映画日記

2004年4月

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 映画評では書ききれない、映画についての小ネタです。


4月17日(土)
「今関あきよし逮捕」
まずは新聞記事から↓
http://www.yomiuri.co.jp/hochi/geinou/apr/o20040416_30.htm

今関あきよしはまだ「ぴあフィルムフェスティバル」で注目され始めた頃から知っていた。
歳も近かったのでなんとなく同世代者としての関心はあった。
それがこんな事件だ。いつだったか、場所も忘れたが(まだ彼が二十代のメジャーに
なりかけた頃の話であることは確かだ)学生映画サークルの集会のような場所で
「今関あきよし監督は女の子が主人公の映画しか撮らないよ」と冗談交じりで
となりにいた奴が言っていたのを思いだした。

映画監督の作品の対象として少女を見ていただけでなく、今関あきよしって筋金入りの
ロリコンだったんだあというのが今回の事件の印象。
テレビのコメンテーターとしして活躍していた植草一秀も先日スカート覗きで逮捕された。

「悪い事とは知りつつ欲望が抑えきれなかった」というのが今関の弁。
私は先日「盲獣VS一寸法師の感想の中で「自分のうちから沸きあがってくる
どうしようもない(変態)性欲を満たすためには犯罪に走らざるを得なくなる」
と書いた。社会的な地位もあるはずの二人も性欲の衝動には負けてしまうらしい。

あきれたと同時に性欲というものの恐ろしさを実感した事件でもある。
今関監督には次回江戸川乱歩作品でも映画化してもらいたいものだ。
冗談ではなく、結構本気です。


4月10日(土)
「新東宝デジタルオールナイト」
テアトル新宿での新東宝作品のオールナイト上映。但しプリントを映写機で上映するのではなく
デジタル化したものをDLPプロジェクターによる上映。つまりDVD化したものを「ホームシアター
プロジェクターの立派な奴で上映」という事と解釈してよいのだろうか?
上映作品は「怪談海女幽霊」「蛇精の淫」「カックン超特急」「女王蜂の逆襲」
「恐怖のカービン銃」の5本。

怪談映画評論家の山田誠二なる方がオープニングに30分ぐらい解説をしてくれた。
それによると「新東宝は戦後の東宝争議で映画製作が止まったときに本当に映画を作りたい
メンバーが集まって作った新会社。配給網を持たなかったため、営業的に苦戦し、大蔵貢の
社長就任によって『観客の見たいもの=受けるもの』を低予算で作る方針に徹した。
しかしスタッフはもともと『映画を作りたい』という志のある方がそろっていたから低予算とはいえ
細かいところは意外としっかりしていたりする」ということであった。
「それに自前の撮影所も持っていたし、その撮影所だって東宝、日活、東映などの大手に
比べれば小さいが、今の日本映画の現状からすると立派だった」とも。

確かに脚本はお粗末なのが多いが、「蛇精の淫」などエログロの具合のバランスがよく、
この夜の中では一番面白かった。個々の感想はまたいずれアップします。
4月6日(火)
「ウルトラQ dark fantasy〜踊るガラポン」
本日より放送開始の「ウルトラQ」の新シリーズ。テレビ東京で深夜の1時からの放送という
それだけでも低予算を予感させる番組。
だが思ったより出来はよい。草刈正雄が万城目と一の谷博士をミックスさせたような
キャラクターだが、ちょっと笑わせようとしすぎるのが気になる。
だが第1話に前シリーズの「ガラダマ」の続編を持ってきたり、画のほうも東京タワーと
ガラポンの並んだ画など基本的なセンスはよい。
過度な期待をすると外されるが、エキストラの数もそこそこいるので、それほどお寒い
感じはしない。
まずは合格点をあげたいと思う。
4月3日(土)
「白い巨塔・特別編〜はじめての告知」(3月25日放送分)
「白い巨塔」の登場人物たちのその後をアウトラインにしての総集編。
「その後」のドラマ部分は柳原医師が癌が再発した患者にそれをどう告知するかを
悩む姿を中心に描く。
新しいドラマ部分の登場は柳原、里見、鵜飼、金井、又一ら。楽しみにしていた東、
佐枝子、関口弁護士は登場しなかった。
単なる総集編では物足りないと製作者が感じたらしく、柳原医師の成長物語を
くっつけた格好。
柳原は事実上の主役だから随分出世した。
ドラマとして大した内容をもつものではなかったが、伊藤英明の苦悩の表情が相変わらず
よかった。
今回の「白い巨塔」僕のお気に入りは石坂・東とこの伊藤・柳原だったから新しいドラマ
部分はそれなりに楽しめた。

それにしても今回の「白い巨塔」、平均視聴率は20パーセントを大きく超え、
大ヒットドラマだった。
最近はドラマも低視聴率が多く、ドラマ不毛の時代といわれ、インターネットやケータイの
せいでドラマを人々は見なくなったなどと分析されていた。
でもその分析は全部はずれだったのだ。
ドラマが低視聴率だったのはやっぱり単なるつまらないドラマが多すぎたのだ。
似たような話、似たような配役では飽きられるのは当然。
質のよいものを作ればまだまだヒットするということを証明してくれた。
これを機に良質のドラマが増える事を願ってやまない。

とに角、若者向けと称して馬鹿な番組が増えすぎたよ。
ところがそんなものを作っても一向にあたらない。
恋愛と笑いを散りばめれば若者は見てくれる、という考え方が安易すぎた。
馬鹿なのは若者ではなく、テレビ製作者だ。

もっとも民放は所詮「タダ」で見せてくれるものだ。
「タダ」なのだからロク物が出てこなくても仕方ないといえば仕方ない。