ALWAYS 三丁目の夕日 '64 | 吼えろ脱獄囚 | ||
ヒミズ | きみはペット | スケバン刑事 コードネーム=麻宮サキ |
ロボジー |
マイウェイ 12、000kmの真実 |
ZeroWOMAN 名前のない女 |
女家庭教師 不倫の罠 | 源氏物語 千年の謎 |
宇宙人ポール | 若い樹 | 誘拐報道 | 永遠の僕たち |
サラの鍵 | 痴漢夜行列車 | 情無用の罠 | UFO 消えた412便 |
ALWAYS 三丁目の夕日 '64日時 2012年1月29日15:45〜 場所 新宿ピカデリー・スクリーン1 監督 山崎貴 (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 1964年、昭和39年。 東京はオリンピック開催で沸き立っていた。 夕日町の少年雑誌の作家茶川(吉岡秀隆)の家もついにテレビを買った。ただし白黒。正面の鈴木オートの鈴木(堤真一)はちょっと無理してカラーテレビを買った。 鈴木オートの修理工、六ちゃん(堀北真希)は近頃気になる人がいる。以前怪我をしたとき手当してくれた病院の外科の菊地先生(森山未来)だ。毎朝、菊地先生の出勤の通り道で待ち伏せし、朝の挨拶だけをする仲だけど。 茶川先生は少年雑誌の連載小説が最近緑沼なる新人作家の方が人気が出て、編集部から打ち切られそうになっていた。あわてて自分でファンレターを書く茶川。しかしそんなことは編集部ではお見通し。 六ちゃんはある日、菊地先生からデートに誘われる。 菊地と六ちゃんの毎朝の様子を見ていたたばこ屋のおばちゃん(もたいまさこ)は気になって菊地先生の病院での評判を探り出す。しかしどうにも評判が悪い。 昭和ノスタルジーブームの代表的作品の3作目。 1作目は多少覚えているが、2作目はどんな内容だったかさっぱり覚えていない。 今回は無理して意味なく3Dである。 この映画を3Dにする意味は製作者側の料金値上げ作戦以外の何物でもない。 でもそんなことは世間はお見通しで、新宿ピカデリーでは3D版は1日3回上映で、2D版は5回上映。 なんでもかんでも3Dにすればいいってもんじゃないんだよ。お客さんはもうそれを解っている。 3D時代の終わりの始まりですね。 今年は今製作中の映画もあるから、まだ出てくるでしょうけど、来年からはきっと減っていくのではないか? でも2D版で見ても「ここは3Dを意識したな」という画はある。冒頭で模型飛行機が飛ばされて、それが風に乗って宙を舞い、東京タワーを俯瞰する位置にくるという画。 3Dにするとそれなりに迫力があったでしょうねえ。 それと映画の内容とは関係ないけど、私は夕日町のモデルになった街は田町、三田付近だと思っていたら、夕日町から見て東京タワーの先に海があったから、麻布十番あたりがモデルらしい。 あと3Dを意識した画は森山未来が堤真一に投げ飛ばされて窓を突き破ってくるところ。飛び散るガラスの破片がきっと3Dでは効果があったでしょう。 でも3Dでなくても映画の出来不出来にはほとんど関係ない。 今回のメインは六ちゃんの恋愛と、茶川先生と育てている淳之介(須賀健太)の関係。 実は緑沼は淳之介だったという展開なのだが、これって無理ではないか? 覆面作家は許すとして、原稿料の支払いとか編集者からの電話とか色々とあるだろう。一緒に住んでいる茶川先生が全く気がつかないのはいかがなものか。 まあその点を除けば茶川の父(米倉斉加年)が口では「勘当だ」と言いつつ、実は息子の愛読者で毎回コメントを書いていた事実が死後解るとか、菊地先生が女遊びが激しいという噂があったけど、実は無料診療に行っていたとか、六ちゃんの結婚式とか泣かせどころが続く。 こういうのをお涙頂戴と批判する人もいるけど、いいじゃない。泣けてそれで感動していい気持ちになれる人がいるなら。 アクション映画を見てスカッとするのと同じだよ。 見終わったら隣のカップルの女の子が「泣かせどころの波状攻撃だった」と言っていた。満足出来ればいいんだよ。 そうそうもう一つケチをつけると映画の中で鈴木さんの息子も指摘していたけど、六ちゃんの本当の両親が結婚式に出てこないのはいかがなものか。 そりゃ鈴木さんにも世話になったけど、本当の両親にも結婚前の最後の挨拶はしてもいいんじゃないかなあ。 それが映画の流れからいってじゃまになるのは解るけど、そこは無理矢理でも説明をつけて欲しかった。 ひょっとして六ちゃんて青森の両親から勘当されてるのか? 感動作品にケチをつけるようなことを言うけど、茶川さんも鈴木さんもこれが借家ではなく自宅なら数十年後地上げで大儲けする。 この際、昭和をどう生きたかをバブル経済まで描いて欲しい。「三丁目の夕日オイルショック」「三丁目の夕日バブル景気」とか。 絶対無理だけど。 そうそう昨日観た「ヒミズ」で圧倒的迫力のあった染谷将太が六ちゃんの後輩従業員で出演。 まるで精彩がなく、別人のようだった。 まあ「三丁目の夕日」では「ヒミズ」と同じテンションは求められませんけど。 (このページのトップへ) 吼えろ脱獄囚日時 2012年1月29日10:30〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 福田純 製作 昭和37年(1962年) (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 大木竜介(佐藤允)とルガーのジョー(中丸忠雄)は刑務所を脱獄。竜介はキャバレー・スリーキャッツで働いていたが、同じキャバレーで働いていた弟殺しの罪で服役していたのだ。 だが竜介は殺していない。その真犯人を探し出すのが目的だ。早速スリーキャッツの歌手・純子(水野久美)に連絡を取る。純子は弟の恋人だった女性。今ではスリーキャッツのマネージャー(田崎潤)の強い押しで看板歌手になっていた。 一方スリーキャッツにやもりの鉄(夏木陽介)と名乗る一癖ある男がやってきた。たばこ売りの娘ユキ(浜美枝)と仲良くなり、それをきっかけにしてスリーキャッツで働くことに。 純子の後輩歌手のさゆり(星由里子)の恋人でバーテンの健(古谷敏)は最近なぜかさゆりに冷たい。健はさゆりに何か隠しているようだ。 純子はそれが自分の恋人殺しに関連している気がして、さゆりに健のことを探らせるのだが。 東宝アクション。75分の尺だから添え物作品だったのだろう。 古谷敏さんのデビュー作ということで鑑賞。 完全に日活の「拳銃無頼帖」のパクリだ。 後半、中丸忠雄のルガーのジョーが活躍するが、これが宍戸錠のまんまパクリ。 名前からして「竜」と「ジョー」だもんなあ。 それにジョーが竜になんとなくシンパシーを覚えて味方してしまうという設定も同じ。 田崎潤も二本柳寛がやっていた役だし、田崎潤に捨てられた歌手(北あけみ)は白木真理、星由里子は笹森礼子、浜美枝は吉永小百合。そんな感じ。 しかもラストにはジョーと竜の拳銃の撃ち合いがあり、壁に隠れたジョーがジッポのライターのふたの部分だけを出してそれを竜が撃つとジッポのふたが開いて火も着くというお遊びぶり。日活さながらだ。 結局夏木陽介は潜入刑事で真犯人はマネージャーの田崎潤。 田崎潤が酒に強い竜の酒に睡眠薬を飲ませて拳銃を持たせて犯人にしたてあげたという訳。 最後は竜が夏木の刑事と協力して田崎を逮捕させる。 