2010年1月

原爆下のアメリカ
さらば夏の光よ BANDAGE バンデイジ すべては海になる キャピタリズム
〜マネーは踊る
傷だらけの山河 カティンの森 男の怒りをぶちまけろ 探偵事務所23
くたばれ悪党ども
拳銃残酷物語 スノープリンス
禁じられた恋のメロディ
地球最後の日 宇宙戦艦ヤマト 復活編

原爆下のアメリカ


日時 2010年1月31日
場所 DVD
監督 アルフレッド・E・グリーン
製作 1953年

(詳しくはムービー・データベースで)


ニューヨークのスタンドバーでニュースキャスターの取材に答えて
5人の男女が話し合っていた。
牧場主は税金が高いといい、サンフランシスコのトラクター工場主は軍に
「戦車を作れ」と言われて迷惑しているという。
その中の一人(ダン・オハーリー)は自分の仕事を「予報士」と答え
謎めいている。
そんな時、テレビが突然、アラスカにソ連により爆撃を受けているという
ニュースを伝える。しかも原爆を使っているという。
牧場主や工場主は直ちに飛行機で自分たちの家や仕事場へ。
空港は大混乱だったが、なんとか帰り着く。
やがて工場はソ連軍に占領され、牧場はダムを空爆されたことによる
洪水で流されていく。
ついにニューヨーク、ワシントンもソ連により占領される!!


1953年(昭和28年)といえば冷戦下。赤狩りなどがあった時代だ。
そんな頃に作られたソ連による戦争の恐怖をストレートに描いた映画。
完全に「戦争に備えましょう!」のプロパガンダ映画。
じゃあ国策映画で予算たっぷりかと思えば滅茶苦茶な低予算映画だ。

戦闘シーンはすべて記録フィルムの流用。
だからまあかなり無理もある。「燃える空母」、「魚雷を発射する潜水艦」
その次は爆発する空母のカットのはずだが、これが巡洋艦か駆逐艦(要は
飛行甲板がない艦)の俯瞰カット。
空母が爆発するカットはなかったのだろう。

ニューヨークの原爆による破壊シーンはミニチュアによる特撮。
さすがにアリモノの映像はなかったのだろう。(当たり前か)

ワシントンにはアメリカ兵の軍服を着た英語の話せるソ連兵がやってきて
ホワイトハウスに進撃する。
ここでのカットはホワイトハウスの写真を引き伸ばした書割(と言っていいのか)
で撮影されている。
アメリカ軍の軍服を着たソ連兵というのもリアルな感じもするが実は
ソ連兵の制服を用意する予算がなかったのだろう。

でもここでホワイトハウスの警備兵に「貴様らはどこの所属だ?」と聞かれ
「○○連隊です」と答えると「じゃシカゴだな。カブスは見たことあるか?」
と聞かれ「え???こ、こ小熊のことですか?」と聞かれ「敵兵だ!」
と見破られるあたりはなんともユーモラス。

オチを書いちゃうけど、実は最初のバーのシーンでの予報士というのが
みんなに集団催眠をかけてアメリカが戦争になった時をみんなに見せていた
といういわゆる夢オチ。
ダン・オハイリーはその後シドニー・ルメットの「未知への飛行」で
ラストにニューヨークに水爆を落とす役だったが、このときすでに
落としていたのだな。

冷戦下のアメリカのプロパガンダ映画という、資料的な意味のある
低予算SF。
キワモノとしては結構楽しめます。



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さらば夏の光よ


日時 2010年1月30日19:55〜
場所 シネマヴェーラ渋谷
監督 山根成之
製作 昭和51年

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)



「急げ!若者」につづく郷ひろみの初主演映画。
この後、70年代後半には松竹は郷ひろみ映画を毎年2本作っていく。
別に見たくもなかったのだが、この日は小谷監督の「はつ恋」も
上映され、そのトークイベントもあり、ついでだから見てみたという訳。

正直、無茶苦茶な映画だ。
ストーリーはご都合主義を超えて強引主義だ。
オープニング、夜の道に車を止めて若い男が女の子にいいことをしようと
していたが、女の子は抵抗している。そこへ郷ひろみがやってきて
「ようよう何やってるんだよ〜」と絡んだのを若い男が助けて
株を上げる。が翌日郷はその若い男から金をもらっていての上だったと
説明される。金が約束より少ないと喧嘩になる二人。(これが伏線)

郷ひろみは浪人生で友人と同居している。この友人は野呂文平という
名前からしてださそうなやつ。演じるのは川口厚。
二人でバイトを探してロッテリアに行き、郷だけ採用。
そこで戸田京子(秋吉久美子)と知り合う。
デートの約束を取り付けた郷だが、デートに向かう当日、オープニングに
出てきた若い男と偶然再会し、ボコられる。

