| 結局珈琲 | |||
| 木挽き町のあだ討ち | Shiva Baby シヴァ・ベイビー | ラストシーン | よがりの森 火照った女たち |
| 地下鉄連続レイプ 愛人狩り | 巨乳喪女のわくわく妄想性活 | 失恋殺人 | 盲獣 |
| ウォーフェア 戦地最前線 | ほどなく、お別れです | 禍禍女 | 一寸法師 |
結局珈琲日時 2026年2月28日21:00〜 場所 新宿武蔵野館スクリーン1 監督 細井じゅん 下北沢にあるこはぜ珈琲という喫茶店。この店はビル自体の老朽化で取り壊しが決まっていてあと数ヶ月で移転だった。 店長(柄本時生)やベテランバイトの島田(日高七海)は新人バイトの須藤(瀬戸璃子)への常連客への対応を教えている。 いつも夕方に来る青木さん(藤原さくら)、さえない二人組と店長に言われる武田(細井じゅん)と塚本(山脇辰哉)、いつもホットサンドを頼む伊藤(東野良平)。 そして閉店。移転オープンまでは少し時間がある。青木さんたちはたまたま店の前で出会う。 SPOTTED作品。 下北沢に実在したこはぜコーヒー店を舞台にした会話コメディ。実際に移転して別の場所で営業している。店主の谷川さんが「この思い出の場所を何か残せないか」と思ってお客さんだった細井監督に脚本監督を務めた。 ぜんぜんノーマークだったが友人がやたらと薦めるので初日に鑑賞。 (1週間限定上映なのでなるべく早くきたのだ) 「木村聡志の映画みたいな感じ」と聞いていたが、実際そんな感じ。 武田と塚本が延々とどうでもいい話を繰り返す。 特に塚本が「この間、東京タワーに行った話」は完全に漫才で、そのまま舞台でやっても良さそうなネタだった。 この漫才のようなやりとりが笑える。昔は「こんな話してるだけで映画的広がりがない」と否定したかも知れないけど、今はこういうのも好きである。 それを横で聞いてるだけの青木さん。 やがて塚本が来なくなり青木さんは武田に話しかける。 常連客って「よく見かけるけど実は名前も知らない存在」だったりする。 その辺の人間関係の微妙な距離感が面白かった。 でエンドクレジットの後に磯村勇斗が登場。こはぜ珈琲が閉店したと知らずにやってきて仕方ないから写真だけでも、と写真を撮るがうまく撮れず、道行くおじさんに声をかけて写真を撮ってもらうがおじさんも一緒に自撮りする、というシーン。 これがこのシーンだけ見たことあるのだ。しかもどっかの珈琲店が移転する前に撮影した、というのはどこかで聞いたことがあった。 ネットで見た気がするのだが、はてあれは何だったのだろう? 1週間限定だそうだが、本日の2回の舞台挨拶付き回は満席。 案外ムーブオーバーもあるかも知れないな。 木挽き町のあだ討ち日時 2026年2月28日13:35〜 場所 池袋グランドシネマサンシャイン・スクリーン2 監督 源 孝志 忠臣蔵が上演される江戸・木挽き町の森田座。千秋楽の晩、芝居が終わった後に本物の仇討ちが行われた。討つのは伊納菊之助(長尾謙杜)という若侍。仇は遊び人作兵衛(北村一輝)だ。立ち回りの末、炭小屋から出てきた菊之助は作兵衛の首を高くあげた。 1年半後、この森田座に加瀬総一郎(柄本佑)という浪人がやってきた。 まずは呼び込み担当の木戸芸者の一八(瀬戸康史)と知り合う。加瀬は菊之助の仇討ちについてあれこれ聞いてきた。聞けば菊之助とは同じ美濃藩で知らぬ中ではないという。 「菊之助は虫も殺せないようなおとなしい男だったんですが」と納得がいかない様子。どんな立ち回りをしたのかと詳しく聞いてくるので仇討ちを見ていた与三郎(滝藤賢一)を紹介する。そして作兵衛の遺体はどうなったかと聞いてくる。そして作兵衛の遺体を荼毘に付した女形のほたる(高橋和也)が話して聞かせた。骨は無縁仏の寺で埋葬したという。 菊之助は森田座で半年間働いていた。その間はどこに住んでいたか。 加瀬はなぜそんなにしつこく仇討ちについて聞いてまるのか。 上方に行っていた座付き作者の金治(渡辺謙)が帰ってきた。金治は元武士で菊之助の母と結婚する話もあった男だ。 加瀬は金治に自分がこの仇討ちを探る顛末を話し出す。 予告編をよく上映していて日本ではあまりないジャンルの時代劇ミステリー。「あり得ないんですよ」と柄本佑が言うシーンが印象的で、多くの人が目撃した仇討ちのからくりを疑う。 まあ映画の冒頭にこの仇討ちがあり、立ち会いをしたところで炭小屋に入ってしまって、そして首を持って菊之助が出てくる。これで首をすり替えた仇討ちは偽だと分かる。 でもまあその後、そこに至る過程を探偵役の加瀬が聞き込みをしていく。 徐々に真実が明らかになっていく様はサスペンスフルである。 そもそもなぜ作兵衛は菊之助の父を殺したのか?虫も殺せぬ優しい男がなぜ強い作兵衛を倒せたのか?などなどの謎が解き明かされていく。 話は美濃国に戻る。