滝沢演舞城

日時 2006年3月21日17:00〜
場所 新橋演舞場2階4列



この3月4月、松竹系の新橋演舞場でのタッキーの2ヶ月公演。
東宝の「SHOCK」の成功にあやかって松竹が企画したであろう、この公演。
「チケットが買えたら見よう。買えなかったら無理しては見ない」という気分だったが、
ファミリーマートの「チケットぴあ」で試してみたら割と簡単に買えた。

新橋演舞場は本当に久しぶり。
10年以上は来ていない。前に来たのは岡本健一の芝居だったと思う。
ところが芝居のタイトルは覚えていないのだよ。

会場は思ったより狭い。客席数は1400ぐらいなので、普段のコンサートホール
の感覚では小さく感じるのは当然。
(小さいと思ってる代々木体育館も1万人ですから)

定刻通りスタート。
まずは森光子の挨拶のナレーションが流れる。これは正直やめてほしかった。
そして「日本むかしばな史」という演目のスタート。
てっきり「一寸法師」とか「桃太郎」をやるのかと思ったらそうではなく、日本の有名な
時代劇などのハイライトシーンを演じていく、というもの。
最初は「忠臣蔵」
タッキーが大石だが、四十七士の扮装をしたJrがわらわらと登場し、一人一人名前を
言って自己紹介していくという挨拶だ。
そして今度は白虎隊など。
途中タッキーが天井からゴンドラで登場したり、2階席の右手から突然登場しそこから
フライイングに移ると言う演出。
2階席のあの席は儲けものですね。タッキーに多少タッチできますから。

そしてMASKという演目ではタッキーが仮面をつけて踊りながら仮面を外すんだけど、
その仮面をいくら外しても仮面のままで、いろんな仮面が登場するという趣向。
でもなあ。
踊りとしては面白いんだけど、こっちとしてはタッキーの「顔」をメインで見に来てるような
ものだから、せっかくの顔を隠した芸をやってもらってもイマイチ面白くない。
ひょっとしたら最後の仮面を取ったらタッキーじゃなかった、というオチかと思ったが、
そんなことはなかった。

「滝の白糸」の中で扇子の先から水を噴き上げる芸を披露。
古典的ですが、やっぱり水を使った演目は火と同様に派手さがありますね。

そしてバンジージャンプ風なフライイングも登場。
普通のフライイングのようなワイヤーではなく、バンジージャンプ風の伸縮のあるロープで
宙吊りになり、そのまま上半身から回転!
回転してるときも体を曲げたりせず、直立不動の姿勢だから、あれはなかなか大変です。

女形がやたらマスコミに取り上げられたけど、私はあんまり関心がないのでそれほどの
印象は残らなかった。

それにしても全体として舞台が大仕掛け。
久しぶりにこんな大仕掛けのセットを見たが、回り舞台や上下する舞台で、装置を見てるだけ
でも充分に楽しめる。

そして第1幕の最後は牛若丸と弁慶の対決。
その前に牛若丸が鞍馬山にいるときに子供たちが天狗に襲われ、その天狗と戦う、というのを
やるんだけど、ここではもろ肌脱いで頑張ってますので、私には女形以上の見せ場でしたね。
そして弁慶との対決になるんですが、意外とあっさり。
NHKでやったときは派手にワイヤーアクションをして、カンフー映画みたいで返って
私は白けたのだが、今回は派手にワイヤーでつられながら対決してくれたほうがよかった。
ここで、35分の休憩。

第2幕は「義経」
昨年の大河ドラマに引き続き、当たり役。
父の遺言どうり源氏再興を誓う義経。そして一の谷の合戦、壇の浦の決戦へ。
壇の浦の決戦では一の谷の合戦のあとたまたま助けた娘と再会。それが清盛の妻となった
自分の母の娘、すなわち父親違いの妹と知り、母ともその場で幼時以来の再会。
しかしその感動もつかの間、戦場の矢にあたって母も妹も亡くなってしまう。
戦争のむなしさを嘆く義経。
そして合戦後、義経は天皇から位を与えられるが、義経が大きくなるのを恐れた頼朝に
殺されてしまう。
ここは普通の義経物語と違って頼朝と義経、弁慶と直接対決。
定説とは違うけど、「血を分けた兄弟が争う悲劇」に持っていくにはこれもありだと
思いましたね。

で今度はタッキー・オン・ステージという訳で歌へ。
ゴンドラからタッキーが登場し、ソロで「夢物語」歌ってこちらは一挙に盛り上がる。
横山裕など関ジャニ∞などの歌もあって、タッキーのソロで「ヴィーナス」
前のほうの観客など一緒になって踊ってました。

そして全員そろってのカーテンコール。
一通り終わったあと、タッキーが挨拶。
「今日も何の事故もなく無事公演を終えることが出来、本当にうれしく思ってます。
明日以降も手直しを何点か加え、さらによいものを作っていきます。
これからもよろしくお願いします」
そんな挨拶で無事終了。

タッキーも比較的間近で見られたし、かなり満足。
パンフレット(2000円)のほかにポスター(800円)や舞台写真(500円)も
買ってしまいましたよ。
また見に行きたいな、そう思わせる満足感が得られたよう公演だった。


※翌日、花火を使った効果で火花が舞台下の大道具に引火しボヤとなり、その日の公演、
23日の公演は中止となった。
そんな意味ではなかったろうがタッキーの最後の挨拶が皮肉に聞こえてきてしまった。
タッキー、そんなことにめげずにがんばれ!!!