で、デビューの古谷さんはどうだったか。 う〜ん、正直まだまだ固い。鮮やかなデビューとはいかなかったようだ。 昭和37年で映画界も斜陽と言われてる時期。 制作本数も減ってくる時期だし、次の映画にステップアップとはなりにくいと思う。 正直、そんな感じだった。 中丸忠雄がもろ宍戸錠のまねをしており、その点は楽しかった。 (このページのトップへ) ヒミズ日時 2012年1月28日20:20〜 場所 新宿バルト9・スクリーン6 監督 園子温 (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 東日本大震災後の日本。被災地のどこか。 教師は「かつて戦争で焼け野原になっても復興したんだ!がんばればまた復興できる!普通の人間なんていない!みんなそれぞれ特別なんだ!」と説く。 その授業を受ける住田(染谷将太)「俺は別に特別じゃない。普通に生きていきたい。普通サイコー!」と叫ぶ。 同じクラスの女子の茶沢(二階堂ふみ)はそんな住田を応援する。 実は住田の家は川のほとりで貸しボート屋を営んでいたが、父親はばくちか何かで借金を作って夜逃げ。母と二人暮らしだったが、やがて母は男と二人で出ていった。 一人残された住田。平穏が訪れたと思ったが、今度は父親の借金を回収しようとやくざがやってくる。 それを見かねた住田の家の空き地に住む被災者の夜野(渡辺哲)はお金をなんとかしてやろうと街で知り合ったスリ(窪塚洋介)と組んで泥棒をする。 今話題の園子温の最新作。 テアトル新宿とかの単館系での上映ではなく、新宿バルト9での上映。ずいぶんとメジャーになったものだ。 ベニス映画祭で染谷将太と二階堂ふみが新人俳優賞を取ったことでも話題だが、それだけではシネコンでの上映にはなるまい。大出世だなあ。 正直、「冷たい熱帯魚」をまた観させられている気分になった。主人公は痛めつけられ精神的に追いつめられていく。 「冷たい熱帯魚」では追いつめるのはでんでんだけだったが、今回は父親にもどやされ、母親にも捨てられ、借金とりにも追いつめられる。 父親には「お前なんか川で溺れた時に死ねばよかった」と何度も聞かされる。救いがない。 「普通になりたい」と住田ならずとも思うだろう。 それにしても出てくる人物がすべていきなりなぐる、暴言を吐く、の繰り返し。血が出ない分、「冷たい熱帯魚」ほど拒否はしなかったが、それにしてもくどい。 暴言、殴る、暴言、殴るの繰り返し。うんざりする。 茶沢もなにかにつけて余計なお世話をしてうっとうしい。 住田ならずとも観ているこっちの方がうんざりする。 正直、映画館を出ようかと思った。 映画の後半で住田はついに父親を殺す。 そして同じようなくずの人間を殺してやろうと、世の中のためになるからと街を徘徊する。 しかし結局誰も殺さずに帰る。 茶沢がそれを迎え、父殺しを見抜き自首をすすめ、やがて住田は自首する。 それに向かって茶沢は最後まで「住田頑張れ!住田頑張れ!」と叫ぶ。 映画の前半に出てきた教師が「がんばって復興させるんだ!」というがそれを否定的に描いているように思えた。 にもかかわらずラストは「頑張れ!」のかけ声だけ。 う〜ん、どうなのかなあ? ひょっとして住田と今回の東日本大震災の被災者をオーバーラップさせているのだろうか? 住田は父親、母親、借金取りと三重苦にあった。 東日本大震災も地震、津波、原発事故だ。 住田と被災者をだぶらせれば、最後の「頑張れ!」は被災者に向けてのせりふにも聞こえる。 でもそんな柔で単純な主張は園子温はしない気がする。 そんなありきたりなことは言わないから受けていると思っていた。 だからこの解釈は違っていると思う。 もしそうなら園子温に対する見方は変わるけど。 (このページのトップへ) きみはペット日時 2012年1月28日16:20〜 場所 新宿武蔵野館2 監督 キム・ビョンゴン (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) チ・ウニは30(キム・ハヌル)になり、学生時代の同級生は結婚して子供もいるがウニは独身。 でも出版社でバリバリ働く高収入高身長のキャリアウーマン。カン・イノ(チャン・グンソク)はダンサーだったが女のもとを追い出されて宿なし。 ウニの弟がイノの友人だったことからその弟の計略でウニの高級マンションで暮らすことに。 ただし同居人ではなく、ペットのモモとして。 恋人ではなく犬と同じペットを飼う感覚で二人の共同生活は始まる。 そこへウニの勤務先と同じビルで、学生時代あこがれの先輩だったチャ・ウソンが働くことになった。二人は再会。ウソンはウニと結婚を考えているらしい。ウニもウソンには好意を寄せてはいるが、ウソンの前にでると嫌われまいとつい緊張してしまう。 ウニはモモといる方が何でも言えて気楽だが、恋人とは思いたくない。 今韓流スターで一番人気なのがチャン・グンソク。 美しい容貌でいかにもイケメンで日本では大人気だ。 しかし本国ではそれほど人気でもないとも聞く。でも10月にソウルに行ったときは韓国の化粧品メーカー・ネイチャーリパブリックのメインキャラクターとしてミョンドンの街角中に彼の笑顔のポスターがあった。 で、その主演作。彼の映画を観るのは初めてだ。 原作は日本のコミック、何年か前に松本潤と小雪のコンビでテレビドラマにもなった。 この映画も日本市場を十分意識しているのだろう。 グンソクはポスターや予告で観たとおりのイメージ。 甘えた顔も厳しい表情もとにかく可愛く、かっこいい。 女性ファンが多いのも納得だ。 スター映画でアイドル映画だ。 「単なるアイドル映画に終わらせたくない」と言って妙にアイドル映画っぽくない映画にしてかえってだめな映画が出きることもあるが、この映画は正当派だ。 チャン・グンソクをかっこよく美しく見せることだけに集中し、そしてそれは成功している。 ペットとして住みたいと言ってウニの膝に甘えるグンソク、シャンプーしてもらいながら「かゆいとこありませんか、とか聞けよ」というグンソク、「俺の大物を見せてやろうか」と風呂場でジーンズを下ろしてウニをどぎまぎさせるグンソク、クライマックスで雨の中で告白するグンソク。 どれもこれもファンなら胸きゅんものだろう。 そしてラストになっても喧嘩ばかりしている二人。 ラブコメの王道だ。 グンソクファンの大人の方は自分とウニをだぶらせて楽しめることだろう。 グンソクファンも大満足の王道なアイドル映画だ。 (このページのトップへ) スケバン刑事コードネーム=麻宮サキ日時 2012年1月22日15:00〜 場所 ザ・グリソムギャング 監督 深作健太 製作 平成18年(2006年) (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) ニューヨークで逮捕された日本人女性。彼女(斉藤由貴)は不法滞在で逮捕される。だが彼女にはスパイ容疑もかかっていた。 その娘(松浦亜弥)は日本に強制送還される。そこで警察に拘留され、母親を助けたければ協力するように言われる。 それは特命刑事麻宮サキとなってとなってある高校に潜入し、事件を解決することだ。 その事件とはインターネットのサイトで「エノラ・ゲイ」というアングラサイトがあり、ここでは爆弾の作り方などが掲載されていた。