2001年2月

回路 BROTHER
インモラルマーメイド 楡の木陰の愛
黒い十人の女

回路

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日時 2001年2月25日 18:45〜
場所 新宿文化シネマ4

黒沢清作品は初めてだ。
今までなんとなく関心が無かったから観にいかなかったのだが、
加藤晴彦初主演作品の冠にひかれて観にいった。

アルペンのCM以外もうひとつパッとせず、ちょこちょことテレビにも
出てはいるのだが決定打が無い、そんなイメージの加藤晴彦にもやっと
主演映画がやってきたか!と期待したが、残念ながらまたもブレイクには
至らない。
去年の映画「アナザへヴン」のイメージがあったのでパソコンおたく少年で登場
するのかと思ったら、そうでもなくパソコンオンチ大学生。
もう25歳の加藤晴彦だが相変わらず大学生やフリーターの役がよく似合う。
まだ2,3年はこの手の役をやりそうだ。(本人にしてみれば
このままじゃまずいっていうあせりはあるだろうが)。

何しろ黒沢清作品は初めてなので、黒沢の死生観がよく解らない。
ホラー映画という売りの割にはそれほど怖い作品ではなく、インターネット
というのもあんまりストーリーに関わっていなかった。
第一ストーリーがイマイチよく解らず作品世界に入れない。

でも途中の飛び降り自殺をワンカットでとらえたショット、ラスト近くで
飛行機が落ちるショット、無人の銀座のシーンはよかった。

どうやらラストは核戦争らしきもので人類の大部分は死滅するらしいのだが、
主人公達が船に乗っているシチェーションで、円谷英二の「世界大戦争」を
思い出した。「世界大戦争」ももう一度観てみたいな。


BROTHER

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日時 2001年2月24日 16:20〜 
場所 新宿ジョイシネマ3

話題の北野映画の新作だ。
一部あんまり評判がよくなかったので心配したが、
やっぱりイマイチ。

どうもヤクザの描き方が変。
どこがどう変かというと、一言で言うと「アメリカ人が作った
ヤクザ映画」みたいなのよ。
ヤクザ映画に限らず、アメリカ人が作った日本人の映画みたいなんだな。
例えば「ザ・ヤクザ」(高倉健、ロバートミッチャム主演)とか
「ブラックレイン」「ライジング・サン」みたいな。

やたら指は詰めるし、終いには腹まで斬っちゃうし(この場合はいわゆる
武士の切腹とは違う変なハラキリ。渡哲也はこのシーンのためにゲスト出演
している)。
指を詰めることに関しては「仁義なき戦い」を見てから、あの第一作に
でてきた指詰めの方がホントと思うようになり、高倉健映画的な
指詰めの仕方は嘘と思うようになってるから、その辺でついていけない。

さっきまで無表情だったたけしが突然切れて拳銃を撃ちまくるとこなど
相変わらず迫力があってよいのだが、悪く言えばただそれだけ。
予告編やテレビでよく紹介された「ファキング・ジャップぐらいわかるんだよ、
ばかやろう」のシーン、本編と予告では編集が違い、この場合予告篇バージョンの
勝ちでした。


インモラルマーメイド

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日時 2001年2月11日
場所 TSUTAYAレンタル

「思春の森」というフランス映画(?)がある。
確か1978年封切りだったと思うが、ハイティーンの
女の子二人と男の子一人が森の中で全裸でいちゃいちゃする
映画でした。
もちろんポルノ映画ではなく、一般館で公開されて、
当時私も観ました。
で、どうしてもこの映画をもう一回見たいなあと思って
いるんだけど、レンタルビデオにも無いし、まだ機会がないんだなあ。

なぜ関係ない「思春の森」の話をしたかというと、
この「インモラルマーメイド」はその「思春の森」の全裸の
女の子の一人が出演しているからなんです。(イザベル・パスコとかいう女優)
まあそれでちょっと懐かしくて見たわけなんですけどね、
期待どおりのC級映画でした。