城代家老滝川(石橋蓮司)が不正を行い、その証拠を菊之助の父・伊納は入手したが、滝川は逆に伊納を悪人に仕立て上げる。 自決しては罪を認めたようになる。伊納は作兵衛に自分を殺させ、そして菊之助が作兵衛を討てば家の対面は保たれる。そして滝川の悪事の証拠を作兵衛に預けて江戸へ逃がしたのだ。そして加瀬が後で証拠を取りに行く予定だった。しかし加瀬は滝川によって幽閉され、身動きが取れなくなった。一方事情を知った森田座の面々は菊之助が作兵衛を殺したように見せかけようと一芝居打った、という訳。 映画では加瀬が探偵役だが、原作ではそういう役回りではないらしい。 しかも予告編で見た「あり得ないんですよ」のせりふは「仇討ちがあったとは思えない」ではなく、「作兵衛が証拠の帳面をそのままにしてしまうのがあり得ない」ということだった。 でもあのせりふはインパクトあったなあ。あの台詞で柄本佑が探偵役のミステリーって分かるもんね。 長々と内容紹介になったけど結局は娯楽ミステリーとしては上出来だった。こういう映画はヒットしてほしいですね。 Shiva Baby シヴァ・ベイビー日時 2026年2月27日19:15〜 場所 新宿武蔵野館スクリーン1 監督 エマ・セリグマン 製作 2020年(令和2年) 大学生のダニエル(レイチェル・セノット)は交際中の男・マックス(ダニー・デフェラーリ)からお小遣いをもらう日々。今日も朝から男と会ってセックスしてお小遣いをもらった。 その日の午後は両親から言われて知り合いのシヴァに出た。(ユダヤ教では葬式のあと親族や知り合いが集まっての立食の食事会をするらしい) 亡くなったのが誰なのかもダニエルには分かっていない。でも縁は薄そうな人だ。 久しぶりにあった親戚やご近所のおばさんから「最近は何してるの?」「就職はどうするの?」。母親は「この子を雇ってくれるところない?」と余計なお世話をする。幼なじみのマヤ(モリー・ゴードン)はロースクールに合格し、「まあ立派ね」と周りから誉められている。マヤは何かとうざい絡み方をしてくる。 そこへ驚いたことに自分の交際相手の男がやってきた。知り合いの知り合いといった関係で母親は早速挨拶をしだす。「この娘にいい仕事はないかしら」などと話しかける。 自分はマックスは独身だと聞いていたが結婚して妻は会社を3つ経営する実業家だという。しかも去年女の子を出産したとか。 そうこうしてるうちにマックスの妻・キムが赤ん坊をつれてやってきた。ベビーシッターが見つからず、連れてきてしまったという。 いらいらするダニエル。 毎週金曜の夕刊の朝日新聞には映画紹介、映画批評の欄がある。この映画は全く知らなかったが、ここで紹介されていて知った次第。 見逃して損する感じでもなかったので、パスしようかと思ったが金曜の夜は映画を見たい人なので鑑賞。(75分と短いしね) マッチングアプリで金目当てで男と出会ってお小遣いを稼ごうとする女性がいるのは日本だけではないらしい。舞台はニューヨーク郊外だ。 主人公のダニエルは(映画の紹介文では「パパ活」」)援助交際をしていて、葬式でばったり会ってしまう。 親からは「ベビーシッターのバイトしかしたことなくて」と言われ、普段言ってる「ロースクールに行って起業したい」みたいな嘘がばれてしまう。 気まずさマックスである。さらにその妻までもやってきた。しかも赤ん坊を連れて。母親は「うちの子をベビーシッターで使ってやって」などと言っている。もういたたまれない。 この親がやたらとしゃしゃり出る、とか親戚とか近所のおばさんが「近況」を聞いてきて面倒くさいとか自分より優秀な同世代と比較するなどは万国共通なのだな。アメリカでもそうなんだ。 トイレで自撮りでトップレスの画像を撮りマックスに嫌がらせで送るダニエル。さらに嫌がらせでマックスを2階の部屋に連れ込みフェラしようとする。 しかしスマホをトイレに忘れてきてしまったためにマヤにスマホを見つかってしまう。そして中も見られる。 やたら突っかかるマヤだったが、ダニエルと二人きりになると抱擁してキス。どうやらかつてはそういう関係だったのか。 このあたりの関係の複雑さは2回目に観た方が面白く感じられるかも知れない。 クライマックスはマックスの妻キムとの会話。結局スマホはキムが見つけてダニエルに返す。おそらくキムはスマホを見ている。夫との関係もきっと知っている。でもそれは言わない。それどころか自分の娘を「ちょっとだっこして」と抱かせようとする。 「私の娘に汚い手で触らないで」というかと思ったら(悪意をもって)抱かせようとする。これは「自分と夫の愛の重さ」を示そうと思ったのか。 映画はどう終わるかと思ったら、意外に終わる。 父親が善意から、マックス一家もマヤも「私が来るまで送っていくよ」という。みんな「ご迷惑でしょうから」と断るが、父親は「まあまあそんな遠慮せずに」と善意で勧めてくる。 