このサイトで何らかのカウントダウンが始まり、それが明後日で終わりになる。 警察の今までの調べで聖泉学園が関係してるようだ。事実ここの潜入させていた特命刑事が数日前に渋谷で爆死していた。 深作健太監督作品。 「スケバン刑事」を特に観たいというわけではなく、深作監督に会いたかったので、グリソムギャングでのトークイベント付き上映に行ってきた。 映画のほうは・・・正直全く乗れなかった。 もともと大人気だったテレビシリーズの「スケバン刑事」を観ていない。女性主人公はどうも関心がわかないのだ。 でも斉藤由貴や南野陽子、浅香唯などが演じていたことは知ってる。 今回はその斉藤由貴の娘という設定。 学校に潜入したら実はこの学園ではイジメがあったが、教師は知らんぷり。 そのいじめられてる子・多英(岡田唯)とサキは仲良くなり、情報を得ようとする。 で、まあその多英には去年まで親友・神田琴美がいて多英が自分の悩みを打ち明けるサイトで知り合って 実は同じ学校だったという設定。 その辺の事情が「実は〜」というのが映画の途中で急にメールでサキに送られてくる。 とにかく説明調になってしまう。 結局カウントダウンは琴美が自殺した日の一周忌なのだ。 まああと実は公安の特命刑事も潜入していてそれは誰かという謎解きとか、いじめっ子のレイカ(石川梨華) が出てきて、謎の青年(窪塚俊介)とか色々出てくるが、結局その青年が犯人で、レイカが公安の刑事だったという話。 で、サキはお決まりのヨーヨーで相手を撃退する。 深作監督は当時は「単なるアイドル映画なんか作るか!」と思っていて、この企画に乗り切れてなかったようだ。 それでどうも脚本が混乱しているし、要するに面白くない映画なのだ。 モーニング娘。とかのハロープロジェクトのファンならまだ楽しめる要素もあったかも知れないが、私は全く興味がないので、必然的に楽しめる要素が全くと言っていいほどない。 それにしてもわずか6年前の映画だが、アイドルはAKB48の時代だし、ホームページに掲示板というがいまやツイッターやFACEBOOKやmixiの時代だ。 そういうアイテムが完全に過去のもの。 その点、ヨーヨーは今も昔も通用するので、時代を超えたアイテムとも言える。 そういう映画とは関係ないところが面白かった。 (このページのトップへ) ロボジー日時 2012年1月22日11:50〜 場所 新宿ピカデリー・スクリーン6 監督 矢口史靖 (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 家電メーカーの木村電器の社員小林(濱田岳)、太田、長井の3人はワンマン社長から会社のイメージアップのために2足歩行ロボット「ニュー潮風」の開発を命じられた。 なんとか完成に近づいたが、誤って窓から落としてしまい、大破。仕方なく着ぐるみショーに入る人という名目でロボットに入ってくれる人を探すことに。 そこへ今はリタイヤした老人・鈴木重光(五十嵐信次郎)がやってきた。体のサイズがぴったりな鈴木を入れることで何とか展示会は乗り切った。 しかし展示会で事故があり、ロボットオタクの女子大生・葉子(吉高由里子)を助けてしまう。その様子がテレビで放映され、「ニュー潮風」は一躍もてはやされイベントの出演依頼が続々。 一回限りのつもりだったが、仕方なく小林たちはもう一度鈴木に頼むことに。 「ウォーター・ボーイズ」「ハッピーフライト」の快作を放った矢口史靖監督最新作。 関係ないが東宝系の公開なのに、なぜか銀座地区では上映していない。 予告を観た限りでは面白そうだが、評判は今一つ。 不安を抱えつつも公開2週目でやっと鑑賞。 う〜ん、決してつまらなくはないんですよ。 でも何かが足らない。もう一つパンチ不足なのだな。 それはどこから来るのだろう? 1時間50分という尺の長さからだろうか? 観初めてまず思ったのは話の骨格は昔からある話だと思う。 「都会に出てきて食堂で働いている青年が田舎のお袋に自分は料理長になったと手紙で送り、今度田舎から母親が出てきて嘘をつきまくる」という嘘をついていくパターンがあったが、そんなようなものだ。 いや面白いところもある。大笑いした箇所も何回かあった。 でももっと面白くなった気がする。 葉子の大学に特別授業をしてそれから勉強を小林たちが始める展開だが、ほとんど営業とかから来た3人にはいくら何でも無理だろう。 「ハッピーフライト」は現場の取材とかよくされている感じがしたので、臨場感を感じたが、この辺が嘘くさく話にのれない。 ロボジーに入る鈴木さんが元木村電器の社員で一緒になってロボットを作るとかの展開にすれば、またちょっと説得力があったかも知れない。 ラストの記者会見のシーンでいよいよばれそうになるが、ある仕掛けがあってうまく回避される。 まあオチは解ったけど、ラストをどう収集させるかと心配していたので、そこは安心できた。 あと鈴木さんに車にはねられそうになったところを鈴木さんに助けて貰った葉子が手をさしのべられて気付くシーンはチャップリンの「街の灯」ですね。 違うかも知れないけど、古典です。 そういう映画の古典をよく知っていてそれを現代にうまく消化させている矢口監督は好きなので、これかも陰ながら応援していきたいと思う。 (このページのトップへ) マイウェイ 12、000kmの真実日時 2012年1月21日16:00〜 場所 渋谷TOEI1 監督 カン・ジェギュ (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 日本占領下の朝鮮京城(ソウル)。キム・ジュンシクは一家で使えている憲兵の長谷川(夏八木勲)に仕えていた。そこに長谷川の息子(佐野史郎)と孫の辰雄がやってきた。 これがジュンシクと辰雄の出会いだった。二人ともとても足が速く、次の東京オリンピックの選考レースで争うことになる。選考レースでは優勝したジュンシク(チャン・ドンゴン)だったが、日本人審判はジュンシクに違反があったとして失格にし、辰雄(オダギリ・ジョー)を優勝とする。 これがきっかけで暴動が起き、ジュンシクたちは逮捕され、やがて兵隊にとられ、ノモンハン事変に参加することに。 そこへ今や陸軍大佐となった辰雄がやってくる。 下士官の野田(山本太郎)はあからさまに民族差別をし、辰雄もソ連軍への突撃を命令。 勝ち目のない戦いにジュンシクは反対。 だが翌朝、ソ連の方が日本に対して奇襲攻撃を仕掛けてきた。 圧倒的な戦車部隊を前に日本軍は為すすべもない。 やがてジュンシクも辰雄も野田もソ連の捕虜になり、シベリヤでの強制労働が始まる。 昨年から東映映画館で予告を観る度に気になっていた映画。「日本、ソ連、ドイツの3つの国の軍服を着て戦った男がいた」というようなキャッチコピー。 オダギリジョーとチャン・ドンゴンが2大スター競演だ。 予告を観ると「日本人と朝鮮人だがマラソンのよきライバルとして熱い友情で結ばれ、二人で助け合って生き抜く物語」と思っていた。 とんでもない。オダギリジョーの日本人は極悪非道の典型的な悪い日本人。 朝鮮人をバカにしまくるし、ノモンハン事変でも戦列から離れようとする朝鮮人兵士を撃ちまくる。 山本太郎の下士官も兎に角朝鮮人を徹底的にいじめまくる。 