仕方なくデートはキャンセル。今のように携帯がないから仕方なく
野呂に代わりに行ってもらい、今まで女の子と付き合ったことのない野呂は
秋吉久美子にメロメロ。
やがて野呂は「結婚したい」と言いだす。
おいおいそれは早すぎないか?
一方郷ひろみは自分の父親を思い出し、(彼は病院の医師と看護婦の子供だが
結婚はしなかったため、父親がいない)けがの治療の名目でその病院の父
(仲谷昇)を訪ねてその帰りに娘(つまりは郷の腹違いの妹)に会う。

で結局郷ひろみは親友の野呂ちゃんのために身を引くが、秋吉久美子は
(当然ながら)納得がいかない。
別れるために、さっきの自分の妹に恋人の振りをしてもらって秋吉久美子
にあきらめさせる。
そして野呂ちゃんの強引な押しに負けてしまう秋吉久美子。

数ヵ月後。
野呂ちゃんと秋吉は同棲している。しかも妊娠!
おいおい、学生結婚は聞くけど、浪人生で同棲はあるとしても妊娠とは何事だ!
もうちょっと人生を考えろよ、野呂!
ロッテリアを辞めようとした秋吉だが、辞める日に店の主任に「へへへ、かわいい
顔して同棲してるんだって?やることやってんだなあ。毎晩かわいがってもらって
るのか?」スケベ全開で秋吉に暴行。
ロッテリアからクレームは来なかったのか?

なんとか逃げ出した秋吉だが、その事実を知った郷と野呂ちゃんは主任に
復讐に!
しかしやり過ぎて主任は死んでしまう(実は死にはしなかったのだが)。
これから受験もある野呂ちゃんをかばって未成年の郷が警察に自主。
少年院に入れられ、髪をバリカンで切られてしまう。(ここ当時話題に
なったのではないか?)
が世の中、ちゃんと神様は見ている。
目撃者がいて致命傷を負わせたのは野呂ちゃんと発覚。
野呂ちゃんは逮捕され、郷ひろみは釈放。

間もなく生まれる子供のためにも保釈するには200万円が必要。
仕方なく、自分の父親の仲谷昇に「あんたは父親のない子を作った。
そして今また父親のない子が生まれようとしている。あんたは
それを救う義務がある」という訳のわからん理屈を言って200万円出させる
ことに成功。
野呂ちゃんは保釈されることになったが、迎えに行くとなんと野呂ちゃんは
前夜、心臓発作で死んでいた!
なんで死ぬんだよ!

で郷は秋吉に二人で野呂ちゃんの子を育てようと言うが、秋吉はそれを拒否。
実家に帰って一人で子供を育てるという。
郷ひろみは一人たたずむのだった・・・・・

なんかこう話が無茶苦茶だよ。
みんないきなり惚れて、偶然に会って、いきなり妊娠して、いきなり強姦して
いきなり死んでしまう。
これが遠藤周作が原作と言うから恐れ入る。
脚本はジェームズ三木。



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BANDAGE バンデイジ


日時 2010年1月28日18:20〜
場所 新宿ピカデリー・スクリーン5
監督 小林武史

(公式HPへ)


アサコ(北乃きい)は友人ミハルに誘われてインディーズバンド・LANDS
ライブへ。偶然にも楽屋に忍び込んだ二人はメンバーに誘われ、打ち上げの席へ。
そこでリードボーカル・ナツ(赤西仁)と知り合う。
ナツとアサコが付き合うことを快く思わないマネージャーのユカリ(伊藤歩)
に別れるよう言われたナツだったが、結局、アサコは高校卒業後、ユカリと
共にLANDSのマネージャーになる。


KATTUNの赤西仁の映画初出演にして初主演作。
監督はミスターチルドレン、my littele lover、などの音楽プロデューサー
で有名な小林武史。ついでに言うなら映画プロデューサーは最近、ちょっと
影が薄い岩井俊二。

全編手持ちカメラで画はゆれっぱなし。
最近歳のせいなのか何なのかこういうハンディキャメラで撮られた画が続くと
駄目。気持ち悪くなる。
思えばそういう実感を味わったのは、(あくまで僕にとっては)今まで見た
映画のなかで最低ではないかという「リリィシュシュのすべて」だ。
(これも岩井俊二だ。かように岩井俊二とは相性が悪い)

しかし、先日見た「すべては海になる」と違って画質はいいので、照明の
具合などはきれいだ。いい機材を使えばちゃんとした画にはなる。
しかもこの手持ちカメラの撮影のおかげで「擬似ドキュメンタリー」的な
内容になっており、長まわしカットも多いのだがそれもプラスされ、
ますますドキュメンタリー的な臨場感、というかリアル感を生み出している。

またさすがにヒットメーカーが曲を作っているだけあって音楽もいい。
憶えやすい、聞きやすい歌だし、劇中で大ヒットの設定でも納得できる。
よく音楽映画で、「大ヒット曲」として登場する曲がどうもヒットしそうに
ない曲だったりするが、この映画ではそんな違和感は感じなかった。

別の言い方をすればいい意味でも悪い意味でも「LANDS」というバンドの
プロモーション映像の長い奴、といった感じ。
だからいいとも言えるし、映画としてどうかとも言える。