仕方なく全員で1台の車に。 居心地悪そうなマヤとダニエル。 ここで映画は終わる。 大きな事件はなにも起きない。怒鳴りあったり修羅場になったりしない。 せりふには出ない葛藤がある。クラマックスも特別なことは起きない。 でも確実にドラマがあった。 面白かった。 別に今年のベストテンに残らないと思うけど、見逃さないでよかった。 ラストシーン日時 2026年2月23日 場所 YouTube 監督 是枝裕和 製作 令和7年(2025年) 脚本家の倉田(中野大賀)は今手がけてる恋愛ドラマのラストの展開についてプロデューサー(黒田大輔)とファミレスで相談していた。 書き上げた最終回の脚本にイマイチ迷いがある倉田だったが、プロデューサーは「いいんじゃない?」という。 プロデューサーは先に出て行ったが入れ替わりに由比(福地桃子)という若い女性がやってきた。彼女曰く「自分は50年後の未来からタイムマシンでやってきて、将来テレビドラマはなくなってる。それはこのドラマが完全に低視聴率で終わったせいだ」という。しかもそれで主演女優では使ってもらえなくなり、脚本家の倉田と結婚したというのだ。そして自分は孫だとも。 ラストシーンを書き換えることでなんとかテレビドラマに終止符を打たせることを回避したいという。 撮影現場に行ってみるとやはり主演女優つまり由比の祖母はせりふに納得が行ってないようだ。倉田は現場でせりふを直した。 由比が「私の時代にはなくなってる観覧車に乗りたい」というので観覧車に乗る。そこでラストシーンを変えることはドラマが大失敗には終わらなかったことになり、それは由比の祖母と倉田が結婚する事もない。だから由比も生まれてこない。しかしそれでも由比はかまわないという。 由比は観覧車の中から消えていった。 50年後、老人となった倉田は観覧車にやってきた。今はロボットになった係員(リリー・フランキー)から「来月で観覧車は終わる」と聞かされる。そこへ由比に似た女の子が友達とともに観覧車に乗っていった。倉田は彼女たちを見上げる。 鈴木志遠情報を検索していたら「是枝作品『ラストシーン』にでました」というので「そんなのあったっけ?」と検索したらYouTubeのみでの公開。 しかもiPhone16Proで全編を撮影したという。完全にiPhone16Proのプロモーション映画な訳だ。上映時間は27分。 話は「未来にはテレビドラマはなくなっている」という「今あって未来にないもの」を軸にして展開してる。だから由比の希望でパンケーキなどを食べにいく。「過去を変えたりしていいの?」と倉田は移動の車の中で聞くが由比は寝ていて答えないということでその辺の設定のややこしさを逃げている。 肝心の鈴木志遠だが、撮影しているドラマの相手役男優として撮影現場にいるシーンでちょっとだけ出てくる。アップもないけど、背が高いのでやはり存在感はある。ロングでも存在感のある2枚目ということで選ばれたのかも? ドラマ自体は完全にプロモーション映画で別に特に感想はない。 メイキングシーンで「これからは誰でもドラマが撮れるようになっていくだろう」とか言ってたけど、それがいいことなのか悪いことなのか。 それだけ駄作も増えるってことだからね。 考えてみれば音楽バンドなんて楽器さえあれば誰でも出来るから、これからは音楽バンドなみに新規が入ってくるのだろう。 その中でも何十年もやっていける人と1本だけで終わる人、そもそも1本もない人などが出てきて今より戦国時代になっていくわけである。 まあ必然でしょうねえ。 よがりの森 火照った女たち日時 2026年2月22日19:02〜 場所 上野オークラ劇場 監督 小関裕次郎 製作 OP PICTURES ある森の中、智樹は首吊り自殺をしようとしていた。そこへ作業着姿の若い女・道子(あべみかこ)がやってきておしっこしようとした。道子に見つかってしまう智樹。道子は「あっちでやって」と森の奥を指さす。「いや普通止めるでしょう」という智樹。結局道子の親方佐久間(森羅万象)らに見つかってしまい、しばらく研修生として働くことに。 林業仲間の五十嵐の家に泊めてもらうことになったが、五十嵐の妻(きみと歩実)とのセックスの声が気になって智樹は眠れない。 ある日、道子が林業を進める町の動画を観たという杏奈(谷花紗耶)がやってきた。道子は実は元アイドルで杏奈は道子のファン。道子はアイドル生活に疲れて辞めてここに来たのだった。 上野オークラ3本目。 就活に疲れた青年とアイドルに疲れた女性が林業という新しい世界でやり直そうとする物語。 話はまとまっていて今日の1本目の「巨乳喪女〜」より何倍も脚本の出来はよい。ドラマがしっかりしてるしね。 (でもそもそも「喪女」っていうから旦那が死んだのかと思ったらそういう訳ではないな。なんだろ、このタイトル) 出演者で特に好きな人はいないのだが、それより目を引いたのは木の伐採シーン。 