナーの猪原留吉(嵯峨善兵)は土建屋からのし上がった男だった。そのパーティには猪原がライバルとしている財界の大物浅岡哲郎会長(西村晃)やその息子で社長の敏彦(中山仁)も招待されていた。イハラネルソンホテルで18時半に窓が点灯されたとき、一人の男が飛び降りた。落ちたのはホテルで総支配人になる予定のセレンソンだった。 人が落ちるのを見て留吉はその場で倒れ入院。 しかしこの一件を契機にに浅岡側がイハラネルソンホテルの買収を計画し始める。ホテルの残りの内装の出資を各社にストップするよう働きかけているのだ。 そんな中、留吉の息子で専務の杏平(近藤正臣)は資金繰りを何とか使用するが苦戦する。そこへ秘書室長の大沢(綿引洪)が杏平を脅してきた。セレンソンを殺したのは留吉だというのだ。 敏彦の妻・友紀子(由美かおる)と再会。杏平は友紀子に強引に愛を打ち明け、奪おうとする。敏彦は家庭では支配的で嫌気がさしていた友紀子は杏平の誘いに乗ってしまう。 だがその関係を敏彦に知られ、責められる友紀子。友紀子はつい敏彦を芦屋の家で殺してしまう。また杏平も大沢のゆすりに耐えかねてついに殺す。 友紀子から連絡を受けた杏平は敏彦の死体を芦屋から持ってこさせ、自分も大沢の死体をセスナで運んだ。芦屋と東京の中間点の愛知県の小さな飛行場で落ち合い、死体を交換し、友紀子は大沢の死体を大阪の山中に捨て、杏平は敏彦の死体を捨てたのだ。 浅岡の妨害にあったが、友紀子が持っていた株を杏平の名義にし、浅岡の買収は阻止できた。 しかし警察の捜査は迫ってきた。また友紀子も精神に変調を来した。 杏平と友紀子はセスナで逃亡した。 タイトルだけは聞いていて気になっていた映画。 あまりもつまらないので、Twitterで「超高層ホテル殺人事件」で検索するとなんと私はテレビ版(主演:田村正和)を2022年3月6日に見ていた。まったく記憶にない。自分で自分が怖くなるよ。日本映画専門チャンネルで放送された2時間ドラマ版を見てるんだなあ。何でも記録をつけておくのはいいことだ。 ホテルの16階から被害者は誰かに落とされたという目撃があるのだけど、部屋には被害者しかいなかった。っていう密室殺人なんだが、警察側の動きはあまり出てこない。 話はひたすら杏平たちの話になる。ところが杏平は若くして威張りくさって大沢の恨みを買う。これは身から出た錆。また敏彦もDV野郎で春画のスライドを写しながら、友紀子を別の女にさわらせ、それを見ながらオナニーし発射の時にその女に加えさせるというなかなかのゲス野郎。殺されて当然である。 また友紀子も杏平とホイホイ浮気を始めて主要人物がすべてクソ野郎という映画を見てる間感情移入出来る存在が全くいない。 それで殺人を犯されても「早く捕まれよ」としか思えないので、杏平と友紀子のラブシーンに音楽を流して盛り上げられても一向に観客は盛り上がらない。 なんなんだろうね。原作があるからそれなりに完成された話なんだろうけど、映画だけ見てる分にはクズ対クズの話なので全く感情移入出来ない。 そもそも最初の殺人事件のトリックも無理がある。 実は殺人は部屋でセレンソンと留吉がもめてしまい、セレンソンが転落した。その後留吉と杏平はパーティに向かい、6時半になったら大沢が下にマットレスを引いた上に落ちて犯行時間の偽装をしたというもの。 いや、いくら何でもそれは無理でしょう。下にマットレスがあってもそこに落ちるとは限らんし、死ぬか大けがの確率が高そうだけどなあ。 あと由美かおるが一人で敏彦の死体を車のトランクに入れて運んだのも無理がある。とにかくトリックに無理がある。 この原作が賞を取ったりしたのか? 由美かおるは相変わらず脱ぎ要員。登場してすぐに入浴シーンがあり、当時はとにかくエロかった。 