大脱走


監督 ジョン・スタージェス
製作 1963年

(詳しくはキネ旬データベースで)

(「東京ファンタスティック映画祭」公式HPへ)


劇場で見るの(英語で見るのは)は今回の「東京ファンタスティック
映画祭」が初めてだと思う。
60年代生まれの人はかつて幾度となくテレビ放送された(特に年末)
本作品にはそれぞれの思い出があるのではないか?
(ちなみに三谷幸喜氏も思い出が深いとコラムで書いていた)
今回は久々の観賞だったが、驚く事にかなり細部にわたって憶えていた。
それだけ少年時代の心に焼きついた作品なのだろう。

内容もよく知られているし、その魅力も今さら僕が語るまでもなかろう。

今回観ていて気がついたことが一つあった。
この映画、「七人の侍」のテイストが入っていた!
両方の作品とも何回も見ていたにも関わらず、今回気がついた。
ばかだなあ、俺。

監督のスタージェス自身、「七人の侍」の西部劇版「荒野の七人」が
この映画の前に撮った作品。
だから「七人の侍」のテイストが入っていても何にも不自然ではない。

リーダー(志村喬=リチャード・アッテンボロー)がいて一匹狼な奴
(三船敏郎=スティーブ・マックィーン)がいる。ムードメーカー
(千秋実=ジェームズ・ガーナー)がいて、苦労人(土屋嘉男=
チャールズ・ブロンソン)がいる。

しかしそんなことは小さい事。

脱走計画を着々とユーモラスに語る前半、そして脱走した人々の
それぞれを並行して描くスリルとアクションあふれる後半。
その語り口の素晴らしい事!
特にスティーブ・マックィーンのバイクアクションは映画史上の名シーン。
今からするとバイクが一瞬ジャンプするだけなのだが、その前のドラマが
いいので、観客のその一瞬の沸騰したボルテージは今の映画では
なかなか味わえない。

何度見ても面白い。
そのシーンのほとんどを記憶している私にとっての名作中の名作。