役者本人たちがチェーエンソーを使って木を切っている。 あんなの役者のような素人が使っていいの? 同様に下の方の草を刈り取る機械もあぶなそうだなあ。 もちろんプロが指導して現場にもいたんだろうけど。 そしてラストでは一本木を切り倒す。 ここが切れ目を入れて楔を打ち込んで倒していくのだが、気が倒れていくシーンを上からも撮っているので驚いた。 カメラは制止していたからドローンではないだろう。 映画の内容そのものより、この木の伐採シーンを丁寧に撮ってるのが感心した。 地下鉄連続レイプ 愛人狩り日時 2026年2月22日18:00〜 場所 上野オークラ劇場 監督 片岡修二 製作 日活(獅子プロ) ニュース番組のディレクター・野沢(下元史朗)は番組の低視聴率でプロデューサー(大杉漣)から攻められていた。 そんな時、地下鉄車内で4人の暴漢によるレイプ事件が起こった。居合わせたカメラマンの轟(佐野和宏)が現場を写真に撮り、写真週刊誌に掲載したのだ。しかし警察は「やらせ写真」と疑って被害者や目撃者からの告発もないので動かない。 野沢はこのネタを使い、若い女性キャスターから番組で「こんなこと許されていいわけではありません。被害者や目撃者、カメラマンは名乗り出てください」と訴える。 カメラマンの轟は名乗り出て番組にも出演してもらった。視聴率は順調だ。轟はやはり明日警察に行くという。ところが轟は殺された。 テレビを見た人からの電話や投書で被害者や犯人たちはわかってきた。被害者に接触した野沢だが、テレビでの報道が多くなるにつれ自殺してしまった。 犯人を追いつめる野沢。撮影クルーと女性キャスターに犯人に突撃して執拗に追い回す。地下鉄に乗り込んだ犯人たちだったが女性キャスターは地下鉄でレイプされる。だが野沢はカメラマンたちに「助けるのではなく撮影を続けろ」と指示した。 警察も動き出した。刑事(蛍雪二朗)は事件を調べる。 轟は事件を大きくした被害者に恨まれて殺されたか、レイプ犯によって殺されたと思われていたが、実は野沢が殺したのだった。 野沢は轟が警察に告発することで事件が警察のものになったら自分の番組のものでなくなるのをいやがったのだった。 同時上映のにっかつロマンポルノ作品。でも獅子プロ制作だからいわゆる「買い取り」作品だろう。クレジットを観たら助監督の一番下に瀬々敬久の名前があった。 まず地下鉄の中でレイプシーンを撮るというのがすごい。早朝の列車で周りはエキストラかも知れないけどそれにしても大胆。 しかも2回ある。ロケしたのは都営新宿線。そこがもう圧巻である。 一発勝負かも知れないけど、2回出てくるもんなあ。 テレビの狂気を描いた作品だけど80年代はロス疑惑事件もあって「テレビのいきすぎた報道」が問題になっていた時期だけど、最近は逆に「批判をおそれて萎縮しすぎ」の時代になってしまい、逆に不安である。 下元史朗、大杉漣、池島ゆたか(テレビ局員)、佐野和宏、蛍雪二朗などなど当時のピンク男優陣のオールスターといった布陣で、そこが見応えあった。 巨乳喪女のわくわく妄想性活日時 2026年2月22日16:33〜 場所 上野オークラ劇場 監督 高原秀和 製作 OP PICTURES ひきこもりのまつり(美園和花)は毎日妄想する生活。高校時代に自分をいじめていた友人が訪ねてきても「その子は自分にあこがれていたので逆にいじめてしまった」という設定で女同士の楽しみを妄想してオナニー。 そんな日々、2階のベランダからパンティーを落としてしまい、それを拾ってくれた青年・弘樹(東野良平)と知り合う。「お礼をしなくてはいけないのですが何をしてあげればいいかわからない」というまつりだが、弘樹は「じゃ何か教えてください。おいしい店とか」と言われ「じゃそこの角を曲がったところのパン屋がおいしいです」と答えた。 弘樹は翌日、その店であんぱんを買ってきてくれて一緒に食べた。「あんぱんと牛乳って張り込みの刑事みたいですね」と言ってまた妄想。 弘樹は実はまつりの父親の部下で父親に「なんとか娘を外に出してほしい」と頼まれたのだった。 弘樹は会社では同僚(烏丸達平)にいいように使われるお人好し。でもきっかけは仕事で出会ったけど弘樹は徐々にまつりを好きになっていった。 SNSとか観てたら今週から始まった新作で烏丸達平が出演してると知り、駆けつけた次第。最近彼は縦型ショートのBLドラマの演出をしたり、「初恋芸人」で制作部でクレジットされてたから出演以外でもがんばってるようだ。 これも本人は発信してないんだよなあ、情報は。 話はまつりの妄想の連続の団子式。だから純粋なドラマはないんだよね。 烏丸達平はイケメンで社内の女子とつきあっていてデートの為に仕事を弘樹に押しつける。んでホテルで女子とセックス。 「俺は起業しようと思ってる。俺はこんな会社で終わる男じゃない。