主演の赤西、演技が実に木村拓哉っぽい。
話し方とか、間のとり方とかが完全にキムタクのコピー。物まねでも
しているのかと思った。
しかし事務所の先輩としてまねて見たくなるもの解るのだが。
北乃きいは特にどうと言う事はなし。

ラスト、「LANDS」のマネージャーを辞め、違うバンドを自分で育てたアサコが
ナツと再会するシーン。
ナツが曲のレコーディングの所で再会するわけだが、ここでナツが何を歌っているか
をあまり注意せずに聞き流してしまった。
何を歌っていたかでラストの意味が違ってくると思うのだが、よく注意せずに
見ていたため、ラストをぼけっと見てしまった。
説明不足ともいえるが、私の注意が足らなかったとちょっと反省。

あとどうでもいいことなのかも知れないが、アサコは結構でかい家に住んでいたが
父親の姿がまったく出てこなかった。
どんな父親なのだろう。芸能プロのマネージャーなんて仕事に反対しなかったのか?
ちょっと気になった。



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すべては海になる


日時 2010年1月25日19:10〜
場所 新宿バルト9・スクリーン7
監督 山田あかね

(公式HPへ)


千野夏樹(佐藤江梨子)は書店に務める27歳。高校生の頃、援助交際を
してたくさんの男と寝たが満たされなかった。雑誌の人生相談に投稿したところ
「たくさんの恋愛小説を読んで愛を知りなさい」と言われたことから読書を
始める。
ある日、万引きしようとした主婦を捕まえたところ、彼女のかばんには
盗まれたはずの本なく、店長とともに彼女の自宅に謝りに行くことに。
そこでは大学教授の夫が慰謝料を要求してきた。
翌日、万引き主婦の息子の大高光治(柳楽優弥)が書店にやってきた。
もう謝罪に来なくていいし、慰謝料も払わなくていいという。
大高家は家族がバラバラになっており、光治はそれを立て直そうと
悩んでいた。


この人の出る映画はすべて見る、という俳優の一人、柳楽優弥の新作。
まずタイトルがいいのだな。「すべては海になる」っていう文章調のタイトルは
映画の内容とは関係なく私の好み。これだけでこの映画は少し好きになる。

正直、千野夏樹のような愛に悩む(という言い方が正しいのか迷うけど)27歳
の悩みなんて僕にはさっぱりわからない。
また家族のことで悩む17歳の少年の気持ちを理解するには歳を取りすぎた。
しかし(途中で挿入される売れるために小説の結末を変えさせられた作家の
エピソードに象徴されるように)納得のいかないことはしたくないという
二人の強い意志は感じられ、それがこの映画の好感へとつながる。

パンフを読むと山田監督はテレビディレクター時代にいろいろと作品を
直されたことがあったようで今回は作品を直されたくないという意思が強いようだ。
しかし、映画はやや冗漫だし、カットしてすっきりさせたほうがいいシーンもある。
特に光治の母が2度目の万引きをするシーンで、新興宗教の勧誘の男に腕を
捕まえられるシーンは不要。
結局彼は話に絡むことなく、結局万引きをしてしまうのだからいらなかったのでは?

あと、光治は学校でいじめられていて、一人で本を読んでいる設定だが、柳楽優弥が
イケメンなので、いじめられたりしているように思えないのだよ。
女の子に告白されるシーンがあって回りはそれを意外に思っているのだが、こちらと
しては柳楽なら告白されても普通に見えてしまう。
これがいかにもいじめられているように見える孤独な子なら、この告白のシーンの
彼のキャラクターとのミスマッチもうまく表現されてのだが。
この辺がミスキャストと考えるべきか、ファッション等の演出がわるかったと
言うべきか。

最後のカットは佐藤江梨子だからやっぱり主人公は佐藤江梨子なんだろう。
その辺にはやや不満だが(サトエリと柳楽が対等でいて欲しかったから)
まあそれは私の個人的なわがままだろう。



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キャピタリズム〜マネーは踊る


日時 2010年1月24日19:45〜
場所 日比谷みゆき座
監督 マイケル・ムーア

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アメリカでは現在保安官による代執行で家を失う人が急増している。
借金が返せなくなったためだ。
真面目に働いていたのになぜ家を追い出されなければならないんだろう?
マイケル・ムーアはこのアメリカの実態を調べ始める。

資本主義をテーマにしたマイケル・ムーアの新作。
銀行の強制代執行が保安官により行われるとは知らなかった。
警察が銀行の取立てに来るようなものだとしたら日本ではありえない。
そして業績不振から航空会社のパイロットたちは年収2万ドルだという
(日本円で200万以下)

日本よりひどいアメリカの実態だ。
金融機関はデリバティブと呼ばれる誰もうまく説明できない複雑怪奇な
金融商品を販売し、それが破綻すると7000億ドル(70兆円)という
公的資金を受けることになる。

