殺しの烙印 | けものみち | 素敵な片思い | 女殺し油地獄 |
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クレヨンしんちゃん ちょー嵐を呼ぶ金矛(きんぽこ)の勇者 |
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殺しの烙印日時 2008年5月31日16:00〜 場所 ザ・グリソムギャング 監督 鈴木清順 製作 (詳しくはキネ旬データベースで) 殺し屋No3の花田五郎(宍戸錠)はある男(南原宏二)を長野まで護送してもらうよう依頼 を受ける。 途中で襲撃を受け、今回の仕事を組んだ春日(南廣)は敵に倒されつつも仕事をやり遂げる。 また新たな依頼を美しい女・美沙子(真理アンヌ)から依頼を受ける。 ある外人を殺して欲しいというものだった。 ライフルで狙撃するその一瞬の瞬間、スコープの前に蝶が止まり、彼は目標をとらえることが 出来ずに失敗する。 やがて殺し屋No1から狙われる羽目になるのだが。 鈴木清順が日活を追われる羽目になった殺し屋もののハードボイルドの怪作。 学生時代(それこそ20年以上前)に文芸以下で見ていると思うが今回は2回目。 前は「わけわからん映画」と思ったが、今回はそうでもなかった。 ただ最初の長野行きなど敵との駆け引きをもっと見せるとか、例の蝶の失敗ももっと 丁寧に蝶が留まって失敗するさまをじっくり見せれば僕の気に入る映画になったと思うが、 そういうストーリー的な面白さはまったく追求していない。 「蝶が留まって失敗した」というのはホンの1秒ぐらいスコープの前に蝶が留まったカットを インサートするだけでまったく解りづらい。 お話のほうは「殺し屋に狙われだして最初の対決で車の下に隠れてその車を自分でロープ で引きながら進んで敵の弾を避ける」など面白いシーンも多い。 ただそういう所を面白く見せようとしたりしないのが鈴木清順。 ご飯の炊けた匂いをかぐと興奮するとか(それも日本人なら解ります)、真理アンヌの 蝶の標本のある部屋とか、螺旋階段でのセックスとか細部のほうが印象的。 多分、清順にとってはストーリーは別に関心がなく、イメージの面白さ、ショットの美しさを 描いていきたかったんだと思う。 ストーリーの縛りから解放されたショットとしての魅力を追求するのが清順さんなのですね。 そう思って最初から見ればきっともっと面白く感じられると思う。 DVDで再見の価値はありますね。 (このページのトップへ) けものみち日時 2008年5月25日16:40〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 須川栄三 製作 昭和40年(1965年) (詳しくはキネ旬データベースで) 旅館の女中、民子(池内淳子)は病気で寝たきりの夫を看病しながら働く生活だったが 常連客のホテルの支配人小滝(池部良)に誘われ、夫を火事に見せかけて殺害、 旅館をやめ小滝についていくことに。 小滝は弁護士の秦野(伊藤雄之助)を紹介し、秦野は民子を鬼頭(小沢栄太郎)という 政界の影の実力者の下に連れて行く。 鬼頭は民子を気に入り、寝たきりの自分の相手をさせる。 しかし警視庁の刑事久垣(小林桂樹)は民子の夫の死を、民子による殺害と 疑い始めた。 松本清張原作の映画化。2時間を越える大作だ。 前半は単なる女中として家に帰れば病気の夫に浮気をネチネチ詮索され、ねちっこく愛撫 される生活に嫌気がさしている民子がのし上がっていく様が描かれる。 最後までこの女の成り上がり一代記になるかと思ったら、途中から小林桂樹の刑事の比重が 大きくなり、民子は物語から一時はずれ、また民子の話に戻ってくる。 このあたりの脚本の混乱、というか乱れが惜しい所。 民子が次々と男を乗り換えていつしか政界の裏社会に君臨する姿を描いていったほうが 僕は満足したかも知れない。 