情報を征する者は情報を征する」とか言っていて女子には内心「顔もセックスもいいけど頭悪いからなあ。そろそろ潮時か」と思われてる。 だから本筋とは関係ない、わき道での濡れ場。 ここ、わりと丁寧に撮ってるのでここだけは十分満足した。 この映画が順番の最初だったので、あとの2本も観てからもう一度この烏丸達平のシーンだけ観て帰った。 満足した。 しかも一昨年出演したオークラピンクがDVDになってると知り、レンタルで観てみよう。 失恋殺人日時 2026年2月21日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 窪田将治 製作 平成22年(2010年) 南田(柳憂怜)は悩んでいた。「自分は妻を愛しているが、妻は自分を全く愛していない」と。友人である通ってる歯科医の琴浦(大浦龍宇一)に「妻のことで探偵に調べてもらおうか」と相談する。琴浦は「気にしすぎでしょう」と答えた。 しかし逆に琴浦はAKC探偵事務所の明智(草野康太)に南田の妻・みや子(宮地真緒)の素行調査を依頼する。明智は難色を示したが、妻の文代(星野真里)が引き受けた。 文代はみや子の尾行を開始したが特に不振な点はない。 みや子の方は夫の執拗なまでの愛情表現に不気味ささえ感じていた。 彼女の下着を勝手に捨てて自分が買ってきたものをつけろとか、始終監視されているようでつらかった。 そんな日々が続き、みや子は琴浦と歯科の診療台で体を重ねる。しかし受付の助手(山田キヌヲ)に二人の関係は悟られた。 助手はに「黙ってるから給料をあげてくれ」と頼むが、琴浦は拒絶。 助手はついに南田に電話した。 南田は琴浦の医院に行く。「全部知ってるんですよ」という南田。琴浦はみや子から預かっていた南田の拳銃で彼を射殺した。 琴浦はとみや子は南田の死体を自宅に運び、自殺に偽装しようとした。 しかし琴浦とのみや子の関係を疑った文代が南田の自宅に駆けつけた。琴浦は文代も殺そうとするが明智も駆けつけ、すべてを見られ、琴浦は自殺した。 話は全部書いた。 江戸川乱歩の「妻に失恋した男」の完全映画化(「完全」は予告編による) くそつまらん。話が全く前に進まない。「50分のテレビドラマは2〜3話平気で連続して見れるのにどうして1時間40分の映画がこうも退屈なのだろう」とまで考えてしまう。 箇条書きで気になった点を書く。 1、時代設定を現代ではなく、昭和に設定しているが、どうもちぐはぐ。 古い歯科医や家でロケしてるのだが、歯科医の器具がさびている。 そりゃ今残ってる昭和のものは錆びてるだろうけどさ、物語の舞台の時は錆びてないだろう。 原作は戦前なのかと思ったら昭和32年の発表。妙に戦前っぽい感じを出そうとしてるけど、逆に痛々しいだけ。低予算なら現代でやればいいのに。 2、話が全く進まない。本来は60分程度の話なのに100分もある。 編集でもっとカット尻を切るとかカットの前半を切れそうなのだが。 3、文代を探偵役にしてるけど意味不明。そりゃ明智に浮気調査はさせられないけどね。また星野真里が妙にコミカルに可愛らしくお馬鹿さんっぽく演じてるからよけいに腹立たしい。 4、あんまりつまんないから原作がKINDLEにあったので(KINDLEで以前「江戸川乱歩作品集110作品収録」というのを買ってあったのだ。実はたいていのはここで読める)読んでみた。 新聞小説で5日間の短期連載で終わった短編。だから10分以内で読める。 これが南田の自殺に疑問を持った刑事が根気よく追求していく話なのだ。 こっちは謎解き風で面白かった。 5、明智が出てくるけど何の活躍もしない。助手の小林は名前だけ登場、南田の殺害現場の捜査にくる警官で波越警部がちょろっと登場。 結局、乱歩作品てこの映画に限ったことではないけど「エロVシネ」のネタにしかされてないんだよね。 推理ものの乱歩映画化作品もまた観たいなあ。 盲獣日時 2026年2月15日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 増村保造 製作 昭和44年(1969年) モデルの島アキ(緑摩子)は自分がモデルとなったカメラマンの展覧会で同じく自分がモデルになった彫刻をなで回している男(船越英二)を見かけ不気味なものを感じた。 数日後、仕事で疲れて帰ってきたアキは按摩を呼んだ。やってきたのはいつもの按摩ではない。不振なものを感じたアキは帰るようにいうが、男はアキを眠らせて拉致する。 連れて行かれたのは男のアトリエと称する倉庫の中だった。男の名は蘇父道夫といい、彼は按摩の傍ら自分が接した女性たちの体を彫刻にしている彫刻家だと言った。道夫の世話をしているのは彼の母親、しの(千石規子)。 アキはなんとか逃げだそうとするが、しのに見つかってしまう。