アメリカの国内事情には知らないことが多すぎた。
財務長官が民間のゴールドマンサックスから向かえれれているという事実には
驚いた。
日本なら銀行の社長や会長が財務大臣になるようなものだ。
考えられない。
日本のシステムのほうがまだ健全さを感じる。
いろいろ問題がありつつも国民皆保険はあるのだし、年金も一応ある。
(映画のラストで語られるが、日本やイタリア、ドイツはアメリカの
理想主義的な人が憲法を作ったから労働者権利を保障しているのだという)

この映画に描かれていることが単なる「アメリカの問題」と片付けることも
出来るが、日本にも無関係ではあるまい。
資本主義経済という点では根っこは同じだ。

僕が思うに昔は物を作れば売れた。
物だけでなく、鉄道も道路も必要だった。
しかし物は充分いきわたり、道路も鉄道も作り終わってしまった。
次に金儲けの手段としたのが、金貸しだ。金融商品だ。
誰かに金を貸す、返してもらうときに利息をつけて返してもらう。

かつてはお金は働いて、つまり何かを作って(あるいはサービスをして)
その見返りとしてのお金だった。
物があふれて売れなくなったら、とたんに経済は行き詰ってしまう。
また一生懸命働く、他人より余計に(量や質で)働くことで、収入を
アップさせてきた。
しかし物が売れなくなるが、人間の物欲は退化しない。
かくて不労所得である金融に走り出す。
しかもプロだけでなく、素人に自宅を元手に金を貸し出させる。
しかしそんなうまい話が長続きするわけもなく、そんな金貸し経済は
破綻する。
「物」という実態がないだけにそれはもろい。

もういい加減に金融でもうけるのはやめよう。
やはり人間は働いたそのお駄賃としての金銭を受け取るべきなのだ。
しかしもう物は売れない。
でも他の方法も見出されていない。
資本主義の行き詰まりだ。

これからの経済は一体どこへ向かいのだろう?
映画とは直接関係ない、今後の世界経済の行方を気にさせる映画だ。



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傷だらけの山河


日時 2010年1月24日16:30〜
場所 銀座シネパトス2
監督 山本薩夫
製作 昭和39年(1964年)

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)


電鉄を中心とする西北グループは有馬(山村聡)を会長とする大企業だ。
彼のもとに土地を買ってほしい、鉄道を敷いてほしいという男が現れた
ことから新路線の計画を着手する。鉄道を敷く、その沿線に家やアパート
を建てる、レジャー施設やデパート、スーパーマーケットを作り
沿線住民のお金はすべて西北に入るように計画されている。
有馬には複数の妾がおり、今日また会社の書類整理の事務員(若尾文子)
を気に入り、妾にならんか、金の面倒は見てやると誘いをかける。
彼女には売れない画家の夫(川崎敬三)がいたが、彼に3年間パリに
絵の留学をさせてくれるという。
土地の買収は始まり、鉄道も完成まじかとなる。
しかし彼の息子(高橋幸治)や妾の子供たちも彼に反旗を翻すように
なっていく。


以前から聞いていて見る機会を逸していた「傷だらけの山河」。
「華麗なる一族」の前哨戦だったんですね。
有馬はまるで「華麗なる一族」の万俵大介のような強引な手法で自分の
会社を大きくしていく。
ショッピングセンターを立てるために反対派の地元商店街を店子で
いれたと思えば、2年後の更新はせず、追い出してしまう。
そして自殺者がでてもなんとも気にしない。

そして今度は新路線建設だ。
どこまでが真実かはわからないが、モデルになっているのは西武だろう。
新路線は拝島線か?
用地買収にからむ地元住民との交渉、ライバル会社(東急がモデル?)
による土地の買占め、駅の場所の選択などなど、数々の山場を迎えながら
ドラマは進む。
しかしはっきり言ってテンポが早すぎ、というかせっかくのエピソードを
描ききれないまま話は進行していく。
特に高松重郎の用地部長が自分の私腹を肥やすため、会社の金をごまかして
いたのが、ばれて自殺するエピソードなどそれだけで30分ぐらい
あっても大丈夫そうなので、テンポよく片付けられるとちょっと勿体無い。

後半、妾の子が反旗を翻し、認知訴訟を起こす。
一方で実子の高橋幸治が人々を追い立てるやり方に疑問を感じ、精神を
病んでしまう。一旦病院を出てゴルフ場の仕事をするために各コースを
回るうちに若尾文子と知り合い、彼女との結婚を望むようになる。
若尾文子の部屋で親子が鉢合わせするシーンはその展開に驚く。

そして高橋幸治が有馬が立てた学校に放火し、ついに精神病院に入院へ。
認知訴訟のほうは決着がついていないが、その前に有馬の叙勲パーティ
でライバル会社の社長(東野英次郎)に「認知してやるんだな。ただし
遺産相続の権利は放棄すると一筆取っておけばよい」のアドバイスが
あったからそうなるんだろう。