俺ではない炎上日時 2025年10月4日21:30〜 場所 新宿ピカデリー・シアター9 監督 山田篤宏 大学生インフルエンサーの初羽馬(藤原大祐)はある朝、よく知らない人から「これやばくない?」と死体写真のツイートを紹介するメールをもらった。「これガチなやつじゃない?」と思った初羽馬はつい引用ツイートしてしまう。 ハウスメーカーの営業部長・山縣泰介(阿部寛)は出先の帰り道のレストランでランチの時に自分の写真を撮られて何事かと思う。 ネットでは「たいすけ」というアカウントの持ち主が死体らしいき写真を投稿し、過去の「たいすけ」の投稿から山縣のものだと特定されてしまったのだ。 そもそも山縣には「たいすけ」のアカウントに心当たりはない。でも自分のゴルフバックなどが写っており近しい何者かが自分をはめたと考える。 成り行き上逃げる羽目になるが会社に匿名で「山縣泰介様」という封筒が届いており、その手紙には「困ったらここにきてください」と数値が書いてあった。 たまたま立ち寄ったスナックで一晩を過ごし、逃亡を続ける。 取引先のまだ未公開の住宅展示場で一晩を過ごす。そこへその住宅会社の社員・青江(長尾謙杜)がやってきた。一方初羽馬の元にさくら(芦田愛菜)がやってきて「たいすけ」を探してほしいとやってくる。 ネット社会で無実なのにネット上で犯人扱いされる誰にでも起こりうる恐怖を題材としたミステリー。 結局は山縣本人の事情に関わる部分もあるので、完全に「誰にでも起こり得る」という訳ではないんだが。 この映画の面白さのトリックは語り方、作者のトリックである。 映画の中盤から山縣の小学生の娘が登場する。その前のシーンで山縣の妻が「娘はおばあちゃんちに行かせた」といい、その次のシーンで「小学生の娘がおばあちゃんちを訪ねる」になり、これが仕掛けである。 最後の最後にさくらが実は山縣の娘であったと明かされる。小学生の娘は過去のシーンだったのだ。 山縣の娘にしては子供が小さいと思ったんだよな。そこが引っかかった。 小学生の娘は自分の家に帰り、男子の友人と部屋に入ってネットサーフィンし「ネット上の意見」をみたりする。 この男子小学生が今は大人になって青江だのだ。 青江は自分の父親がネットで叩かれたこともあり、そこからゆがんだ正義感を持ち、娘をしつけでロッカーに閉じこめた山縣を許せなくなり、今回の殺人の被害者も美人局をしていた女子大生で「社会の悪」として抹殺したのだ。 長尾謙杜が最初に出てきたから「なんかこいつかな?」と思ったらその通りだった。 ラスト、初羽馬は「自分は警察が動くべきだと思ったからリツイートした。悪くない」といい、刑事も「俺は悪くない。初動の失敗や交番の警官のミス」という。 でも山縣家の人間は泰介も「もともとは俺が悪い」妻も「私にも至らないところがあった」、さくらも「私がお父さんのアカウントを勝手に作ったりしてからこんなことになった」と自らの責任を認める。 世の中小さなそれぞれの間違いの上でおかしな方向に行ってしまう、一つ一つは小さくても積み重なれば。でもそれを自覚するかどうかが問われている、そんな作者の思いが伝わってくるような気がした。 新幹線大爆破(NETFLIX・劇場公開版)日時 2025年10月4日15:45〜 場所 イオンシネマシアタス調布・スクリーン5 監督 樋口真嗣 ストーリー省略。 本年4月にNETFLIXで公開された「新幹線大爆破」リメイク版の劇場公開である。 昨日からシアタス調布と大阪のイオンシネマ心斎橋の2館で2週間公開。 1日1回ぐらいかと思ったらそうでもなく、5回やっている。 私が観た回は満席だった。 しかも女性客が6割。ああそうか、草なぎ剛ファンらしい。 