仕方なくモデルをする気になったと言って油断させ、食事の際にワインを飲ませて道夫が酔った隙に逃げだそうとするが失敗する。 アキは「あなたのことが好きになった」といい油断させようとする。だが母親は「そんなの嘘に決まっている」と道夫をたしなめる。アキは「あなたの母親は息子をとられるのがいやで嫉妬してるだけだ」と誘導する。 やがて道夫としのはもみ合いになり、しのは倒れた弾みに柱に頭を強く打って死んだ。しのの死体は倉庫の床を掘って埋められた。 あきらめたアキは道夫のモデルを続ける。それは道夫によって体を愛撫される日々だった。暗闇の中でそれが繰り返されるうち、アキは視力が弱っていく。 そして彼女も触覚の世界に生きるようになる。お互いの体を触るだけでは満足しなくなり、お互いの体を噛みつきあい、やがて道具を使うようになる。縛られ、鞭でぶたれる。最後にはナイフで切ってくれと懇願するアキ。 終いには手足を切ってくれと言われ、それを実行する道夫。手足を切られ死んでいくアキ。道夫も自らを刺していく。 話は全部書いた。 今小説とかで江戸川乱歩を読んでいるのだが、その流れで映画化作品も観ている。 明智が出てくるような犯罪ものかと思ったがそうではなかった。 「人間椅子」に出てくる「触覚の世界」を描いた作品だ。 で、この映画、キャラクターのある人物は3人だけなのだ。道夫、アキ、しのの3人。 アキが失踪したわけだから、彼女を探して恋人などが彼女を捜していく流れを平行して描くことも出来たわけだが(探偵小説としてならそうなるだろう)、この映画ではそういうのは一切なし。 ひたすらに触覚の世界に溺れていく男女を描く。 でこのアトリエのセットがすごい。壁に大きな腕や足、目玉そして乳房のオブジェというか彫刻が貼り付けられている。これが無数にあるのだから気持ち悪い。 このセットだけでもアヴァンギャルドである。 しかし終いには腕を切ってくれとか完全に狂気で私はだめ。好きになれなかったなあ。 昭和44年というと映画界がエロに染まっていた時代であり、こういうエログロ映画も大手大映で作られたのだな。 増村保造や大映史の中では記憶されるべき異色な映画。 私は好きになれなかったけど。 ウォーフェア 戦地最前線日時 2026年2月14日19:00〜 場所 TOHOシネマズ日比谷・スクリーン13(宝塚地下) 監督 アレックス・ガーランド レイ・メンドーサ 2006年イラク。アメリカ海軍狙撃部隊はカルカイダ幹部の監視と狙撃の任務についていた。町の中の一軒の家を決めてその家の住民を一部屋避難させて2階の窓から狙撃銃で監視するのだ。 監視を始めたが、こっちを見ている若い奴が複数いる。反乱勢力にはどうもこちらが監視してることを気づかれたようだ。 と思っていたところへ狙撃用に開けていた穴に手榴弾が投げ込まれた。手榴弾の近くに居合わせてしまった狙撃手2名は負傷。銃撃戦が始まる。 兵員輸送可能な戦車による援軍を呼んだ。戦車はほどなく到着、負傷兵を積み込もうとしたその瞬間、爆弾が爆発した! 砲手も負傷したので早々に戦車は撤退。 だが敵の攻勢はますます強くなり、先の爆弾で負傷者はさらに怪我がひどくなった。 あんまり宣伝してないのか周りに観た人もいないのだが、戦争映画好きとしては見に来た。上映回数も減ってきて、もう東京では日比谷1館だけでそれも1日1回。でも時間が合ったのでわざわざ日比谷にきた。(日比谷は他の東宝より回数や上映期間が長いことが多いのだな。東宝のフラッグシアターの面目なのか) さて映画だけど、何をするためにこの部隊がここに派遣されたのかよくわからない。でもそういうことは本質ではないのだな。末端の部隊には全体の戦況なんかわからない。ただ命じられた地点に行って戦ってくるだけ。 また劇場の音響がいいので音の迫力が半端ではない。特に最初の戦車に負傷者を積み込もうとしたときの爆弾の爆発は何も知らなかったから、椅子から飛び上がりそうな位びっくりした。 その後も重機関銃の低音の響きがすごい。 また戦闘機に上空を低空で通過してもらうだけで、その風圧で威嚇になると初めて知った。そういう戦法もあるんだ。 そして負傷者にモルヒネを打つシーンで誤って上下間違えて自分の指に刺してしまう。慌ててるとこういうミスも起こるんですよね。 結局2回目の戦車がやってきて全員無事帰還できた。この戦車の派遣も前回失敗したので司令官の承認待ち。そんなことがあるのか。 全員が戦車に乗って出発したところでこの映画は終わる。 不思議なことに何か気の利いたせりふを言ったり、作者の主張、を代弁するシーン、カットもない。 「これが戦場の実体です」とだけ事実を再現してるように思えた。 人は新聞やニュースを見て「戦争もやむなし!」などと声高に言うけど、現場は地獄なんですよ、わかってくれ!という静かな叫びを感じた。 監督のアレックス・ガードランドが実際に経験した戦闘だそうだ。 