新線の開通式でドラマは終わる。
しかしその新線で踏み切りで立ち往生したトラックと電車が衝突する
シーンが付加されて映画はクレジットへ。
これからの有馬を予感させるようなラストだった。
このラストは「華麗なる一族」にも通じ、より発展した形でリメイク
されていくのだな。

それにしてもこの時代はまだまだ東京も(いや日本も)開発の余地が
あった時代なのだな。
いまや日本は人口減少を向かえ、鉄道を作って儲かる時代ではない。



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カティンの森


日時 2010年1月23日17:30〜
場所 岩波ホール
監督 アンジェイ・ワイダ
製作 2007年(日本公開2009年12月)

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1939年9月ポーランド。
1日にドイツから、17日にはソ連から侵攻され、多くの将校はソ連軍の
捕虜になる。
将校の妻は夫の帰りを待ち続ける。1943年ソ連に侵攻したドイツによって
捕虜たちはカティンにてソ連により虐殺された事実が明るみになった。
しかしドイツ敗北後、今度はポーランドはソ連の支配下におかれたが、カティン
の虐殺事件はドイツによって行われたことになる。


ポーランドの映画監督アンジェイ・ワイダ作品。
ワイダはポーランドの抵抗の映画監督として有名だが、「灰とダイヤモンド」を
学生時代に見たっきり見ていなかったと思う。
さらにポーランドの歴史も理解していなし、初めて知るようなことばかりで
自分の知識のなさが恥ずかしくなる。
その上、ポーランドの俳優なんて誰も知らないから「あの人誰だっけ?」状態が
あり、さらに恥ずかしくなる。
上映後、パンフレットのあらすじを読んで映画の全体を理解した次第だ。

日本人にとってはカティンの森事件は完全によその国の話だし、多くの人は
知らないだろう。僕もこの映画が公開されるまで、そんな事件の存在すら
知らなかった。
この「カティン事件」を持ってソ連を糾弾する描き方もあったと思うが、
この映画はそんな方法は取っていない。

ひたすら待ち続ける家族の視点から描く。
後半、ソ連支配下に置かれたポーランドで新しい世代が、学校に入学する時
「カティンで父はソ連に殺された」と書けば訂正を要求され、墓碑に死亡年を
1940年とすれば教会から墓碑の預かりは出来ないと断られる。

そして最初に連行されていった将校の妻のもとに夫の遺品が帰る。
手帳には記載されていたカティンで殺されるまでの数日が書かれていて
映画は最後にカティンでの虐殺事件を描く。
一人ひとりを銃で後ろから撃ち抜いていく。
怖いシーンだ。

日本人にはポーランドの歴史なんてほとんど関係ないと思うし、興味のない人が
多いと思う。
もちろん実際に遠い国の話として片づけるのも間違いだとは思わない。
しかし戦争とはそういうことを人間に行わせるものだという、今まで幾百の
映画や文学で描かれた事実を改めて教えられる。
しかも力強く。

アンジェイ・ワイダ渾身の一作。




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男の怒りをぶちまけろ


日時 2010年1月23日
場所 TSUTAYAレンタルDVD
監督 松尾昭典
製作 昭和35年(1960年)

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)


羽田発大阪行きの飛行機。今や二人の悪漢(内田良平、土方弘)が拳銃
を機内で振り回し、日香交易の常務のかばんを取り上げ、パラシュートで
逃げ去った。飛行機は乗客もろとも墜落。
二人の男は地上でトラックを襲い、東京に向かう。たまたま
検問に引っかかったときに新聞記者の三沢(赤木圭一郎)を同乗させることに。
彼らのアジトにトラックの運転手や三沢と向かう。
運転手や三沢は飲酒運転事故に見せかけて殺されかかったが、三沢は
事件屋の村西(二谷英明)の助けもあって助かる。
事件の真相を追って三沢は悪の組織に立ち向かう!!


赤木圭一郎の主演アクション映画。
もちろん学生時代に見ているのだが、実をいうと赤木は好きだが
映画自体は「拳銃無頼帖」シリーズと「紅の拳銃」以外は好きでない。
この映画も話は全体的に面白くないのだが、やはり脇が楽しめる。

最初の方で二谷英明と酒場で殴りあうシーンがあるのだが、二谷は拳銃を
振りかざす。そのあとで赤木は「おっと弾がなきゃ役に立たないだろ」
とバーのカウンターにあったダイスポットからダイスを出して何やら
かちゃかちゃと振り、カウンターにポットを立てる。
ポットを開けると弾が立って並んでいるというカットには笑った。
こういうところが日活アクションの楽しさだ。

もっとも二谷の役はいつもなら宍戸錠が演じるような敵でもない
味方でもない、という役だが、錠さんほど遊びがないのが難点。
二谷さんはまじめさが見えるので、こういうお遊びにはどうも似合わない。

で、内田良平たちのボスが金子信雄なのだが、それにはさらに上がいる。
この会長が最後まで姿を見せないのだが、別に意外な人物ではないので
隠す必要もなかろう。
でも西村晃だから最後に登場してもちゃんと画は締まる。