小林桂樹が珍しく職務に必ずしも忠実でない刑事を熱演。 ただしやはり小林桂樹にはこういった役は似合わない。 たまにはいいのかも知れないが、その辺が惜しい。 あと小沢栄太郎と民子の夫役の森塚敏。 池内淳子の足にしゃぶりつく好色ぶり(変態ぶり)を発揮。 これは見ものでした。 そして黒部進(「ウルトラマン」の前ですね)が鬼頭の家の用心棒役で出番は少ないが 強烈な印象を残す。 ラスト、民子と黒部進を放火で殺してしまう池部良の高笑いが印象に残る。 後に「金環蝕」や「華麗なる一族」で政財界の内幕ものがはやるが、この時代にしては 早い作品だったのではないか? その手の大作の先駆け的作品だったともいえるなあ。 松本清張も「迷走地図」という政界ものを後に手がけることになるし。 (このページのトップへ) 素敵な片思い日時 2008年5月18日16:00〜 場所 ザ・グリソムギャング 監督 森山茂雄 製作 2006年(平成18年) 暗黒街の殺し屋、祖父江は舎弟の勝也との関係を楽しんでいるときに依頼が入る。 パチンコ店の売り上げを従業員のシローが持ち逃げしたというのだ。 新宿2丁目のゲイタウンでシローを見つける祖父江たちだが、逃げられてしまう。 シローはゲイバーのママのマギーに助けられ、彼の部屋で祖父江たちにやられた 傷を治すことに。 シローはマギーを信頼し、ある女性にお金を届けてくれるよう頼む。 祖父江たちはマギーのことを嗅ぎつけ、マギーを締め上げるのだが。 久々にみたホモ映画。 グリソムギャングでは森山監督特集という企画で上映。 暗黒街を舞台にしたホモ・ピンク映画。 最近日本のこういう暗黒街もの的な映画がなかったので、その分楽しんでみることが 出来た。 この映画に限らずゲイものはみんなそうなのだが、役者がそれしかいなくて仕方なく キャスティングした的な感じがするので、脳内変換を行わなければならないのだよ。 シローが魅力的な男なので、マギーは惚れこんで献身的な介護をしていくわけだが これが別になんてことない男なので、見ているこっちがそういう気にならないのだな。 説得力がない。 だからこれが妻夫木聡でるとか滝沢秀明であるとか、そういう風に「この役者が演じて いたら」と脳内変換をして理解しないと映画が理解できなくなる。 結局シローがお金を届けて欲しかったのは病気の妹で、彼女の病気を治すために 金を盗んだわけで、その金を届ける途中で息絶えてしまう。 それを知らないマギーはシローを追いかけている祖父江たちに車で体当たりして 自らの命をもってシローを助けるというエンディング。 暗黒街+ラブストーリーでキャスティングの不満を除けば、ありきたりといえば ありきたりだが、プログラムピクチュアとしては充分楽しめた。 (このページのトップへ) 女殺し油地獄日時 2008年5月15日 場所 録画DVD(日本映画専門チャンネル) 監督 堀川弘通 製作 昭和32年 (詳しくはキネ旬データベースで) 江戸時代の大阪。 油屋のせがれの与平(中村扇雀)は放蕩三昧で、遊女小菊に熱を上げていた。 その日も小菊を連れて祭りに行こうとしたが、小菊は一緒に行ってくれない。 それもそのはず、小菊は別の客と祭りに来ていたのだ。 それを見つけた与平はその客を殴りつけて大喧嘩。それだけでなく、投げた泥が 侍にあたり、着物を汚す大失態に。 そんな与平を実の母親(三好栄子)と義理の父親(中村鴈治郎)は勘当することに。 しかし与平は借金をしてまで小菊の元に通っていたのだが、その借金の期限が迫っていた。 与平は以前から自分に優しくしてくれた近所の同業者の豊島屋のお吉(新珠三千代)に 肩代わりを頼みに行くのだが・・・・ 近松門左衛門作品の映画化。 堀川監督の本によるとこの映画はなんと太陽族映画としての企画だったと言う。 そりゃ金持ちの息子が放蕩する、という点では「太陽族」なのだろうが、それって ちょっと強引過ぎないか? 私の中ではこの映画は誰がなんと行っても「黒い画集」である。 