よくまあ一部の右翼が「反日映画だ!」と騒がなかったものだ。僕なんか山本薩夫の映画で育ってるから別にいやだとは思わないが。でも確かに悪者に描かれても仕方ないことをたぶん日本人はしただろうから仕様がないけど、ここは未来指向になってあんまり日本人を悪くは描かないでほしかったというのも本音。 で、あれほど「皇軍は死んでも撤退しない」と言っていた辰雄も野田もあっさりソ連の捕虜。 しかも独ソ戦が始まってソ連兵になるチャンスを与えられるとあっさりソ連兵に。 「大佐どの〜ソ連の軍服がよくお似合いで〜」と嫌みたっぷりに言う山本太郎は絶品だ。 でドイツ戦でも負けて今度はドイツの捕虜になる辰雄。ジュンシクとは別れ別れに。 3年後に話は飛ぶ。3年経って辰雄はのんびりしてすっかり丸くなっている。ドイツの軍属になったみたいだ。 なにか憑き物が落ちたかのよう。 まあソ連兵時代に戦線で逃げようとする兵士を撃ちまくるソ連将校を見てかつての自分を客観視して反省したんでしょうね。 ノルマンディーで陣地構築をしていたら今は耳の聞こえなくなったジュンシクと再会。 で運悪く連合軍のノルマンディー上陸作戦にぶつかるという運の悪さ。 正直、ここまで運命がむちゃくちゃだと笑えてくる。 やっぱり韓国映画ならではの針の振れ方だな。 でさあ、最後ジュンシクと辰雄は戦線から離脱するが、その際にジュンシクは死んじゃうわけ。で認識票みたいなのを渡し、「日本人と解ると殺されるかも知れないから、お前がジュンシクになれ」と言う。 で、映画の最後ではロンドンオリンピックらしきシーンになり、今やジュンシクとなった辰雄が走っている。 いや、いくら何でもそれは無理があるだろう。 戦争中での混乱時では誤魔化せたかも知れないが、平時に身分詐称でオリンピックは無理じゃないかなあ。 いや感動のラストは解るけど、ここまで行くと苦笑してしまう。 ものすごく韓国万歳的な感じもあり、反日映画っていうより韓国礼賛映画なので、日本人としてちょっと複雑。 あっ書き忘れたけどノモンハン事変のあたりで中国人の美人スナイパー登場。 母と妹を日本人に強姦された復讐の鬼と化した女性ゲリラ。 久々に日本人が悪者扱いされている映画を見た。 最近は「南京!南京!」とか割と日本人を悪く描かない映画が多かったので。 (このページのトップへ) ZeroWOMAN 名前のない女日時 2012年1月16日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 後藤大輔 製作 平成8年(1996年) (詳しくはallcinemaで) 女(立原麻衣)は警視庁0課の女。0課は証拠のない犯罪者を密かに葬り去る特別なセクションだ。上司(山下真司)からミッションを受けそれを実行する。 今日も検事を脅迫して裁判を有利にする元検事の弁護士(渡辺哲)を殺す。 殺しを行った晩、いつものようにバーで泥酔する。 そのバーで男にキスをされて相手を殴り倒す少年ミツル(北川悠仁)を見かける。 数日後、街のチンピラたちから輪姦されるミツルを見かける女。事が終わった後、ミツルを自分もアパートに連れ帰り、奇妙な同棲が始まる。 女は再び上司の命令で殺しを行う。殺しから帰って晩、ミツルから血の匂いを嗅ぎとる女。 ある晩、夜中に寝ている布団からミツルは抜けだし外に出る。あるアパートに入り、女装して出てきて男に声をかけ、金をもらってフェラチオをミツルがいた。 男がミツルの股間に顔を埋めたとき、ミツルはその男の背背中を滅多刺しにする。 「ZeroWOMAN」シリーズの4作目。 見たDVDに収録されていたシリーズの他の作品の予告編を見ると毎回主人公を演じる女優が違うので、連続性は少なそうだ。 タイトルの「名前のない女」は主人公が「君、名前は?」と聞かれて「ないわ。好きに呼んで頂戴」というところからきている。 北川悠仁の役者時代の作品。 ゲイともなんとも言えない、中性的な少年を演じる。 前半のチンピラたちから輪姦されるシーンでは、ジーンズを脱がされると俗に言うケツ割れサポーターをはいておりお尻が丸見え。「北川悠仁がケツ出すVシネがある」と噂で聞いたことがあったが、これだったか。 その後も女装したり、男にフェラチオしたりと何かと過激なシーンが続くが、むしろ非常にがんばっていて好感を持った。 後半はミツルが猟奇的連続殺人者だったと判明し、現場に居合わせてしまった女が犯人と間違えられてしまう。 同居しているミツルに対して奇妙な愛情を感じてる主人公は何とかミツルを助けたい。 だがまた事件を起こし、逃げる途中で女に見つかりある廃ビルに逃げ込む。追っ手の別の警官に撃たれるミツル。 屋上に行き、隣のビルに移れば何か方法があるかも知れないという女。 しかし屋上へ通じるドアは鍵がかかっていて、逃げ出すことは出来ない。 もはやこれまでとミツルを撃ち殺す。 このシーンは例えばスローモーションとか主人公がたっぷり間を取って苦悩の表情をして撃ち殺す、といったくどい描写はなく、「バン!」と一発撃って終わり。 この方がいい。このタイトなエンディングがよかった。 ミツルの殺しの動機とか背景とかは特に説明はない。 気になる人もいるかも知れないが、なくても十分だろう。 またミツルの章だけでなく、2人目の殺しが外国に情報を売り渡す外務官僚。銀座のホステスを愛人にしているが、自分のことがばれて海外逃亡を計る。 エレベーターで主人公が追いつめ、「場合によっては飛行機に乗せてやる」と言い、外務官僚はてっきり金を渡せばと思いこむ。金を渡すと主人公は「飛行機の切符は何枚買った?」「へっ?一枚だが」。 そこで撃ち殺す主人公。愛人には「海外旅行に連れていってやる」と約束したくせに。 鮮やかなエピソード。 正味75分の尺だが、ぎゅっと詰まった濃縮した傑作だと思う。 (このページのトップへ) 女家庭教師 不倫の罠日時 2012年1月15日 場所 TSUTAYA宅配レンタルDVD 監督 坂本太 製作 (詳しくはallcinemaで) 杉田ともみ(小沢小梅)は宗方家の一人息子で高校生のトシハル(北川悠仁)の家庭教師をしていた。 トシハルの家は裕福だったが、いつも両親はいなくてトシハルは一人だった。見かねたともみは晩ご飯を作ってあげる。料理中に父親・俊介が帰ってきた。 俊介は高名な教育評論家だったが、見知らぬ女性が台所にいるのに驚く。これがともみと俊介の出会いだった。 やがてともみは毎日のように食事を作りに宗方家を訪れ、俊介も早く家に帰って食事をともにするようになった。 トシハルの高校の同級生のあずさ(浅見まお)は援助交際をしていたが、客との交渉役の中年男に実は恋していた。 俊介はともみに「好きだ」と告白し、ともみも恋人がありながらそれに応えていく。 人気フォークデュオ・ゆずの北川悠仁が無名時代に役者をしていた時代に出たビデオ作品。 「北川悠仁がかつてエロVシネに出ていた」という話は聞いたことがあり、その作品名は知らなかったが、年末に本屋に立ち寄った際にみた「芸能界マル秘裏情報」的な週刊誌の紙質で作ってある読み捨て的単行本に北川悠仁の出たVシネのタイトルが載っていた。レンタルで探したらあった、あった。早速借りてみた。 うん、AVじゃないんでエロシーンはごく控えめ。 悠仁の高校生が家庭教師の先生に誘惑される話かと思ったら、さにあらず。