あと藤村有弘。
いつもの三国人役だが、拳銃の密売人として内田良平たちに銃を売り込みに来る。
「よい仕事はよい道具からダヨ!」と普段から私が仕事で言っていることを
言ってくれる。
拳銃の試し打ちの的にするのが、例の日香交易の常務のかばん。
金子信雄たちはお目当てのかばんの中に入っていた巨大なダイヤで満足していたが
そのかばんは二重底で麻薬が入っていたという展開。
「ワタシがどっかに売ってくるヨ!」と藤村有弘が密売をしていくが
持ち込んだ先が日香交易!
これが藤村有弘以外の役者がやるとただの「馬鹿」にしか見えないが
藤村有弘がやると無限に楽しいシーンになる。
やっぱり藤村有弘恐るべしだ。
早死にしたが生きていたらイベントに呼びたい一人だった。




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探偵事務所23 くたばれ悪党ども


日時 2010年1月20日
場所 TSUTAYAレンタルDVD
監督 鈴木清順
製作 昭和38年(1963年)

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)


深夜の郊外。そこでは暴力団同士のトラック一杯の銃の取引が
行われようとしていた。
そこへ別のトラックが現れ、取引している暴力団を両方とも
襲撃し、銃の積まれたトラックを強奪する。
その銃撃戦のさなか、あとから来た連中の一人(川地民夫)が
残される。
翌日その男は警察に拘留されたがやむなく釈放することに。
しかし襲撃された両方のの暴力団がその男の命を狙う。
警察はやむなく探偵・田島(宍戸錠)を雇って釈放した男に同行させ
潜入捜査させることに。
果たして連中の正体は?


宍戸錠主演の探偵もの。原作は大藪春彦。
監督は鈴木清順だが、まだ個性的な映画を作る時代ではなく、割と
普通のアクション映画だ。
「殺しの烙印」とか「東京流れ者」とかに比べると全然違う。
清順映画らしいのは川地民夫が宍戸錠に助けられたあと、女の部屋
に行くのだが、その部屋の照明が赤が中心の色になっていることぐらい。

偽の住所を記した偽免許証を警察に作ってもらって組織に潜入するのだが
当然、最初は疑われる。
そこで社長と呼ばれる男(信欣三)が悪役なのだが、信欣三の悪役は
珍しい。(僕には平沢貞通のイメージが強いので)
免許証の住所に行ってみるとそこは教会。
田島の実家なのだが、父親の佐野浅夫が話しをあわせて、牧師に
扮した警部(金子信雄)と会うあたりは面白い。

そして信欣三の社長とキャバレーに行くとそこで歌っていたのは
田島の女。ごまかすために田島と歌い手の女が歌いだすのは
なんとも貴重なシーン。
錠さんも歌ってステップを踏み踊る踊る(というほどでもないが)
この辺も見所。


でも結局ところ全体的にはあんまり面白くない。
社長の後ろに会長と呼ばれる黒幕がいるらしいので、これが意外な人物
というどんでん返しがあるかと思ったら、なんとなく今まで出てなかった
人が出てきただけ。

展開が遅いし、話が広がらないし、もっとテンポよくいって60分ぐらい
のSPならもっと面白かったろう。
残念。




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拳銃残酷物語


日時 2010年1月18日
場所 米国版DVD
監督 古川卓巳
製作 昭和39年(1964年)

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)


刑務所を仮釈放になった登川(宍戸錠)は早速伊藤という男から
仕事の依頼を受ける。伊藤やそのボスの松本(二本柳寛)たちが計画を
立てた競馬場の売上金を積んだ現金輸送車を襲撃してほしいというものだ。
登川には刑務所に行くきっかけになったひき逃げ事故で車椅子生活に
なった妹(松原智恵子)がおり、彼女のためにも仕事を引き受ける。
伊藤が集めた仲間は自分のかつての相棒の白井(小高雄二)、ギャンブル狂の
寺本(草薙幸二郎)、ボクサー崩れの岡田(井上昭文)だ。
襲撃は途中までは計算通りだったが、敵の予想外の行動で事態は急転する。


まだまだ面白い日本映画があるんだなあというのが率直な感想。
こういう暗黒街、ギャングものは大好きでこの手のジャンルの日本映画は
大体見たと思っていたが、それは私のおごりだった。
この映画は米国版日活BOXに入っていて自分が選んで買ったのではなかったが
期待以上の出来。

まず仲間集め、下見、実行、計算外の事態、逃亡、仲間割れとこの手の
映画の王道の展開。
仲間集めが自分が集めるわけではなく、伊藤が集めたメンバーを自分で
確認していくわけだが、最初に訪ねた男には「おめえでかいヤマを計画
しているんだって?」とカマをかけて脅かし口の堅さを試すという
エピソード。これはアイデアがいい。

そして集められた仲間がヤクチュウ(草薙)だったりと波乱を予想させる
メンバー。
計画では現金輸送車を護衛している白バイを撃てば現金輸送車の運転手
たちが驚いて飛び出てくるだろうと予想するのだが、実際は車に
立てこもってしまう形になる。
ここの計算が正直甘く、ちょっとがっかりなのだが、あとはテンポもよく
充分満足だ。