スイス(?)どっかの山の湖に道路を作るために測量に来てる青年が
いて、(その青年の兄が湖をリゾート化しようとしている)もちろん
村のじいさんなんかの反対派もいるんだけど、さらにその測量を
邪魔する謎の女性が登場します。
実はその女性は湖に住む水の精で人魚なんです。
青年の前に姿をあらわす時だけ人間の姿をするという事だったんですが
あまりの美しさに青年はその人魚に恋をするようになり、やがて
二人は愛し合います。
兄はついに山を爆破しようとして岩に押しつぶされて死に、
開発は中止され、二人は結ばれる。

こういう風に書くと童話風の話に聞こえるのですが、売りは
イザベル・パスコの裸という半エロ映画です。
別に最初からファンタジーを期待はしなかったし、C級のエロ映画
だと思ってみてるから、ある意味期待どうりの映画で
なぜこんなつまらない映画を見たかというと、「思春の森」が
懐かしかったからです。
でももう一度みたいなあ、「思春の森」。


楡の木陰の愛

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日時 2001年2月11日
場所 TSUTAYAレンタル

「卒業試験」に続き、今度はマーク・レスターだ。
19世紀ぐらいのスイス(だと思う)を舞台にした
マーク・レスターの初体験もの。
マーク・レスターというとある年代以上の人には
特別な思い入れのある人も多いと思う。
あの「小さな恋のメロディ」の美少年である。

この作品では18歳ぐらいに成長していて、
少し大人になった美少年として最高級に男前になっている。
この作品は公開当時は見なかったけど、マーク・レスターの
滝をバックにした全裸シーンがあり、ずっと気になっていた。
(全裸で女の子と向かい合っているカット)
ポスターにもこのカットは使われ、ビデオのパッケージの表紙にも
なっているのでパッケージだけでも見る価値はあります。
そんなに激しいシーンを期待したわけじゃなかったけど、
全裸シーンでマークの股間にぼかしが入るのだ!!
ってことはオリジナル無修整版(そんなものがあるか知らんが)
マークの股間そのものが写っていたのだろうか?
気になるなあ、それ。

あっ映画の方はたいした内容じゃ無いです。
ストーリーもなんか無理がある。(というよりどうしてこういう
展開になるのか理解できないところがある)
だから美少年ファンはマーク・レスター全裸シーンのみを
楽しみましょう。
そういう映画です、これは。


黒い十人の女

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日時 2001年2月5日
場所 TSUTAYAレンタル

99年だったかにテアトル新宿(違ったか?)で
リバイバル公開され、(そのことが「めざましテレビ」でも紹介されていた)
その後ビデオも発売され、再評価が高まっている印象を
ずっと受けていた市川昆監督作品である。
なんと言っても市川昆は「犬神家の一族」をはじめとする
ミステリー作品でも有名な監督だし、2000年は「どら平太」という
快作もあるし、「市川昆のフィルムノワールの秀作」
なんてキャッチコピーをつけられたら、期待するなと言うほうが無理でしょう。

でも「外された!」というのが第一印象でした。
「あるTVプロデューサー(船越英二)には妻のほかに9人の愛人がいる。
10人の女達(山本富士子、宮城まり子、岸恵子、岸田今日子、中村玉緒他)
は共謀してそのTVプロデューサーの殺害計画を企てる」っていうのが
大筋なんですが、別にどんでん返しがあるわけじゃなく、
最後、岸恵子が車を運転してたら突然「完」の文字が出てきたので
驚いた。
なんだかストーリーの山もなく、「この後どうなるのかな〜」と
ぼーっと見ていたら突然「完」ですから。
ミステリーとは言えなかったですね、これは。
むしろラブストーリーの変形として考えるべきでしょう。

確かにモノクロのコントラストの効いた画はとても美しい。
このあたりがフランス映画風なんて事になるでしょうが、
でもそれだけじゃね〜。

マスコミに踊らされたっていうのが印象です。
確かに市川昆の話を雑誌とかで読んでも、
聞かないもんなあ、この作品の話は。