女子高校生の友人とできる話かと思ったらさにあらず。 裸のシーンには絡んでこない。 この作品、ちょっと説明不足で、母親がいないのはてっきり父子家庭なのかと思っていた。 だから父親と出来ても不倫じゃなかろうと。 ところが後半になって母親が大きな鞄を抱えて帰ってきたのでこちらは驚く。唐突だよ。最初に母親は仕事で家をあけっぱなしとか説明しとけば、不倫の過程が盛り上がっていくのに。 同様に女子高校生が援助交際をしているが、そのマネージャー的おじさんの事が好きらしい。 このおじさん、地元のやくざからショバ代らしき金を巻き上げられているのだが、単なるチンピラだと思ったら最後になって「会社が倒産してそれが女房子供に言えないでいる」と分かる。この辺も人物設定を先にしておいてくれた方がいいと思うけどなあ。 で、北川悠仁だが今のようなかっこよさはまだなく、何となく田舎の高校生のようないまいちダサイ感じ。 後半で家庭教師に「お前のおかげで家族が壊れた!」と押し倒し、服を脱がしおっぱいをもむ。それ以上はない。 北川悠仁に関してはその程度のものだから、北川悠仁の濡れ場を期待してみると外される。 その程度の作品だから逆にファンは安心できるかも。 (このページのトップへ) 源氏物語 千年の謎日時 2012年1月14日20:20〜 場所 TOHOシネマズ渋谷・スクリーン4 監督 鶴橋康夫 (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) (公式HPへ) 平安時代、藤原道長(東山紀之)は自分の娘に天皇の子供を産ませるため、天皇の関心を寄せるため紫式部に物語を書くよう命じる。 その物語は天皇と身分の低い女・桐壷(真木よう子)の間に生まれた子供・光源氏(生田斗真)の物語だった。 母・桐壷は天皇の子供を宿したことから周りの女性たちの嫉妬により死に至らしめられる。 やがて成年した光源氏は天皇の後妻藤壷(真木よう子)を母の愛を受けられなかった寂しさから慕うようになる。 やがて光源氏は葵(多部未華子)と結婚、しかしその愛を求める性格故、六条御息所(田中麗奈)夕顔(芦名星)たちとも深い関係になっていく。 正月映画だがなんだかんだと他の映画を優先させているうちに見るのが遅くなってしまった。 (ちなみに前売り券1300円で見たのだが、この日は毎月14日の東宝の日で1000円均一の日。300円の話だがものすごく損した気になった) 平安王朝の話ってみんなそうなのか、この映画の演出なのか、とにかくテンポがだるい。眠くなる。 根本的に現代劇や江戸時代物、戦国ものと違ってしゃべるスピードがものすごくゆっくり。 あれって雅楽のテンポが比較的ゆったりしてるから、その時代の時間の流れ方もゆっくりしているように思ってしまうのだろうか。 そして出てくる女性がみんな似たような服装で、メイクもしているから、(私の頭が悪いせいだと思うが)誰が誰だったか混乱した。 私は映画の後半の方では田中麗奈が光源氏の義母だと思っていたので(実はそう思っていても話は通じる。だって光源氏と関係を持つ。源氏はなんだかんだと他の女とも関係を持つ。女はそれを嫉妬するの連続だから)、田中麗奈が映画から退場して、その後に義母との関係が出てくるから自分の勘違いを恥じた。 それと女性たちが生き霊になって嫉妬する女性の前に現れて、安部晴明(窪塚洋介)とか出てくるから妖怪ものの映画みたい。 正直、そういうものが出てくるとは思わなかったので苦笑した。 着物の美しさとかそういう雅なものに関心の高い方は楽しめたかも知れないが、無粋な私は別にそれほど・・・ 生田斗真のファンなので見たのだが、生田斗真の美青年ぶりを楽しむ以外、楽しめる要素はなかった。 (このページのトップへ) 宇宙人ポール日時 2012年1月14日16:00〜 場所 渋谷シネクイント 監督 グレッグ・モットローラ (詳しくはムービーウォーカー・データ・ベースで) (公式HPへ) イギリスのSF作家(それほど有名ではないらしい)クライヴ(ニック・フロスト)とイラストレーターのグレアム(サイモン・ペッグ)アメリカのオタクの祭典・コミコンに参加した。 その帰り道、今度はキャンピングカー(RV)でのエリア51などのUFOスポットめぐりを計画する。 ドライブインで地元の酔っ払いに絡まれて逃げる途中で、一台の車が事故で大破するのを目撃する。 近寄って見るとそこにいたのはあの昔からのなじみの宇宙人。 自らをポールと名乗り、ある場所に連れて行って欲しいという。 アメリカの秘密機関から狙われるのでは?とちょっと不安に思った二人だが、SFオタクとしては行かないわけには行かない。 RV専用パーキングに車を停めた彼らだが、翌朝その管理人のルースに見つかってしまう。 仕方なくルースも連れて行くが、その親父も追ってくる。 さらに謎のエージェントも追ってくる。どうなる! 全然ノーマークだったこの映画だが、年末年始にかけてネット上の映画友達からの評判がやたらいい。 それならばと見に行った次第。 なるほどねえ。皆が褒めるのもよくわかる。 この宇宙人のポール、見かけは宇宙人だが中身はタバコはふかして説教めいたことを言って、でも嫌味にならない。人間形にすればトミー・リー・ジョーンズ演じそうなキャラクターだ。 SFオタクが喜びそうなポイントもちりばめられ(砂漠で「宇宙大作戦」ごっこをするとか、 スピルバーグに映画のアイデアを提供していたとか、酒場に入ればそこで「スターウォーズ」1作目のハン・ソロ登場の酒場の音楽が演奏されているとか)それを見てるだけでも楽しい。 また最後にみんなが協力してポールを宇宙に帰す。泣けてくる。 私としての感動ポイントは「どうしてもよりたい所がある」といって立ち寄った場所が、宇宙船の事故で最初に地球に降り立ったところ。 助けてくれた少女に再会したかったのだ。 しかし彼女は「宇宙人に会った話をしても誰も信じてくれず、その後引きこもりになった」という話。 うん、案外そういう人生になってしまうのかも知れない。 そういう風に感動ポイントはちりばめられているし、「恋人が死ぬ話」よりよっぽど面白い。 でも僕には「よかったですね」という感想でそれほど感動しなかったというのが本音。 多分これは私の感性の問題で、映画の出来不出来とは関係ない。 そして他人がこの映画に感動したことにとやかく言うつもりはない、絶対に。 でも私としては「いい映画だったね」というありきたりの感想が正直なところだ。 それよりもこの画面上の宇宙人ポールの出来だ。 違和感がまったくない見事なCG合成だ。 しかもポイントでの登場ではなく全編登場だからすごい。 昔でも同じアイデアで映画は作れたかも知れないが、何らかの理由をつけて人間に変身して登場せざるを得なかったと思う。 「ハリーポッター」のような予算のある超大作でなくてもこれほどの映像が低予算(あくまで「ハリー・ポッター」などと比較して、というレベル)出来てしまうのだからその技術の進歩に驚いた。 僕にとってはそっちの方が大きかったのが本音。 あっあともうひとつ難点を言えば、追っ手のエージェントが地元の警官に何も知らせずについてこさせてその二人がエイリアン捜索と気づく。その後二人は追跡中に死亡してしまう点。 ハートウォーミングな映画だからそこは死なせずにいたほうがよかったように思う。 (このページのトップへ) 若い樹日時 2012年1月9日19:00〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 本多猪四郎 助監督 梶田興治 製作 昭和31年(1956年) (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 熊本生まれで母を亡くした小泉浩子(青山京子)は東京でそばやを営む叔母の家に住むことになる。 東京へ向かう汽車のなかで酔っぱらい(谷晃、大村千吉ら)にからかわれて困っているところを大学生(山田真二)に助けられる。 東京の女学校に転校した浩子だが、方言からあだ名は「ばってんさん」と早速つけられた。 卓球部に入った浩子だが、そこでコーチとしてきていた例の大学生・堀田と再会。 ある日浩子は誰かがトイレで落とした堀田宛のラブレターを拾ってしまう。落とし主が拾いにくると思って元に戻した浩子だが、別の生徒が拾ってしまう。差出人が「H子」となっていたものだから、卓球部中の生徒から「我らがあこがれの堀田さんに抜け駆けする卑怯もの」として追求されてしまう。 今まで特に注意してはいなかったが、これからの映画鑑賞の目標として本多監督全作品鑑賞をめざそうと思う。 昨年末に「上役下役ご同役」をみたことだし。 で今回みたのがこれ。 10年後の夏木陽介の青春学園ものの原型とも言える。 スポーツは卓球だが、女学生ばかりだから「サインはV」の原型とも言える。 それでラブレターが誤って他人に読まれて大騒動、という展開は「青い山脈」にもなかったか。 そうか、「青い山脈」は昭和40年代の青春学園ドラマの原型とも言えるのか。 今回の先生はあまりスポーツマンっぽくはないが佐野周二。 「女は甘やかすとつけあがって注意するとすぐ泣くし、まったく手に負えない」とグチる。 結局手紙はクラス1の優等生が書いたもので、手紙のことであんまり部がもめるから堀田はコーチをやめ、先生かからも叱られる。それで仲直り。 ところが今度はクラスの仲間が牛乳配達をしているが病気で倒れてしまう。 それを偶然知ってしまった浩子はその子の代わりに牛乳配達をするというこれも後のテレビの青春ものにありそうな話。 浩子は牛乳配達の疲れから大事な試合に負けてしまうが、結局部の仲間は浩子の仲間を想う気持ちに感動してメデタシメデタシ。 正直プログラムピクチャアの1本でしかない映画。 主役の青山京子は吉永小百合とか長澤まさみに似ていてよかった。 山田真二はその後どうなったんだろう? この頃の映画にはよく出ているが、その後さっぱりだしな。 (このページのトップへ) 誘拐報道日時 2012年1月8日20:00〜 場所 銀座シネパトス1 監督 伊藤俊也 製作 昭和57年(1982年) (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 豊中市の私立小学校の三田村英之ちゃんが下校途中に誘拐された。警察から報道各社に発表があったが、子供の命優先とするため取材は控えるよう報道協定が結ばれる。 犯人古田(萩原健一)は日本海側の実家に立ち寄った。一度は子供を殺そうと思ったが、海岸でダイバーに見つかるのを恐れ思いとどまる。 古田は喫茶店を経営していたが、悪い奴(中尾彬)に店ごと乗っ取られて追い出され今は無職の身だった。しかも200万円の借金まで背負わされていた。 3000万円用意するよう三田村家に古田から電話が入る。だが警察の張り込みを感じた古田はやがて身動きが取れなくなる。 読売新聞が全面協力した実際にあった誘拐事件を映画化。公開当時テレビスポットもふんだんに行って「東映秋の大作!」だった記憶がある。 でもそのときには見ていない。見に行った人から「あまり面白くなかった」とか評判を聞いてやめたような気がする。それにキネ旬の批評だったか「タイトルからして誘拐事件において報道各社の取材合戦を描いた映画だと思っていたら犯人側に重きが置かれタイトルに偽りありだ」という評判も聞いた。今なら必ず見ているが、当時はいまよりお金を持っていなかったからやめたのだろう。 今回30年ぶりとなる劇場上映だそうだが、特になにか上映出来ない事情(後にあるシーンが問題になったというような)があったわけではないらしい。 で映画の方だがなるほど「タイトルに偽りあり」と言われるのもわかる気がする。新聞社側で社会部部長が昔から世話になったバーのママの葬式で誘拐事件の連絡が入り葬式のバーからただちに取材準備開始になるという慌ただしさからスタート。しばらくは新聞側の動きが中心だが、萩原健一の犯人が登場してからタッチが変わってくる。 犯人役の萩原健一が滅茶苦茶熱演しているのでつい映画での比重が重くなる。新聞、警察、犯人と三者均等にあがく予定だったのが計算以上の萩原健一の熱演ではなはだバランスを欠く結果になってしまったと言えないか。 それにしてもよく見るとこの犯人、ちょっとバカである。 金に困って誘拐事件を起こしたのだが、身代金の受け渡しなど深くは考えてはいない。 そのあたりがこの映画の過去の誘拐事件小説、映画と違ってミステリー的おもしろさに欠けるところだ。 古田は途中で財布を落としてしまい、車のガソリンが入れられなくなる。誘拐のことは知らない妻に1万円借りようとしたら「3000万円入る人がなんで1万円もってへんのや?」と責められる。仕方なく腕時計を方に中尾彬から1万円借りようとするが5000円しか貸してくれない。 なんとかガソリンは入れたものの、身代金受け渡しの電話で誘拐した子の親から「何時にどこにいけばいいんですか?」と聞かれ「時間わからへん!」と答えてしまう。 でも萩原健一の熱演で映画を見てる私は妙に納得させられてしまったが。 でもこの犯人側に肩入れして描くというのは「新幹線大爆破」が元ネタというか影響を受けているのかも知れない。 また警察側の描写として最後の身代金の受け渡しで犯人側から「警察をついてこさせるな」と要求し、岡本富士太、秋吉久美子の親が「二人で行かせてください。お金はとられたってかまわない」といい、伊東四朗の現場の警部はそれを許可する。二人で行かせたことを上司に報告すると最高指揮官の平幹二郎から「警察の第一目的は犯人を逮捕することだ!」と叱責される。 このあたりはこれ以上深く描かれないが、そうなんだよねえ。警察が犯罪事件に動くのは被害者を守ったりする為じゃない。法を犯した奴を許せないという観点からなんだ。 それが時として被害者と警察の感覚のずれを生じさせる。 それにしても丹波哲郎、萩原健一、三波伸介、伊東四朗、宅麻伸、大和田伸也、秋吉久美子、岡本富士太、なべおさみ、永井智雄、平幹二郎、藤谷美和子、橋爪功などなどのオールスターキャストでその点見ていて楽しかった。 やっぱりオールスターキャスト映画は見ていて楽しい。 最後にヘリコプター操縦士役で菅原文太がワンシーン出てきたときは笑ちゃったけど。 あと冒頭のバーのママの葬儀のシーンで丹波哲郎が「ダンシングオールナイト」を熱唱するシーンは丹波ファンとしては楽しかった。 (このページのトップへ) 永遠の僕たち日時 2012年1月8日16:50〜 場所 日比谷シネシャンテ2F 監督 ガス・ヴァン・サント (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) イーノック(ヘンリー・ホッパー)は見知らぬ他人の葬式に参列するのが趣味な少年。