現金輸送車ごとトラックを強奪し、ある廃屋に逃げ込む。
ここが元米軍が使っていた跡地ということで英語交じりの看板が、かっこいい。
無国籍アクションらしい。
ここで仲間割れになって、さらに伊藤や松本たちが金を独り占めしようとして
襲われる。
仲間は減っていくが、登川の銃を手配してくれた弟分の滝沢(川地民夫)
が加勢し、なんとか窮地を脱するが・・・・
という展開。

ラストは敵も味方も全員死んでしまうという結末。
タイトルが思いっきりダサいが映画の内容は実にいい。
藤村有弘みたいなお笑いパートは登場せず、ひたすらハードな展開。
面白かった。



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スノープリンス 禁じられた恋のメロディ


日時 2010年1月17日18:40〜
場所 新宿ピカデリー・スクリーン10
監督 松岡錠司

(公式HPへ)


年末の東京。仕事を辞めてしまった康子は祖母・早代(岸恵子)のもとに
転がり込む。康子は祖母に昼間老紳士が訪ねてきて古い原稿用紙の束を
置いていったという。
その原稿用紙に書かれていた内容は自分が子供のころに仲の良かった
絵のうまい少年・草太(森本慎太郎)と自分のことが書かれていた。
それは昭和10年代、まだ太平洋戦争になる前の庄内地方。


どう見たってジャニーズ期待の新人・森本慎太郎くんを売り出すための映画。
脚本は「おくりびと」で脚光を浴びた小山薫堂だが、撮影は2008年末
らしい。となるとアカデミー賞前だし、「おくりびと」公開前から
製作の準備はされていたと考えていいと思う。

話はツッコミどころも多いし、甘ったるい子供のラブストーリーだ。
サブタイトルからして「禁じられた遊び」と「小さな恋のメロディ」を
合わせたような感じ。
また日本版「フランダースの犬」を目指したらしいが、犬がいなくても
話は全く成立する。
犬はただ主人公の草太のまわりに常にいるだけで、話には全くと言っていいほど
絡んでこない。

完全にラストに草太が死ぬのは解りきっているのだが、どうも死に方が
納得できない。
おじいさんが亡くなって生活に困るのは想像できるが、住んでいる所を
追い出されたわけではなく、とりあえずまだ何とか生きられたのではないか?
雪の中で「描きたいものが見つかった」的なことで死んで行くのだが、
あれでは自殺だろう。

これが貧富の差によって早代の父親・香川照之とか炭焼きの親方から
いじめ抜かれて死んでいくならわかるけど、自殺同様ではこちら涙はそそられない。
貧富の差で少女との恋が引き裂かれていくなら、今の格差社会にも通じる
ものが出てきて社会性もあったが、そういう映画を作るのは監督たちの
糸ではないようだ。
(俺の好みにはなるけど)


この映画の見どころは何といっても森本慎太郎。
撮影当時は11歳だから小学校5年生か。
デビューしたてのころの滝沢秀明に似ていて、将来が楽しみな美少年だ。
彼の今後に期待したい。




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地球最後の日


日時 2010年1月13日
場所 DVD
監督 ルドルフ・マテ
製作 ジョージ・パル
製作 1951年(昭和26年)

(詳しくはムービーウォーカー・データベースで)


地球に接近する二つの星が発見された。一つは地球のそばを通り
過ぎるだけだが、もう一つの巨大な方が地球に衝突する。
時間はあと10ヶ月ばかり。
国連の会議では失笑されるが、主人公の博士たちは仲間の助けで
地球脱出ロケット開発に着手する。
発射台の土地は確保したが、肝心のロケット建設費用がない。
そこへ大金持ちが建設資金の提供を申し出る。ただし自分を乗せろという。
やがて二つの星が接近してきた!!

今でもある地球に他の星が衝突するというSF。
今なら2時間を越える大作になるがこれは84分と小品。
しかしなかなか侮れない映画だった。

この映画は小学生ぐらいにテレビで見ていて、細部は憶えていないが
4シーンほどは記憶に残っていた。

最初に星の接近を知った南アフリカの天文学者がその資料をアメリカ
の学者に送るのだが、その届け人に選ばれたパイロットがまず主人公。
そしてアメリカの博士とその娘、娘の恋人の医者がさらに物語を展開させる。

記憶に残っていたシーンはそのパイロットと博士の娘が、地球滅亡を
知ってからレストランで食事をするシーン。
タバコの火を隣の席で使っていたコンロからもらおうとするのだが
タバコが届かない。
そこで手に持っていたお札で火を借りタバコをつける。
お金の大切さを一挙に否定して子供心にも印象に残った。

そしてロケット建設は始まり、この辺はトントンと話が進む。
いよいよ小さいほうの星が再接近!
ここで津波や地震が起こってニューヨークは洪水にやられる。
このあたりは後の「妖星ゴラス」に影響を与えたことは間違いない。
見ごたえ充分。