ある男がちょっと遊ぶ金を高利貸しから借りたわけだが、返すつもりでいたのに いつも間にかボタンの掛け違いのように転がっていき、ついには殺すゆえんのない人を 殺してしまう。 松本清張の「黒い画集」の中にある「坂道の家」を思い出した。 この「坂道の家」も遊ぶことを知らないでいたある商店主が取引先に連れて行って もらったキャバレーのホステスに熱を上げてしまい、財産を全部その女に貢ぎ、 果ては他に男を作られてしまい、最後には殺人を犯してしまう話だ。 「女殺し油地獄」も全く同じだ。 堀川弘通、やはりこういった普通の人間がエアポケットのような犯罪のポケットに 落ち込んでしまうサスペンスが見事だ。 (このページのトップへ) ミスト日時 2008年5月10日13:20 場所 TOHOシネマズ六本木ヒルズ・スクリーン6 監督 フランク・ダラボン (公式HPへ) アメリカ田舎町。この町は嵐に襲われ主人公の家も庭の木が倒れて窓が壊れてしまう。 まだ小さい息子を連れてスーパーに食料品の買出しに行く。 しかしスーパーから帰ろうとした頃、町は霧に覆われまったく視界が利かなくなってしまう。 そして「霧の中には何か怪物がいる!」と言って怪我をした男が飛び込んでくる。 主人公がスーパーの裏口を見ると何かがシャッターを叩いてみる。 不信に思った従業員達がシャッターを開けると怪生物の触手が襲ってきた!! スティーブン・キング原作「霧」の映画化。 原作は未見だが早速読んでみたい。 なにやら怪生物の登場となると怪獣映画ファンとしては血が騒ぐのだよ。 初日に見に行ったが期待を裏切らない出来。 怪生物が初めは一部しか姿を現さず、実態がわからないので観客の恐怖心をあおる。 また主人公にしても停電し、ラジオもテレビも受信出来ず、霧で先が見えないとなると 「外は一体どうなっているのか?アメリカ中がこうなっているのか?それともこの スーパーの周りだけなのか?」といったことが解らずますます不安になってくる。 そして中盤の昆虫型怪生物の侵入。 最初の登場の時、いきなり窓にドサッを音を立てて張り付くカットでは音の大きさも あるが怖くて椅子から飛び上がりましたよ。 また薬局のシーンでは蜘蛛型怪生物も登場。 色々な怪生物が登場することがますます事態を不安に陥れる。 いやいや敵は外だけではない。 みんなの心はバラバラになり「これは神の審判なのだ!」と宗教の即席教祖まで現れる始末。 もう「マタンゴ」であり「連合赤軍」だ。 そして驚愕のラスト。 まあアンハッピーエンドにしようと思ったらああなるしかないかも知れませんねえ。 但し「アンハッピーエンドのためのアンハッピーエンド」の気がしてああいう結末をつけることの 意味、みたいなものが感じられず、私としてはイマイチですね。 DVD化されたら「もう一つのラスト」として救いのある結末もよかったかも知れません。 登場人物のキャラクターとしてはスーパーの従業員でなにやらもさっとした小男がいい。 また個人的には主人公が映画のポスターを画く絵描き、という設定だが、この職業設定が 映画に何の意味があるかよくわからず不満。 主人公の職業上、あるいは趣味の上で詳しいことがこの事態の対処に役立つ設定でないと 意味がない、と考える人なので。 とはいっても面白かった事は事実。 今年いままで観た外国映画の中では一番面白かったかも?です。 (このページのトップへ) 隠し砦の三悪人 THE LAST PRINCESS日時 2008年5月10日10:25〜 場所 TOHOシネマズ・六本木ヒルズスクリーン2 監督 樋口真嗣 (公式HPへ) 時は戦国。秋月は山名に滅ぼされ、秋月の姫と秋月の財宝の行方は知れない。 山名の国の金堀り師の武蔵(たけぞう=松本潤)は山名軍の過酷な労役から逃れて来た。 そんな時、木こりの新八(宮川大輔)と出会い、川で金の棒を拾う。 そこには秋月の紋章が! これは秋月の隠し金だと近くを探しているときに、若い女(長澤まさみ)から弓で射られる。 