除隊後監督になったのか、この映画の為に映画監督として参加しただけなのかはよくわからないけど。 「ブラックホーク・ダウン」や「独立機関銃隊未だ射撃中」のような映画だった。完全に兵士の視点だけで描く戦争映画。 とにかく見逃さなくてよかった。 ほどなく、お別れです日時 2026年2月10日18:40〜 場所 TOHOシネマズ新宿・スクリーン4 監督 三木孝浩 清水美空(浜辺美波)は就職活動中だったがことごとく不採用。知人の葬儀に参列したが、お腹の大きい女性に「あの、伝言をお願いしたいんですが」と頼まれる。美空は実は亡くなった人が見えるのだ。その女性はこれから葬儀が行われる故人だったのだ。女性は柳沢玲子(古川琴音)。出産直前で歩道橋から落ちてなくなったのだ。夫の亮太(北村匠海)は茫然自失としてるだけ。そんな彼に美空は玲子からの伝言、「一緒に準備したおむつを棺に入れてほしい」を伝えるのだった。 その姿を見た葬祭プランナーの漆原(目黒蓮)は彼女をスカウトし、葬儀社に就職させる。 美空には姉がいたのだが、美空が生まれた日に祖母と川に散歩に行き、祖母が手を離した隙に誤って川に落ちて亡くなった姉がいた。美空はそのことが自分が死んだ人が見えることと関係あるかもしれないと思っていた。 小さいときから心臓に疾患があり5歳で亡くなった娘の葬儀、父親の借金で離婚し、子供を二人育てた母親の葬儀、そして自分自身の祖母の葬儀。 数々の葬儀を通じて美空は葬祭プランナーとして成長していく。 三木孝浩新作。今もっとも勢いのある旧ジャニーズの俳優、目黒蓮の主演で北村匠海も出演してるので見てみた。 「おくりびと」の二番煎じかと思ってたら公開が近づくにつれ、浜辺美波が特殊能力を持ってるらしいとわかってきた。 それがなんと「死んだ人が見える」というもの。 単純なヒューマンドラマかと思ったらファンタジー要素もあるのですね。 そういえば三木監督は「僕は明日、昨日の君とデートする」もSFとうかファンタジー恋愛映画だった。 三木監督はこういうのが実にうまい。照れがない。 こういう泣かせの映画では私は泣かないのだが、それでもどのエピソードでもうるっと来た。涙は流さなかったけど。 確かに出産直前で亡くなった妻と残された若い夫とか、難病で5歳で死んだ娘とか、とにかく話聞いただけでももらい泣きしてしまうそうな話である。 いまおかしんじ監督の新作「死神バーバー」を先日スニークプレビューで見たが、これも同じように死者がわずかな時間だけ残された人と会える話。 「死神バーバー」は死者の側から描いたドラマだけど、「ほどなく」は残された方のドラマ。二つを比較するとおもしろい。 出演では目黒蓮が目立ちすぎない演技がいい。これがキムタクあたりがやっちゃうとどうしても自分が主張してしまう。 浜辺美波は順当な感じ。 あと借金でいなくなった父を憎む息子役で西垣匠。 美空の祖母が夏木マリ。ほとんですっぴんな感じで押さえた演技がよかった。 映画とは関係ないがラストで姉が亡くなった川辺で祖母とのお別れをするシーンで「『安楽死特区』みたいにラップで踊り出さなくてよかった」という意見をXで見て、大笑いした。 禍禍女日時 2026年2月8日15:35〜 場所 kinocinema新宿・シアター2(5F) 監督 ゆりあんレトリィバァ 「好きになられたらお終い。つきまとわれて目玉をくり抜かれて殺される」という禍禍女の伝説が広まっていた。 美大生の宏(前田旺志郎)は早苗(南沙良)に惚れられていたが興味はない。むしろ迫り方が怖くて引いていた。学内の展覧会で宏は好きな子をモデルにした彫像を作った。だがそれから早苗は「本当は私が好きなのに嫉妬させようとしてわざと別の子をモデルにしたでしょ?」といい、宏のストーカー行為を始める。 ところが禍禍女の妄想に取り付かれた宏は目玉がくり抜かれて死んだ。 早苗は同じように目玉がくり抜かれて殺された「禍禍女に殺された」の週刊誌を記事を読み、最初の事件を追い始める。 数年前に高校生の女子(水島麻里奈)が学校一番の人気イケメンに手紙で告白したのだが、「整形しろよ」と男子にいわれそのイケメンからは「整形なんてしなくていいよ。死ねよ」と言われて屋上から飛び降りたのだ。彼女が禍禍女になったのか? 一方、ある家族は夫が禍禍女にねらわれてるようだ。妻(田中麗奈)は祈祷師(斎藤工)の力でなんとかしてもらおうとするが、祈祷師は負けてしまう。 禍禍女は今度は息子を狙っている。妻は自殺した女子高生の母を訪ねた。死んだと思っていたが、その女子高生は生きていて今は普通に働いている。彼女の話では地元の縁切り木という木があり、そこに振られた相手の名前を書いて鎌で刺すというのだ。 去年の秋から芸人のゆりあんレトリィバァが監督した映画が世界各地の映画祭で受賞しているというニュースが出ていた。 私は映画関係以外の人が監督した映画をあまり信用していない。