ある子供の葬式でアナベルとい同じ年くらいの少女と出会う。 アナベルは自分は病院の小児ガン病棟で働いているという。別の葬式で再び出会う彼ら。 葬儀社の人に見とがめられたイーノックを機転を利かせて助けてくれたアナベル。これがきっかけで二人は親しくなる。 イーノックは両親とシアトルに車で移動中に交通事故に合い両親は即死。自分はしばらくの昏睡状態のあと生き返った。そのために両親の葬儀にも出ず別れを告げられず、その事が心の傷となり結果学校も辞めていた。 今の話し相手は幽霊で旧日本軍の特攻隊だったヒロシだけた。 アナベルは自分が実は病院スタッフではなくガン患者で余命3ヶ月ばかりだとイーノックに告げる。 年末の新聞広告にこの映画が出ていて、「ガス・ヴァン・サントの映画に加瀬亮が出演してしかも日本の特攻隊の役」と知って俄然見たくなった。 ガス・ヴァン・サントはゲイらしく美少年を主人公にした映画が多いし、「エレファント」という好きな映画もあるし、なにより日本人が出た外国映画は基本見るし、その上特攻隊の役、となれば見ないわけにはいかない。 う〜ん、困った。 実は映画を見てる間まったく映画の世界に乗れなかった。 結局は私が苦手な「恋人が死ぬ映画」でしかなかった。 それにしても死に対してのトラウマを持つ少年の前に現れるのが「日本人特攻隊員」という発想には驚く。 恋愛映画に特攻隊員を登場させるという発想が日本人にはないので、(いや私が知らないだけであるのかも知れないが)しかもガス・ヴァン・サントでやられた日にはとにかく戸惑う。 しかし珍妙な日本人だったり、描写が明らかにおかしいといったこともなく、その辺は安心して見れた。 最後に彼女が死を迎え、葬式のシーンで希望する参列者が故人との思い出はなしをする時に(そういう習慣があるらしい)イーノックが立ち、思い出を語ろうとするのだがカットバックで彼女との出会いやファーストキスのカット、それを思い出すイーノックのカットが登場する。 普通ならここで号泣なのかも知れないが、「恋人が死ぬ映画」は苦手なので正直「陳腐だなあ」という感想しか出てこなかった。 90分で長くない映画なのだが、非常に長く感じられた。 (このページのトップへ) サラの鍵日時 2012年1月8日13:50〜 場所 銀座テアトルシネマ 監督 ジル・パケ=ブレネール (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 1942年7月パリ。ドイツ占領下のフランスではフランス警察によりユダヤ人の大量検挙いわゆるヴェルディヴ事件があった。 サラもユダヤ人で家族ごと警察によって検挙される。警官がやってきたとき、サラは思わず「すぐに帰るから」と弟をアパートの納屋に押し込み鍵をかけてしまう。 2009年、パリで暮らすアメリカ人ジャーナリストのジュリア(クリスティン・スコット・トーマス)はフランス人の夫が子供の頃に暮らしていたアパートに引っ越そうとしていた。 夫の両親がそのアパートに住始めたのが1942年8月。ジュリアは雑誌でヴェリディヴ事件を取り上げようとして調べているうちに1942年8月に住始めたことに気になる。この家の前の住人はユダヤ人だったのでは? ユダヤ人虐殺について資料館の人に聞いてみると確かにその家に住んでいた人も犠牲者になっているという。 しかし一家は4人だったはずだが死亡者リストには子供の名前がない。子供たちは生きている? ジュリアは調査を開始する。 去年の10月に「ベニスに死す」を同じテアトル銀座で見たときに予告編でやっていたのがこれ。 「大量検挙から逃れるために弟を納屋にかくまってしまう。しかしそれが逆に悪い結果になってしまう」というシチュエーションはあり得そうで怖い。 映画はこのあと1942年の子供のサラと2009年のジュリアのシーンが交互に進んでいく。 サラは他のユダヤ人とともに競技場に収容される。そこはトイレもなく、用を足すものは壁に向かってするという劣悪なところ。終いには自分たちの居場所の観覧席でもするようになる。 両親とも別れさせられ子供専用の収容所に入れられる。 やがて脱走、なんとか善意の農家の夫婦に助けられるが一緒に逃亡した女の子は病死。農家の夫婦に頼んでパリにつれていってもらうが弟は死んでいた。 このシーンでは弟の姿は写さない。無惨な姿の弟のカットも欲しかった気もするが、あったらあったでいやになったかも知れない。 実はジュリアの義父が子供の頃にこのサラが今は自分たちの家となったアパートにやってくる場面に立ち会っていて、弟の死体を見ていた。ジュリアに問われ答える義父。 ジュリアはその後のサラについて調査を始める。 農家の夫婦に育てられ、ジュリアの義父の父も月100フランを送金していた。 だがサラは家出をし、その後ニューヨークで結婚。ジュリアはニューヨークに向かい、サラを探すが見つかったのはサラの夫とその後結婚した女性。サラは自殺のような交通事故で40年以上前に亡くなっていた。サラの息子がイタリアに住んでいると知りイタリアに向かうが息子は「母はユダヤ人じゃない」とジュリアを拒否。 正直に言うと「弟はどうなったのか?」が僕の関心事だったので、弟の死が確認されてからの映画は退屈、というか「まだ続くの?」という思いが強かった。 エンディングでちゃっちゃっと説明するかと思ったらニューヨークに行ってイタリアに行ってと返って話は広がっていく。 それに息子が「母親がユダヤ人だった」と言われてそれを拒否するなど事情を知らない僕にはピンとこない。 当時のユダヤ人って戦前の日本における朝鮮人みたいな存在だっただろうか?もしそうなら何となく理解できる。 で映画の方は実はジュリアが高齢で妊娠して子供が欲しいというが夫は今更子供なんか欲しくないと中絶するようにいう。 映画の最後は2年後になっていて、ジュリアは夫とは別居して子供を産んでいる。しかも生んだ娘には「サラ」と名付けている。 サラの悲劇はわかるのだが、それに対して自分の子供にサラと名付けるのはちょっと行き過ぎな感じがして同感できなかった。 弟の死以後のさらの消息についてもちょっと長いし、総じていい映画だとは思うが、不満点も残った。 (このページのトップへ) 痴漢夜行列車日時 2012年1月7日15:30〜 場所 ザ・グリソムギャング 監督 山本晋也 製作 昭和52年(1977年) 東北からの夜行列車。 客席では寝ている女に痴漢している男がいて、横の座席では中年男が二人で自分たちの子供の話をしている。 男の一人は福島県で市会議員をしていて、息子は大学生(久保新二)、もう一人は農家で娘が丸の内でOLをしているという。 市会議員は東京へ着くとすぐに連れ込み旅館で女を呼ぶ。 農家の娘は実は今はマッサージをしながら売春をしていた。 電車で痴漢をされた女は久保新二の行きつけの喫茶店にきて自分は女優になるんだという。女優志望はその喫茶店に住み込みで働き出す。そして喫茶店のマダムと一緒に寝る。 農家の娘は市会議員と寝る。売春の元締めがいてそいつが市会議員の名刺をくすねる。 売春の元締めは偶然会った女優志望に「テレビに出してあげる」と声をかけホテルに連れ込む。 