武蔵と新八はふたりの前に現れた男・真壁六郎太(阿部寛)にとらえられてしまう。 ご存知、黒澤明の人気作品のリメイク。 樋口真嗣がこのリメイクに挑戦したわけだが、この映画のリメイクなんかしたって叩かれる だけなのに、よく引き受けたものだと同情する。 予告編を見た感じではなかなかよさそうな感じなので期待半分、不安半分で初日初回を鑑賞。 これからあちこちで叩かれまくるだろうが、いやいや面白かったです。 もちろん「今年のベストワン」とは行きませんが、充分合格点ですよ。 実を言うとそもそもオリジナル黒澤作品も黒澤作品の中では出来はよくないほうだと私は 思っていたので、その欠点を修正してくれただけで充分満足だ。 その欠点の第一が前半が長いこと。 「姫と金を持っての敵中突破!」という話だと思っていたのにいつまで経っても旅に出発しないのだよ。 (1時間ぐらい経ってからの出発だ) これはないよなあ、と思っていたので今回は15分ぐらいで旅に出てくれたので、もうそこで満足。 オリジナルの第二の不満点はラストにクライマックスがないこと。 小さな盛り上がりはたくさんあるのだが、例えば「七人の侍」のような大クライマックスが ないのだなあ。 この辺も大いに気に入らなかった。 これがパンフレットなどを読むと樋口真嗣も同様に思っていたらしく、この辺も山名も砦を 作っていた、という設定でこの山名の隠し砦をクライマックスに持ってきた。 もうこの2点で私は樋口真嗣よくやってくれた、と満足なのだよ。 そして例の関所破りのシーンも高島(兄)を使って新ヴァージョンを作ってくれたり、六郎太の 両手離しの馬での追っかけも長澤まさみの流鏑馬を付け足してのサービス。 さらに火祭りのシーンなどオリジナルで残すべきところは残している。 そして例の「裏切りごめん」がどこで登場するかと思ったが、こうなったのですね。 敵方の武将(椎名桐平)が前と違ってダースベイダーを彷彿とさせるキャラクターなので どうなることかと思ったが、そう来たか。 この辺は賛否の分かれるところだろうが、な〜に何をやったって誉められはしないからこれも いいだろう。 それよりこの火祭りのシーンで民衆の祭りの歌の合いの手が「アッセアダホイ、アセテサモハイ」と いう歌詞になっているのは心の中で爆笑した。 この火祭りのシーンあたりから姫が「民は君主を欲しておるのだろうか?」などと君主のあるべき姿 について悩むシーンは不要。 そういうことはこの際いらないのではないか? あと前作では火祭りのあと、灰から金を出してそれを敵の雑兵に持たせるという爆笑エピソード があったが、それがなくなっていたのが残念。 あと全体的に笑いのシーンがなかったのがさびしい。 出演者ではまずは松本潤。 こちらが主役になった今回のシナリオだが、充分役目を果たしていたろう。 ただし松潤でなければ出来ない役かと言われれば疑問は残る。 岡田准一でもタッキーでもよかった気がするし、そのあたりの松潤らしさ、が欠けるといえば そうなのだが、じゃあどんな役なら松潤らしいのだと言われれば困るのだが。 長澤まさみも阿部寛も好演。 新人のお笑い芸人宮川大輔(私はこの映画を見るまで知らなかった人)もよくやっていた。 今後あちこちで叩かれまくるだろうが、黒澤版で私が欠点だと思っていた点を修正してくれただけでも 私は合格点をあげ、擁護派に回りたいと思う。 (このページのトップへ) さらばモスクワ愚連隊日時 2008年5月6日 場所 TSTAYAレンタル 監督 堀川弘通 製作 昭和43年(1968年) (詳しくはキネ旬データベースで) ジャズバンドのプロモーターの北見(加山雄三)はかつては人気ジャズバンドのピアノ として絶頂を向えたこともあった。しかし今は演奏をやめ、アメリカからジャズバンドを 呼んで公演を行っているが最近は呼んだサックスが麻薬で逮捕されたりとついていない。 