そういう監督で成功した(私基準)は北野武ぐらいなのだな。 でパスするつもりでいたのだが、先日「ヒグマ!」を見たときに予告を宇やっていて脚本が内藤瑛亮と知って興味が出た。 6日から公開だが、2週目になったら上映回数も減るかも知れないのでさっさと鑑賞。 まあ一種のホラーですね。 でも通常のホラーって「まともな人が怪奇の謎を追っていき解決する」というのが基本的展開だが、今回は怪奇を追う早苗もあぶない奴。 そして後半になると田中麗奈の主婦が事件解決に向かうという構造になっている。 この辺がこの映画の珍しいところ。 これが映画の構成がややこしくなってるとも言えるし新しいとも言える。 私はいつもの「まともな人が怪奇の謎を追っていき解決する」が好きだけど、それも変わってくのかな。 出演では「制作部の水島さん」の出演がうれしい。前田旺志郎も好きだしね。水島さんの母親役で佐藤勝利が主演の「でっけえ風呂場で待ってます」で怪演した平田敦子の出演も楽しかった。 一寸法師日時 2026年2月1日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 内川清一郎 製作 昭和30年(1955年) 文士の小林章三(宇津井健)は「夜の繁華街散歩」の取材のため渋谷の街を歩いていた。そこで見せ物小屋にいるような小人が人間の腕を持っていりのを見かける。つけていくと養源寺という寺に入っていくのを見かける。塀の隙間から入ってみたものの、見失ってしまう。翌日その寺を訪ね、住職に聞いてみると「そんなものは知らん」と突っぱねられてしまう。 そこへ今は山野夫人となった旧知の百合枝と出会う。百合枝は再婚だが義理の娘の三千子(安西郷子)が家出をしたらしいというのだ。 百合枝に頼まれ、私立探偵の旗(二本柳寛)を紹介してもらう。 旗と小林は山野家に行ってみる。そこで旗はピアノの中に三千子のヘアピンを見つけ、彼女がここに隠されていたらしいと知る。そしてゴミ箱に隠され、ゴミ回収で運ばれたのだった。 その頃行われていたファッションショーでマネキンの腕が実は人間の腕だったという怪事件があった。また女性の足だけが見つかる事件もあった。 三千子の部屋の残されていた化粧品から指紋が検出され、それはファッションショーで見つかった腕の指紋と一致した。 その頃百合枝は何者かに呼び出され、それを見た小林は尾行する。百合枝は一軒家に入っていき、そこで一寸法師に脅かされていた。 小林は百合枝を助けたが、一寸法師は取り逃がした。 今江戸川乱歩を改めて読んでいる。去年の秋に乱歩原作の3本を観てから再度興味を持ったのだ。 この「一寸法師」は明智作品では初の長編ではないか? でもこの映画では何故か(理由は不明)探偵は明智の名前ではなく旗となっている。原作の明智はまだ20代だが、二本柳では中年の貫禄だが。 DVDの画質も悪く、500円DVD並だ。途中ピントがぼけるところがあるが、あれはプリントが波打ってるので映写機のなかでピントがぼけたと思う。 この映画では原作が生かされてない。 「養源寺に逃げ込んだはずの一寸法師が突如として消えた」「女中小松の失踪」などの謎が盛り上がらないのだ。 前者は「実は別の家と地下でつながっていた」ということなのだが、ここももう少し盛り上げてほしかった。 後者は「実は殺されて死体が飾られたのは三千子ではなかった!」というのだ。原作では三千子の部屋にあった化粧品の瓶から採取した指紋と一致した、ということから三千子の死体と判断したわけだが、明智は三千子の部屋にあった化粧品がどうも三千子には似つかわしくないということで「化粧品の瓶は三千子のものではない、すなわち死体は三千子ではない」と推理する。そして三千子と小松が顔が似ていることから入れ替わりを推理するのだ。 この辺も化粧品の謎とかもう少し描いていれば意外性があったのに。 またラストも一寸法師は原作では工場の屋根の上からワイヤーを伝って降りて結局落ちて重傷を追って病院で死ぬのだが、映画ではワイヤーを伝っているところでカットが変わる。落ちるところはなかったのか知らん? そして最後は一寸法師が百合枝に恋していて、恋してるが故に「俺を愛してくれ!」という想いから行き過ぎた行動した、と映画では結論づけられ、瀕死の一寸法師が涙を流すシーンがある。 原作では「不具者が健常者に憎しみをもって行動した」というのが行動原理。マイルドになってるなあ。 もっとも江戸川乱歩は一寸法師の不具者を「奇形人間」として恐怖の対象として描いていた。いまじゃコンプライアンス的に無理じゃないかな。 それでも演じた俳優は実際の小人芸人だろう。 そういえばそういった芸人見なくなったなあ。昔はそれこそ蜷川幸雄の「滝の白糸」(主演:岡本健一)にも小人芸人出てたな。でもあれも90年頃だからもう30年以上前か。 |