山本晋也の「痴漢電車シリーズ」の1本。 でも電車で痴漢のシーンは最初だけで話の本筋は痴漢じゃない。登場人物がみんな偶然の出会いでつながっていくといういい加減な話なのだが、基本コメディなので気にならない。 低予算のピンク映画はこういう笑いにいった方がこちらもばかばかしくて楽しめる。 久保新二という役者を改めて見るとかなりの男前というか美形だ。今で言うならジャニ系とも言えるかも知れない。 映画後のトークイベントでは「ピンクの世界に入った頃は年上の女優に可愛がられてイイコトした」と言ってたけど、それも納得の美少年だったろう。 久保さんはこの日に観客と映画を見て感想を聞かれて「面白くない映画だ。山本晋也監督も未亡人下宿シリーズと同時期で手が回らなかったのかな」と言われたが、正直私は面白かった。 久保さんにしてみると「もっと面白い映画が俺にはある」という意識が強いのかも知れない。 映画の方だが結局農家の娘の方は親にマッサージと称して売春をしていることがばれ、市会議員の息子も大学教授にオカマを掘られてオカマになる(ここが突然久保新二が掘られるシーンがあってちょっと唐突)。 農家の方は自分の財布と「こうこんなことから足を洗いなさい。その為の足しにしてください」という手紙を娘のアパートにおいて帰っていく。 そして市会議員と農家は帰りの夜行列車でも遭遇する。 「お宅のお嬢さんはご立派でしょうねえ」「いやいやお宅の息子さんこそ」とお互いの子供をなにも知らずに誉めあう。 しかし実際はそんな誉められるものではなく、お互いが恥ずかしい思いをしている。親の心子知らずというか「ピンク版東京物語」とも言える内容で、充分見応えを感じるエンディングだった。 (このページのトップへ) 情無用の罠日時 2012年1月7日10:30〜 場所 ラピュタ阿佐ヶ谷 監督 福田純 製作 昭和36年(1961年) (詳しくはムービーウォーカー・データベースで) 今はダンプ運転手をしている二宮(佐藤允)は、昔はやくざだったが今の会社の社長(平田昭彦)が拾ってくれたのだ。ある日刑事(中谷一郎)が訪ねてくる。 夕べ殺された女の所持品から二宮の指紋が出たという。 二宮のアリバイを聞いてみると橋本(水野久美)という女性と会っていたという。 殺された女の名前は橋本、着ていた服も二宮が夕べ会っていた女が着ていたものと同じだった。 だが実際に殺された女は二宮が会っていた女ではなかった。そうは言っても状況的に二宮は不利。二宮は夕べ会っていた女を捜し出し、自らの潔白を証明しようとするのだが。 ラピュタ阿佐ヶ谷のモーニングショーの女優シリーズ水野久美特集の1本。特にパスしても問題ない気がしたが、昨年から見ようと思っていたので見ることに。 何で見ようと思ったのだろう?福田純の東宝アクションで面白そうと思ったのだろうか?でも見逃しても人生に支障をきたす映画ではない。 物語は二宮は女を紹介してもらったチンピラの後輩(西條康彦)を訪ねる。二宮は女の連絡先を知らず、いつもむっこうからの連絡を待っていたのだ。で後輩から教えてもらったアパートは実際に殺された女の部屋だったという展開。ここで西條康彦の隣にいるあばずれな女が浜美枝。 いやいやまだデビュー直後で17歳ぐらいかな。端役とはいえあばずれ役とはすこし可哀想。 話の方はやがて謎の男が表れ始め、二宮を殺そうとする。これが田中邦衛が演じているのだが、後のコミカルな役を知っているからなんとも珍妙。 事件は実は殺された女はある会社の役人への貢ぎ物にされていたコールガールで、邪魔になったので結局殺された、という訳。 この会社の担当常務が中丸忠雄。30歳ぐらいの頃だと思うが、貫禄はもう充分。 でこの中丸忠雄から依頼を受けてコールガールを殺した実行犯が田中邦衛で、その仲立ちをしたのが(書いちゃうけど)平田昭彦! でも何となく見ている途中から平田昭彦が犯人なのが意外な展開だなと予想がつく。 結局水野久美と佐藤允はいい仲になりかけるのだが、田中邦衛に殺される。 最後は中谷一郎と佐藤允が平田昭彦と田中邦衛を追いつめる。その場にあった油の入ったドラム缶が倒れて周りが油だらけになり、その油の中で滑りながらもみくちゃになって男たちが格闘するシーンは何かの洋画のパクリのような気がする。 見たことがあるような気がするし、どうもドラム缶が倒れる設定が「設定のための設定」な、無理無理感が拭えたいのだな。 ありきたりな東宝アクションだけど見ていて飽きなかった。 そうそう二瓶正典が殺された橋本につけの取り立てにくる酒屋役で出演。(せりふ1つぐらい) (このページのトップへ) UFO 消えた412便日時 2012年1月3日 場所 DVD 監督 ジャド・テイラー 製作 1974年(昭和49年) (詳しくはImdbで) カリフォルニアの空軍基地から新型レーダーを搭載した412便が飛び立った。この新型レーダーと地上基地の両方で探知テストを開始。 その時、レーダーに3つの飛行物体が写った。UFOと思われるこの飛行物体に412便は追跡される。地上基地もこの3つの飛行物体をとらえ、戦闘機に緊急発進させる。 しかし3つの飛行物体は猛スピードでレーダーから離れ、戦闘機は行方不明となった。 レーダー機412便はその後、軍の上層部から直接指令を受け、基地がないはずの砂漠に誘導される。 基地のムーア大佐(グレン・フォード)は自分の部下の412便が行方不明になったと連絡を受ける。 近隣の基地に問い合わせても要領を得ない。 どうやら聞いたこともない部隊の指揮下に入ったらしい。 一体どうゆうことなのか? WHDジャパンが発売するBC級SF映画シリーズの1本。 15分に1回くらい大きくフェードアウトするし、73分という上映時間から言ってたぶん劇場公開された映画ではなくテレビムービーだろう。 結論から言って面白くない。 1969年にあった実際の事件をモデルにしたらしいが、単なる再現ビデオを見てるようなドラマのなさ。 それに第一UFOは画面に写らない。 こっちはUFOが飛行機を襲ったりする場面を期待したが、話のほうはそっちには行かない。 例の412便は使っていない、今の地図には載っていない空軍基地に誘導され、SIDと名乗る部署に人間に質問という名の軟禁を受ける。 そこで「君たちが見たのはUFOじゃない。単なるレーダー上の光点だ。そしてこのレーダーはテスト中で故障の可能性も高い」「いや地上基地も3つの飛行物体を捉えていた。あれは動き方からしてUFOだ」という不毛の尋問が何時間も続く。 一方ムーア大佐は地上基地が追跡したいたレーダー機の進行方向から砂漠に降りたと推論する。 昔の地図からその方向に今は閉鎖されている基地があるのを発見し、副官とともに車でその基地に向かう。 案の定、そこに部下はいて、ムーア大佐は連れ戻す。 で、上官に訴えたりするんだけど結局真相は闇の中。 ラストに上層部の意向に従ってUFO見間違いを納得したものは出世し、ムーア大佐のように疑ったものは左遷された、と説明されて終わる。 用は「米軍はこのようにしてUFO存在を隠している」という社会派(?)な作品なんだけど、話の展開がなさ過ぎで退屈。70分の作品だがえらく長く感じた。 第一こっちはUFOが登場するのを期待したからだまされた思いがした。 (このページのトップへ) |