この件の残りの公演の後始末を大手のプロモーターに引き受けてもらう代わりに、 もう一度プレーヤーとして復帰話が出るが彼は断る。 仕事が暇になったのも理由の一つとして、今は日ソ文化交流協会で働く大学時代の 友人・森島(塚本信夫)の誘いで日本のジャズバンドをソ連で演奏させる仕事に 取り組むことにして準備のためにモスクワへ。 外務省の役員白瀬(伊藤孝雄)導かれてソ連外務省などに向うが、モスクワを一人で 散歩中、ミーシャというジャズを演奏する青年と出会う。 五木寛之の原作はタイトルだけは昔から聞いていた。 「さらば」で「モスクワ」の「愚連隊」だ。 一体何がどういう話なのだろう?しかもジャズの話らしい。 モスクワでジャズ、しかも加山雄三主演? 映画の内容はさっぱりわからない。 そんな感じで映画を見始めたのだが、正直、堀川弘通としては不向きな題材だろう。 それにしてもこの映画で語られるジャズは理屈っぽい。 加山雄三がやたら他人のジャズを批判する。喧嘩を売る。 新人の日本人ジャズマン(黒沢年男)が演奏すれば「今夜のお前は最低だ」 アメリカから兵士でやって来てやがてベトナムに行くピアノプレーヤーに「お前のジャズは 一人で演奏している。ジャズは対話なんだ!」 そしてその男が明日ベトナムに行くという前の日、またジャズがやりたいとジャズのバーに やってくる。「一人でもいい。自分と対話してみろ!」 その演奏を聞いてもピンと来なかった森島に「貴様、労働運動をやっていたんだろ!労働者の 味方だろ!それであの魂の叫びが解らないのか!」と説教する。 ソ連に行ってもモスクワの外務省の男が「クラシックは芸術音楽ですが、ジャズなんて大衆芸能の 娯楽に過ぎません」と言われ、「どんな音楽が芸術ですか!」と喧嘩を売る。 売られた外務省の役人も大したものでその場にあったピアノでショパンを演奏、加山も負けじと その後、ジャムを演奏する。 で、日本の外務省の白瀬が実は学生時代、自分のバンドのファンでかつてはクラリネットを 演奏していたと知る。 「ジャズってのはかつてのあなたのように、虐げられた黒人達の魂の叫びなんだ!」 そしてミーシャにも「若いうちはもっとやりたいことをするんだ!今のお前の怒りを、 コンプレックスをすべて演奏に叩けつけろ!」とまた説教。 原作の五木寛之の考え方だったのかも知れんが、そこまでジャズを「魂のさけび」とか「民衆の 怒りの声」みたいな理屈付けをしなくてもなあ。 それとも当時の学生運動とシンクロさせるものがあったのだろうか? 最初から最後まで北見の「ジャズとはこうあるべき」という講義(説教)を聞かされた思いが したが、そこまで定義付けしなくてももっと気軽に楽しんではいけないんだろうか? ジャズが窮屈なものになってしまうような気がするんですが。 そして北見の性格が失敗しているのはそのミーシャに対し、「好きな女がいるなら力ずくでも奪え! よってくる男なんて殴っちまえ!」とけしかけ、実際に言い寄っていた闇屋の男を殴る。 そこまでは北見も見届けるのだが、翌日ミーシャが闇屋の男をナイフで刺して逮捕されたと知る。 おいおい、あんたがたきつけたおかげでミーシャは犯罪者になっちまったよ。 まあそういう見方をするのではなく、「世の中、なかなかうまくいかない」という矛盾でアンハッピー エンドで終わらせたかったんだろうけどさ。 結局今回のジャズバンド訪ソの後ろ盾になっていた政治家が死んだので北見の計画は中止になる。 それで「さらばモスクワ愚連隊」か。 まあミーシャ役の青年がもう少しうまかったらミーシャに対する感情移入も出来、評価が 変わったかも知れないが、北見のジャズ論ばかり聞かされたような映画になって しまっていました。 五木の原作がどうなってきたのかそれを知らないとちょっと評価しにくい映画ですね。 (このページのトップへ) 相棒 劇場版
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