洪水が起こって、ロケット建設の離れた基地から救助要請が
あって必要物資を届ける主人公と医者。
実は医者と博士の娘は結婚寸前だったのだが、娘の方が突然登場した
そのパイロットに一目ぼれしてしまうという強引な展開なのだが、
医者としては内心面白くない。
そこでパイロットと二人でヘリで出動し、帰りに子供が取り残されている
のをパイロットが救助している間にヘリは行ってしまう。
医者が裏切ったか!と思わせてやっぱり戻ってくる展開はちょっと
はらはらさせられましたね。

いよいよあと数日で地球消滅!となった時に600人以上いる建設要員
からロケットに乗れる40人を抽選で選ぶことに。
恋人同士の二人の一人は選ばれ一人は選ばれないというお約束の展開。
選ばれた男が辞退を申し出るとその例のいやな金持ち(車椅子に乗っている)
の付き人で車椅子をいつも押していた男が「俺が乗るんだ!」と反旗を翻す。
このシーンも憶えていて子供心に人間の恐さを感じましたねえ。

そしていよいよ地球消滅、となって選ばれたものが乗り込んでいくと
選ばれなかった者たちが暴動を起こす。
いままで良心のある人間ばかりが出てきたが、やっぱりそうなってしまう。
ロケットへの乗り組みがスポンサーの金持ちと博士だけになった時、
「あんたや私のような老人は新世界には必要ない」と言って車椅子を
別の方向に向けて金持ちを乗せないことところも記憶に残ってました。
(ここカッコいい。悪役の金持ちが罰を食らったようで溜飲が下がる)

で地球を脱出、星に到着、「大気を調べなきゃ」という船長を振り切って
「駄目でもどこへも行けやしないんだ」とばかりに表へ飛び出すと
そこは緑の楽園。
このシーンも記憶に残っていましたね。

全体的に「子供だまし」ではなく「子供向けの童話のような、少し教訓も
入った子供でもわかるSF」という感じです。
もちろん大人が見ても楽しめます。



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宇宙戦艦ヤマト 復活編


日時 2010年1月9日21:10〜
場所 新宿ピカデリー・スクリーン4
監督 西崎義展

(公式HPへ)


巨大ブラックホールが移動しながら地球に接近していることが判明、
あと3カ月で地球はブラックホールにのみこまれてしまうことが
確実となった。
人類は他の星に移住先を求め移動を開始したが第1次移民船団は
途中でなぞの宇宙艦隊に撃破された。
事態を重く見た地球防衛軍はかつてのヤマトを新造し、艦長として
かつてヤマトの戦闘員だった古代進を任命。
古代は新しいクルーとともに次の移住船団の護衛任務に就くのだが、
未知の敵に襲われる!


30数年(?)ぶりの映画化の「宇宙戦艦ヤマト」。
あんまり評判は良くないのだが、案の定面白くない。しかしその面白さの
原因がよくわからない。決定的な欠点がないのだが、面白くないのだよ。
ですから気になった点を少々。

1、設定
地球は知らなかったが星の世界では連合が出来ていて地球人はそれとは
知らずに他の星に移住を始めた、それを侵略と勘違いされて攻撃を
受けた、というのはわかるのだが、移住先はアマール星の月で、肝心の
アマール星はその連合に加盟していて、なんたらいう地位のでかい星の言いなりに
させられてることになっている。
だったら移住するときにそのアマール星の長から「地球の方々が移住するに
あたっては連合に話を通す必要があります」という話は出なかったのか知らん?

2、キャラクターが魅力がない
若い機関室のやんちゃな双子とか、戦闘機隊の隊長で航海士というよくわからん
設定の男とか、美人女医で戦闘機乗りとかいろいろ登場するが、どれも魅力が
ない。言い換えればさっぱり印象に残らない、かっこいいとか思わない。

3、絵がヘタ
顔の表情とか人物の動き方とか妙にぎこちないのだなあ。
70年代アニメにあわせた感じになっているのかと思ったが、そうでもないんじゃないか?

4、戦闘シーンばかり
とにかく全体的に戦闘シーンばかりで飽きてくるんだな。シーンやカットだけ見ると
迫力があるのだが、映画全体としてはドラマとのメリハリがない。

5、悲壮感漂いすぎ
第2作の「さらば宇宙戦艦ヤマト」も特攻して悲壮だったが、今回も地球を攻撃してきた
他の星が「やっぱりこんな攻撃には参加できん!」と特攻的戦い方をする。
なんだか「武人としての誇り」とかなんだか戦国時代の合戦ものみたいで似合わない。

6、クレジット
原案石原慎太郎。どの辺が石原慎太郎でどうしてこの映画に協力することになって
るんだ?
それからタイトルよりでかい「西崎義展」の文字。
この自己顕示欲の強さ。
呆れました。

それにしても高校生の頃熱中したヤマト、今また見てみたい。
どんな感想を持つのだろう?
また宿題が増えてしまった。





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