犯人の動機等はあまりに説得力がないので(第一古賀の子供っていうけど、母親は誰よ??)犯人のドラマは退屈。 でも「下り線から上り線へ」「救援車接続作戦」「列車停止作戦」などのアクションの見せ場は多いので、ここらは盛り上がったなあ。 でも樋口監督が「劇場公開用に音の調整をしている」と言っていたが、劇場側の問題なのか(ドルビーとか爆音とかの設備ではない普通劇場)全く迫力は感じられなかった。 あと何故か全ての回で日本語字幕付き上映。肩書きの表示が出る上にせりふの日本語字幕が付くし、俳優がせりふを言い終わる前にせりふの最後が見えるから、ちょっとうるさかったかな。 内容で言うと一番ぶちこわすのは「首相補佐官」。まだ30代くらいでやたら高圧的でちょっと漫画的なキャラ。これが50代位の役者がやれば多少は違ったと思うけど。 せっかくの劇場公開だが、特に「よかった」ということはなかった。 火喰鳥を、喰う日時 2025年10月5日12:05〜 場所 イオンシネマシアタス調布・スクリーン9 監督 本木克英 長野県の大学で化学の準教授の久喜雄司(水上恒司)は太平洋戦争で戦死した祖父の兄、久喜貞市の名前が墓から削られていることを知る。 削られたのは最近だ。久喜家には最近、南方の戦地から貞市の手帳が見つかったと連絡があったのだ。それは新聞社が終戦特集で南方に取材に行った際に現地のガイドから預かったという。 そこには満州から南方に行き、そこで餓死していく様がつづられていた。 貞市は火喰鳥と呼ばれる大型の鳥を喰いたいと書かれている。手帳を持ってきた記者の一人・弦田が「貞市は生きている」と言い出す。 雄司の妻・夕里子(山本美月)の弟・亮も同席してたが、亮は貞市の手帳に「ヒクイドリ、クウ。ビミナリ」と何かにとりつかれたようにして書いてしまう。 それから雄司の祖父で貞市の弟の保(吉澤健)が姿を消す、貞市と同じ部隊で生き残って帰国した人が火事で亡くなるなど不可解なことが起き始める。 夕里子は超常現象の専門家の北斗(宮館涼太)に相談。雄司、亮、夕里子は北斗に会う。北斗はかつて夕里子とつきあっていたらしい。北斗は「夕里子にふさわしいのは僕だ」といい、雄司は不愉快に思う。亮も「北斗には気をつけてください」と言う。 今年はホラー映画が多い、というかこちらが観るようになったためにそう感じるのか。1ヶ月に1本ぐらい観てる気がする。 予備知識なしで観たんだけど、ホラーであり、ミステリーであり、SFであり、何より「戦後80年映画」である。 実は貞市の手帳は北斗が古道具屋で見つけてきたらしい。それを新聞記者の弦田に渡し、貞市の遺族に渡したのだ。 北斗が言うには「人間で一番強い思いは『執念』」ということで「日本に帰りたい」という貞市の執念がこの手帳には染み着いている。 その思いを利用し、貞市の家族に手帳が渡れば不可解なことが起こり、夕里子は自分に連絡してくるはずだ、と仕掛けたという。 そして貞市が日本に帰ってきたパラレルワールドにこの世界は浸食されていく。雄司はそれをさせまいと北斗と対決するが、結局は貞市は生きていて、雄司は夕里子とは結婚しなかった世界になってしまう。 貞市の「日本に帰りたい」という執念と北斗の「夕里子を自分のものにしたい」という二つの執念がこの世を変えていく。 まさにホラーでミステリーでSFパラレルワールドで「日本に帰りたい」という思いが「戦後80年」を感じさせる。 ホラー的な怖さは少ないけど、逆に私にはこの方が好み。 何より終戦80年にふさわしい(作者が意識していたかは不明だけど)映画だった。よかった。 そうそう、ラストに登場する貞市役で足立正生登場。出るのは知らなかったから驚いた。最近は俳優としてもご活躍ですね。 |